東証REIT指数に連動している10ETFを徹底比較

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今回はJ-REITについてです。東証に上場しているREITはどんなものがあるでしょうか。

東証REIT指数に連動しているETFは10個あります。これらを比較します。

東証REIT指数連動型ETF分配金の傾向、増配率、トータルリターンなどを調べて比較していきます。

さらに、東証REIT Core指数連動型や、高利回り特化型ETFREITを細分化したETFなども紹介。ETF以外では、分配金が出るタイプの投資信託、SBIアセットのJ-REITファンドについて考えます。

 

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J-REITとは何か?

まずはREITの基本情報です。REITReal Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託のことを指します。

REITは、投資家から集めた資金を用いて不動産に投資し、その運用から得られる収益を投資家に分配する仕組みを持っています。具体的には、オフィスビル、商業施設、住宅、物流施設など様々なタイプの不動産に投資されます。

日本のREITは、J-REITと呼ばれています。J-REITは2001年に導入され、以来、多くの投資家に利用されています。日本国内の様々な不動産に投資されており、個人投資家から機関投資家まで広く利用されています。

J-REITは、収益の90%以上を分配金として投資家に支払えば、実質的に法人税がかかりません。そのため、一般の株式などに比べて、投資家に分配金を出しやすい金融商品といえます。

REITのメリットをまとめると、少ない金額から投資可能、複数の不動産へ分散投資ができる、専門家が運用する、換金性が高い、収益のほとんどが分配されるなどがあります。

 

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東証に上場しているREITについて

東証に上場しているREITは全部で58銘柄あります。

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決算は年2回がほとんどです。分配金が年2回出るということです。

決算の月はバラバラなので、個別銘柄を組み合わせることで、毎月分配が可能となります。

 

REITはどんな種類があるのか?

運用タイプは特化型複合・総合型に分かれています。

特化型はオフィスビル、住宅、商業施設、物流施設、ホテルなどに分類されます。複合・総合型は、これらを複数組み合わせています

ただ、個別銘柄は結構難易度が高いので、REITをまとめたETFの方がいいかもしれないですね。

 

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東証REIT指数とは?

ここからは東証REIT指数についてです。

東証REIT指数とは、東京証券取引所に上場しているすべての不動産投資信託、いわゆるリートの全体の動向を表す指数です。浮動株ベースの時価総額加重型の指数です。基準日である2003年3月末の時価総額を1000ポイントとして計算されます。

2024年7月現在、全58銘柄で構成されています。

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この表はブラックロック社の東証REIT指数連動型ETF【1476】の全組入れ銘柄です。

左が組入比率1位から29位、右が30位から58位です。右から2列目が時価総額で、規模の大きいほど背景色の青色が濃いです。右から1列目が組入比率です。比率の高いほど背景色のオレンジ色を濃くしています。

なので、時価総額の大きい銘柄ほど、比率が高くなっているのがわかりますね。

 

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東証REIT指数連動型ETFはどんな銘柄があるのか?

東証REIT指数に連動しているETFについて見ていきましょう。左から純資産総額の大きい順に並んでいます。表内の赤字は優れているという意味ですね。

10銘柄もあります。野村、ブラックロック、大和、三菱UFJ、農林中金、日興、アセマネ、三井住友、シンプレクス、もうひとつ日興です。主な資産運用会社が勢ぞろいしています。

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決算は年4回が多いです。1、4、7、10月。2、5、8、11月。3、6、9、12月と3パターンすべてあります。なので、複数保有することで毎月分配が可能です。日興【1345】と【2552】は年6回の隔月分配型です。ただし、この2つは信託報酬がほかよりやや高めです。

歴史が古いのは野村【1343】日興【1345】で2008年です。

信託報酬は0.2%を切っているETFが多いです。三菱UFJ【1597】が0.1595%、ブラックロック【1476】が0.165%と低いですが、野村【1343】大和【1488】アセマネ【2556】は0.1705%と差がないですね。

左から純資産総額の大きい順です。野村【1343】が4600億円、ブラックロック【1476】が3400億円と規模が大きく、大和【1488】三菱UFJ【1597】が2100億円と続いています。

最低購入価格は基本的に1口か10口に分かれています。1口がブラックロック【1476】大和【1488】日興【2552】で、1800円ほどで購入可能です。

分配金利回りは分配金のタイミングによって少し異なりますが、4.1%から4.2%ぐらいです。右端の2つが4%を切っており、少し低いです。

 

トータルリターンはどうか?

