バンガード社のバンガード 米国高配当株式ETF【VYM】が、2022年9月16日に分配金を発表しました。0.7672ドルです。1年前の同期は0.7488ドルでしたので、1年前の同期から2.5%増です。
利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2022年10月7日の終値は96.96ドル、過去1年の分配金額は3.2159ドルなので、利回りは3.32%になります。
※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。
前半は【VYM】の分配金に関する様々なデータを紹介
中盤は、組込銘柄やセクターなど、【VYM】の中身に迫ります
後半は、ライバルのインカム系5ETF【HDV】【SPYD】【DVY】【SDY】【VIG】と、トータルリターン、増配率、株価、将来YOC予想などのデータを比較します
最後に、いま【VYM】買ったら将来どのくらいの分配金になるか予測します
【VYM】はどんなETF?
【VYM】は今後1年の予想分配金が市場平均を上回る銘柄を、時価総額加重平均で組み入れています。リートは対象外です。配当利回りが平均以上米国大型株が中心のETFです。
【VYM】の過去の分配金と増配率は?
【VYM】が設定されたのは2006年11月です。下の表は過去の分配金の一覧です。
今回の【VYM】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、下の表の(1)「期別分配金」の今回と前年同期の比較です。今回が0.7672ドル、前年の同期が0.7488ドル。(2)「期別分配金の対前年同期増減率」は2.5%増になります。
また、(3)「過去1年分配金」を1年前と比較するのも参考になります。今回が3.2159ドル、前年の同期が2.9671ドル。(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」は8.4%増となります。
色をつけた箇所のデータをグラフにして解説していきます。「期別分配金」と「過去1年分配金」のデータを様々な角度から比較することで、【VYM】の分配金の傾向を探ります。
期別分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう
(1)「期別分配金」を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。こうしてみると、分かりやすいですね。2011年以降は毎年着実に増えています。
今回の2022年9月の分配金は、9月の中では2018年に続く2番目に大きな額です。ちなみに前回6月や前々回3月の分配金は、その期の中で過去最高額でした。
期別分配金を1つずつ並べて比べよう
(1)「期別分配金」を1つずつ棒グラフにして、株価と比較しました。分配金は期によってバラつきがあります。リーマン・ショック以降、2011年頃からは安定して上昇しています。2021年12月は0.9ドルを超えて、これまでの最高額でした。
株価と分配金の伸びは似ていますね。これが似ているというのは、利回りがほぼ同じで推移していることを意味しています。
年間分配金と株価の関係は?
(3)「過去1年分配金」を1年ごとにまとめて年間分配金とし、株価と比較しました。株価は最新年を除いて年末のものです。【VYM】の分配金が最初に支払われたのは2006年12月です。直近の2022年は3、6、9月のもので、あと1回分配金があります。
過去1年分配金額を1つずつ並べて確認しよう
(3)「過去1年分配金」を期ごとに棒グラフにして、株価と比較しました。2つ前の期別分配金は期によって分配金に差があったのですが、過去1年ごとにすると、マイルドになります。
高配当ETFの分配金は期ごとで一喜一憂するのではなく、過去1年分などを比較して、伸びているかどうかをチェックするのが重要です。2020年3月のコロナ・ショックは、株価にダメージを与えましたが、分配金への影響はあまりなかったです。今回の軟調相場ではどうなるか、注視したいですね。
期別と過去1年分配金を、前年同期と比較しよう
(2)「期別分配金の対前年同期増減率」、(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」をグラフにしました。
ETFの場合、「期別分配金の対前年同期増減率」で増配や減配を決めることが多いですね。「今回の分配金は前年同期と比べて何%増です」というやつです。ただしこれは、大きく減ることも結構あるので、あまり気にする必要はありません。赤い★の部分です。
それよりも「過去1年分配金の対前年同期増減率」の長期の傾向が重要です。紫色の部分です。【VYM】は2011年以降、この値がマイナスになることがほぼないですね。つまり、過去1分配金単位で見ると、期ごとに着実に増えている優良ETFと言えます。
年間増配率は?
(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」の1年ごとのデータを見てみましょう。いわゆる年間増配率です。最初に分配金が支払われたのが2006年の12月からなので、2008年から見てみましょう。リーマン・ショックの影響で2009年と2010年はマイナスでした。2011年以降はプラスに転じ、その後も5%以上増配した年が目立ちます。
長期の増配率をチェック!
年間増配率だとざっくりしすぎていて、若干イメージしづらいかもしれません。そういう時は、複数年単位で増配率をチェックしましょう。下のグラフは過去3年と過去5年の増配率の推移です。
2017年以降は5~9%で推移しています。ただ、年々すこしずつ減少しているようにも見えます。今後は5~7%ぐらいで推移しそうです。
2020年以降の利回りは?
