米国高配当ETF【VYM】の2022年6月分配金は0.8479ドル。前年同期から12.7%増(バンガード 米国高配当株式ETF)

バンガード社のバンガード 米国高配当株式ETF【VYM】が、2022年6月16日に分配金を発表しました。0.8479ドルです。1年前の同期は0.7523ドルでしたので、1年前の同期から12.7%増です。

利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2022年6月16日の終値は99.86ドル、過去1年の分配金額は3.1975ドルなので、利回りは3.20%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

 

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【VYM】の過去の分配金と増配率は?

【VYM】が設定されたのは2006年11月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

今回の【VYM】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、下の表の(1)「期別分配金」の今回と前年同期の比較です。今回が8479ドル、前年の同期が0.7523ドル。(2)「期別分配金の対前年同期増減率」12.7%増になります。

また、(3)「過去1年分配金」を1年前と比較するのも参考になります。今回が3.1975ドル、前年の同期が2.9236ドル。(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」9.4%増となります。

色をつけた箇所のデータをグラフにして解説していきます。「期別分配金」と「過去1年分配金」のデータを様々な角度から比較することで、【VYM】の分配金の傾向を探ります。

期別分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう

(1)「期別分配金」を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。こうしてみると、分かりやすいですね。2011年以降は毎年着実に増えています。

今回の2022年6月の分配金は、6月の中では過去最高額です。ちなみに前回の3月分配金も、3月の中では過去最高でした。

期別分配金を1つずつ並べて比べよう

(1)「期別分配金」を1つずつ棒グラフにして、株価と比較しました。分配金は期によってバラつきがあります。リーマン・ショック以降、2011年頃からは安定して上昇しています。2021年12月は0.9ドルを超えて、これまでの最高額でした。

年間分配金と株価の関係は?

(3)「過去1年分配金」を1年ごとにまとめて年間分配金とし、株価と比較しました。株価は最新年を除いて年末のものです。【VYM】の分配金が最初に支払われたのは2006年12月です。直近の2022年は3月と6月のみで、あと2回分配金があります。

株価と分配金の伸びは似ていますね。これが似ているというのは、利回りがほぼ同じで推移していることを意味しています。

過去1年分配金額を1つずつ並べて確認しよう

(3)「過去1年分配金」を期ごとに棒グラフにして、株価と比較しました。先ほどの期別分配金と比べると、マイルドになります。

高配当ETFの分配金は期ごとで一喜一憂するのではなく、過去1年分などを比較して、伸びているかどうかをチェックするのが重要です。2020年3月のコロナ・ショックは、株価にダメージを与えましたが、分配金への影響はあまりなかったです。

期別と過去1年分配金を、前年同期と比較しよう

(2)「期別分配金の対前年同期増減率」、(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」をグラフにしました。

ETFの場合、「期別分配金の対前年同期増減率」で増配や減配を決めることが多いですが、大きく減ることも比較的あるので、あまり気にする必要はありません。

それよりも「過去1年分配金の対前年同期増減率」の長期の傾向が重要です。紫色の部分です。【VYM】は2011年以降、この値がマイナスになることがほぼないですね。着実に増配を続けている優良ETFと言えます。

年間増配率は?

(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」の1年ごとのデータを見てみましょう。いわゆる年間増配率です。最初に分配金が支払われたのが2006年の12月からなので、2008年から見てみましょう。リーマン・ショックの影響で2009年と2010年はマイナスでした。2011年以降はプラスに転じ、その後も5%以上増配した年が目立ちます。

長期の増配率をチェック!

年間増配率だとざっくりしすぎていて、若干イメージしづらいかもしれません。そういう時は、複数年単位で増配率をチェックしましょう。下のグラフは過去3年と過去5年の増配率の推移です。

2017年以降は5~9%で推移しています。ただ、年々すこしずつ減少しているようにも見えます。今後は5~7%ぐらいで推移しそうです。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【VYM】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から利回りは算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。

2020年の年初は利回りが3.0%強で推移していましたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで株価が下がったため、3月23日には利回りが約4.5%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回り、増配もしているので2022年6月16日の利回りは3.20%です。

 

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現在の【VYM】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ3.1975ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【VYM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【VYM】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VYM】を買った場合、取得価格あたりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から10年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、取得価格あたりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向になるため、早い時期に買うとYOCが上がります。なので、【VYM】はなかなか好調と言えます。

2022年6月16日の終値は99.86ドル、過去1年の分配金額は3.1975ドルなので、現在の利回りは3.20%です。過去10年の平均利回りは約3.0%なので、現在は少しお買い得です。

