米国のバリュー&インカム(高配当)ETF3種、VYM、VTV、VIGのデータを徹底比較

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今回は、米国のバリューやインカムを対象とした3つのETFを徹底比較します。いずれもバンガード社のETFで【VYM】【VTV】【VIG】です。

比較する内容は、ETFの規模、重複率、組込銘柄やセクター比率、分配金の傾向、利回り、株価推移、トータルリターン、増配率、そして将来の分配金予想など多彩な内容となっております。

 

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米国上場ETFの純資産総額をチェックしよう

なぜ【VYM】【VTV】【VIG】を比較するかについて説明します。下の表は、1週間ほど前に紹介した「米国上場ETFの純資産総額トップ100」の上位25ETFです。表の下の方には26位以下の主な高配当ETFも入れておきます。

表の一番右列の「大分類」は、米国上場ETFをざっくりと、8種類に分けたものです。インデックス・大型、中小型、ハイテク・グロース、インカム・バリュー、セクター、米国以外、債券、コモディティです。

一番右列の「大分類」の背景がピンク色が「インカム・バリュー」で、ここが広い意味での米国高配当ETFに該当します。そんな「インカム・バリュー」の純資産総額の上位にいるのが、今回取り上げる3つのETFです。【VTV】が6位、【VIG】が15位、【VYM】が23位です。この3ETF以外で「インカム・バリュー」に属しているのは、純資産総額60位台の【SDY】と【DVY】なので、結構差があります。

純資産総額が大きいというのは、機関投資家などプロが購入している可能性が高いので、安全度の高いETFとも言えます。なので、配当などインカムが目的の人は、この3つのETFをまず最初に注目するのがセオリーと言えるかもしれません。

下の表は米国上場ETFの純資産トップ100のカテゴリー分けと、日本の証券会社での買えるかどうかです。「インカム・バリュー」は5銘柄しか買えません。

 

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基本情報を確認しよう

まずは基本情報です。いずれも米国の大型株を集めたETFです。

【VYM】の正式名称は「バンガード・高配当株式ETF」平均以上の配当利回りが予想される銘柄が対象。REIT(不動産)は除きます。日本の個人投資家に人気があります。

【VTV】「バンガード・バリューETF」。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの数値が低く、割安と言われる株が対象。個別銘柄で割安株を探すのは難易度が高いので、ETFとしてまとめられていると重宝します。バリューの反対語はグロースで成長株で、こちらは無配銘柄が多く、バンガード社のETFだと【VUG】ですね。バリューは高配当銘柄が比較的多く組み込まれています。

【VIG】「バンガード・米国連続増配株式ETF」10年以上連続して増配実績のある銘柄。利回りの上位25%は除くのがポイントです。この結果、配当性向が高く、無理して増配を続けている高配当銘柄を外すことになり、ETFの中身が健全になりトータルリターンの上昇を狙います。ただし、ETFの利回りはあまり高くないです。2%弱ぐらいです。こちらもREIT(不動産)は対象外です。

なお、今回のコンテンツでは、グラフや表がたくさん登場します。基本的に【VYM】が青色【VTV】が赤色【VIG】がオレンジor黄色に統一します。

 

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基本データを確認しよう

【VYM】【VTV】【VIG】の基本データを表にまとめました。赤い数字が他のETFより優れています。上から見ていきましょう。

銘柄の組入方式は、時価総額加重平均です。つまり規模の大きな銘柄が上位に組み込まれ、その比率も高いです。

設定されたのは【VTV】が2004年、【VYM】【VIG】は2006年で、いずれも古株ですね。15年ほど経過しています。

組込銘柄数は【VYM】が443、【VTV】が344、【VIG】が289。少し差があります。

経費率は【VTV】が0.04%と安く、【VYM】【VIG】が0.06%です。いずれもかなり低いですね。運用総額は【VTV】が約13.7兆円、【VIG】が約8.7兆円、【VYM】が約6.5兆円で、こちらもかなり規模が大きいです。運用会社はいずれもバンガード。

利回りは【VYM】が3.1%、【VTV】が2.5%、【VIG】が1.9%。左から0.5%ずつぐらい差があります。

 

