グローバルX社のETF3種類が東証に上場することが決まったので、ご紹介します。
証券コード【2865】は、グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF「GXNDXカバコ」で、米国上場のETF【QYLD】と同じです。
証券コード【2866】は、グローバルX 米国優先証券 ETF「GX優先証券」で、米国上場ETF【PFFD】と同じです。
そして、証券コード【2864】は、グローバルX ロジスティクス・REIT ETF「GXロジリート」で、日本を除く世界の物流施設のリートが対象です。
2865【QYLD】と2866【PFFD】は、米国に上場しているので、それらのデータをご紹介。2864はベンチマークについて見ていきます。
いずれもまだ上場されておらず、情報やデータが出揃っていません。不透明な部分や推測があります。間違いがあるかもしれません。ご了承ください。
※グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF「GXNDXカバコ」【2865】は、【QYLD】同様の分配金を目指すようです(2022年9月26日追記)
- グローバルX社の海外上場ETF(インカム系)の純資産総額
- 2865(QYLD)、2866(PFFD)、2864(ロジリート)の基本データ
- GXNDXカバコ(2865)、GX優先証券(2866)の分配金スケジュールは?
- 分配金は米国ETFと同じように支払われるのか?
- GXNDXカバコ(2865)と同じ【QYLD】とはどんな商品か?
- オプション・プレミアムについて
- 分配金と基準価格(NAV)の関係
- 分配金の傾向は?
- 【QYLD】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
- GX優先証券(2866)と同じ【PFFD】はどんな商品か?
- PFFDの分配金の傾向は?
- 【PFFD】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
- 【PFFD】は安全か?
- 株価推移を確認
- これまでの利回りは?
- 過去に買った場合の利回り(YOC)は?
- 過去のトータルリターンを比較する
- 過去に購入した場合の分配金額の成長はどうか?
- 現在の利回りと増配率から将来YOCを予想する
- なぜQYLDとPFFDを東証に上場させたのか?
- GXロジリート(2864)とはどんなETFか?
- まとめ
グローバルX社の海外上場ETF(インカム系)の純資産総額
グローバルX社はテーマ型やインカム系などのETFを得意としている運用会社です。
この表は、グローバルX社のETFの中から、日本の証券会社の外貨建て口座で購入可能なインカムを目的としたETFです。
運用資産残高、いわゆる純資産総額の順番に並んでいます。この中の1位と2位が東証に上場します。
1位の【QYLD】の純資産総額は約1兆円、2位の【PFFD】は約2900億円です。つまり、グローバルX社のインカム系ETFのツートップが、黒船として上陸するわけですね。
2865(QYLD)、2866(PFFD)、2864(ロジリート)の基本データ
基本データを表にまとめました。上段が東証に上場するデータ、下段が米国に上場している対象ETFのデータです。一番右の【2864】はETFがないので、ベンチマークのデータです。
一番左の【2865】の略称は「GXNDXカバコ」。事実上【QYLD】です。ナスダック100を原資産として保有してカバードコール戦略を行います。ナスダック100と対応するアット・ザ・マネーの1カ月物コール・オプションを毎月売却し、オプション・プレミアムを獲得します。
1カ月という時間とボラティリティの大きさで手数料を稼ぎ、毎月最大1%、年間で最大12%の利回りを目指す商品です。毎月分配型です。経費率は東証上場が0.6275%、【QYLD】が0.6%なのでほぼ同じです。
真ん中の【2866】の略称は「GX優先証券」。【PFFD】のことです。米国の優先証券に投資するETFです。優先証券というのは株と社債の中間のような商品で、議決権がないなどの制限があるかわりに、利回りが高いのが特徴です。毎月分配型で、利回りは5~6%ぐらいですね。経費率は東証上場が0.2675%、【PFFD】が0.23%なのでこちらもほぼ同じです。
一番右の【2864】の略称は「GXロジリート」。米国上場ETFはありません。日本を除く世界の物流施設関連のREITで構成されるETF。最大30銘柄です。分配金は2カ月に1度、偶数月が基準日です。利回りは、組込銘柄からざっと計算したところ2.4%ぐらいです。
GXNDXカバコ(2865)、GX優先証券(2866)の分配金スケジュールは?
