2024年2月28日、SBIアセットマネジメントから、5本の投資信託が運用開始されました。
今回は、その中から「SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」を紹介。バンガード増配株式ETF【VIG】の投資信託版で、年4回分配金を支払うタイプです。
もともと【VIG】の投資信託版はありましたが、分配金を支払わないタイプでした。ただ、日本の個人投資家は分配金を期待している人が結構多いですよね。今回は、米国上場ETFと同じように、年4回の分配金が出るタイプの投資信託となります。
ちなみに、約1カ月前の1月末に、【VYM】と【SPYD】の投資信託版で分配金を支払うタイプが運用が開始されています。
今回はVIGの投資信託版である「SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」のご紹介と、米国上場【VIG】について分析します。ライバルETFとの様々なデータ比較もあります。
序盤はVIGのコンセプトについて紹介
前半は、VIGの中身に関する様々なデータを分析
中盤は、VIGとライバルETFのDGRWなどと様々なデータを比較
後半は、VIGとライバルETFの将来YOCを予想する
投資信託版とETFの違い
こちらはSBIアセット・マネジメントが運用する【SPYD】【VYM】【VIG】の投資信託版です。いずれも年4回分配金を支払うタイプです。
【VYM】と【SPYD】の投資信託版は、2024年1月30日から運用が開始されました。
【VIG】投資信託版は2024年2月28日に運用開始されました。一番右です
最初の分配金の支払いは5月20日の決算からのようです。それでは米国上場ETFと比較してみましょう。
投資信託とETFを比較する
左から【VYM】【SPYD】【VIG】です。ETFと投資信託の主な違いは信託報酬ですね。
投資信託版はETFの信託報酬に0.0638%がプラスされます。なので【VYM】や【VIG】の投資信託の信託報酬は0.1238%、【SPYD】の投資信託の信託報酬は0.1338%です。少し高いですが、許容範囲内と言えます。
約1カ月前に運用開始された【VYM】の投信版の純資産額は55億円、【SPYD】の投信版は21億円です。なかなかの売れ行きと言えます。
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最初の分配金が出るのが5月の決算なので、その後ぐらいから売れ行きは伸びる気がしますね。
ちなみに、決算日も異なります。ETFは3、6、9、12月ですが、投資信託版は2、5、8、11月の20日です。
分配金の支払いは投資信託が5営業日後なので、一番最初の分配金は5月25日頃ですね。
投資信託版のよいところは100円から購入可能なので、毎月の積立の金額を設定できるところですね。ETFの場合だと、【VIG】は1株2万5000円ほどかかります。
それとSBI証券で投資信託を買うとポイントが少し貯まります。年間0.022%です。なので、【VIG】の投信版の実質的な信託報酬は0.1%ほどまで下がります。
どの証券会社で購入できるのか?
販売会社は、どうなるでしょうか。今回運用が始まった【VIG】の投資信託版(年4回分配型)はSBI証券のみのようです。
以前からあった分配しないタイプの【VIG】の投資信託版は、SBI証券と松井証券です。この商品を出すことで、SBI証券が新NISAにおける顧客囲い込みを目的としているので、そうなりますね。
楽天証券が同じ商品を後日出してくるのかも注目が集まりますね。
新NISA、二重課税調整制度について
さて、今回運用が開始された【VIG】の投資信託は、新NISA成長投資枠で購入可能です。運用開始の2024年2月28日から新NISAでも買えます。
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同時に運用開始された欧州高配当株式分配ファンドなども同様です。
分配金の手取り額は?
そして、二重課税調整制度の対象でもあります。下の表を見てください。税金を考慮した分配金の手取り額についてです。
たとえば、【VIG】の投資信託版を特定口座で購入した場合は、二重課税調整の対象となるため、外国税10%がかかりません。国内税の約20.3%のみが引かれ、手取りは79.7%になります。
それに対して、米国上場のVIGの場合は、外国税と国内税が引かれ、手取りは71.7%ですね。ただしこちらは確定申告をすれば、外国税の10%を取り戻すことができる場合があり、最大79.7%になります。
NISA口座では同じです。どちらも外国税10%を引かれるため、手取りは投資信託版も米国上場ETFも同じ90%です。
つまり、新NISAの場合は、投資信託版、米国上場の【VIG】、好きな方を買いましょう。
【VIG】(バンガード・米国増配株式ETF)はどんなETFか?
