米国高配当ETF、VYM、HDV、SPYD、DHS、FDL、DVYを分析&比較【2024年6月分配金決定版】

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2024年6月のETFの分配金が出揃いました。最新の分配金情報をもとに、米国の高配当ETF、VYM、HDV、SPYD、DHS、FDL、DVYのデータを徹底比較します。

■このページの概要■
序盤は米国高配当ETF6月分配金について
前半は、6つの高配当ETFの基本データと分配金の傾向
中盤は、6つの高配当ETFの上位組入銘柄やセクターの比較
後半は、トータルリターン、シャープレシオ、分配金利回り、増配率などを比較
最後に、項目ごとにランク分けして比較
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  1. 2024年6月の分配金は?
      1. たかにん保有状況は?
  2. 米国高配当ETF6種類の基本データ比較
  3. VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
  4. HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF)
  5. SPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500高配当株式ETF)
  6. DHS(ウィズダムツリー 米国株 高配当ファンド)
  7. FDL(ファースト・トラスト・モーニングスター・ディビデント・リーダーズ・インデックス・ファンド)
  8. DVY(iシェアーズ 好配当株式 ETF)
  9. 米国高配当の上位銘柄、セクター比較、重複率
      1. セクター比率を比較しよう
      2. ETFの重複率は?
      3. 保有銘柄の規模は?
  10. リターンを比較する
      1. トータルリターンは?
  11. トータルリターンとシャープレシオ、リスクを比較
      1. 5年のシャープレシオを比較
      2. 10年のシャープレシオを比較
  12. 分配金利回り推移を確認しよう
      1. 過去の分配金利回りの平均は?
  13. 過去に購入した場合の、現在YOC、分配金額は?
      1. これまでの分配金の合計は?
  14. 過去の増配率は?
      1. 1年、3年、5年、10年増配率をグラフ化
  15. 増配率、分配金利回り、トータルリターンを比較しよう
      1. 5年データを比較する
      2. 10年データを比較する
  16. 3、5、10年増配率を使った将来YOC予想
      1. 5年増配率から将来YOCを予想する
      2. 7年増配率から将来YOCを予想する
      3. 10年増配率から将来YOCを予想する
  17. それぞれの項目をランク分け
      1. ランキングの数をまとめる
  18. まとめ

2024年6月の分配金は?

まずは、直近の2024年6月の分配金データと前年同期との比較です。

表の一番下が前年同期との比較です。いずれも前年同期と比較して、プラスでした。背景が黄色が濃いほど、プラスが大きいという意味です。

【VYM】は1.0237ドルで、前年同期と比較して16.8%増と好調でした。【HDV】は0.9284ドルで、前年同期と比較して16.6%増とこちらも好調でした。【SPYD】は0.4869ドルで、前年同期と比較して4.6%増でした。

 

たかにん保有状況は?

こちらは、たかにんの保有状況です。6つのETF全て保有しています。

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【VYM】【SPYD】はSBIアセットの投資信託も保有しています。

【VYM】【HDV】【SPYD】の米国ETFは2020年や2021年ごろに購入したので、かなりプラスになっていますね。

円換算評価損益なので、円安のおかげでプラスが増えた感じです。

【DVY】は特定口座で保有していたのを、今年2月に新NISAの成長投資枠に移しました。新NISAで買った時の値段が取得単価ですが、すでに18万円もプラスになっています。

まだ、5カ月しか経過していないのに、円安と株高のおかげですね。

【DHS】【FDL】VYMとSPYDの投資信託は最近買い始めたので、これからですね。

 

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米国高配当ETF6種類の基本データ比較

今回紹介する6つの高配当ETFの基本データを確認しましょう。

数値が赤色は、他のETFよりも秀でているという意味です。オレンジ色は赤色に次ぐ2番手グループという意味です。

左から【VYM】【HDV】【SPYD】【DHS】【FDL】【DVY】の順に並んでいます。今回のコンテンツのデータは基本的にこの順番で並びます。後半はグラフがたくさん登場しますが、グラフの線はそれぞれのETFの背景色を使用します。

※クリックで拡大します

経費率は【VYM】【HDV】【SPYD】の3つが0.1%を切っており、かなり低いですね。これが高配当御三家ETFと言われる理由のひとつです。

新NISA成長投資枠は、毎月分配型の【DHS】は対象外です。それ以外の5つのETFは購入可能です。

【HDV】は東証版のETF【2013】もあります。【VYM】【SPYD】は、SBIアセットマネジメントから投資信託版(年4回分配型)が出ています。【DHS】【FDL】【DVY】は米国版ETFのみです。

