バンガード社のバンガード 米国高配当株式ETF【VYM】が、2024年9月19日に分配金を発表しました。0.8511ドルです。1年前の同期は0.7846ドルでしたので、1年前の同期から8.5%増です。
分配金利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2024年9月18日の終値は126.72ドル、過去1年の分配金額は3.6298ドルなので、分配金利回りは2.86%になります。
※このページでの分配金利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。
序盤は【VYM】の基本情報やコンセプトについて紹介
前半は、分配金データや株価、増配率などをグラフで説明
中盤は、【VYM】の組み入れ銘柄やセクター比率など
後半は、【VYM】の将来YOCを予想する
【VYM】の基本情報
まずはVYMの基本情報です。正式名称は「バンガード 米国高配当株式ETF」。ティッカー・コードは「VYM」です。
ベンチマークは「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」。米国の上場企業の中から、平均以上の配当利回りの大型株で構成されています。
設定されたのは2006年11月。約18年弱が経過しており、かなりの古株です。
経費率は0.06%。ライバルの米国高配当ETF【HDV】【SPYD】とほぼ同じです。
2024年9月18日の分配金利回りは2.86%。高配当ETFの中では平均よりも少し低いです。
分配金は3、6、9、12月の年4回。
最新の分配金は0.8511ドル。対前年同期8.5%増でした。今回の権利落ち日は9月20日。1営業日前に保有していれば分配金が貰えます。分配金の支払いは9月24日です。権利落ち日からあっと言う間です。
9月18日の終値は126.72ドル、1株から購入可能なので1万8000円ほど必要です。
ベンチマークの「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」とは?
【VYM】のコンセプトについて、見ていきましょう。このETFは「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」との連動を目指します。
まずは、FTSE US All Cap インデックス(Large Cap、Mid Cap、Small Cap)の構成銘柄が対象となります。
以下の条件でスクリーニングします。
(2)現在配当を支払っていない銘柄、今後12カ月間に配当を支払うと予測されない銘柄をすべて除外
(3) 独自のスクリーニングを適用
(4)1年分の配当利回りを予測し、大型株で、平均以上の配当利回りが予想される銘柄に重点を置く
この条件すべてに当てはまった銘柄が選ばれ、ウェイト付け、いわゆる組入方式は時価総額加重平均型です。時価総額の大きさに応じて、比率を割り当てます。規模の大きな銘柄ほど上位に入ります。
銘柄の入れ替えは年1回、3月です。
配当金をゼロにした企業は、四半期ごとに削除されます。
まとめると【VYM】は米国の大型株が対象で、平均以上の配当利回りが予想される銘柄で構成されています。
【VYM】の過去の分配金と増配率は?
まずは【VYM】の2020年以降の分配金です。左から4列目が分配金です。年4回支払われます。一番上が今回で0.8511ドルでした。
右から4列目の「分配金の対前年同期増減率」に注目してください。今回は8.5%増です。対前年同期はプラスのケースがほとんどです。堅実に増配しているという意味です。
分配金の推移は?
【VYM】の分配金を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。リーマンショックの影響で2010年が底です。2011年からはずっと右肩上がりです。
1年単位で見ると、13年連続増配とも言えます。2024年は分配金が3回決まりましたが、前年よりは多いペースです。
年間分配金と取引所価格の関係は?
年間分配金と取引所価格の比較です。取引所価格と年間分配金は似たような伸びです。増配した分だけ、取引所価格も上昇しています。
これは、分配金利回りがどのタイミングでも同じくらいという意味でもあります。だいたい3%前後です。
このグラフを見ると、【VYM】は着実に取引所価格と分配金が伸びており、安定感があるETFというのがわかりますね。
分配金と取引所価格の関係は?
分配金を1つずつ棒グラフにして、取引所価格と比較しました。分配金は期によって結構差があり、増えたり減ったりします。
分配金、鶏引く所価格ともに、リーマン・ショック以降、2011年頃から上昇しています。
過去1年分配金の傾向は?
