2024年から始まった新NISAの成長投資枠でどの銘柄を買うかについてまとめました。
長期で増配傾向のある米国と日本のETFです。この7つですね。米国が対象は【VYM】【DVY】【SDY】、そして【DGRO】の東証版である【2014】。日本が対象は【1489】【1698】【2529】です。いずれも増配と高配当を組み合わせたようなETFです。
グラフで使用するカラーは以下の8つで統一します。【VYM】が紅色、【DVY】がオレンジ色、【SDY】が紺色、【2014】が黒色、【1489】が緑色、【1698】が水色、【2529】がピンク色です。ある程度コーポレートカラーを意識しました。
さまざまな視点から、新NISA戦略について語ります。銘柄選びの基準、ライバルETFとの比較、選ばれたETF同士のデータ比較などを行います。
序盤は7つETFの基本データを比較
前半は、7つETFのコンセプトや分配金情報など基本データを1つずつ紹介
中盤は、業種、上位銘柄、セクターなどなどをグラフで比較
後半は、増配率、分配金利回り、トータルリターンなどを比較
終盤に、増配率を使った将来YOC予想は?
最後に、新NISA成長投資枠の年度別購入予定
新NISAの戦略について
NISAとは非課税制度のことです。2024年からはじまった新NISAは1年間で360万円。5年間で1800万円投資可能です。5年で1800万円埋まらなくても、生涯投資枠として1800万円分あります。
その中の成長投資枠は1年で240万円、合計1200万投資可能です。高配当ETFなどは「成長投資枠」で購入可能です。
今回は成長投資枠の1200万円について考えます。
新NISA成長投資枠でOKな商品とは?
成長投資枠で投資してもOKな商品と、NGの商品について分けてみました。
NISAは税金がかかりませんが、存在していないと同じ意味でもあります。つまり、購入した銘柄がマイナスになった場合、損益通算ができません。そのため、堅実な実績のあるETFがおすすめです。
条件としては、株価やトータルリターンが長期でプラス、分配金が長期で増配傾向、設定からある程度の年数が経過している、運用総額が大きい、経費率が低い、そして指数連動型がおすすめです。
右側はNISAに向いていない商品です。成績が悪く、設定されたばかりの商品、経費率が高いなどです。とくに設定されたばかりのアクティブ・ファンドはやめたほうがいいです。最低3年以上の実績があるなら買ってもいいかもしれませんね。
それと分配金利回りが高すぎるETFも危険です。分配金利回りが高すぎると、株価上昇やトータルリターンが今ひとつのことが多いからです。株価上昇を犠牲にして、分配金を増やすようなイメージですね。
購入してOKとNGの境目は、分配金利回り4%ぐらいですね。
できれば分配金利回り3%前後で、増配率の高いETFが無難でオススメかなと思います。たかにんが選んだ7つのETFの分配金利回りは、2.5~4.0%に収まっています。
新NISA・成長投資枠・購入予定銘柄一覧
こちらがたかにんが新NISA成長投資枠で購入しようと考えている7つのETFの一覧です。
表内の赤い文字はもっとも優れており、オレンジ色は次点です。【2014】はまだ上場していないので、背景がオレンジ色は【2014】の元となる【DGRO】のデータです。
上から6行目に注目してください。ETFのコンセプトです。高配当がコンセプトなのが【VYM】【1489】【1698】ですが、結果的に分配金は増配傾向です。【DVY】は高配当と増配の両方がコンセプト。【2529】は株主還元がコンセプトですが、結果増配になります。【SDY】と【2014】は増配がメイン。つまり、すべてのETFが増配傾向というわけですね。
上から7行目がETFの概要ですね。配当利回りの高い銘柄を、時価総額加重など規模の大きな順に選ぶと、ETFの分配金は増配傾向になります。【VYM】【1489】【1698】はそんなイメージです。
【SDY】【2014】【2529】は配当よりも増配の比重が大きいイメージです。【DVY】は中間ですかね。
上から8行目の組み入れ方式も重要です。【VYM】【1698】【2529】は時価総額加重平均です。時価総額加重平均の場合、分配金が着実に増えていく場合が多いですね。
【DVY】と【SDY】は利回り加重。配当利回りの高い銘柄の比率が高くなります。厳しい条件でスクリーニングをすることで、精鋭銘柄を選びます。そのため、分配金の利回りの高い順に組入れても不安定さは少ないというわけです。
【2014】と【1489】はほぼ配当加重。配当利回りと規模の両方が大きい銘柄が上位に入ります。高配当ETFの定番です。株価上昇と高い分配金利回りの両方を狙うイメージです。
ポイントは、均等加重がないことですね。高配当ETFで均等加重というのは【SPYD】など、いくつかありますが、分配金にブレが出る傾向があり、あまりNISA向きではないですね。
純資産総額と分配金利回りは?
