バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)【BNDX】は米国以外の債券市場全体へ幅広く分散したETFです。株価の変動が少ないため、安全資産として個人投資家に人気です。2020年10月15日の終値は58.43ドル、過去1年配当額は1.8744ドルなので、配当利回りは3.21%です。
米国以外の債権はあまり注目されませんが、アセットアロケーションを組むにあたって、少し取り入れた方が安定する場合があります。また、毎月配当金が支払われるのも特徴で、人によっては毎月ウキウキ気分を味わうことができます。なお、ETFの場合は「分配金」が正式名称かもしれませんが、当サイトでは個別銘柄を同じく「配当金」と表記します。
【BNDX】はどんな債券ETFなのか?
【BNDX】のベンチマークは、米ドル建て以外の、政府債・政府機関債・社債・証券化された非米国の投資適格固定利付債券の市場を広くカバーする、バークレイズ・グローバル総合(米ドル除く)浮動調整RIC基準インデックス(米ドルヘッジベース)です。経費率は年0.08%。構成債権銘柄数は6315と広く分散されています。
【BNDX】の格付け別構成比率は?
【BNDX】の中身は、米国以外の主要な債券市場全体へ幅広く分散しています。信用格付けの高いものが多く、安定しています。
【BNDX】の残存期間別構成比率は?
【BNDX】の平均残存期間は10年で、その内訳は5~10年が約30%を占めており、中期の債権が中心です。
【BNDX】はどの国の債権が多いのか?
【BNDX】の市場別組込比率は、日本が17.5%とトップで、フランス、ドイツ、イタリア、英国と続きます。経済規模の大きな先進国が上位を占めています。
【BNDX】の過去の配当金と増配率は?
【BNDX】が設定されたのは2013年5月です。下の表は設定以来の配当金の一覧です。
※背景が赤になっているのが減配です
【BNDX】の期別の配当は?
下のグラフは毎月の配当を1年ごとに積み重ねたものです。通常は月の頭に配当が決定し、数日後に支払われます。ただし、12月は翌月の1月分が12月末に支払われるため、2回の支払いとなります。
12月の月末、つまり年末に配当落ちを迎える回が、圧倒的に配当金が多いです。2019年は、年末の配当金が全体の約70%を占めました。2016年以降、この部分がどんどん増えています。今年も増えるのでしょうか? 注視する必要がありそうですね。
【BNDX】の年間配当額と年間増配率は?
【BNDX】の配当と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2013年は7月以降、2020年は10月までのデータです。増配率はかなり高いですね。
【BNDX】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう
設定以来の過去1年配当額を棒グラフにして、株価と比較しました。株価は年末のものです。2020年は10月までのデータです。
2015年以降の配当利回りは?
2015年以降の【BNDX】の株価と配当利回りを見てみましょう。配当利回りは過去1年の年間配当金額から算出しました。青線が株価(左軸)、赤線が配当利回り(右軸)です。
配当利回りは1.5%ぐらいで推移していましたが、年末最後の配当が毎年大幅に増え続けているため、その部分が階段を上るように上昇しています。現在の利回りは約3.2%です。
【BNDX】は暴落に強いのか?
バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)【BNDX】と主要指数を、今年に入ってからの株価で比較してみましょう。下の表の赤線が【BNDX】です。2月から4月にかけてのコロナ・ショックで相場が暴落しましたが、【BNDX】はなかなかの耐性を見せました。ただし【BND】の方がわずかに回復力が上回っています。
【BNDX】と他のETFのトータルリターンを比較する
それではバンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)【BNDX】と他のETFのトータルリターンを比較してみましょう。バンガード・米国トータル債券市場ETF【BND】、バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF【VWOB】、S&P500【VOO】と比べました。下のグラフは、過去5年のトータルリターンです。
2015年10月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2020年9月には【VOO】が1万9300ドル、【VWOB】が1万3300ドル、【BNDX】は1万2300ドル、【BND】は1万2200ドルになっていました。
まとめ
いかがでしたか? 【BNDX】は配当利回りが3%を超えていて、毎月配当金がもらえるのがうれしいですね。米国以外の債権というのも選択肢に入れてみるのもいいかもしれません。