「過去1年分配金」を棒グラフにして、取引所価格と比較しました。過去1年単位でまとめると、分配金は滑らかに伸びています。
2020年3月のコロナ・ショックは、株価にダメージを与えましたが、分配金への影響はあまりなかったです。
年間増配率は?
ここからは増配率について見ていきましょう。まずは【VYM】の年間増配率です。
2009年と2010年はマイナスです。これはリーマンショックによるものです。2011年以降はプラスに転じ、13年連続でプラスです。13回のうち11回が5%以上増配しています。
長期の増配率をチェック!
複数年単位で増配率をチェックしましょう。3年増配率と5年増配率の推移です。
2017年以降はほぼ5~9%で推移しています。ただ、年々少しずつ減少しているようにも見えます。今後は4~7%ぐらいになるかもしれないですね。
増配率はどのように変化したか?
直近11回の分配金決定後の増配率を比較しました。ETFの場合、分配金額は期によってバラバラです。そのため、増配率も分配金が決定するたびに、多少は変化します。ただし【VYM】は分配金が安定しており、増配率の変化はあまりないですね。
一番右が現在の増配率です。1年増配率は8.3%、3年増配率は7.0%、5年増配率は5.3%、7年増配率は5.9%、10年増配率は6.8%です。
1年増配率が高く、5年増配率がやや低いですが、平均すると6%台ぐらいと安定しています。
過去の増配率を見ても、6%前後ですね。ここまで増配率が安定している高配当ETFは珍しいです。
前回と今回の増配率の比較
こちらは前回6月の増配率と今回9月の増配率の比較。
1年増配率が結構上がり、3年増配率も上がりました。5年と7年増配率は下がりました。10年増配率はほぼ変わらずです。全体的に、増配率はあまり変化なしですね
2020年以降の分配金利回りは?
2020年以降の【VYM】の株価と分配金利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から利回りは算出しました。青線が取引所価格(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。
2020年の年初の分配金利回りは3.0%ぐらいでしたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで取引所価格が下がったため、3月終盤には分配金利回りが約4.5%まで上昇しました。
現在の取引所価格はコロナ・ショック前をかなり上回っていますが、価格と同じぐらい増配をしているので2024年9月18日の分配金利回りは2.86%で、コロナ・ショック前よりわずかに低いです。
現在の【VYM】の分配金利回りと取引所価格の関係は?
このグラフは年間分配金額が現在と同じ場合の、分配金利回りと取引所価格の相関図です。分配金利回り0.1%ごとに株価を出しました。今後【VYM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
分配金利回り2.5%は取引所価格145.2ドル、分配金利回り3.0%は取引所価格121.0ドル、分配金利回り3.5%は取引所価格103.7ドル、分配金利回り4.0%は取引所価格90.7ドルです。
【VYM】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【VYM】を買った場合、取得価額に対する利回り(YOC/Yield On Cost)はどのくらいでしょうか?
現在から10年前までの取引所価格、分配金利回り、YOCを見ていきましょう。取引所価格は月末のもので月1回です。
2024年9月18日の終値は126.72ドル、過去1年の分配金額は3.6298ドルなので、現在の分配金利回りは2.86%です。
過去10年の平均利回りは約3.04%なので、現在は平均とほぼ同じです。分配金利回りはあまり変動がなく、2.7~3.3%の間が多いです。3.3%を超えたら買いと言えそうです。
グラフの黄色の線が、過去に買った場合の、取得価額に対する利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、価格が好調で増配傾向にあるといえます。なので【VYM】は長期で見ると、なかなか好調です。
過去10年で取引所価格は上昇して増配率もまずまずだったので、早い時期に買うとYOCは上がります。10年前の2014年9月に買っていたら、現在YOCは約5.5%です。また、5年前の2019年9月に買っていた場合は、現在YOCは約4.1%です。
増配傾向のETFは、取引所価格と分配金が同じように上昇するので、早い時期に購入すると、購入価格に対する利回り(YOC)がどんどん上がっていきます。
【VYM】の上位組込銘柄はどんな会社か?