直近12カ月の分配金から出した、現在の分配金利回りは【SPYD】が約4.6%、【FDL】が約4.5%と高いです。【VYM】は3%ちょうどぐらいです。

 

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VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)

ここからは6つのETFの概要と分配金の傾向を見ていきます。

まずは【VYM】。米国の上場企業から、平均以上の配当利回り銘柄を集めて、時価総額加重平均で組み入れたETFです。

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【VYM】は米国上場の高配当ETFの中で最も規模が大きいETFです。約8.6兆円ほどあります。規模が大きいというのは、ETFが売れていると同時に、取引価格上昇の実績もあるという意味です。

今回の2024年6月の分配金1.0237ドルは、前年同期と比べて16.8%増です。分配金を1年単位で見ると、13年連続で増配しています。増配率は5~6%台ですね。

 

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HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF)

【HDV】はは他社に対して優位性のあるビジネスモデル、財務の健全性でスクリーニングをかけて、条件が合った中から、配当利回りの高い75銘柄を選びます。

財務状況が健全かつ比較的配当を多く支払う銘柄が対象のETFです。

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年4回銘柄を入れ替えるので、中身が頻繁に変化します。下落相場では強いですが、上昇相場における価格上昇が今ひとつの場合が多いですね。

直近2024年6月の分配金は0.9284ドル、前年の同期との比較では16.6%増です。

分配金は長期で見ると堅実に増配しています。増配率は10年は5.2%ですが、3年は3.3%と少し低いです。

 

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SPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500高配当株式ETF)

【SPYD】S&P500指数の中から、基本的に配当利回りの高い80銘柄が対象のETFです。

均等組み入れで、年2回、1月と7月末に銘柄の入れ替えがあります。運用総額は9400億円とまずまずです。分配金利回りは4.6%と高いですね。

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直近2024年6月の分配金は0.4869ドル、1年前の同期と比べて4.6%増です。

【SPYD】は均等加重のため、銘柄入れ替え時に中身が大幅に変化します。そのため分配金は多い時と少ない時の差が激しいです。ただ、何回か連続で分配金が多い、もしくは少ないということはないので、1年単位では落ち着いています

分配金の傾向は、ほぼ横ばい、わずかに増えている傾向とも言えます。増配率は7年が2.2%です。

 

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DHS(ウィズダムツリー 米国株 高配当ファンド)

【DHS】。正式名称はウィズダムツリー 米国株 高配当ファンド

配当利回り上位30%が対象のETFで、配当加重方式を採用しています。基本的に時価総額が大きく、配当利回りの高い銘柄が上位に入ります。割安度や株価推移なども考慮して、銘柄の比率が決まります。

※クリックで拡大します

運用総額は約1700億円とやや物足りないです。

毎月分配型というのがうれしいですが、そのため新NISAの成長投資枠の対象外です。

【DHS】の組入銘柄数は約380と多いです。

直近2024年6月の分配金は0.375ドル、前年の同期との比較では21.0%増です。

グラフを見ていただけるとわかりますが、【DHS】は同じ月の分配金を比較してもバラバラなので、前年同期比較はあまり意味がないです。1年単位で増えているかどうかをチェックするのがいいですね。2023年はかなり増えましたね。2022年との比較では、20.5%も増えました

分配金は長期で見ると堅実に増配しています。増配率は10年で7%となかなか高いです。

 

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FDL(ファースト・トラスト・モーニングスター・ディビデント・リーダーズ・インデックス・ファンド)

ファーストトラスト社の【FDL】です。正式名称はファースト・トラスト・モーニングスター・ディビデント・リーダーズ・インデックス・ファンド。

5年間の配当成長率がプラス、配当性向100%以下でスクリーニングし、これらの条件に合う配当利回り上位100銘柄が投資対象です。リートは対象外です。

配当加重なので、配当利回りが高く、かつ時価総額の大きい銘柄が上位になります。【HDV】や【DHS】と同じです。運用総額は6200億円。経費率が0.45%とやや高めです。

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直近2024年6月の分配金は0.4854ドル、前年の同期との比較では6.3%増です。