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セクターの比率を確認しよう

セクター比率をチェックしましょう。いずれもGICSによる分類です。

どのETFも金融の割合が大きいですね。【VYM】は1番多く、【VTV】は2番目、【VIG】は3番目に多いです。ヘルスケアも多く【VTV】は1番多く、【VYM】【VIG】は2番目に多いです。

【VIG】で一番多いセクターは情報技術セクターです。3つのETFの中で【VIG】は利回りが低いので、情報技術セクターの割合が多いのも納得です。

生活必需品と資本財はいずれのETFも3~5番目に多いです。

黄土色のエネルギーは【VIG】はほぼゼロです。【VIG】に情報技術が多く、エネルギーが少ないのが、利回りの低さを物語っています。それに対して、【VYM】【VTV】はセクターの比率がかなり似ていますね。

 

3つのETFの平均は

3つのETFの平均はこのようになります。なかなかバランスが取れています。【VYM】や【VTV】をベースに、情報技術セクターの割合を多くした感じですね。

 

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組込上位銘柄はどんなものか?

3つのETFの組込上位20銘柄はどのようなものでしょうか?

まずは【VYM】です。上位10銘柄で23%、上位20銘柄で37%なので、まずまず分散は利いています。右から4列目のセクターはGICSによる分類で、背景色をつけています。カラフルですね。上位組込銘柄のセクターも分散されています。

 

【VTV】は意外な銘柄が組込1位

次は【VTV】です。上位10銘柄で22%、上位20銘柄で34%です。ヘルスケア・セクターが7銘柄と少し多いですね。組込トップはバークシャー・ハサウェイ【BRK.B】で配当を支払っていない銘柄です。バリューETFで無配というのは珍しいケースです。

 

【VIG】は比較的集中投資

最後は【VIG】です。上位10銘柄で29%、上位20銘柄で45%なので、結構集中投資です。
情報技術セクターが7銘柄と少し多いですね。

【VIG】は10年以上の連続増配した銘柄が対象です。残り2つの【VYM】【VTV】は連続増配が対象ではありませんが、いずれのETFも上位組込銘柄は連続増配銘柄ばかりとなっており、優良銘柄が上位に多い優秀なETFというのが垣間見えますね。

 

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3つのETFの組込上位の傾向は?

【VYM】【VTV】【VIG】の組込上位20銘柄をまとめてみます。いずれも時価総額順に組み込まれてるETFなので、参考までに、全米の銘柄を時価総額の大きい順に組み込んでいる【VTI】も併せて比較します。並び順は時価総額の大きい順、つまり【VTI】の組込順位です。

【VYM】【VTV】【VIG】は組込比率が大きいほど、背景を濃いオレンジ色にしました。
一番右の列は【VYM】【VTV】【VIG】の比率を足した数値と順位です。

ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】JPモルガン・チェース【JPM】プロクター・アンド・ギャンブル【PG】は【VYM】【VTV】【VIG】すべてにかなり上位に組み込まれています。コカ・コーラ【KO】とペプシコ【PEP】も3ETFすべてに入っており、上位構成銘柄です。

ユナイテッドヘルス・グループ【UNH】は【VYM】には入っていませんが、【VIG】1位、【VTV】2位です。

バークシャー・ハサウェイ【BRK.B】は【VTV】だけ組み込まれており1位、マイクロソフト【MSFT】は【VIG】のみで2位です。

3つのETFすべてに入っている銘柄は意外と少ないですね。利回りが低いと【VYM】には入らず、利回りが高いと【VIG】に入らないからですね。

 

入らなかった銘柄は有名テック企業がズラリ

【VTI】の組込上位30銘柄で、この3ETFのいずれにも入っていないのは、この8銘柄です。無配銘柄が5つ、利回りが極端に低いのが2つ、そしてアップル【AAPL】です。アップルは来年連続増配が二桁になるので、【VIG】に入りそうです。

 

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VYM、VTV、VIGの銘柄は重なっているのか?