それでは経費率をグラフ化して確認します。
【VYM】と【2014】は0.1%前後なので、かなり低いです。残りは0.3%強。わずかに高いかもしれませんが、高配当ETFなので仕方ないとも言えます。
経費率が極限まで低くないとダメという人は、市場全体インデックスの【VOO】などがおすすめです。
VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
ここからは7つのETFの特徴と、なぜ新NISA成長投資枠に選んだか説明します。
まずは【VYM】。米国の上場企業から、平均以上の配当利回り銘柄を集めて、時価総額加重平均で組み入れたETFです。
米国上場の高配当ETFの中で最も規模が大きいETFというのが、新NISA成長投資枠に選んだ理由のひとつです。約7.3兆円ほどあります。規模が大きいというのは、ETFが売れていると同時に、株価上昇の実績もあるという意味もあります。
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分配金はグラフを見ても一目瞭然ですね。順調に増えています。
【VYM】のコンセプトは、大型株で配当利回りが平均以上と結構単純です。安定して増配している理由はなぜでしょうか?
上位20銘柄を確認
こちらは【VYM】上位20銘柄。右端が連続増配年数。赤い線を引いた銘柄に注目です。30年以上連続して増配している世界的企業です。エクソン・モービル【XOM】、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、プロクター・アンド・ギャンブル【PG】、シェブロン【CVX】、ペプシコ【PEP】、コカ・コーラ【KO】、ウォルマート【WMT】、マクドナルド【MCD】などです。
これら伝統のある世界的企業が上位にいるのが、【VYM】が安定して増配している理由と言えそうです。
DVY(iシェアーズ 好配当株式 ETF)
次は【DVY】。財務が健全で、配当の支払い実績と余力があり、利回りが高く、中規模以上の企業が対象です。
設定されたのが2003年なので、かなり古株です。このETFは旧NISAで保有しているので、新NISAにスライドさせるという意味合いもあります。
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運用総額は2.7兆円ほどと結構大きいです。分配金は、グラフを見ての通り着実に増配しています。
高配当ETFの中では増配率が際立っている【DVY】
【DVY】は高配当ETFの中でも増配率が高いです。増配率は【VYM】【HDV】【SPYD】と比較しても、いずれの期間も優秀です。
次に紹介する【SDY】も5年や10年の増配率はなかなか高いです。
そして【DVY】の分配金利回りは3.8%ほどあり、【VYM】の3.1%と比べても高いです。
【DVY】は経費率が少し高く、利回り加重のために上位銘柄がややマイナーなものがあるので、日本の個人投資家にはやや不人気ですが、データは悪くないです。
SDY(SPDR S&P 米国高配当株式 ETF)
つぎは【SDY】。20年以上連続増配銘柄が対象。このETFも旧NISAで保有しています。【DVY】よりも新NISAにスライドさせるという意味合いが強いですね。
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高配当ETFの運用総額と設定年
主な高配当ETFの運用総額と設定年です。横軸が設定年です。左の方が古株です。【SDY】は高配当ETFの中でも設定された年が古いです。2005年です。1つ前の【DVY】も2003年と古いです。
運用総額は縦軸です。【VYM】が約7.2兆円と突出しています。【SDY】は3.0兆円、【DVY】は2.7兆円ほどです。【HDV】や【SPYD】よりも規模は大きいです。
つまりステートストリート社の【SDY】は同社の【SPYD】より古くからあり、規模も大きいです。ブラックロック社の【DVY】は同社の【HDV】よりも古くからあり、規模も大きいということになります。
高配当ライバルETF比較
ステートストリート社とブラックロック社のライバルETFの比較です。
【HDV】と【SPYD】は経費率が低いため、個人投資家には人気ですが、同社の古株である【DVY】や【SDY】と比較すると、トータルリターンや増配率など劣後する項目が結構あります。
2014【東証版DGRO】(iシェアーズ 米国連続増配株ETF)
次は【2014】です。【DGRO】の東証版です。2024年1月18日に上場しました。
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5年以上継続して増配、配当性向75%未満、配当利回り上位10%は除外などの条件でスクリーニングします。増配ETFですね。このETFの素晴らしいところは、増配率が高く、分配金利回りもそれなりに高いところです。
