経費率0.05%のハイイールド債ETF【SPHY】(SPDR ポートフォリオ・ハイ・イールド債ETF)が購入可能に

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2024年2月の後半以降、SBI証券や楽天証券などの外貨建て口座で、ステートストリート社の米国ETF10本が購入可能となりました

今回のその中から、経費率0.05%と激安の米国ハイイールド債ETF【SPHY】を徹底分析。ライバルのハイイールド債ETFと様々なデータで比較します。

 

■このページの概要■
序盤は新たに購入可能となったステートストリート社の米国上場ETFの紹介
前半は、SPHYのコンセプトや基本データ
中盤は、ライバルの米国ハイイールド債ETFと様々なデータを比較
後半は、ライバルの米国ハイイールド債ETFと分配金利回りなど比較
終盤は、各項目をランキング形式で斬る

 

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新たに購入可能となったステートストリート社の米国上場ETF

ステートストリート社が金融庁に届け出た全11ETFの概要です。上の4つはテーマ型です。上から順に説明します。

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【KOMP】は、処理能力、人工知能、ロボット工学、オートメーションなどの革新的企業、いわゆるニュー・エコノミーの可能性に注目したETFです。

【CNRG】は、クリーン・エネルギー分野のイノベーションを推進する製品やサービスを提供する企業に注目したETF。

【HAIL】は、スマート輸送のイノベーションを推進する製品やサービスを提供する企業に注目したETFです。自律走行車やコネクテッドカー技術、ドローン技術、高度輸送追跡・輸送最適化システムなどですね。

【EFIV】は、S&P500 ESG指数に連動するETF。環境、社会、ガバナンスなどの一定のサステナビリティ基準を満たすS&P500企業が対象です。

この4つはインカムよりもキャピタルを狙いですね。下の7つがインカム狙いです。もう少し細かいデータを見ていきましょう。

 

インカム狙いのETFは7本

インカム狙いのETFは7つあります。配当関連のETFは経費率が高い傾向にありますが、今回新登場するETFは経費率が低いものが多いですね。赤色の4つのETFは経費率が低いですね。

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左から順に説明します。【SPHY】は米国のハイイールド社債が対象のETF。経費率は0.05%と激安です。後ほど解説します。

【SPIP】は米国の物価連動債です。インフレに対応したETFです。【SPMB】はモーゲージが対象です。

7つのインカム関連のETFの中で、【WDIV】だけは株が対象です。世界が対象で、10年間増配、もしくは配当を維持している企業から、配当利回りの高い100銘柄が対象。増配系ETFです。
【WDIV】についてYouTubeでまとめました
全世界が対象の増配&高配当ETF【WDIV】が購入可能に。分配金の傾向、中身、世界の高配当ETFと比べて、違いを明らかにします
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【HYBL】はアクティブ型のETF。さまざまなハイイールドな債券を集めたものです。ファーストトラスト社の【HYLS】と似ていますね。このETFは購入不可のようです。

【FLRN】は変動金利に一定のスプレッドを上乗せしたクーポンレートを支払う、残存期間5年未満の債券で構成されています。

【PSK】は優先証券。【PFFD】や【PFF】のライバルです。

今回は、この中から一番左の【SPHY】について紹介。米国のハイイールド社債が対象のETFです。

 

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SPHY(SPDR ポートフォリオ・ハイ・イールド債ETF)について

【SPHY】とはどんなETFでしょうか。ベンチマークはICE BofA米国ハイイールド指数です。

低コストでおなじみの「SPDRポートフォリオ」シリーズなので、経費率は0.05%と低いです。

非投資適格社債、いわゆるジャンク債が対象です。発行時点で最終満期まで少なくとも18ヵ月の残存期間を有し、固定金利クーポンを支払い、最低発行残高が2億5000万ドルの公募発行された米ドル建てハイイールド債です。

※クリックで拡大します

 

ファンドの特性は?