トータルリターンを比較しました。野村【1343】ブラックロック【1476】大和【1488】三菱UFJ【1597】日興【1345】の5つのみです。

ほとんど同じです。ベンチマークが同じなので、そうなりますね。ただ、右端の日興【1345】はわずかに劣っているかもしれません。このETFは信託報酬が0.33%と少し高いからかもしれないですね。隔月分配型というのは、うれしいですが。

全体的に見ると、東証REIT指数連動型ETFの10年のリターンが4%台というのは、株と比べると良くないですね。TOPIXは10%ほど、日本株高配当ETFも11%ぐらいあります。

 

どのETFがオススメか?

さて、この10ETFはどれがオススメかについてですが、どれでもあまり差はなさそうですね。信託報酬が低く、純資産が大きく、最低購入価格の低いETFがいいかもしれないですね。

そうするとブラックロック【1476】が一番良いかもしれません。野村【1343】大和【1488】三菱UFJ【1597】でも良さそうです。

どれを選んでも大成功や大失敗という偏った結果にはならなそうですね。

 

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1476(iシェアーズ・コア Jリート ETF)の分配金について

東証REIT指数に連動しているETFの中から、ブラックロック【1476】の分配金について見ていきます。

赤い線が取引所価格で、ほぼ横ばいですね。設定された2015年10月と現在の2024年7月はどちらも1800円前後で変化なしです。

緑の棒グラフが四半期ごとの分配金です。設定当初は15円ぐらいでしたが、現在は20円ぐらいに増えています。

 

分配金の傾向は?

分配金を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。

2017年頃は年間60円ぐらいでしたが、2023年は年間73円まで増えました。2024年は前年を上回るペースです。

増配率は7年が5.4%、5年2.9%、3年3.3%です。

 

他の東証REI指数連動型ETFと比較

こちらは、同じ東証REIT指数に連動している野村【1343】の分配金推移です。

増配率は7年が4.7%、5年3.1%、3年3.6%です。ベンチマークが同じなので、分配金の推移も増配率も似ています。

 

取引所価格、分配金利回り、YOCは?

【1476】の取引所価格、分配金利回り、YOCです。

取引所価格は青い線です。1700円から2300円の間で、だいたい横ばいです。

取引所価格は変わらず、分配金は少し増えているので、赤い線の分配金利回りは長期で上昇傾向です。

取引価格はあまり変化ないので、黄色の線のYOCはどのタイミングでも同じぐらいです。3.5%から4.2%ぐらいです。

 

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その他、東証上場REIT・ETFについて

東証REIT指数連動型以外の、東証に上場しているREIT・ETFについて見ていきます。

左の3つは東証REIT Core指数連動型です。三菱UFJ農林中金大和からETFが出ています。先ほどまで紹介していた東証REIT指数は東証に上場しているすべてのリート58銘柄を時価総額加重平均で組み入れたものです。

東証REIT Core指数は、その中から時価総額や売買代金の大きい30銘柄を均等に組み入れたものです。若干分配金利回りが高くなると言われていますが、現在は4.1%ぐらいで、東証REIT指数とほぼ同じです。

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右から3列目の【1660】は、野村高利回りJリート指数連動型です。三菱UFJアセットの商品です。東証上場REITから、分配金利回りの高い30から40銘柄を配当加重で組み入れたものです。分配金利回りは4.24%なので、少し高いですね。

右から2列目は【210A】大和のETFで、今年6月に設定されたばかりです。日経高利回りREIT指数に連動しています。こちらも東証に上場するREITから、分配金利回りの高い銘柄から構成される配当加重方式で組み入れた指数です。【1660】とほぼ同じですね。

右端がSBIアセットの投資信託です。今年5月に設定されたばかりです。アクティブファンドで、信託報酬は0.09%と低いですね。SBI日本高配当の東証REIT版です。

コンセプトは配当利回りに着目し、高水準のインカムゲインと中長期的な値上がり益の獲得によるトータル・リターンの追求を目指すとのことです。6月末の組入れ銘柄数は24で、組入れ銘柄から算出した加重平均利回りは4.64%のようです。ほかと比べて少し高いですね。

 