ここからは米国上場のETF【VIG】についてです。
【VIG】の正式名称はバンガード・米国増配株式ETFです。ベンチマークは、S&P U.S. ディビデンド・グロワーズ・インデックス。
設定されたのは2006年4月、銘柄数は315。経費率は0.06%と低いです。
・時価総額加重平均方式で組み入れているので、規模の大きな銘柄の比重が大きくなります
・REITは対象外
・配当利回り上位25%を除外することで、業績が不調で配当利回りが高くなりすぎている危険銘柄を避る
個別銘柄の加重の上限は4%です。
年に1回、3月に銘柄の入れ替えを行います。リバランスは3、6、9、12月に行われます。
現在の分配金利回りは1.8%ほど。
ちなみにベンチマークは2021年9月に変更されました。それまではNASDAQ US ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスでした。
【VIG】の分配金や株価について
【VIG】の分配金推移を見ていきましょう。
設定されたのは2006年4月なので、約18年の実績があります。分配金は着実に増えています。
増配率は10年が8.7%、5年で9.5%、3年で11.8%と10%前後なので、かなり高いですね。
過去1年分配金と株価
過去1年分配金と株価の比較です。長期で見ると、どちらも着実に伸びています。
株価は2021年12月頃がピークでその後少し低迷しましたが、最近は過去最高を更新しました。
年間増配率は?
年間増配率の推移です。最初に分配金が支払われたのが2006年の6月なので、2008年からのデータになります。
リーマン・ショックの影響で2009年はマイナスでした。2010年以降は好調ですが、2013年はマイナスでした。その前年の2012年は20%とかなり増配だったので、反動のようにも見えます。ほぼ毎年増配しているようなイメージですね。
株価、分配金利回り、過去YOCは?
株価、分配金利回り、過去YOCです。
赤い線が分配金利回り。過去12カ月の分配金から算出しました。現在は約1.8%です。平均は1.9%ぐらいです。
黄色の線がYOC。Yield on Cost(イールド・オン・コスト)です。過去に購入した場合の、購入価額に対する利回り。いわゆる自分利回りです。
5年前に購入していたら、現在のYOCは2.9%。10年前に購入していたら、現在のYOCは4.3%まで上がっています。
増配銘柄は時間が経つにつれてYOCが上がる傾向なので、なるべく早い時期に買いたいところです。
【VIG】の上位構成銘柄は?
【VIG】の組入銘柄を見ていきましょう。上位20銘柄です。【VIG】は連続増配年数が10年以上の銘柄が対象です。
時価総額加重なので、規模が大きい銘柄が上位に入ります。
上位10銘柄で全体の32%、上位20銘柄では43%を占めており、それなりに集中投資と言えそうです。構成銘柄数は全部で315です。
セクターの背景色をGICSによる分類で色分けしています。なかなかカラフルですね。上位組入銘柄のセクターは情報技術、生活必需品、ヘルスケアがやや多いですね。
【VIG】のセクター比率は?
【VIG】のセクター比率です。GICSによる分類です。
情報技術が24%でトップ、以下金融、ヘルスケア、資本財、生活必需品と続きます。
分散は利いており、バランスがいいですね。ディフェンシブな情報技術、ヘルスケア、生活必需品が多いので、安定感はありますね。
VIGはどのETFと似ているのか?