ファンドオーバーラップ(etfrc.com)を使って、3つのETFに組み込まれた銘柄の重複比率を調べました。高配当ETFなど他の主要ETFとも比較します。

【VYM】と【VTV】は68%が重なっています。約7割が同じなので、両方保有する必要はないかもしれません。

【VIG】との重複は【VYM】が49%で約5割、【VTV】が42%で約4割。こちらも結構重複しています。

他のETFとの重複では、【VIG】が高配当ETFとはあまり重なっていません。【VIG】は連続増配銘柄から利回り上位25%を除外しているため、高配当銘柄があまり入っていません。

【VYM】はいずれのETFともほどほどに重複しています。このあたりからもバランスのよいETFというのが伺えます。

【VTV】は【VTI】【VOO】との重複率が約5割と高いですね。インデックス寄りのETFと言えるかもしれません。

 

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株価推移を確認

3つのETFの過去15年の株価推移です。いずれも右肩上がりですね。

15年間で株価は【VIG】が2.63倍【VYM】が1.95倍【VTV】が1.94倍になりました。【VIG】がややリードで、【VYM】と【VTV】はほぼ同じです。【VIG】は2020年3月のコロナ・ショック後の伸びが素晴らしいですね。

過去5年や過去10年の株価比較でも【VIG】が抜きんでています。2番目は【VTV】で、【VYM】はやや遅れています。

 

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これまでの利回りは?

3つのETFの利回りの傾向を調べてみましょう。利回りは過去1年分配金から算出しました。

【VYM】が常に高く、【VTV】、【VIG】の順番です。過去15年の平均利回りは【VYM】が3.1%、【VTV】が2.6%、【VIG】が2%です。

左端の2008年はリーマン・ショックの影響で利回りが高かったので、過去15年利回りは今よりも数値が高いですね。

過去5、10、15年の利回り平均を総合的に考えると、【VYM】が3%、【VTV】が約2.5%、【VIG】が約1.9%ですね。0.5%ぐらいずつ差があります

右端の数値は現在の利回りです。最近は株価が下がっており、利回りは高くなっていますが、過去と照らし合わせると、平均ぐらいです。

 

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過去に買った場合の利回り(YOC)は?

過去にETFを買った場合、取得価格あたりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から15年前までのYOCを見ていきましょう。過去の購入したタイミングよる現在のYOCです。

この線が左肩上がりの場合は、株価が好調に伸びています。そして増配傾向の可能性も強いです。

現在の利回りが右端です。3つのETFともに順調に株価が上がり、増配もしているので、左肩上がりのグラフになりました。

5年前に購入していた場合の現在のYOCは【VYM】が3.9%、【VTV】が3.3%、【VIG】が3.0%です。

10年前に購入していた場合だと、現在のYOCは【VYM】が6.4%、【VTV】が5.7%、【VIG】が4.9%です。

そして、リーマンショック後の最も株価が低かった2009年2月、つまり13年8カ月前に購入していたら、現在のYOCは【VYM】が12.7%、【VTV】が10.6%、【VIG】が8.6%になっています。

それ以前の14~15年前は、若干YOCが下がります。これはリーマンショック前は株価が高かったからです。いずれにせよ、3つのETFともになるべく早い時期に買っておいた方がいいという結果になりました。

 

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過去のトータルリターンを比較する

過去15年のトータルリターン推移です。ここからは全米ETF【VTI】も参考として追加します。

2007年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2022年8月には【VTI】が3万6100ドル、【VIG】が3万5900ドル、【VYM】が3万1300ドル、【VTV】が2万9000ドルになっていました。【VIG】は【VTI】とほぼ同じで素晴らしいですね。【VTV】が少し劣っています。

 

過去のトータルリターン

過去1、3、5、10、15年のトータルリターンを比較します。

【VYM】と【VTV】はさまざまな期間をトータルすると同じくらいの成績です。【VIG】は過去5年以上だと、この2つのETFよりもリターンが優れています。

 

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ETFの安定度などを比べよう

ETFの安定度などを比べましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。ボラティリティは価格変動リスクです。数値が大きいほど値動きが激しいです。

最大ドローダウンやボラティリティ、ソルティノレシオの値は【VIG】が他のETFよりも優れています。【VTI】をも上回っています。ディフェンス力に定評のあるETFと言われるのが、数値にも現れています。

【VYM】と【VTV】はほぼ同じですが、わずかに【VYM】が上回っています。

 

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VYM、VTV、VIGの期別分配金をチェック

期ごとの分配金を確認しましょう。いずれのETFも分配金は四半期に一度支払われます。

まずは【VYM】です。2011年以降は順調に増配しています。2022年6月を起点に過去1年分配金を出し、10年前と比較すると2.32倍になっています。

【VTV】の期別分配金の傾向

次は【VTV】です。こちらも2011年以降は順調に増えています。10年前の分配金比較では2.23倍です。

【VIG】の期別分配金の傾向

最後は【VIG】です。こちらも順調に増配しています。10年前との分配金比較は2.37倍になっています。

3つのETFの10年前との分配金比較は2.2~2.3倍でした。これを増配率にすると8.4~9.0%になり、いずれもかなり高い水準です。

 

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過去に購入した場合の分配金額の成長はどうか?