ライバル増配ETFと比較する
2023年11月終了時のデータです。米国増配ETFとの過去8年の比較です。縦軸が増配率、横軸が分配金利回り、円の近くの数値がトータルリターンです。
黒い丸が【DGRO】です。増配ETFの代表格【VIG】や【DGRW】と比べて、増配率と分配金利回りで上回っており、トータルリターンもほぼ互角です。
かなり素晴らしく、申し分ないですね。米国上場の【DGRO】は今まで買えませんでしたが、東証版で購入可能となったのはうれしいです。
自分の中では今年最高のヒット商品ですね。新年になったばかりですが。
【2014】東証版DGROが購入可能に。その魅力をあらゆるデータから徹底分析。VIG、VYM、DGRWらと比較
1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)
【1489】は日本の高配当ETFの中で最も大きいETFです。約1700億円ほどの規模です。
日経平均225社の中から、基本的に配当利回り上位50銘柄が対象です。予想配当利回りや流動性などの高い銘柄が上位になるので、配当利回りの高い大型株が中心です。
現在の株価は60,000円ほどですが、2024年1月18日に1対30の株式分割を行い、2000円ほどから購入可能となりました。
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分配金は、2018~2021年にかけては横ばいでしたが、2022年はかなり増え、前年から52%増。2023年の分配金は、前年とほぼ同じでした。
日本を代表する大型株かつ高配当銘柄が上位にいるので、安定感があります。米国で例えるなら【VYM】の分配金利回りを1%ほど上げた感じでしょうか。
分割後の分配金データ
【1489】は2024年1月18日に1対30の株式分割を行いました。これまでの分配金も1/30に変更しました。
1698(上場インデックスファンド 日本高配当(東証配当フォーカス100))
【1698】は「上場インデックスファンド 日本高配当(東証配当フォーカス100)」です。
設定が2010年と、日本株高配当ETFの中では最古参の部類です。
TOPIX1000と東証REIT指数の構成銘柄から、時価総額と予想配当利回りに注目した「東証配当フォーカス指数」に連動したETFです。株式90銘柄、REIT10銘柄です。
規模の大きな銘柄から配当利回りの高いものを抽出し、時価総額の大きな順に選ぶイメージです。
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一番のポイントは、ポートフォリオを2つに分けることですね。3月決算9月決算グループと、6月決算12月決算グループです。そのため、年4回の分配金のブレが少ないのが特徴です。
日本株高配当ETFは分配金が年4回でも、3月と9月の翌月である4月と10月の分配金が多く、実質年2回分配金のようなETFが多いので、貴重です。
ライバルETFと比較する
ライバルは【1577】です。どちらも日本株高配当ETFで長期実績のあります。過去10年の増配率、分配金利回り、トータルリターンは結構同じです。
ライバルETFの分配金傾向は?
ただ、前述したように、【1577】は分配金が4月と10月が多く、1月と7月が少ないのが気になります。また、【1577】は均等加重なのでやや不安定です。
それと、【1577】は野村アセットマネジメントの商品なので、ここで【1577】を選ぶと野村アセットマネジメントのETFが3つになってしまうので、【1698】を選んだいう意味もあります。
【1698】(上場インデックスファンド 日本高配当(東証配当フォーカス100))を個別に分析したページはこちら
2529(NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信)
最後は野村アセット・マネジメントの【2529】です。
規模の大きな約500銘柄から、過去3年間の実績配当や自社株買い、増資などに基づいた「ネット総還元利回り」の高い70銘柄を抽出します。「金融・保険業」は対象外です。珍しいコンセプトですね。
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コンセプトは株主還元ですが、実質的に増配ETFですね。歴史は浅いですが、増配率はかなり高いです。3年で21.6%もあります。
高配当ETFの増配率を比較する
日本高配当ETFの3、5、9年の増配率比較です。【2529】は3年しかありませんが、21.6%は光っていますね。【1489】と互角です。ちなみに、3年増配率の3番手は【1698】で16.4%。
今回選んだ日本株高配当ETFの3つは3年増配率が高いという共通点がありますね。
気になる点は?