分配金は2020年から2022年は横ばいでしたが、2023年に一気に増えました。2022年との比較では、25.8%増です。2024年の2回の分配金も前年を上回って、好調を維持しています。

増配率は9%台とかなり高水準です。分配金利回りが高く、増配率も高い高配当ETFです。どちらも高いのは、なかなかレアケースです。

 

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DVY(iシェアーズ 好配当株式 ETF)

最後はブラックロック社の【DVY】

財務が健全で、配当の支払い実績と余力があり、中規模以上の企業でスクリーニングして、条件に合う100銘柄を選びます。

配当利回りの高い順に比率が高くなるので、スクリーニングの条件は結構厳しくしています。そうしないと、株価が低迷して高配当になっている罠銘柄が入ってしまい、ETFは不安定になってしまいます。なので、財務が健全で増配傾向のある厳選銘柄の高配当ETFというイメージですね。

 

※クリックで拡大します

設定されたのは2003年と古株です。規模は約2.9兆円と大きいです。経費率は0.38%とやや高め。
直近2024年6月の分配金は0.9304ドル、前年の同期との比較では14.0%増です。

分配金は長期で見ると堅実に増配しています。リーマンショック後の2010年からずっと上がっていますね。増配率は7%前後となかなか高水準です。

 

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米国高配当の上位銘柄、セクター比較、重複率

ここからは6つの米国高配当ETFを様々なデータで比較します。

まずは上位10銘柄比較。銘柄の背景に色がついているのは、3つ以上のETFで上位10位に入っているという意味です。

エネルギーのエクソン・モービル【XOM】、シェブロン【CVX】、タバコのアルトリア・グループ【MO】、フィリップモリス【PM】、ヘルスケアのアッヴィ【ABBV】、通信サービスのベライゾン【VZ】です。いずれも高配当のおなじみ銘柄ですね。

【HDV】【DHS】【FDL】は3ETF以上に入っている銘柄が5つ以上あります。

※クリックで拡大します

上位10銘柄の比率は【HDV】が58%、【FDL】が56%、【DHS】が39%と多いです。この3つのETFは共通点が高いです。配当加重方式、上位銘柄の組入れ比率が高く、上位銘柄も結構似ています。

【VYM】は時価総額加重で配当利回りが平均以上の銘柄が対象です。そのため、高配当というより、中配当ぐらいの銘柄が目立ちます。プロクター・アンド・ギャンブル【PG】やホーム・デポ【HD】などですね。他の高配当ETFと少し毛色が異なります。

【SPYD】はSP500銘柄の配当利回り上位80銘柄が対象で均等加重なので、あまり上位銘柄は意識する必要はないです。他のETFと比べて、マイナー銘柄が目立ちます。

【DVY】は配当利回り加重なので、配当利回りの高い銘柄が上位です。そのため、こちらもややマイナー銘柄が上位に入っています。ポートフォリオのコアというよりは、サテライト向きですね。

 

セクター比率を比較しよう

セクター比率を比較します。

高配当ETFは金融が首位か2番手のケースがほとんどです。【HDV】は財務の健全性を重視するため、金融が5%ほどと少ないです。

【DHS】【FDL】は似ています。上位5つに金融、エネルギー、公益事業、生活必需品、ヘルスケアが入っています。【HDV】は金融以外の4つが上位に入っています。

【SPYD】【DVY】も少し似ています。金融、公益事業、生活必需品が上位に入っています。違いは【SPYD】の首位が不動産ということですね。【SPYD】はSP500銘柄の配当利回り上位80銘柄、【DVY】は配当利回り加重なので、配当利回りを重視するという共通点があり、セクターが似るわけです。

【VYM】は突出しているセクターがなく、バランスが良く見えます。

 

ETFの重複率は?

重複率を見ていきます。【HDV】【DHS】【FDL】の3つは重複率が高いです。どの組み合わせでも40%以上あり、【DHS】【FDL】は52%もありますね。

上位銘柄とセクターが似ていましたので、この結果は予想通りですね。

そして、【SPYD】【DVY】は45%と重複しています。こちらも、先ほどのセクターが似ていましたので、中身も重複しているというわけですね。

【VYM】は【VIG】【VTI】【VOO】などとの重複率が、他の高配当ETFと比べてかなり高いです。【VYM】は高配当よりも、インデックスや市場全体に近いイメージです。

 

保有銘柄の規模は?