ここからは【VIG】とライバルの増配系ETFを比較していきます。
まずは【VIG】との重複率を見ていきましょう。背景色が濃いほど、重複率が高いことを意味します。
増配系ETFの中では【DGRO】が67%、【DGRW】が54%と5割を超えており、かなり高い重複率です。高配当ETFの【VYM】は52%。こちらもかなり高いですね。また、S&P500の【VOO】は41%です。
今回は【VIG】と増配系ETFや重複率の高いETFを様々なデータで比較していきます。
対象は増配系ETFの【DGRO】、【DGRW】、【SDY】、【RDVY】、高配当の【VYM】、S&P500ETF【VOO】。合計7ETFで比較します。
VIGとライバルETFとの比較
【VIG】とライバルの増配系ETFなどの基本データ比較です。
今回グラフで使用するデータはティッカーコードの背景色になります。【VIG】が紅色、【DGRW】が緑色などです。
※クリックで拡大します
円建て口座で購入可能なのは、SBIアセットマネジメントから出ている【VIG】と【VYM】の投資信託版、年4回分配金が出ます。
【VOO】の投資信託版は、さまざまな会社が運用しています。いずれも分配金は出ないタイプですね。
【DGRO】は購入できませんが、東証上場ETF【2014】が2024年1月から購入可能になりました。
新NISAの成長投資枠は毎月分配タイプ【DGRW】以外は購入可能です。【DGRO】は東証上場F【2014】なら新NISAで購入できます。
VIGとライバルETFの上位銘柄を比較
それでは、組入上位20銘柄を比較します。
左端が【VIG】です。ライバルのETFはティッカーコードのみの記載です。
ティッカーコードに背景色がついているのは、【VIG】と他のETFのトップ20銘柄と重複していることを意味します。【VIG】が21位以下で重複しているケースもありますが、その場合は背景色がついていません。
※クリックすると画像が拡大します
重複している数は、【DGRO】が13銘柄で最多、【VYM】が12銘柄、【DGRW】と【VOO】が11銘柄と続きます。この4つのETFとの重複率40%を超えており、かなり高いですね。
【RDVY】と【SDY】はあまり重複していません。
ポイントとしてはマイクロソフト【MSFT】とアップル【AAPL】ですかね。【VIG】、【DGRW】、【VOO】は1位と2位にいます。【DGRO】は3位と8位ですね。
【VYM】には配当利回りの低い銘柄は入らないので、【MSFT】と【AAPL】はいないですね。その分、他のETFよりも分配金利回りが高くなります。
セクター比較はどうか?
セクター比率を比較します。
【VIG】と似ているのは【DGRW】、【DGRO】、【VYM】ですね。情報技術、金融、ヘルスケア、資本財、生活必需品の5セクターが上位5番に入っています。
【VIG】と【VOO】もかなり似ています。情報技術、金融、ヘルスケアの上位3セクターが順位もそっくり同じです。
セクター比率から見ると、【VIG】は【DGRW】、【DGRO】、【VYM】、【VOO】と似ているといえます。
株価、トータルリターンとシャープレシオ、リスクを比較しよう
ここからは7つのETFのデータを比較していきます。
まずは株価リターン。【DGRO】が設定から9年8カ月ほどなので、9年で比べます。
成績は3つのグループに分かれました。
1万ドルを投資して、2万4000ドル前後になったのが【RDVY】、【VOO】、【DGRW】です。【VIG】、【DGRO】が2万1000ドル台。1万6000ドル台は【VYM】、【SDY】です。
基本的に分配金利回りの低いETFが株価リターンは良い傾向ですね。
トータルリターンはどうか?
トータルリターンを比較します。トータルリターンとは分配金を再投資した株価リターンのことです。2024年1月末基準のデータです。期間は3、5、10年で、年率です。
全体的に見ると、【DGRW】がわずかに優勢で、【RDVY】、【VOO】が続いています。
【VIG】はその次のグループです。
【SDY】と【VYM】はやや苦戦していますが、正直言ってこの2つのETFも成績はなかなか良いです。他の5つが素晴らしすぎるという考え方が正しい気がします。
トータルリターンとシャープレシオ、リスクを比較
トータルリターン、リスク、シャープレシオを散布図で比較します。
縦軸がトータルリターン、横軸がリスク、円の近くの数値がシャープレシオです。シャープレシオは投資効率の良さを示したものです。トータルリターンが高く、リスクが低いと、シャープレシオは高くなります。
表の左上がローリスク・ハイリターン、右下がハイリスク・ローリターンです。
まずは3年です。
トータルリターンは【DGRW】が12.5%でトップで、リスクも低く、シャープレシオは0.68でトップです。
【RDVY】はトータルリターンが11.6%で2番目に良いですが、リスクが大きく、シャープレシオは0.52と今ひとつ。
【VIG】は【DGRO】と似ていますね。シャープレシオは0.53。
5年はどうか?