それではGXNDXカバコ【2865】とGX優先証券【2866】の分配金スケジュールについて見ていきましょう。
どちらも毎月分配型で、10日が分配金支払基準日です。この日が権利確定日となります。なので、権利付き最終売買日は2営業日前の8日です。この日の大引けに保有していれば、分配金が貰えます。2022年11月のケースです。
米国ETFの場合、権利落ちは【PFFD】が5日前後、【QYLD】が第3金曜日だったので、国内ETFはスケジュールが異なります。
計測期間は毎月11日から翌月の10日で、最初だけは9月28日から11月10日となります。なので、最初の分配金だけは通常より多いかもしれません。
国内ETFの分配金の支払いは、基準日の約40日後が一般的です。第1回目は12月20日頃となりそうです。米国ETFのように、1週間ぐらいで支払われることはないので注意が必要です。
ちなみにGXロジリート【2864】は偶数月の24日が分配金支払基準日です。
分配金は米国ETFと同じように支払われるのか?
一番気になるのは、GXNDXカバコ【2865】が米国上場の【QYLD】と同様に分配金が支払われるかということですね。
グローバルX社は2022年7月29日に日経平均をカバードコールするETF「GX日経カバコ」(証券コード2858)を東証に上場させました。
このETFは「プレミアム再投資型」で、分配金を出さないタイプのETFだったので、今回の【QYLD】の東証版の分配金がどうなるか気になるところです。
上の画像は7月末に上場した「GX日経カバコ」の紹介資料で、JPX「日本取引所グループ」のものです。
「プレミアム再投資型」と書かれている箇所に青い線を引きました。3箇所あります。分配金支払基準日は年2回とあり、ここには緑色の下線を引きました。
「GXNDXカバコ」の資料はどうか?
下の画像は、今回の「GXNDXカバコ」、いわゆるQYLD東証版です。青線の箇所にはいずれも「プレミアム再投資型」の文字はないですね。また、緑色の線の分配金支払基準日は年12回とあります。毎月分配金を支払うことを意味しています。
この資料からは、【QYLD】と同じく東証版の「2865」も分配金は支払われると考えられます。
GX日経カバコの資料は?
こちらは「GX日経カバコ」のグローバルX社による説明資料です。「投資信託協会の規則上、分配原資にできるのは配当等収益のみであり、オプション・プレミアムは該当しないため分配できない」とありました。赤く囲ったところです。
この問題が解決できたかどうかは、わかりませんでした。米国上場ETFならOKかもしれませんが、最初の分配金を見てから購入するかを判断してもいいかもしれません。
「GXNDXカバコ」(2865)の資料は?
こちらは2022年9月26日に公開されたグローバルX社のYouTubeコンテンツ。赤く囲った部分には「投資信託協会の規則において、NASDAQ100・カバード・コールETF(証券コード:2865)がQYLDから受け取る分配金は配当等収益にあたり分配原資となるため、定期的なインカムの提供を目指す」とあります。
つまり、【QYLD】と同様の分配金を目指すようです。ちなみに為替ヘッジはしないとのこと。
GXNDXカバコ(2865)と同じ【QYLD】とはどんな商品か?
ここからは米国に上場しているETFについて見ていきます。
GXNDXカバコ(2865)は実質的には米国に上場しているETF【QYLD】です。この【QYLD】はカバードコール戦略というオプション取引によって得られたプレミアムを分配金として支払うETFです。
取引の方法は、(1)ナスダック100インデックスを購入します。ETFの【QQQ】を買うようなイメージです。
(2)毎月第3金曜日に、1カ月後に満期を迎えるナスダック100インデックス・オプション(NDX)を販売します。
(3)コール・オプションの売りをアット・ザ・マネーで行います。今と同じ価格で1カ月後に買うことができる権利を売ります。満期は翌月の第3木曜日です。
(4)このオプションの販売と引き換えに、プレミアムを受け取ります。
(5)満期日が過ぎたら、オプションの一部を分配金として【QYLD】ホルダーに分配します。
(6)そして、翌月以降も、このプロセスが繰り返されます。
アット・ザ・マネーによるオプション販売を行うため、株価上昇における利益を捨てます。そのかわりに、オプション代はそれなりに高くなるという仕組みです。
ボラティリティが大きいとオプション代がより高くなる傾向です。分配金は最大で純資産価格の1%なので、年12%の利回りを目指すというのが基本的な考え方です。
オプション・プレミアムについて
【QYLD】の毎月の分配金は基準価格(NAV)の1%、受け取ったプレミアムの半分のいずれか低い方を上限とします。