それでは【VYM】の中身について見ていきましょう。組入上位20銘柄の8月末のデータです。
ベンチマークは、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスです。上位10銘柄で全体の約25%を占め、20銘柄では約37%です。なかなか分散されています。
VYMは時価総額加重平均のため、規模の大きな順に組み入れられています。背景がオレンジ色の部分です。規模が大きいほど色が濃いです。
上位組入銘柄のセクターはバラエティに富んでおり、なかなかバランスがいいですね。ヘルスケアと生活必需品がやや多いです。セクターの背景色をGICSによる分類で色分けしています。カラフルですね。
上位20銘柄のほとんどが連続増配年数が10年を超えています。超えていないのは、わずか1銘柄です。なので【VYM】は高配当ETFですが、結果的に連続増配系ETFという側面もあります。
【VYM】の特徴は、世界で活躍する有名企業が上位を占めていることですね。ヘルスケアや生活必需品などのディフェンシブ銘柄は配当利回りはそれほど高くありませんが、長年にわたって増配を続けているので安心できます。
【VYM】のセクター比率は?
【VYM】組入銘柄のセクター比率はどうでしょうか。GICSによる分類です。
トップが金融で約22%、生活必需品13%、ヘルスケアと資本財が12%。この4つのセクターで約59%です。以下、情報技術、エネルギー、一般消費財と続きます。
金融がやや多めですが、セクターのバランスはなかなか良いですね。
VYMの将来YOCはどうなるか
いま【VYM】を購入したら、将来、取得価額に対する利回り(YOC/Yield On Cost)がどのくらいになるのかをシミュレーションします。現在の利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。
増配率は3、5、7、10年の4パターンを使います。増配率は3年が6.95%、5年が5.32%、7年が5.93%、10年が6.81%です。2024年9月18日現在の分配金利回りは2.86%です。
「分配金は再投資しない。税引き前」という設定です。
もっとも成績が良かったのは3年増配率(6.95%)を使用したYOC予想です。10年目のYOCは5.2%、20年目のYOCは10.3%です。
もっとも成績が悪かったのは5年増配率(5.32%)を使用したYOC予想です。10年目のYOCは4.6%、20年目のYOCは7.7%です。
【VYM】はどの期間も増配率は6%前後なので、将来YOC予想は似たような結果になりました。増配率からも安定感が伺えます。
VYMとライバルETFのリターン比較
それでは【VYM】のリターンを見てみましょう。分配金を再投資したプライスリターンです。2024年8月末のデータです。
ライバルの高配当ETF【HDV】【SPYD】【SCHD】に加え、S&P500ETFの【VOO】も比較します。
【VYM】の10年のトータルリターンは9.9%となかなか素晴らしいです。【HDV】の8.4%を上回っています。ただ、【VOO】の12.9%や【SCHD】の11.6%と比べるとやや劣ります。
5年リターンは【VYM】は11.6%で、【HDV】や【SPYD】は9%台なので、結構差をつけました。ただこちらも【VOO】や【SCHD】と比較するとやや劣ります。
3年リターンは【VYM】は9.1%。【HDV】の10.8%には劣りますが、【VOO】の9.3%とほぼ同じです。
【VYM】はいずれの期間のリータンも高いレベルで安定しています。
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まとめ
✅【VYM】の2024年9月の分配金は0.8511ドル。対前年同期8.5%増
✅【VYM】のコンセプトは米国の平均以上の配当利回りの大型株が中心
✅上位10銘柄の比率が25%、20銘柄で37%なので、分散されている
✅セクターは金融が首位。セクターのバランスは良い
✅過去の分配金利回りは3%ぐらいで安定
✅10年前に購入していたらYOCは5.5%。着実に増配している
✅10年増配率は6.8%と高く、他の期間も6%前後で安定感バツグン
✅トータルリターンは5年が11.6%、10年で9.9%となかなか高い
✅VYMは様々なデータから安定感が伺え、高配当ETFの中で最も信頼できる