保有銘柄の規模を比較します。MorningstarのサイトでETFの銘柄の規模をGiant、Large、Mid、Small、Microの5つに分けています。赤色のGiantが超大型株で、紺色のLargeは大型株です。

高配当ETFの中では【VYM】が超大型株の比率が大きく、【HDV】が2番手です

【SPYD】【DVY】は中型株が多いです。【DHS】は超大型株も超小型株もそれなりにあり、幅広いです。【FDL】は大型株が目立ちます。

一番下は参考までに、SP500対象の【VOO】です。【VYM】よりも超大型株が多いです。

 

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リターンを比較する

プライスリターンとトータルリターンを比較します。まずはプライスリターンです。

【SPYD】の設定が2015年10月なので、2016年7月から2024年6月の過去8年で比較します。

8年前に1万ドルだった取引価格は、2024年6月末には【VYM】が1万6600ドルでトップ、【DVY】【FDL】が1万4100ドル、【HDV】が1万3200ドル、【DHS】が1万2600ドル、【SPYD】は1万2000ドルほどでやや低調です。

 

トータルリターンは?

トータルリターンを比較します。2024年6月末基準のデータです。期間は1、3、5、10年で、年率です。

5年以上では【VYM】【FDL】が9%台と素晴らしく、その他の期間も含めて、この2ETFが抜けています。

【HDV】【DHS】【DVY】がその次のグループです。3年以上のリターンは7%ぐらいです。ただし、【DVY】は3年リターンが4.9%とよくないですね。【SPYD】は今ひとつですね。

 

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トータルリターンとシャープレシオ、リスクを比較

トータルリターン、リスク、シャープレシオを比較します。縦軸がトータルリターン、横軸がリスク、括弧内の数値がシャープレシオです。

シャープレシオ投資効率の良さを示したものです。トータルリターンが高く、リスクが低いと、シャープレシオは高くなります。

表の左上がローリスク・ハイリターンで理想です。右下がハイリスク・ローリターンで良くないです。

まずは3年です。

トータルリターンは【FDL】が9.4%でトップで、シャープレシオも0.42で首位

【HDV】【VYM】はトータルリターンは【FDL】に劣りますが、リスクが低く、シャープレシオは0.38と0.34です。

 

5年のシャープレシオを比較

続いて5年です。

トータルリターンは【VYM】が9.8%、リスクも低く、シャープレシオは0.51と素晴らしいです。
【FDL】は3年同様にトータルリターンは9.2%と高いですが、リスクも大きいです。シャープレシオは0.44

【DVY】はトータルリターンは7.9%となかなかで、シャープレシオ0.38

【HDV】【DHS】はトータルリターン、リスク、シャープレシオ、いずれも似ています。シャープレシオは0.36と0.34

 

10年のシャープレシオを比較

最後は10年です。【SPYD】はありません。

5年と似た傾向です。【VYM】が素晴らしく、シャープレシオは0.60

【FDL】【DVY】はトータルリターン、リスクともに大きく、シャープレシオ0.54と0.50

【HDV】【DHS】は5年と同様にトータルリターン、リスク、シャープレシオ、いずれもほぼ同じですね。シャープレシオは0.48と0.47

全体的に【VYM】はトータルリターンが高く、リスクは低く、シャープレシオも一番で理想的でした。

【FDL】はトータルリターンは高いですが、リスクも高いです。【DVY】も似た傾向で、ややトータルリターンは【FDL】より劣っていました。

【HDV】【DHS】はいずれの値も似ていました。【SPYD】は苦戦していました。

 

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分配金利回り推移を確認しよう

過去10年の分配金利回りの推移を比較します。分配金利回りは過去1年分配金から算出しました。取引価格は月に1度、月末の終値です。

現在の分配金利回りは【SPYD】が4.59%で一番高く、【FDL】が4.50%、【DHS】が4.08%で3番手です。

【SPYD】がほとんどの期間でも一番分配金利回りが高いですね。逆に、【VYM】はほとんどの期間で、一番分配金利回りが低いですね。残りの4つは時期によりけりですが、この中では【FDL】が高いです。

 

過去の分配金利回りの平均は?