利回りはあまり変動がなく、レンジは2.7~3.3%です。3.2%を超えたら買いと言えそうです。

過去10年で株価は上昇して増配率も高かったので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2012年7月に買っていたら、現在YOCは約6.5%になっていました。また、コロナ・ショック時の2020年3月に買っていた場合も、YOCは約4.5%になりました。

 

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基本情報を確認しよう

【VYM】は今後1年の予想分配金が市場平均を上回る銘柄を、時価総額加重平均で組み入れています。リートは対象外です。配当利回りの高い米国大型株が中心のETFです。

【VYM】と米国の高配当ETF【DVY】【SDY】【HDV】【SPYD】を比較します。赤い文字が他のETFと比べて素晴らしい、オレンジ色が優秀です。経費率は【VYM】【HDV】【SPYD】は0.1%を切っていますが、【DVY】【SDY】が0.3%台と少し高いです。

利回りは【SPYD】が最も高いです。運用総額は【VYM】が約6.1兆円と圧倒的で、組込銘柄数も400を超えており多いです。

 

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【VYM】のセクター比率は?

【VYM】のセクター比率を約1年前と比較します。大きな変化はありません。首位の金融セクターが比率が少し減り、ヘルスケアの比率が増えて2位になりました。最近軟調な情報技術セクターの割合はやや減っています。

 

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【VYM】とライバルETFのセクター比率は?

主なインカム系ETF、高配当【SPYD】【HDV】【DHS】、中配当【DVY】【VYM】【SDY】に組み込まれている銘柄のセクター比率を比べましょう。

【VYM】は金融が約20%と多く、金融、ヘルスケア、生活必需品の上位3セクターで約49%と半数を占めています。

【HDV】と【DVY】は上位2セクターの占める割合が大きく、ややセクターに偏りがあります。【VYM】は金融がやや多いですが、それ以外のセクターはバランスよく組み込まれています

セクター比率が似ているのは【HDV】と【DHS】、そして【SPYD】と【DVY】も似ています。

 

 

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【VYM】の上位組込銘柄はどんな会社か?

バンガード社のETFデータは月に1回更新されます。月末のものが翌月の15日頃に公開されます。なので、現在の最新データは2022年5月末です。

【VYM】の組込比率1%以上の銘柄です。上位組込銘柄のセクターはバラエティに富んでおり、なかなかバランスがいいですね。ヘルスケアがやや多いです。セクターの背景色をGICSによる分類で色分けしています。カラフルですね。

上位27銘柄中で連続増配年数が10年を超えていないのは、わずか6銘柄です。なので【VYM】は高配当ETFというより、中配当連続増配ETFという分類がいいかもしれません。

ベンチマークは、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスです。組込比率1%以上は29銘柄あり、全体の約47%を占めています。上位10銘柄では約23%、20銘柄では約37%です。それなりに分散が利いています。

組込順位や構成比は2022年4月末日、時価総額や配当利回りは5月16日のデータです。

 

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2020年4月以降の上位銘柄は?

2020年4月以降の組込比率1%以上の銘柄の推移です。毎年3月に銘柄入れ替えを行うので、太い線を引いておきます。

2カ月前との比較ではエクソン・モービル【XOM】、シェブロン【CVX】のエネルギー・セクター株が比率と順位を大きく上げています。情報技術セクター株は、全体的に比率が下がっており、不調なのがはっきりと見て取れます。

 

 

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【VYM】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VYM】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか?  インカム系ETFを、高配当【SPYD】【HDV】【DHS】、中配当【DVY】【VYM】【SDY】、低配当【VTV】【DGRW】【VIG】の3つにやや強引に分類し、市場全体インデックス【DIA】【VOO】【VTI】も加えた12ETFへの組込比率(%)をまとめました。

背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。

【VYM】とウェイトの重複が最も多いのはバリューETF【VTV】で68%、【VIG】が48%で続き、【HDV】【DHS】【DGRW】【VOO】が約40%です。重複率から考えると、【VYM】は純粋な高配当ETFというよりは、ややインデックス寄りと言えます。

全体的に見ると【VYM】の中には、他のETF構成銘柄が高い確率で組み込まれており、【VYM】を保有すれば、高配当ETFはほぼ網羅できそうです。

銘柄から見ると、全12ETFのうち、コカ・コーラ【KO】は11ETFに入っています。シェブロン【CVX】、メルク【MRK】は10ETFに含まれています。9ETFに入っているのは【JNJ】【XOM】【PG】【VZ】【CSCO】。

※組込比率は、バンガード社のETFは2022年5月末、その他のETFは6月7~14日頃データをもとにしています。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は6月15日の利回り(%)です。

一番下のETF同士の比率は「etfrc.com」のデータです。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

【VYM】とライバルの高配当系ETF【HDV】【DVY】【SDY】でトータルリターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、10年間を比べます。

2012年6月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2022年5月には【SDY】が3万3700ドル、【DVY】が3万3400ドル、【VYM】が3万2900ドル、【HDV】が2万7300ドルになっていました。【VYM】は【DVY】【SDY】とほぼ同じですね。

最近のリターンは?