組入銘柄数は1915とかなり多いです。平均クーポンは6.26%。最終利回りは8.06%。平均残存年数は4.87。オプション調整後デュレーション(OAD)3.21年です。

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業種別構成比率は、景気連動型消費財が約20%で最多。上位にエネルギー、資本財など、景気に敏感なセクターが目立ちます。ハイイールド債なので、仕方ないですね。

 

 

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SPHYの分配金について

ここからは【SPHY】の分配金について確認しましょう。

【SPHY】は毎月分配型です。

分配金2013年から2018年にかけては横ばいでしたが、2019年に一気に増えました。珍しいですね。一般的なハイイールド債ETFは、2013年頃から2021年にかけて分配金がゆるやかに減少傾向の場合が多いです。

 

分配金と株価の比較

分配金と株価の比較です。株価はほぼ横ばいですが、わずかに下がっているように見えます。分配金は2019年に大きく増えています。2023年以降増えているのは、金利上昇の影響ですね。

 

株価、分配金利回り、YOCは?

株価、分配金利回り、YOCです。赤い線が分配金利回りです。過去1年分配金を株価で除して計算しました。

黄色の線がYOCです。Yield on Costのことで、過去にこの銘柄を買った場合、現在取得価額に対して利回りがいくらになっているかです。この黄色の線が左肩上がりの場合は、株価が好調で、増配傾向の場合が多いです。

【SPHY】の株価は横ばいなので、YOCも変化はないです。分配金利回りだけが上昇傾向です。つまり分配金だけが増えているということですね。レアケースですね。

 

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主な米国ハイイールド債ETFの比較

ここからは【SPHY】とライバルのハイイールド債ETFの比較を行います。

一番左が【SPHY】。経費率0.05%が圧倒的に低いですね。

その隣の【HYG】【JNK】はハイイールド債ETFの定番です。どちらも規模が大きいですね。経費率は0.4%台。このくらいが普通なので、【SPHY】の低さが際立っています。【SJNK】は短期のハイイールド債です。

※クリックで拡大します

【USHY】は経費率0.08%で、かなり低いです。ただし、このETFは日本の証券会社では購入できません。

一番右の【2258】は【USHY】の東証版です。2023年11月に上場しました。経費率は0.209%です。新NISAの成長投資枠の対象です。そのため、分配金は年4回のタイプです。二重課税調整制度の対象です。

このETFの投資信託版「SBI・iシェアーズ・米国ハイイールド債券インデックス・ファンド(年4回決算型)」が、2月28日から運用開始されます。

信託報酬は0.1438%程度の予定です。こちらも分配金は年4回のタイプなので、新NISAの成長投資枠、二重課税調整制度の対象ですね。

【SPHY】のライバルは、経費率の低さで考えると、【USHY】の東証版【2258】と、その投資信託版「SBI・iシェアーズ・米国ハイイールド債券インデックス・ファンド(年4回決算型)」になりそうです。この2つは新NISAの成長投資枠の対象というのが大きいですね。

この後は【2258】以外の5つのデータを様々な角度から比較します。【2258】やその投信版「SBI・iシェアーズ・米国ハイイールド債券インデックス・ファンド(年4回決算型)」は過去データはほとんどありませんが、【USHY】の過去データを見ることで、参考になると思います。

 

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米国ハイイールド債ETFの格付けの比較

格付けを見ていきましょう。ハイイールド債はジャンク債と言われ、格付けは低いです。

投資適格が「BBB以上」で、投資不適格が「BB以下」です。今回比較しているハイイールド債ETFは薄い緑色の「BB以下」が主力です。

あまり差はないですね。【HYG】が「BB」の比率が高いですね。【HYG】はこの中で分配金利回りが最も低いので、格付けの高いものが多いですね。

【SJNK】は短期のハイイールド債です。他と同じ格付けだと、分配金利回りが低くなってしまうので、格付けの低いものを多くしています。

 