続いて5年です。
トータルリターンは【VOO】【DGRW】【RDVY】が14%前後でトップですが、リスクがかなり異なります。そのためリスクの低い【DGRW】がシャープレシオ0.77、【VOO】はシャープレシオ0.72、【RDVY】は0.60と低いですね。
【VIG】はトータルリターンが12.7%で、リスクはもっとも低く、シャープレシオは0.71で【VOO】と互角です。
10年ではどうか?
最後は10年です。【DGRO】はありません。
5年と同様に、トータルリターンは【VOO】【DGRW】【RDVY】が12%台でトップですが、リスクがかなり異なり、【DGRW】がシャープレシオ0.82、【VOO】はシャープレシオ0.78、【RDVY】は0.65です。
【VIG】はトータルリターンが11.4%で、リスクはもっとも低く、シャープレシオは0.77で、またしても【VOO】と互角です。
全体的に見ると、トータルリターンが高くリスクの低い【DGRW】が素晴らしく、シャープレシオは【VOO】と【VIG】が2番手グループですね。
【RDVY】はトータルリターンが素晴らしいですが、リスクも高すぎですね。均等加重で金融の比率が4割もあるので、少し偏ったETFです。
分配金利回り推移を確認しよう
それでは過去10年の分配金利回りの推移を比較しましょう。分配金利回りは過去1年分配金から算出しました。株価は月に1度、月末のものです。
現在の分配金利回りは右端の数値です。【VYM】が3.02%で一番高く、【SDY】が2.64%で続き、【VIG】は1.80%で5番手です。
【RDVY】は、分配金利回りの動きが大きいですね。【VIG】は安定しています。
分配金利回りの平均は?
こちらは現在の分配金利回りと、過去3年、5年、10年の分配金利回りの平均です。
こちらは現在の分配金利回りと、過去3年、5年、10年の分配金利回りの平均です。
【DGRW】と【VOO】は、現在の分配金利りが、過去10年と比べて低いですね。
【RDVY】は逆で、現在の分配金利回りが過去10年と比べて高いです。
【VIG】や残りのETFは現在と過去の平均の差はあまりないです。
過去に購入した場合の、現在YOC、分配金額は?