15年間の分配金額の推移はどうだったでしょうか。2007年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。参考までに【VTI】もあります。

15年間の分配金の合計は【VYM】が7700ドル、【VTV】が5900ドル、【VIG】は5400ドル、【VTI】は4800ドルでした。【VYM】がやはり多いですね。2021年の【VYM】の年間分配金は900ドルほどです。約15年でYOCが9%になるということですね。

 

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過去10年の分配金額と増配率を確認しよう

年間増配率を比較します。直近の2022年6月の分配金を基準にして、そこから1年間を遡って過去1年分配金としました。背景が赤色のところはマイナスです。

3つのETFともに、ほとんどの期間がプラスですね。表の下は過去1、3、5、7、10年の増配率です。こちらも高いレベルで安定しています。

 

1年ごとの増配率を比較する

先ほどの表の上のほうの1年ごと増配率の変化をグラフにしました。

【VYM】と【VTV】は2021年がマイナスですが、それ以外の期間は5%以上の増配と安定しています。【VIG】は5%以下の増配が3回ありますが、15%以上も3回あり、かなり高い水準ですね。

 

過去1~5年、7年、10年の増配率を比較する

表の下部、過去1、3、5、7、10年の増配率をグラフにしました。

いずれのETFも安定して増配しているのが一目瞭然です。過去1年や過去3年の増配率は【VIG】がかなり高いですね。過去5年以上の増配率は似たような数値と言えるかもしれません。

 

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現在の利回りと増配率を使って将来YOCを予想する

最後に現在の利回りと、過去の増配率を使って、今後20年間の将来YOCを予測します。

現在の過去1年分配金額と3、5、7、10年前の同時期の過去1年分配金額を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。

つまり、それぞれのETFを2022年9月2日の終値で買った場合、過去の増配率の通りに今後も推移したら、YOCがどのくらいになるかという予測です。ちなみに、YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。

検証するパターンは2つです。1つめは「分配金を再投資しない、税金を考えない」。もうひとつは「分配金を再投資する。税引後」で計算します。

この2つは結構データが似てきます。「分配金を再投資しない&税金を考えない」は額面上の数値と言ったところですね。「分配金を再投資する&税引後」は現実的な数値です。スタート時は「分配金を再投資しない&税金を考えない」が成績がよいですが、「分配金を再投資する&税引後」が徐々に迫ってきます。

現在の利回りは【VYM】が3.09%、【VTV】が2.48%、【VIG】が1.94%です。

 

過去3年の増配率で推移すると将来の利回り(YOC)はどうなるか

まずは過去3年の増配率で検証します。青が【VYM】赤が【VTV】黄色が【VIG】です。「分配金を再投資しない、税金を考えない」が実線、「分配金を再投資する&税引後」が点線で現わしています。

再投資する分配金額は、現在と3年前などの株価を比較して年平均成長率(CAGR)を計算し、それを使って調整します。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。

過去3年増配率は【VYM】が6.0%、【VTV】が5.1%、【VIG】が11.6%でした。

もっとも成績が良かった【VIG】の「再投資する、税引後」です。10年後のYOCは5.2%、20年後YOCは30.1%。次点は【VIG】の「再投資しない、税金を考えない」です。10年後のYOCは5.8%、20年後は17.5%

過去3年増配率は【VIG】が11.6%とかなり高かったので、将来YOCも期待できそうです。

 

過去5年の増配率で推移すると将来の利回り(YOC)はどうなるか

今度は過去5年増配率を使ってYOC予想を検証します。

過去5年増配率は【VYM】が6.8%、【VTV】が7.1%、【VIG】が8.4%でした。

もっとも成績が良かったのは【VYM】の「再投資する、税引後」で10年後のYOCは5.7%、20年後のYOCは18.8%。次点は【VTV】の「再投資する、税引後」で10年後YOCは4.5%、20年後は14.0%

