米国高配当株式のETF、VYM、HDV、SPYDを比較する

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米国株の高配当銘柄を集めたETFは、主に3つあります。それらを比較して、それぞれの特徴を明らかにしましょう。

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高配当ETFの基本情報

高配当ETFの主要3銘柄は、バンガード社のバンガード 米国高配当株式ETF【VYM】、ブラックロック社のiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】。ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】です。経費率はいずれも0.1%を切っており、低水準です。分配利回りは【SPYD】が4.5%前後と高いです。

銘柄名 ティッカー 運用会社 経費率 分配利回り
バンガード 米国高配当株式ETF VYM バンガード 0.06% 3.00%
iシェアーズ コア 米国高配当株 ETF HDV ブラックロック 0.08% 3.22%
SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF SPYD ステート・ストリート 0.08% 4.41%

 

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ベンチマークや時価総額はどうなっているか?

ベンチマークは3銘柄ともに異なっています。時価総額は、運用開始が早かった【VYM】が圧倒的に多いですね。

ティッカー ベンチマーク 運用開始 時価総額(100万$)
VYM FTSEハイディビデンド・イールド指数 2006年 22662
HDV モーニングスター配当フォーカス指数 2011年 6878
SPYD S&P500・高配当指数 2015年 1275

 

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セクター別の比率はどうなっているか?

ETFごとに、セクター別の割合や特徴、上位組入れ銘柄などを見ていきましょう。

【VYM】の特徴

金融と生活必需品、ヘルスケアが多めです。構成銘柄が400を超えており、たくさんの銘柄を組入れています。ICB(Industry Classification Benchmark)による分類です。

 

組入上位は【JPM】、【JNJ】、【PG】、【XOM】、【T】で、時価総額が高く、おなじみの高配当銘柄が並んでいます。

 

【HDV】の特徴

エネルギー、生活必需品、ヘルスケアなどオーソドックスな高配当銘柄の割合が多いです。構成株式は80ほど。上位銘柄の保有比率が高いのが特徴で、上位10社で全体の6割ほどを占めており、集中投資してます。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。

 

 

組入上位10銘柄のうち、【XOM】、【T】、【JNJ】、【VZ】、【CVX】、【PG】、【KO】の7銘柄が【VYM】と同じです。

 

【SPYD】の特徴

REITを含む不動産が多いのが特徴で、【VYM】や【HDV】とは毛色が異なります。投資対象はS&P500の配当利回り上位80銘柄。すべての銘柄の比率が1.25%になるように、1月と7月にリバランスを行っています。つまりダウの犬戦法のS&P500版です。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。

 

米国株の高配当投資をしている人にとってもなじみの薄い銘柄が多く、【SPYD】を所有するとある意味、分散投資になりそうです。逆に【VYM】や【HDV】の上位組入れ銘柄はすでに所有している株が多いかもしれません。

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トータルリターンを比較する

もっとも後発の【SPYD】が設定された2015年10月22日以降のトータルリターンです。やや【HDV】が苦戦しているようです。

 

過去4年間のトータルリターンを比較します。似たり寄ったりの結果になりました。始めた年によってトータルリターンが変わるということでしょうか。

 

1年ごとのリターンは、あまり差はないようです。【SPYD】は2016年は好調でしたが、その後はやや伸び悩んでいます。全体的に【VYM】が堅調なようです。

 

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結論

高配当銘柄に分散投資したい場合は【VYM】、集中投資したい場合は【HDV】。このどちらか、もしくは両方をメインにして、【SPYD】は補完的な役割にするのがよさそうです。配当利回りを最重視したい場合は【SPYD】を多めに所有するのがいいかもしれません。【VYM】や【HDV】の上位組込銘柄は、米国株の高配当投資をしている人にとっては、すでに保有している銘柄がいくつもあるかもしれません。