現在の分配金利回りと、過去3年、5年、10年の分配金利回りの平均です。現在の分配金利回りが過去の平均と比べて高いかどうかチェックしましょう。

【DHS】【FDL】【DVY】は過去平均よりも現在の分配金利回りが高い状態です。

【HDV】は過去平均よりも、現在の分配金利回りは少し低いです。

【VYM】【SPYD】は同じくらいですね。

 

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過去に購入した場合の、現在YOC、分配金額は?

過去にETFを購入していた場合、現在、取得価額に対する利回り(YOC)はどのくらいになっているかというグラフです。

いわゆる自分利回りというやつです。グラフが左肩上がりなら、増配しており、株価が好調という意味です。一番右端の数値が現在の分配金利回りです。それぞれのETFの一番左端の数値が、10年前に購入していた場合の現在のYOCです。

圧倒的なのは【FDL】ですね。現在の分配金利回りは4.5%で、10年前に購入したら7.22%になっていました。

【DVY】は現在の分配金利回りは3.82%で4番手ですが、10年前に購入していたら6.22%と2番手に浮上しています。

 

これまでの分配金の合計は?

8年前に1万ドル購入して、分配金を再投資した場合の毎年貰える分配金額の推移です。【SPYD】のデータは10年がないので、8年にしました。

8年間の合計は【SPYD】が約5000ドルと多く、【FDL】が4600ドルで続き、【DVY】【DHS】は3900ドル、【HDV】は3800ドル、【VYM】は3700ドルほどでした。

昔は【SPYD】が多かったですが、最近は【FDL】が好調のようですね。この2つのETFが分配金を多くもらえたということです。

 

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過去の増配率は?

増配率を見ていきましょう。表の上段は1年ごとの過去1年分配金と、前年からの増配率です。背景ピンク色はマイナスです。

※クリックで拡大します

表の下段は現在を起点とした1、3、5、10年増配率。年平均をCAGR(Compound Annual Growth Rate/年平均成長率)で計算します。背景のオレンジ色が濃いほど、増配率が高いという意味です。

 

1年、3年、5年、10年増配率をグラフ化

先ほどの表の下段部分(現在を起点とした1、3、5、10年増配率)をグラフにします。

【FDL】はすべての期間の増配率が、9%前後と高水準です。

【DVY】もなかなかです。7%前後でまとまっています。【VYM】も7%弱くらいで安定しています。【DHS】は10年増配率は7.0%と高いですが、1年増配率は今ひとつ。

【HDV】は10年増配率は5%とまずまずですが、それ以外の期間はやや苦戦しています。【SPYD】は1年増配率以外は良くないですね。

 

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増配率、分配金利回り、トータルリターンを比較しよう

増配率、分配金利回り、トータルリターンをバブルチャートで比較します。

縦軸が増配率、横軸が分配金利回り、バブルの大きさがトータルリターンです。バブルの近くの数値はトータルリターンです。

グラフの右上かつバブルが大きいと素晴らしいという意味ですね。

まずは3年です。

増配率は【FDL】が10.6%と高いです。分配金利回りは【SPYD】が4.5%と高水準です。

トータルリターンは【FDL】が9.4%、【HDV】が7.9%と優勢です。

 

5年データを比較する

続いて5年です。

増配率が高いのは【FDL】で9.5%。分配金利回りは【SPYD】が4.8%と高いです。

トータルリターンは【VYM】が9.8%、【FDL】が9.2%と優勢です。

3年と5年は似たような結果ですね。

 

10年データを比較する

最後は10年データです。【SPYD】はデータがありません。

増配率が高いのは【FDL】で9.3%。分配金利回りも【FDL】が3.7%と高いです。

トータルリターンは【VYM】が9.4%で首位、【FDL】が9.1%となかなかです。

全体的に見ると、増配率は【FDL】、分配金利回りは【SPYD】、トータルリターンは【VYM】【FDL】が良かったです。

【HDV】【DHS】【DVY】は全体的にまとまっていました。分配金利回りは【VYM】よりも高く、増配率は【SPYD】よりも高かったです。突き抜けている項目はないですが、まずまず安定しています。

 

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3、5、10年増配率を使った将来YOC予想

それでは、いまETFを購入したら、将来、取得価額に対する利回り(YOC/Yield On Cost)がどのくらいになるのかをシミュレーションします。

現在の分配金利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。3年、5年、10年の増配率を使用します。「分配金は再投資しない。税引き前」という設定にします。