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株価、トータルリターン、シャープレシオを比較

株価を比較します。【USHY】が設定から6年強なので、過去5年で比べます。

【SJNK】は短期のハイイールド債なので、他のETFとは若干毛色が異なります。そのため、チャートも少し異なっていますね。

それ以外の4つはほぼ同じ動きです。1万ドルスタートで、もっとも成績が良いのは【SJNK】で9300ドルほど、もっとも成績が悪いのは【JNK】で8900ドル、残りの3つは9100ドル台でほぼ同じです。

 

トータルリターンを比較

トータルリターンを見ましょう。トータルリターンとは分配金を再投資した株価リターンのことです。期間は1、3、5、10年で、年率です。

似たような成績ですが、3年以上では【SPHY】【SJNK】がやや優勢です。【USHY】もまずまずです。【HYG】【JNK】は少し劣っています。

 

トータルリターン、リスク、シャープレシオの比較

トータルリターン、リスク、シャープレシオを散布図で比較します。縦軸がトータルリターン、横軸がリスク、円の近くの数値がシャープレシオです。

一般的にトータルリターンが高く、リスクが低いほど、シャープレシオが高くなります。表の左上がローリスク・ハイリターン右下がハイリスク・ローリターンです。

まずは3年です。【SJNK】】がリターンが抜けており、リスクも低いですね。シャープレシオも唯一プラスです。

【SPHY】【USHY】が二番手グループですね。

 

5年データを比べる

続いて5年です。

リターンは【SPHY】がわずかに優勢でしたが、リスクの低い【SJNK】がシャープレシオは0.34と高いです。2番手は【SPHY】で0.31、3番手は【USHY】で0.27す。

 

10年はどうか?

続いて10年です。【USHY】はデータがありません。

リターンが高い【SPHY】がシャープレシオ0.43でトップ、【SJNK】が0.38で2番手。【HYG】が0.30で3番手でした。

全体的に見ると、シャープレシオはリスクの低い【SJNK】がもっともよく、【SPHY】【USHY】が続き、【HYG】【JNK】は今ひとつでした。

 

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分配金利回り推移を確認しよう

それでは分配金利回りの推移を比較しましょう。分配金利回りは過去1年分配金から算出しました。株価は月に1度、月末のものです。

右端の数値が現在2024年2月9日の分配金利回りです。【SPHY】が7.43%、【SJNK】が7.28%と高く、【USHY】が6.59%、【JNK】が6.44%、【HYG】は5.77%です。

上のデータは過去3、5、10年の平均です。【SPHY】は過去10年は5.0%とあまり高くないです。2020年ごろに一気に高くなりました。【SJNK】も過去は5.5%ほどなので、現在の分配金利回りが高い状況です。

 

10年はどうか?

6年前に1万ドル購入して、分配金を再投資した場合の年間分配金の推移です。

6年間の合計は【SPHY】が3834ドル、【SJNK】が3758ドル、【JNK】【USHY】が3589ドル、【HYG】が3324ドルです。

かなり接戦ですが、【SPHY】【SJNK】がやや優勢でした。

 

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増配率を比較しよう

増配率を見ていきましょう。表の上段は1年ごとの過去1年分配金と、前年からの増配率です。背景ピンク色がマイナスです。

表の下段は現在を起点とした1、3、5、7、10年の増配率。年平均をCAGRで計算します。背景のオレンジ色が濃いほど、増配率が高いという意味です。3年以上の増配率をグラフで見てみましょう。

 

増配率をグラフで比較する

パッと見た感じ【SPHY】が圧倒的です。3年増配率は【SJNK】が9.1%でもっとも高かったですが、残りは【SPHY】が断トツです。5年増配率は11.1%、7年は6.6%、10年は4.4%です。

【HYG】【JNK】【USHY】は3年増配率はプラスですが、5年以上はマイナスが目立ちます。

 

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分配金推移を比較しよう

5つのETFの分配金推移を確認しましょう。

【SPHY】は2018年までは横ばい、2019年に一気に増えました。そのため、先ほどの5年以上の増配率が高かったわけです。

 

【HYG】は2021年にかけて分配金は減っています。2022年に増えて、2023年はさらに増えました。

 