獲得したオプション・プレミアムが2%を超えていれば、分配金はNAVの1%となり、プレミアムが2%以下なら半分になります。
上のグラフは、ナスダック100の近い将来のボラティリティを予測する指数【VXN】と【QYLD】が獲得したオプション・プレミアムの関係です。赤い線がオプションプレミアム、右軸です。2%以上だと、分配金は上限の1%となります。
そして、オプション・プレミアムはボラティリティとほぼ連動しています。オプション・プレミアムが2%を超えるには、【VNX】の値が22から23ぐらいが目安のようです。2021年5月から9月の【VXN】は超えたり超えなかったりと微妙でしたが、2021年11月以降は高い数値になっています。
分配金と基準価格(NAV)の関係
カバードコールETFでもっとも気になるのは、分配金が基準価格の上限の1%を獲得できたかということです。
この表は「QYLD」の2018年12月以降の、毎月の分配金と第3金曜日の基準価格(NAV)の比較です。基準価格と株価はだいたい同じです。赤い折れ線の基準価格と、青い棒線が分配金が、ちょうど重なっていれば1%の上限を獲得したということです。
2021年の12月だけは、イレギュラーな分配金であるキャピタルゲイン分配金があったので、青い棒グラフが突き抜けています。
【QYLD】は2022年の1月以降は、8カ月連続で満額の1%を獲得しています。つまりオプション取引がうまくいっているということです。
ただし、2022年の年初から、ナスダック100の株価が軟調なため、右側の赤い折れ線グラフは下落しています。そのため現在は、分配金の上限も減っています。
全体を見ると、2020年1月以降は、かなり好調です。2021年6月から11月は1%には到達していませんが、それ以外の期間で満額の1%というのがわかりますね。
分配金の傾向は?
【QYLD】は毎月分配金が支払われます。設定以来の【QYLD】の期別分配金を棒グラフにして重ねました。
2014年から17年にかけては漸減傾向ですが、2018年以降はほぼ横ばいです。2022年5月以降は少し減っていますが、株価が下がったことで、分配金の上限も下がったためです。
【QYLD】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
【QYLD】の組込銘柄について見てみましょう。組込上位20銘柄です。ベンチマークは、CBOE NASDAQ-100(R)・バイライト・V2・インデックスです。
組込上位10銘柄は全体の約53%を占めており、上位20銘柄だと全体の約66%です。原資産としてナスダック100を保有するカバードコール戦略を行うので、中身はETFの【QQQ】とほぼ同じです。
【QYLD】のセクターの傾向は?
セクター比率を見てみましょう。情報技術が約5割を占め、通信サービスや一般消費財が続きます。
GX優先証券(2866)と同じ【PFFD】はどんな商品か?
次は「GX優先証券」2866です。2866は実質的には米国に上場しているETF【PFFD】です。この【PFFD】は米国企業が発行する米ドル建ての優先証券、転換優先証券が投資対象のETFです。
経費率が年0.2%台と低いために人気が出ています。ライバルの【PFF】の経費率が0.45%なので、後発の【PFFD】はこれに対抗して経費率を低くしました。
利回りが5~6%と比較的高いのが特徴ですが、金融セクターが多いので、金融危機などの暴落時には脆弱性を見せることもあります。
優先証券とは?
優先証券とは、株式と債券の性格を持つハイブリッド証券の1つです。株と社債の中間のようなイメージです。
普通株と比べて配当などを優先的に受けることができ、利回りが高いのが特徴ですが、議決権に制限があります。債券のように配当率は決まっています。株価の変動は、債券よりは大きく、株よりは小さい傾向にあります。
PFFDの分配金の傾向は?
【PFFD】も毎月分配金が支払われます。設定以来の【PFFD】の期別分配金を棒グラフにして重ねました。
わずかに減っているようにも見えますが、ほぼ横ばいです。設定当初が0.11ドルで、現在は0.105ドルなので、微妙に減っているかもしれません。
【PFFD】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
【PFFD】の組込銘柄について見てみましょう。組込上位20銘柄です。ベンチマークは、ICE BofAML・ダイバーシファイド・コア・米国優先証券・インデックスです。
組込上位10銘柄は全体の約17%を占めており、上位20銘柄だと全体の約27%と分散されています。金融機関がかなり目立ちますね。
【PFFD】のセクターの傾向は?
セクター比率を見てみましょう。金融が7割弱を占め、公益事業、不動産と続きます。
【PFFD】は安全か?