少し気になったのは【2529】と【1698】の運用総額ですね。【1698】が320億円ほど、【2529】が250億円ほどです。他の高配当ETFと比べると少し物足りないですね。それに比べて【1489】は1700億円と圧倒的です。
【2529】(NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信)を個別に分析したページはこちら
上位銘柄を比較
ここからは、新NISAの成長投資枠で購入予定のETFを比較していきます。
まずは組入上位10銘柄を比較します。【2014】はデータがないので【DGRO】で代用します。
上段が米国株、下段が日本株ETFです。
【VYM】と【DGRO】は有名大型株が多いですね。ほとんど同じです。大きな違いはマイクロソフトとアップルというハイテク二台巨頭が【DGRO】には入っており、VYMには入っていないことですね。【VYM】は配当利回りが平均以上の銘柄が対象なので、この2銘柄は配当利回りが低く、【VYM】には入りません。
【SDY】と【DVY】は配当利回りの高い順なので、少しマイナーな銘柄も入ってます。
下段の日本株ETFは、上位銘柄は有名どころが多いですね。【2529】は増配に重きを置いているので、ややマイナー銘柄が多めです。
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保有銘柄の規模を比較する
保有銘柄の規模の比較です。赤いGiantが超大型株、青のLargeが大型株、緑色のMiddleは中型株、オレンジ色のSmallが小型株です。
規模の大きい順に言うと、米国は【DGRO】が一番で、【VYM】が2番手、【SDY】と【DVY】は中型株が結構目立ちます。
日本は【1698】が超大型株が多く、【1489】も大きいです。【2529】はやや中型株多めですね。
全体で見ると、【DGRO】、【VYM】、【1698】、【1489】が有名大型銘柄が主力で、【2529】はそれなり、【SDY】と【DVY】は超大型銘柄少なめですね。
組入業種の上位を比較する
Morningstar社によるセクター分類を比較しましょう。GICSにやや近いですね。左から2列目のセクターをやや強引にGICS風に分けました。
背景のオレンジ色が濃いほど数値が高いです。個別セクター内で赤字は20%以上、青字は14%以上です。
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右端が合計値です。金融と資本財が多く、生活必需品が続き、一般消費財とヘルスケアの順ですね。
高配当に分類した【VYM】と【1489】は金融が多め、増配の【SDY】と【2529】は資本財が多いですね。
【DVY】は公益事業が多いのが特徴です。
【DGRO】は情報技術が17.4%。情報技術は配当利回りが低い銘柄が多く、高配当ETFには少ない傾向なので、貴重です。
【1489】は「ディフェンシブ」に該当するセクター、生活必需品、ヘルスケア、公益事業が少ないので、暴落時にはダメージを受けるかもしれませんね。
【1698】は不動産が10%を超えており、目立っています。生活必需品やヘルスケアなどディフェンシブ・セクターも多めです。
トータルリターンを比較する
トータルリターンを比較します。【2014】はデータがないので【DGRO】で代用します。
トータルリターンとは分配金を再投資した株価リターンのことです。2023年12月末基準のデータです。期間は3、5、10年で、年率です。
3年リターンは【1489】が30.2%、【1698】が22.6%、【2529】が19.9%。
5年リターンも【1489】が17.1%で、【1698】が13.5%と高いですね。近年は日本株ETFが強いです。
左の4つは米国株ETFでいずれの期間も8~11%にほぼ収まっており、安定しています。ただし、日本株ETFに比べるとやや劣ります。
シャープレシオはどうか?
トータルリターン、リスク、シャープレシオを散布図で比較します。
縦軸がトータルリターン、横軸がリスク、円の近くの数値がシャープレシオです。トータルリターンが高く、リスクが小さいほど、シャープレシオが高くなります。
表の左上がローリスク・ハイリターン、右下がハイリスク・ローリターンです。
まずは3年です。日本株ETFの【1489】、【1698】、【2529】が左上、残りの米国株ETFが右下に集中しています。
シャープレシオは【1489】が2.12と高く、【1698】が1.81、【2529】が1.74。米国株ETFは0.5前後です。
5年シャープレシオはどうか?
続いて5年です。【2529】はありません。
3年に比べると日本と米国の差は縮まりましたが、シャープレシオは【1489】が1.06と高く、【1698】が0.94と続いています。
米国ETFでは【DGRO】が0.67と優秀でした。
10年シャープレシオはどうか?