【JNK】【HYG】とほぼ同じです。2021年にかけて分配金は減りました。2022年に増え、2023年はさらに増えました。

 

【SJNK】も似たような傾向ですが、2023年の分配金は【HYG】や【JNK】より増えていますね

 

【USHY】は比較的緩やかで、ほぼ横ばいですね。2021年が底というのは共通しいます。

 

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増配率、分配金利回り、トータルリターンを比較しよう

増配率、分配金利回り、トータルリターンをバブルチャートで比較します。

縦軸が増配率、横軸が分配金利回り、バブルの大きさがトータルリターンです。バブルの近くの数値はトータルリターンです。

まずは3年です。分配金利回りは【SPHY】が6.1%と高かったです。増配率は【SJNK】が9.1%と圧倒的。トータルリターンも【SJNK】が3.6%で首位です。

 

5年データはどうか?

続いて5年を見てみましょう。

分配金利回りは【SPHY】【USHY】が5.9%と高いですね。増配率は【SPHY】が11.1%で断トツ。トータルリターンは【SPHY】【SJNK】が4.5%前後で良かったです。

 

10年データを比較する

最後に10年を見てみましょう。【USHY】はありません。

分配金利回りは【JNK】【SJNK】が5.7%ほどと高かったです。増配率は【SPHY】が4.4%で首位、トータルリターンも【SPHY】が4.3%で優勢でした。

総合的に見ると、【SPHY】【SJNK】が安定して良かったですね。

 

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米国ハイイールド債ETFを項目別にランクづけ

これまで取り扱ったデータをランクづけしました。「A」が最高で「B」「C」「D」の順です。

ハイイールド債ETFはデータが似ているケースが多く、強引に差をつけたので、参考程度にしてください。

【SPHY】分配金利回り、経費率、過去の分配金、増配率で「A」評価です。インカム投資家が重視したい項目で結果を残していますね。

【USHY】過去の分配金利回り、経費率で「A」。東証版【2258】や投資信託版「SBI・iシェアーズ・米国ハイイールド債券インデックス・ファンド(年4回決算型)」が、新NISAの成長投資枠に対応しているのがうれしいです。

【SJNK】は短期のハイイールド債なので、少し毛色が異なります。現在の分配金利回り、株価リターン、シャープレシオ、過去の分配金、増配率などで「A」でした。

【HYG】【JNK】、は「C」の数がやや多く、全体的に苦戦傾向でした。

 

ABCDの数値をまとめたデータです。

「A」の数は【SPHY】【SJNK】が5個で最多。「B」の数は【USHY】が7個で最多。【SPHY】は「C」の数が1つと少なく、安定度がありますね。

 

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まとめ

ステートストリート社の米国上場ETF10本が、2024年2月後半に、SBI証券や楽天証券の外貨建て口座で購入可能となりました。

経費率が低いETFが多く、内訳はテーマ型が4本、高配当型が6本です。

【SPHY】は米国のハイイールド債ETFで、経費率が0.05%とかなり低いです。

分配金は2019年以降、かなり好調で、現在の分配金利回りは約7.4%と高いです。

ライバルのハイイールド債ETFとの比較では、【SPHY】は分配金利回り、経費率、過去の分配金、増配率などがよく、インカム投資家が重視したい項目が素晴らしかったです。

経費率の低いハイイールド債ETFは【USHY】がありますが、日本の証券会社では購入できません。ただしその東証版ETF【2258】は購入可能で、経費率は0.209%です。新NISAの成長投資枠や二重課税調整制度の対象です。

このETFの投資信託版が「SBI・iシェアーズ・米国ハイイールド債券インデックス・ファンド(年4回決算型)」として2月28日から運用開始されます。こちらも新NISAの成長投資枠や二重課税調整制度の対象

日本での【SPHY】のライバルはこの2つかもしれないですね。

個人的には【SPHY】と短期のハイイールド債ETF【SJNK】を外国口座で少し買ってみようかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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