今度は、年初来リターンを見てみましょう。2022年1月1日から6月13日のETF replayのデータです。【VYM】はマイナス7.6%で、【SDY】と同じくらいです。S&P500ETF【VOO】はマイナス20.8%と散々です。ちなみに、ここにはありませんが【SPYD】はマイナス1.7%です。エネルギーや公益事業が多く、情報技術が少ないETFが好成績ですね。

【VYM】は高配当ETFの中ではエネルギーが少なめなので、年初来リターンが今ひとつと言えます。

過去の分配金はどのくらいか?

2012年6月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

10年間の分配金の合計は【SDY】が7000ドル、【DVY】が6400ドル、【HDV】と【VYM】が6100ドルでした。

【SDY】が頭一つ抜けていますが、2013~17年などにキャピタルゲイン分配金があったためです。それを除くと、他のETFと同じくらいです。利回りから考えると、【VYM】は悪くないですね。

主要ETFとのトータルリターン比較

インカムETF9種類と、市場全体インデックス3種類、計12ETFの過去1、3、5、10年のトータルリターンを比較しました。現在の利回りは★です。

2022年に入って利回りの高いETFの成績がいいため、過去1年では「高配当」の成績が良く、ハイテク&グロース系を多く含む「インデックス」の成績がマイナスです。

過去5年や10年のリターンは、以前はインデックスが高配当系を圧倒的に上回っていましたが、だいぶ差が縮まってきています。

【VYM】のいずれの期間でも安定して高リターンを記録していると言えます。長期のリターンは【SDY】【DVY】とほぼ同じです。過去1年のリターンもまずまずです。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。

最近ハイテクが軟調なため、これらを多く含む【VOO】【VTI】のシャープレシオやソルティノレシオの値が下がってきています。

【VYM】はいずれの数値も高水準です。中配当や高配当の中では最も安定しています。【VIG】より少し劣りますが、【VTI】とほぼ同じです。

 

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主要ETFと増配率を比較する

過去の増配率を比較しました。最新2022年6月を基準としたデータです。【DHS】【DGRW】【VTV】【VOO】【VTI】は6月の分配金がまだなので、3月や5月の分配金データをもとにしています。【SPYD】【DHS】【DGRW】は過去10年増配率はありません。利回りは6月16日の終値から計算しました。

【VYM】の過去3年増配率は6.0%、過去5年増配率は6.8%、過去7年増配率は6.5%、過去10年増配率は8.8%です。【VYM】は過去10年増配率が素晴らしく、それ以外の期間の増配率も高いレベルで安定しています。

 

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主要ETFの今後のYOC予想は?

現在の過去1年分配金額と3、5、7、10年前の同時期の過去1年分配金額を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。先ほどの増配率同様に、最新6月の分配金が基準のETFと3月や5月の分配金が基準のETFが混在しています。

YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。2022年6月14日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

分配金を再投資しない、税金を考慮しないで検証します。

10年後のYOCはどうなっているか?

高配当・インデックスの主要12ETFを、過去3年、5年、7年、10年の増配率から、10年後のYOCを予測します。【SDY】が好調です。ただし、【SDY】は2013~17年のキャピタルゲイン分配金を考えずに計算しましたので、過去5年や7年の成績は良く出すぎているという考え方もできます。

【VYM】はどの期間でも安定しています。このままの増配率が続くなら、10年後はYOC6%ぐらいになりそうです。

20年後のYOCはどうなっているか?

続いて、20年後のYOCを予測します。今度は【DGRW】や【VIG】がなかなか好調です。利回りは低いですが、増配率が高いので、長期保有でYOCが上がることになります。

このままの増配率が維持されれば、【VYM】の20年後YOCは10%を超えそうです。

 

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まとめ

【VYM】の2022年6月の分配金は1年前と比較すると、約12.7%増と好調でした。

金融が少し多いですが、それ以外のセクターがバランスよく組み込まれています。

【VYM】の構成銘柄には、他の高配当ETF銘柄がだいたい組み込まれているので、高配当ETFはこれ一本でもいいかもしれません。

高配当ETFの中では安定した増配、値上がり益も狙えるため、10年後ぐらいにリタイアを考えている人にとっては、なかなかオススメのETFと言えそうです。

今年に入ってインフレ懸念と金利上昇の影響で、米国市場が冷え込んでいるため、株価は軒並み下がっています。【VYM】の利回りも3%を超えており、買い時かもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

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