2020年以降の【VYM】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から利回りは算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。
2020年の年初は利回りが3.0%強で推移していましたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで株価が下がったため、3月23日には利回りが約4.5%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前をやや上回っていますが、増配をしているので2022年10月7日の利回りは3.32%です。
現在の【VYM】の株価と利回りの関係は?
年間分配金額が現在と同じで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ3.2159ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後、【VYM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
利回り3.0%は株価107.2ドル、利回り3.5%は株価91.9ドル、利回り4.0%は株価80.4ドルです。
【VYM】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【VYM】を買った場合、取得価格あたりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から10年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。
下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、取得価格あたりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向になるため、早い時期に買うとYOCが上がります。なので、【VYM】はなかなか好調と言えます。
2022年10月7日の終値は96.96ドル、過去1年の分配金額は3.2159ドルなので、現在の利回りは3.32%です。過去10年の平均利回りは約3.0%なので、現在は少しお買い得です。
利回りはあまり変動がなく、2.7~3.3%の間が多いです。3.3%を超えたら買いと言えそうです。なので、今はまさに買い時と言えるかもしれません。
過去10年で株価は上昇して増配率も高かったので、早い時期に買った方がYOCは上がります。10年前の2012年11月に買っていたら、現在YOCは約6.5%になっていました。また、5年前の2017年11月に買っていた場合は、現在YOCは約3.8%になっていました。
【VYM】のセクター比率は?
ここからは【VYM】の中身について見てきます。
【VYM】のセクター比率を約1年4カ月前と比較します。大きな変化はありません。首位の金融セクターが比率が少し減り、ヘルスケアの比率が増えて2位になりました。最近軟調な情報技術セクターの割合は減っています。
【VYM】の上位組込銘柄はどんな会社か?
バンガード社のETFデータは月に1回更新されます。月末のものが翌月の15日頃に公開されます。なので、現在の最新データは2022年8月末です。
【VYM】の組込比率1%以上の銘柄です。上位組込銘柄のセクターはバラエティに富んでおり、なかなかバランスがいいですね。ヘルスケアがやや多いです。セクターの背景色をGICSによる分類で色分けしています。カラフルですね。
上位28銘柄中で連続増配年数が10年を超えていないのは、わずか4銘柄です。なので【VYM】は高配当ETFというより、中配当連続増配ETFという分類がいいかもしれません。
ベンチマークは、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスです。組込比率1%以上は28銘柄あり、全体の約46%を占めています。上位10銘柄では約23%、20銘柄では約37%です。それなりに分散が利いています。
組込順位や構成比は2022年8月末日、時価総額や配当利回りは10月7日のデータ。配当利回りと時価総額は「Market Chameleon」、連続増配年数は「The Dividend Investing Resource Center」のデータから作成しました。
2020年4月以降の上位銘柄は?
2020年4月以降の組込比率1%以上の銘柄の推移です。毎年3月に銘柄入れ替えを行うので、太い線を引いておきます。
銘柄入れ替え直後の2022年3月末と、8月末の比較では、情報技術セクターが今ひとつです。ブロードコム【AVGO】、シスコ・システムズ【CSCO】、インテル【INTC】などは比率や順位を減らしています。背景色が水色です。
ベライゾン【VZ】、コムキャスト【CMCSA】、AT&T【T】など、通信サービスセクターも不調です。背景色が青です。
生活必需品セクターのコカ・コーラ【KO】、ペプシコ【PEP】、ウォルマート【WMT】が比較的好調です。背景色が黄色です。
【VYM】とライバルETFの比較
ここからは、【VYM】とライバルのインカム系ETF(高配当系ETF)【HDV】【SPYD】【DVY】【SDY】【VIG】、6つのETFの様々なデータを比較していきます。
【VIG】は利回りがそれほど高くないので高配当ETFというわけではありませんが、「インカム・バリュー・連続増配系」という括りに入るので、加えます。
赤い文字が他のETFと比べて素晴らしい数値、オレンジ色が優秀です。経費率は【VYM】【HDV】【SPYD】【VIG】は0.1%を切っていますが、【DVY】【SDY】が0.3%台と少し高いです。
利回りは【SPYD】が約4.5%と最も高いです。【VYM】は3.32%です。通常より少し高いですね。
運用総額は【VIG】が約8.6兆円と多く、【VYM】は約6.6兆円となかなかで、【DVY】や【SDY】は約3兆円とまずまず規模が大きいです。
組込銘柄数は【VYM】が400を超えており、分散が利いています。
【VYM】とライバルETFのセクター比率は?
セクター比率を比べます。
【VYM】は金融が約20%と多く、金融、ヘルスケア、生活必需品の上位3セクターで約49%と半数を占めています。【VYM】は金融がやや多いですが、それ以外のセクターはバランスよく組み込まれています。
金融は高配当ETFには多く組み込まれる傾向です。【HDV】は例外的に少ないですね。
【HDV】と【DVY】は上位2セクターの占める割合が大きく、ややセクターに偏りがあります。
セクター比率が似ているのは【SPYD】と【DVY】ですね。
【VYM】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?