最後に10年です。【2529】、【DGRO】、【1489】はありません。
リターンとリスクはかなり接戦ですが、シャープレシオは【1698】が0.74で、他と少し差があります。
これは日本は金利がゼロだったので無リスク資産の収益率が低く、そのため米国よりもシャープレシオが高くなったわけですね。シャープレシオの計算式は「トータルリターン−リスクフリーレート)/リスク」なので、リスクフリーレートの値が日本株ETFは小さいということですね。
分配金利回りの推移は?
それでは過去10年の分配金利回りの推移を比較しましょう。分配金利回りは過去1年分配金から算出しました。株価は月に1度、月末のものです。
現在の分配金利回りは【DVY】が3.8%で一番高く、【1489】が3.6%。【VYM】と【1698】が3.1%ぐらいです。10年で7つのグラフだと、ごちゃついており、少しわかりづらいですね。
近年の分配金利回りは?
過去3年の分配金推移を見てみましょう。
【1489】は2022年の終盤は5%を超えていました。その後株価が上昇したので現在は3.6%まで下がりました。
残りのETFはあまり変動がないですね。【DGRO】はずっと一番低いです。2%前半ですね。
さまざまな期間の分配金利回りを比較する
こちらは現在の分配金利回りと、過去3年、5年、10年の分配金利回りの平均です。
【DVY】と【DGRO】は過去の平均と比べて、現在の分配金利回りが高い状態です。逆に、【1489】は過去の平均よりも、現在の分配金利回りが低いですね。残りは現在と平均があまり変わらないですね。
過去に購入したら、現在YOCはどうなった?
過去にETFを購入していた場合、現在、取得価額に対する利回り(YOC)はどのくらいになっているかというグラフです。いわゆる自分利回りというやつです。
グラフが左肩上がりなら、株価が好調で増配しているという意味です。
一番左端の数値は10年前に購入した場合のYOCです。【DGRO】、【1489】、【2529】は設定されたときに購入していた場合の現在のYOCです。
【DVY】は現在の分配金利回りが3.8%で、10年前に購入していたらYOCは6.3%になっていました。優秀です。
【1698】は現在の分配金利回りが3.1%で、10年前に購入していたらYOCは6.0%になっていました。こちらも優秀です
【1489】も設定当初にに購入していた場合はYOCは5.9%と高くなりますが、少し波がありますね。
【DGRO】は現在の分配金利回りが2.5%で、設定当初の9年半前に購入していたらYOCは5.4%になっていました。これも優秀です。
いずれも優秀です。増配率の高いETFを選んだだけのことはあります。この中では【SDY】がイマイチでしょうか。
過去の増配率は?
増配率を確認します。表の上段は1年ごとの過去1年分配金と、前年からの増配率です。背景ピンク色がマイナスです。
※上の画像をクリックすると拡大します
表の下段は現在を起点とした1、3、5、10年の増配率。年平均をCAGR(Compound Annual Growth Rate/年平均成長率)で計算します。背景のオレンジ色が濃いほど、増配率が高いという意味です。この部分をグラフで見てみましょう。
増配率をグラフで比較
3年増配率は【1489】と【2529】が素晴らしく22%前後です。
5年増配率は【1489】が11%、【DGRO】と【1698】が10.2%で続いています。
10年増配率は【1698】が11.2%でトップ、【DVY】、【SDY】、【VYM】は7%台です。
全体的に見ると、右の3つ、日本株高配当ETFが素晴らしいです。
米国高配当も悪くはないです。10年増配率7%台はなかなかのものです。
ここ数年日本株はかなり増配しているので、こういう結果になりました。このペースで続くかどうかは疑問です。おそらく将来的には、米国高配当も日本高配当も似たような増配率になる気がします。
増配率、分配金利回り、トータルリターンを比較しよう
増配率、分配金利回り、トータルリターンをバブルチャートで比較します。
縦軸が増配率、横軸が分配金利回り、バブルの大きさがトータルリターンです。バブルの近くの数値はトータルリターンです。
まずは3年です。【1489】が増配率、分配金利回り、トータルリターン、いずれもトップクラスです。
【1698】はトータルリターンが2番目によく、分配金利回り、増配率は3番目に良いです。
【2529】は増配率がトップクラスで、【DVY】は分配金利回りが2番目に高いです。
5年の増配率、分配金利回り、トータルリターンは?
続いて5年を見てみましょう。【2529】はありません。
ここでも【1489】が分配金利回り、トータルリターンが圧倒的、増配率もトップクラスです。
【1698】と【DGRO】は増配率がトップクラスで、トータルリターンは2番手集団と好成績。
【DVY】は分配金利回りが2番目に高いです。
10年の増配率、分配金利回り、トータルリターンは?