過去にETFを購入していた場合、現在、取得価額に対する利回り(YOC)はどのくらいになっているかというグラフです。いわゆる自分利回りというやつです。
グラフが左肩上がりなら、株価が好調で増配傾向という意味です。
一番右端の数値が現在の分配金利回りです。一番左端の数値が、10年前に購入していた場合の現在のYOCです。【DGRO】は設定当初の9年8カ月前です。
とくに際立っているのが【RDVY】ですね。現在の分配金利回りは2.06%、10年目に購入したら5.42%まで上がっています。
【VIG】は現在の分配金利回りは1.80%で、10年前に購入したら4.28%になっています。まずまずですね。
全体的に素晴らしいですね。いずれも優良ETFというのが、データから見て取れます。
過去に購入した場合の分配金額の推移
9年前に1万ドル購入して、分配金を再投資した場合の毎年貰える分配金額の推移です。
9年間の合計は【SDY】が4577ドル、【VYM】が4364ドル。この2つが多いですね。
【SDY】は2015年や2017年にキャピタルゲイン分配金があったのが大きいですね。【VIG】は2945ドルで5番手。まあまあですね。分配金額は、過去の分配金利回りとほぼ比例します。
増配率を比較しよう
増配率を見ていきましょう。表の上段は1年ごとの過去1年分配金と、前年からの増配率です。背景ピンク色がマイナスです。
表の下段は現在を起点とした1、3、5、10年増配率。年平均をCAGR(Compound Annual Growth Rate/年平均成長率)で計算します。背景のオレンジ色が濃いほど、増配率が高いという意味です。
3年、5年、10年をグラフで見てみましょう。
増配率をチェック
【RDVY】が3年と5年増配率が素晴らしいです。20%前後です。
【VIG】はすべての期間で安定して高い増配率です。3年増配率が11.8%と高いです。【DGRO】は10年はありませんが、【VIG】と互角の増配率ですね。
残りのETFの増配率もなかなか高水準ですが、3つのETFが良すぎると言えます。
分配金推移を比較しよう
7つのETFの分配金推移をざっくりと確認しましょう。
最初は【VIG】です。申し分ない感じで増配しています。
【DGRW】は悪くはないですが、2023年は今ひとつでした。
【SDY】は2013~2017年のキャピタルゲイン分配金が目立ちます。それをなしで考えると、順調に増配していますが、直近2年の分配金は伸び悩んでいます。
【RDVY】の分配金は2022年に一気に増えました。そのため、先ほどの増配率でとてつもなく高い数値が出ました。
以下、【DGRO】、【VYM】、【VOO】は安定して増配しています。
全体的に、米国が対象の増配系ETFは素晴らしいです。どれを買っても大失敗はなさそうですね。
増配率、分配金利回り、トータルリターンを比較しよう
増配率、分配金利回り、トータルリターンをバブルチャートで比較します。
縦軸が増配率、横軸が分配金利回り、バブルの大きさがトータルリターンです。バブルの近くにトータルリターンの数値も書いておきます。
まずは3年です。
増配率は【RDVY】が20.9%と圧倒的です。分配金利回りは【VYM】が3.0%と高いです。トータルリターンは【DGRW】が12.5%と優れています。
項目によって優れているETFが分かれました。
5年の比較はどうか?
続いて5年を見てみましょう。
増配率は【RDVY】が19.4%と今回も断トツです。分配金利回りは【VYM】が3.1%と高く、【SDY】が2.7%で続いています。トータルリターンは【VOO】が14.3%、【DGRW】が14.2%と優れています。
今回も項目によって優れているETFが分かれました。
10年の比較はどうか?
最後は10年を見てみましょう。【DGRW】【DGRO】【RDVY】はありません。
増配率は【VIG】が8.7%とわずかに優勢。分配金利回りはやはり【VYM】が3.0%でトップです。
トータルリターンは【VOO】が12.6%と高く、【VIG】が11.4%で2番手。
全体的に見ると、増配率は【RDVY】、トータルリターンは【DGRW】と【VOO】、分配金利回りは【VYM】ですね。【VIG】は増配率とトータルリターンは2番手集団でなかなかでした。
将来YOCはどうなるか
いまETFを購入したら、将来の利回りYOCがどのくらいになるのかをシミュレーションします。現在の分配金利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。
3年、5年、10年の増配率を使います。「再投資しない。税引き前」という設定にします。
現在の分配金利回りは【VYM】が3.0%と最も高く、【SDY】が2.6%で2番手。【VIG】は1.8%で5番目に高いです。
まずは3年増配率を使用して将来YOCを予測します。
3年増配率は【RDVY】が20.9%と圧倒的に高く、【VIG】が11.8%で続いています。
20年目のYOC予想は、首位は【RDVY】で75.8%、2番手は【VIG】で15.0%。3番手は【DGRO】で11.2%でした。
5年増配率で進むと?
続いて5年増配率を使用して将来YOCを予測します。
5年増配率は【RDVY】が19.4%で断トツ、【DGRO】が10.2%で続き、【VIG】は9.5%で3番手です。
20年目のYOC予想は、首位は【RDVY】で59.6%、2番手は【DGRO】で14.8%、【VIG】は10.1%で3番手でした。
10年増配率で進むと?