 

過去7年の増配率で推移すると将来の利回り(YOC)はどうなるか

過去7年増配率を使ってYOC予想を検証します。

過去7年増配率は【VYM】が6.5%、【VTV】が7.6%、【VIG】が7.3%でした。

もっとも成績が良かったのは【VYM】の「再投資する、税引後」で10年後のYOCは5.5%、20年後のYOCは17.4%。次点は【VTV】の「再投資する、税引後」で10年後YOCは4.7%、20年後は15.7%

10年後ぐらいまでは「再投資しない、税金を考えない」の成績が良いですが、20年後になると「再投資する、税引後」が好成績です。最後は点線が伸びるケースが目立ちますね。

 

過去10年の増配率で推移すると将来の利回り(YOC)はどうなるか

最後は過去10年増配率を使ってYOC予想を検証します。

過去10年増配率は【VYM】が8.8%、【VTV】が8.4%、【VIG】が9.0%でした。

もっとも成績が良かった【VYM】の「再投資する、税引後」で10年後のYOCは7.0%、20年後のYOCは32.5%まで伸びます。次点は【VTV】の「再投資する、税引後」で10年後YOCは5.1%、20年後は19.1%

過去5、7年に続き、10年も【VYM】の「再投資する、税引後」1位、【VTV】の「再投資する、税引後」が2位でした。

 

将来YOC予想のまとめ

これまでの過去3、5、7、10年増配率を使ったYOC予想をまとめます。

左側が10年後YOC予想右側が20年後YOC予想です。「なし」が分配金を再投資しない、税金を考えない、「あり」は分配金を再投資する、税引後です。

10年後YOC予想は「再投資しない、税金を考えない」「再投資する、税引後」が似たような数値になっています。20年後YOCになると、税金を引かれても再投資をした場合の方が成績がいいですね。複利効果が出てきたと言えます。

YOC予想は現在の利回りと、過去の増配率によるデータです。10年後YOC予想は、現在の利回りの高い【VYM】がほとんどの期間でリードを保っています。

20年後YOCになると、増配率の高い【VIG】の過去3年などが伸びるケースもあります。
全体的に見ると【VYM】がやや優勢ですね。

 

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VYM、VTV、VIGのデータをランク付け

これまでのデータを「A」~「D」にしてランク付けしました。「A」が最高で、「B」はまあまあ、「C」は普通、「D」は良くないです。ただし、YOC予想は増配率と利回りを組み合わせたものなので、内容が重複している箇所がいくつかあります。

どのETFも高い水準のケースが多く、やや強引に差をつけました。参考程度にしてください。

「C」以下がほとんどないのが、最大の特徴ですね。いずれのETFも欠点が少ないと言えます。

「A」の数は【VYM】が最多で8、【VIG】が7、【VTV】が6です。似たような結果です。

「C」以下の数は【VIG】が5、【VTV】が3、【VYM】が2でした。分配金に関する内容が多いので、【VIG】の結果がやや劣るのは必然ですね。むしろ利回りが【VYM】より約1%低い【VIG】が、ここまで接戦に持ち込んでいることが、このETFの優秀さを現わしているとも言えます。

【VTV】はほとんどの項目で安定していました。地味な気がしますが、純資産総額が一番大きいだけのことはあります。

 

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まとめ

純資産総額が大きいだけあって、いずれのETFも欠点が少なく、甲乙つけがたい結果になりました。

高配当投資を考える場合、今回紹介したような安定度の高いETFをコアにして、サテライトとして利回りの高いETFを保有すると、ポートフォリオが安定すると思います。

いずれのETFも着実に増配しているので、早めに保有すると、将来の利回り(YOC)が高くなりそうです。過去のどの期間を切り取っても、増配率が似たような数値になっていました。こういうETFは珍しく、【VYM】【VTV】【VIG】ともに安定度は抜群です。

株価の上昇、トータルリターンは【VIG】がやや優秀。

【VYM】は現在の利回りや将来の利回り(YOC)が秀でていました。

【VTV】はその中間でやや地味なイメージですが、純資産額が一番大きく、【VYM】の約2倍、【VIG】の1.5倍ほどあるので、安心できます。