最後に10年を見てみましょう。【2529】、【1489】、【DGRO】ありません。
結構接戦ですが、トータルリターンと増配率は【1698】が優勢。
【DVY】はトータルリターンは劣勢ですが、分配金利回りは高いですね。
3、5、10年増配率を使った今後のYOC予想一覧
それでは、いま日本株高配当ETFを購入したら、将来の利回りYOCがどのくらいになるのかをシミュレーションします。現在の利回りに過去の増配率を当てはめて計算します。
増配率は3、5、10年の3パターンを使います。「再投資しない。税引き前」という設定にします。
一番上に、増配率、現在の分配金利回り、10年後YOC、20年後YOCのデータを表示します。
3年増配率から将来のYOCを予想する
まずは3年増配率で推移した場合です。
3年増配率は【1489】が22.1%と最も高く、20年目YOCは161%まで上がります。
【2529】の3年増配率も21.6%とかなり高く、20年目YOCは124%まで上がります。
【1698】は3年増配率が16.4%で、20年目YOC予想は56%になりそうです。
日本株の3年増配率は高すぎるので、あまりアテにはならないと思います。
5年増配率から将来のYOCを予想する
続いて5年増配率で推移した場合です。【2529】はありません。
5年増配率は【1489】が11.0%と最も高く、20年目YOCは26.6%まで上がります。
【1698】の5年増配率は10.2%で、20年目YOCは19.7%まで上がります。
【DGRO】は5年増配率も10.2%で、20年目YOC予想は15.9%になりそうです。
やはり日本株ETFの【1489】、【1698】が強いですね。【DGRO】もなかなかです。
10年増配率から将来のYOCを予想する
最後は10年増配率で推移した場合です。【DGRO】、【1489】、【2529】はありません。
10年増配率は【1698】が11.2%と高く、20年目YOCは23.5%まで上がります。
【DVY】の10年増配率は7.4%で、20年目YOC予想は14.9%です。
日本株高配当ETFはここ3年ほどで配当をかなり増やしたので、現在増配率が高い状態です。そのため、将来YOC予想も米国ETFを圧倒しました。
ただ、このままのペースで増配し続けるかは未知数なので、増配率や将来YOC予想は、もう少し落ち着いた数値になりそうです。
新NISA成長投資枠の購入予定
新NISA成長投資枠の年別の購入予定です。
成長投資枠1200万円の購入予定額の内訳は、【VYM】と【DVY】が250万円、【SDY】が200万円、【2014】と【1489】が150万円、【1698】と【2529】が100万円と考えています。
現在【VYM】は特定口座で279万円ほど保有しています。売却せずに、新NISA口座で250万円ほど買おうと考えています。
【DVY】と【SDY】はNISA口座でそれぞれ120万円ほど保有しています。これらを2024年や2025年に売却して、新NISAで多めに買い直そうと考えています。
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【DVY】と【SDY】の旧NISA口座の売却が終わる2025年終了時点で、このままの方針で行くか、再検討しようと思います。
新しいETFが発売される可能性もあり、柔軟に対応しようかなと考えています。最短の5年で埋められなくても気にしないで、のんびりやろうかなと思います。
投資は柔軟性をもち、ある程度テキトーにしたほうが、いざというときの対応が可能だと思います。
まとめ
それではまとめです。
新NISA成長投資枠は、米国と日本のETFを買おうと思います。
条件は、株価やトータルリターンが長期でプラス、分配金が増配傾向、設定から3年以上が経過、運用総額が大きい、経費率が低い、指数連動型などです。
分配金利回りが2.5~4.0%ぐらいで、増配傾向のあるETFが安定していておすすめです。
【VYM】と【1489】は、日米の高配当ETF代表格。もっとも売れており安全度は高いです。
【DVY】と【SDY】は、旧NISAからのスライド。同社の【HDV】や【SPYD】よりもデータ面で充実していました。
【2014】(東証版DGRO)は、インカム狙いなら優良増配ETF【VIG】よりもおすすめです。
【1698】は年4回の分配金が安定しており、長期実績があります。
【2529】は設定からあまり経っていませんが増配率が突出。今後が楽しみです。
【HDV】【SPYD】【VIG】は特定口座でそれなりに保有しているので、新NISAでは買わず、特定口座で買い増そうかなと思います。
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