【VYM】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 5つのインカム系ETFへの組込順位と比率(%)をまとめました。
背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。
【VYM】上位20銘柄は【VIG】に11銘柄、【SDY】に10銘柄入っています。【HDV】には8銘柄ですが、いずれも【HDV】の組込順位10位以内に入っており、比率が高いですね。
意外と【VYM】上位組込銘柄は、他の高配当ETFには入っていないですね。ただしこれが逆のパターンで、他の高配当ETFの上位20銘柄の場合は、【VYM】にほとんどが組み込まれています。
銘柄から見ると、エクソン・モービル【XOM】とシェブロン【CVX】は、【VIG】以外の4ETFに入っており、比率も高いです。コカ・コーラ【KO】は【SPYD】以外の4ETFに入っています。
【VYM】とウェイトの重複が最も多いのは連続増配ETFの【VIG】で49%、【HDV】と【DVY】が約30%です。
※組込比率は、バンガード社のETFは2022年8月末、その他のETFは10月7日のデータをもとにしています。利回りは10月7日のものです
一番下のETF重複比率は「etfrc.com」のデータです
株価やリターンなどを比較する
ここからはPORTFOLIO VISUALIZERを使って、【VYM】とライバルのインカム系ETF(高配当系ETF)【HDV】【SPYD】【DVY】【SDY】【VIG】のデータ比較します。
株価推移を比較する
まずは10年間の株価推移を比べます。【SPYD】は設定から約7年なので比較対象外です。
2012年10月に1万ドル投資した場合、2022年9月末の株価は【VIG】が2万2600ドル、【SDY】が1万9200ドル、【VYM】が1万8800ドル、【DVY】が1万8500ドル、【HDV】が1万5000ドルになっていました。
【VIG】が優勢で、【SDY】【VYM】【DVY】はほぼ互角、【HDV】がやや劣っていました。
トータルリターンを比較
分配金を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。
2022年10月に1万ドル投資して、分配金を再投資した場合、2022年9月末は【SDY】が2万7900ドル、【VIG】が2万7700ドル、【DVY】が2万6100ドル、【VYM】が2万5700ドル、【HDV】が2万1400ドルになっていました。
【SDY】【VIG】がやや優勢、【VYM】【DVY】が続き、【HDV】は劣っていました。株価推移で優秀だった【VIG】は利回りが低いので、再投資すると、他の3つのETFと似た結果になりました。
過去のトータルリターン
過去1、3、5、10年のトータルリターンをグラフにして、現在の利回りと比べました。
過去3年以上のトータルリターンは【VYM】【DVY】【SDY】【VIG】は似ています。わずかに【VIG】が優勢で、【SDY】が続き、【VYM】と【DVY】は少し遅れています。【HDV】と【SPYD】はさらに劣っています。
安定度などを比べよう
安定度などを比べます。
ボラティリティと最大下落率は0に近いほど安定しています。【SPYD】が激しいですね。安定感が一番あるのは【VIG】です。【VYM】も悪くないですね。
シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。
ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。
シャープレシオやソルティノレシオの値は【VIG】【SDY】【VYM】【DVY】の順に良いです。
過去の分配金はどのくらいか?
10年前の2012年10月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。
10年間の分配金の合計は【SDY】が6900ドル、【DVY】が6400ドル、【HDV】と【VYM】が5800ドル、【VIG】が3800ドルでした。
【SDY】が頭一つ抜けていますが、2013~17年にキャピタルゲイン分配金があったためです。それを除くと、他のETFと同じくらいです。利回りから考えると、【VYM】は悪くないですね。
これまでの利回りは?
過去10年の利回り推移をチェックしましょう。利回りは過去1年分配金から算出しました。株価は月に1度、月末のものです。
【SPYD】が常に高く、【HDV】【DVY】【VYM】【SDY】【VIG】の順番です。
過去10年の平均利回りは【SPYD】が4.7%、【HDV】が3.5%、【DVY】が3.3%、【VYM】が3.0%、【SDY】が2.6%、【VIG】が2.0%です。【SPYD】は設定来です。
【VYM】はこの6ETFの中では、上から4番目、下から3番目の利回りです。
増配率を比較する
現在の過去1年分配金額と1、3、5、7、10年前の同時期の過去1年分配金額を比較して、年間増配率を計算しました。最新2022年9月分配金発表後のデータです。【SPYD】は過去7年と10年増配率はありません。
【VYM】の過去1年増配率は8.4%、過去3年増配率は4.7%、過去5年増配率は5.8%、過去7年増配率は6.2%、過去10年増配率は8.1%です。【VYM】は過去1年や過去10年増配率が素晴らしく、それ以外の期間の増配率も高いレベルで安定しています。
この6つのETFでは【VIG】がやや優勢で、【SDY】が続き、【VYM】【DVY】もなかなかです。【SPYD】以外は順調に増配しています。
主要ETFの今後のYOC予想は?