最後に10年増配率を使用して将来YOCを予測します。【DGRW】【DGRO】【RDVY】はありません。
10年増配率は【VIG】が8.7%でもっとも高く、残りの3つ【VOO】【SDY】【VYM】が7%台前半で続いています。
20年目のYOC予想は、首位は【VYM】で11.2%、2番手は【SDY】で10.0%、【VIG】は3番手で8.8%でした。
全体的に見ると、増配率の高い【RDVY】の将来YOC予想は圧倒的でしたが、高い増配率が長期で続く可能性は低そうです。
【VIG】は現在の分配金利回りは高くないですが、増配率が高いので、20年後は結構期待できそうですね。
項目別にランキングをチェック
これまで取り扱ったデータをランクづけしました。「A」が最高で「B」「C」「D」の順です。特別に優れているのは「S」にしました。相対比較で、強引に差をつけました。参考程度にしてください。
ざっと見たところ、飛び抜けて優秀だったり、劣っているETFはないですね。なかなかカオスな結果になりました。
【VIG】は安定感があるETFという印象ですね。純資産や経費率は申し分ないです。「C」の数が少ないのが特徴ですね。「B」が多いですが、通常なら「A」評価の場合でも、他のETFが優秀すぎたので、差別化を図る意味で「B」にしたというケースが目立ちました。
【DGRW】は株価リターン、トータルリターンやシャープレシオが優れていました。新NISAに対応していないのが残念です。
【SDY】はこれらのETF相手ではやや苦戦していましたが、ランキングで見るとそれほど劣っていないですね。
【DGRO】は経費率、過去YOC、増配率、将来YOC予想がよかったです。現在の分配金利回りがまずまず高いのに、増配率が優れているのが光ります。
【RDVY】は増配率が抜群の高いので、将来YOC予想が素晴らしい結果になりました。株価やトータルリターンも素晴らしいです。ただし、リスクが大きいのが気になりました。均等加重で金融が4割というのが不安定な気がしますね。
【VYM】は高配当だけあって、分配金に関する項目が素晴らしかったです。
【VOO】はインデックスなので、若干毛色が異なります。純資産、経費率、株価やトータルリターンなどが素晴らしいですね。
ランクの数をまとめると
ABCDの数値をまとめたデータです。
「A」の数は【RDVY】、【VYM】、【VOO】が5個で最多、【DGRW】、【SDY】が4個、【VIG】、【DGRO】が3個と大混戦。。
「B」の数は【DGRO】、【VIG】がかなり多く、この2つは「C」の数が少なかったです。
拮抗していますね。どれを保有しても大丈夫なのでは、という結果になりました。
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まとめ
米国増配株式ETF【VIG】の投資信託版が、2024年2月28日から運用開始されました。
年4回の分配金が出ます。決算日は2、5、8、11月の20日。その5営業日後に分配金は支払われます。
本家のETFは3、6、9、12月の月末頃に分配金がもらえるので、ETFと投資信託を両方保有して年8回分配金をもらうという手もアリかなと思います。
今回の投資信託版は、新NISA成長投資枠で購入可能です。さらに二重課税調整制度の対象なので、特定口座の場合、外国税の10%はかかりません。
取り扱いはSBI証券のみとなりそうです。楽天証券ユーザーにとっては現時点では残念ですね。
【VIG】は10年以上連続増配銘柄が対象。配当利回り上位25%を除外することで、業績が不調で配当利回りが高くなりすぎている危険銘柄を避けます。
設定されたのは2006年4月で、約18年の歴史があります。経費率は0.06%と低いです。
分配金利回りは2%弱と低いですが、リスクが低くリターンがよく、増配率も高いETFです。
個人的には、たかにんは【VIG】は特定口座で保有しているので、投資信託版は買わないつもりです。
成績が良ければ5年後に新NISAのつみたて投資枠に入る可能性がありますので、そのとき検討してみようかなと思います。
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