現在の分配金利回りは【SPYD】が4.59%と最も高く、【FDL】が4.50%、【DHS】が4.08%と続いています。

まずは3年増配率を使った将来YOC予想です。

3年増配率は【FDL】が10.64%と最も高く、【DVY】が7.10%で2番手、【VYM】が6.82%で3番手です。

20年目のYOC予想は、首位が【FDL】で30.8%、2番手は【DVY】で14.0%、3番手が【DHS】10.9%でした。

 

5年増配率から将来YOCを予想する

続いて5年増配率を使った将来YOC予想です。5年増配率も【FDL】が9.48%と最も高く、【DVY】が6.35%で2番手、【VYM】が5.81%で3番手です。

20年目のYOC予想は、首位が【FDL】で25.2%、2番手は【DVY】で12.3%、3番手は【DHS】で11.8%でした。

今回も【FDL】が突き抜けていました。

 

7年増配率から将来YOCを予想する

それでは7年増配率を使った将来YOC予想です。7年増配率は【FDL】が9.11%と最も高く、【DVY】が7.18%で2番手、【VYM】が6.41%で3番手です。

20年目のYOC予想は、首位が【FDL】で23.6%、2番手は【DVY】で14.2%、3番手が【DHS】12.9%でした。

7年増配率も【FDL】が突き抜けており、【DVY】【DHS】が続いていました。

 

10年増配率から将来YOCを予想する

最後は10年増配率を使った将来YOC予想です。【SPYD】はありません。

10年増配率は【FDL】が9.32%でもっとも高く、【DVY】が7.20%で2番手、【DHS】が7.02%で3番手です。

20年目のYOC予想は、首位は【FDL】で24.5%、2番手は【DHS】で14.8%、3番手は【DVY】で14.3%でした。

全体的に見ると【FDL】が圧倒的に好成績でした。2番手は【DVY】で、差なく3番手は【DHS】。

高配当御三家ETFの【VYM】【HDV】【SPYD】は今ひとつでした。

 

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それぞれの項目をランク分け

これまで取り扱ったデータをランク分けしました。「A」が最高で「B」「C」「D」の順です。相対比較で、やや強引に差をつけました。参考程度にしてください。こうしてみると結構接戦です。

※クリックで拡大します

【VYM】純資産、経費率、トータルリターン、シャープレシオ、リスクなどが良かったです。高配当ETFというよりは、ややインデックスに近いです。人気なのもうなずけます。

【HDV】はやや苦戦傾向です。経費率、新NISA対応は良いです。高配当ETFの中では、リスクが低いですね。

【SPYD】は分配金利回り、経費率、過去の分配金がいいですが、高配当に特化しているETFという印象です。

【DHS】は分配金の支払いが毎月というのがいいですが、そのため新NISAで買えないのがつらいです。「B」が多く、まずまず安定しています。

【FDL】分配金利回り、トータルリターン、シャープレシオ、過去や将来のYOC、増配率などが素晴らしかったです。高配当ETFとして申し分ないですね。経費率が高いのと、ややリスクが大きく、集中投資というのが少し気になりました。

【DVY】は歴史がある印象ですね。「B」がかなり多く、安定しています。

 

ランキングの数をまとめる

ABCDの数値をまとめたデータです。


BCDの数値をまとめたデータです。

「A」の数は【VYM】が7個で最多。【FDL】が6個で2番手。

「B」の数は【DVY】が11個で圧倒的で、【DHS】が8個で2番手。

「A」と「B」を合わせた数では【DVY】が13個と最も多く、【FDL】が11個で2番手でした。

 

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まとめ

米国高配当ETFの2024年6月の分配金はいずれも好調で、前年同期よりプラス。【VYM】【HDV】は16%増でした

【VYM】は時価総額加重平均です。分配金利回りは3%前後で、この中では一番低いですが、株価上昇やトータルリターンが狙えます。分配金のブレも少ないです。

【HDV】【DHS】【FDL】は高配当銘柄を配当加重するので、中身やセクターが似ています。

最近好調で、増配率、トータルリターンが素晴らしいのは【FDL】、経費率の低さやリスクの低さなら【HDV】、毎月分配金が欲しい人や組入れ銘柄の多さなら【DHS】でしょうか。

【SPYD】は経費率の低さと分配金の高さが魅力です。あまり増配はしていないです。

【DVY】は長期実績のあるETFです。配当利回り加重のため、上位銘柄はマイナーですが、数値は安定しており手堅い印象です。