1つ前で出した増配率を使って、現在の利回りをもとに、将来YOCを予想します。
YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。2022年10月7日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。
対象は【VYM】とライバルのインカム系ETF【HDV】【SPYD】【DVY】【SDY】【VIG】です。
「分配金を再投資しない、税金を考慮しない」で検証します。
10年後のYOCはどうなっているか?
10年後のYOCを予測します。【DVY】が好調です。過去5、7、10年増配率で推移すると、いずれも7%前後と安定しています。
【VYM】は過去10年増配率で推移すると7.2%と高い数値になります。
ちなみに黒い★は利回りです。各ETFともに、ここがスタート地点となるので、現在の利回りはかなり重要です。
20年後のYOCはどうなっているか?
続いて、20年後のYOCを予測します。今度は【SDY】がいいですね。利回りは2.90%とこの中では高くないですが、増配率の高さで20年後YOCは伸びてきます。
【VYM】もまずまずです。過去5年や過去7年増配率で推移するなら20年後YOCは10%を超え、10年増配率なら15%を超えます。
今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?
最後に、今【VYM】を購入したら、将来どのくらい分配金をもらえそうかをシミュレーションします。先ほどの将来YOCの分配金版です。現在の利回り、増配率を使用します。
1万ドルを投資した場合の、将来もらえる分配金の推移を検証します。「分配金を再投資しない(税引き後)」と「分配金を再投資する(税引き後)」の2パターンで検証します。
増配率は過去3、5、7、10年の4パターンを使います。年間増配率は過去3年が4.7%、過去5年が5.8%、過去7年が6.2%、過去10年が8.1%でした。現在の利回りは3.32%です。
なお、再投資するケースは過去10年の株価騰落率(6.90%)で調整します。つまり、株価が年6.9%上がるので、分配金の再投資額はその分減らします。
過去3年増配率で推移した場合の分配金予想
まずは過去3年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は4.7%です。
分配金は約28%の税金を引いた72%で計算します。スタート時の利回りは3.32%なので、税金を引いた72%の2.39%になります。投資額が1万ドルなので、スタート年の分配金は239ドルになります。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は378ドル、20年後の分配金は599ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は497ドル、20年後の分配金は1210ドルになります。YOCだと12.1%です。
過去5年増配率で推移した場合の分配金予想
次に過去5年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は5.8%です。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は420ドル、20年後の分配金は739ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は560ドル、20年後の分配金は1624ドルになります。YOCだと16.2%です。
過去5年増配率(5.8%)は、過去3年増配率(4.7%)よりも高いので、もらえる分配金も増えます。
過去7年増配率で推移した場合の分配金予想
次に過去7年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は6.2%です。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は435ドル、20年後の分配金は794ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は583ドル、20年後の分配金は1802ドルになります。YOCだと18.0%です。
過去7年増配率(6.2%)は、過去5年増配率(5.8%)よりも高いので、もらえる分配金はさらに増えます。
過去10年増配率で推移した場合の分配金予想
最後に過去10年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は8.1%です。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は520ドル、20年後の分配金は1134ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は716ドル、20年後の分配金は3091ドルになります。YOCだと30.9%です。高い増配率が続き、再投資し続けると、分配金は相当増え、将来YOCはかなり上がります。
過去10年増配率(8.1%)は、過去7年増配率(6.2%)よりも高いので、もらえる分配金はさらに増えます。
いずれのケースでも「再投資をしない」に比べて、「再投資する」場合の分配金の伸びが素晴らしいです。10年後はそれほど差がありませんが、20年後はかなり差がつきます。複利効果ですね。
過去10年増配率で進めば分配金はかなり増えますが、最近の増配率はやや減少傾向なので、このシナリオはポジティブすぎるかもしれません。
まとめ
【VYM】の2022年9月の分配金は1年前と比較すると、2.5%増と微増でした。前回は12.7%増とかなり多かったので、その反動かもしれません。長期で見ると、着実に増えています。
セクターのバランスは、金融が少し多いですが、それ以外は満遍なくあります。
高配当ETFの中では安定した増配、値上がり益も狙えるため、10年後ぐらいにリタイアを考えている人にとっては、なかなかオススメのETFと言えそうです。
増配率は安定しており、再投資し続ければ、20年後には素晴らしい分配金(YOC)になりそうです。
今年に入ってインフレ懸念と金利上昇の影響で、米国市場が冷え込んでいるため、株価は軒並み下がっています。【VYM】の利回りも3%を超えており、買い時かもしれません。