投資信託は信託報酬に注目すべし

国内REITを対象としている投資信託はたくさんあります。その中から、分配金を出すタイプをまとめました。SBI証券で購入可能なものです。

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右から5列目の信託報酬に注目してください。一番上は先ほど紹介したSBIアセットのJ-RETです。信託報酬は0.099%と低いです。

2番手は大和の商品で信託報酬は0.688%、それ以外も0.7%以上と、信託報酬がかなり高いです。つまり、SBIアセットのJ-REITを除くと、信託報酬がETFと同じくらいの0.2%前後の投資信託はないということですね。

大和、日興、アセマネ、三井住友、三菱UFJ、ニッセイなど日本を代表する資産運用会社たちが、信託報酬の高い国内REIT商品を揃えているということです。

なお、分配金を出さないタイプの国内REIT対象の投資信託なら、三菱UFJのeMAXIS Slim 国内リートインデックスが信託報酬0.187%です。

国内REITファンドで分配金が出るタイプが欲しいなら、ETFかSBIアセットの投資信託が選択肢となりそうです。

 

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ややマニアックな東証上場REIT・ETFについて

ここからはややマニアックなREIT・ETFです。

左の3つは、ESGやグリーン投資などを対象としたREIT・ETFです。環境に配慮した物件を保有するJ-REITなどが対象です。日興ブラックロックグローバルXからETFが出ています。

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グローバルX社は環境に配慮した【2855】以外にも、REITを細分化してETFにしています。いずれも偶数月に分配金が出るので、年6回です。

物流が対象なのが【2565】、オフィスが対象の【2096】、住居に投資する【2097】、ホテルや商業施設に投資する【2098】があります。とくに、物流に投資する【2564】は、純資産が262億円となかなかの規模です。

一番右は、シンプレックスのインバースETF【2094】です。東証REIT指数のマイナス1倍の値動きをします。信託報酬が0.83%とやや高いです。

 

トータルリターンを比較する

ここまで紹介したJ-REIT・ETFから、主な銘柄のトータルリターンを比較します。

左の2つ、野村の【1343】と、ブラックロックの【1476】は、東証REIT指数が対象のETFです。

その隣の三菱UFJの【2517】と、大和の【2528】東証REITCore指数連動型です。若干、東証REIT指数より成績が良いですね。

右から3番目は、三菱UFJの【1660】野村高利回りJリート指数連動型です。5年リターンはなかなか良いですね。

右から2つ目は日興の【2566】ESGが対象。一番右はグローバルXの【2565】物流が対象です。あまり良くないですね。全体的に苦戦していますね。

 

三菱UFJアセットと大和アセットのREIT・ETFを比較

三菱UFJアセットと、大和アセットは、国内REIT・ETFをそれぞれ3本出しています。東証REIT指数連動型、東証REITCore指数連動型、高利回りタイプです。

同じ運用会社でまとめてみるというのもアリかもしれませんね。

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ちなみに三菱UFJの3つは分配金のタイミングが異なるので、3つ保有すると、毎月分配が可能となります。

大和アセットの3本は、分配金はいずれも3、6、9、12月なので、全部保有しても毎月分配にはならないですね。

 

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まとめ

東証に上場しているREITは58銘柄ほどあります。それらを全部まとめて、時価総額加重平均方式で組み入れたのが東証REIT指数です。

東証REIT指数に連動しているETFは10個あります。信託報酬が0.2%を切っているETFが多く、分配金利回りは4%強です。その中でもブラックロックの【1476】、野村の【1343】、大和の【1488】、三菱UFJの【1597】が規模が大きいです。

たかにんはブラックロックの【1476】を少々買ってみようかなと思っています。

東証REIT指数連動型ETFの分配金の増配率は7年で5%、3年で3%ほどです。取引所価格は、横ばいです。過去10年のパフォーマンスは4%ほどなので、TOPIXの10%などと比べると今ひとつです。

東証REIT指数連動型以外にも、東証REITCore指数連動型や、高利回り特化型のETFもあります。

REITを物流、オフィス、住宅などに細分化したETFが、グローバルX社から出ています。

分配金が出るタイプの投資信託はSBIアセットのJ-REITファンド信託報酬0.099%と低いです。ただし、アクティブファンドです。それ以外の投資信託は、信託報酬がかなり高いです。

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