【PFFD】に組み込まれている銘柄の格付けを見ましょう。グローバルX社の資料です。
通常「BBB以上」が投資適格と言われ、「BB」以下は投資不適格(ジャンク債・ハイイールド債)と言われます。
【PFFD】は「BBB」が約60%、「BB」が26%です。BBBが多く、高い利回りから考えると、まずまずですね。不明が約10%あるのは多少気になります。
株価推移を確認
ここからは【QYLD】と【PFFD】のデータを比較します。【PFFD】が設定されたのが2017年9月なので、2017年10月以降のデータを中心に比較します。
まずは株価推移です。参考として、S&P500ETF【VOO】も比較します。
4年11カ月で株価は【PFFD】が0.85倍、【QYLD】が0.71倍でした。どちらもマイナスですね。
これまでの利回りは?
利回りの傾向を調べてみましょう。利回りは過去1年分配金から算出しました。
【QYLD】の方が常に高く、平均では10.6%です。現在は15%ほどありますが、分配金の上限は毎月1%なので、年間だと12%が上限です。2021年12月にショートターム・キャピタルゲインが多くもらえたことと、現在の株価が低迷しているので、過去1年分配金から算出した利回りはかなり高くなっています。
【PFFD】は安定しています。現在は6%を少し超えていますが、平均では5.7%ほど。分配金の変化はあまりないので、現在の株価は割安状態と言えそうです。
過去に買った場合の利回り(YOC)は?
過去にETFを買った場合、取得価格あたりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から設定時までのYOCを見ていきましょう。過去の購入したタイミングよる現在のYOCです。
この線が左肩上がりの場合は、株価が好調に伸びています。そして増配傾向の可能性も強いです。
現在の利回りが右端です。株価の傾向は【QYLD】はやや右肩下がり、【PFFD】はわずかに下がっています。分配金の変化はあまりなく、早くに買ってもYOCは上がりません。
むしろ、株価が低迷している今こそ買い時という考え方もできます。
一番右の数字が現在の利回りで、【QYLD】が15.1%、【PFFD】が6.1%です。
3年前に購入していた場合の現在のYOCは【QYLD】が11.4%、【PFFD】が5.2%。5年前に購入していた場合の現在のYOCは【QYLD】が10.9%、【PFFD】が5.2%。
どちらのETFも過去に購入した場合、やや高値掴みだったと言えます。
過去のトータルリターンを比較する
2017年10月以降のトータルリターン推移です。参考として、S&P500ETF【VOO】も比較します。
2017年10月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2022年8月には【VOO】が1万7100ドル、【QYLD】が1万2400ドル、【PFFD】が1万1000ドルになっていました。【PFFD】はあまりよくないですね。
過去のトータルリターン
過去1年、3年、4年11カ月のトータルリターンを比較します。
【QYLD】や【PFFD】は【VOO】にかなり差をつけられています。
ETFの安定度などを比べよう
ETFの安定度などを比べましょう。シャープレシオやソルティノレシオは【QYLD】【PFFD】ともに良くないです。ただし、最大下落率は【VOO】よりも安定しており、ボラティリティも低いです。
過去に購入した場合の分配金額の成長はどうか?
約5年間の分配金額の推移はどうだったでしょうか。2017年10月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。
4年11カ月の分配金の合計は【QYLD】が6700ドル、【PFFD】が2800ドル、【VOO】は1100ドルでした。
【QYLD】はかなり多いですね。2021年の【QYLD】の年間分配金は1700ドルを超えています。税金は考慮していませんが、再投資し続ければYOCが17%になったということですね。
現在の利回りと増配率から将来YOCを予想する
今後20年間の将来YOCを予測します。
通常は、現在の過去1年分配金額と何年か前の同時期の過去1年分配金額を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。
ただ、【QYLD】や【PFFD】は増配するタイプのETFではなく、分配金はほぼ横ばいです。そこで、増配率0、マイナス2%、マイナス4%でYOCを予測します。
ちなみに、YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。
検証するパターンは2つです。1つめは「分配金を再投資しない、税金も考慮しません」。もうひとつは「分配金を再投資します。こちらは税引き後」で計算します。
現在の利回りは【QYLD】が15.1%、【PFFD】が6.12%です。
増配率に変化がなかった場合の将来YOC予想
まずは増配率0で検証します。赤が【QYLD】、青が【PFFD】です。分配金を再投資しないのが実線、分配金を再投資して28%の税金を引くのが点線で現わしています。
【QYLD】の再投資するケースは、10年後のYOC30.5%、20年後YOCは85.7%。【PFFD】の再投資するケースは10年後のYOC6.8%、20年後YOCは10.4%。
【QYLD】は現在の利回りが高いので、この分配金が維持できれば、再投資するとYOCはぐんぐん上がります。
増配率がマイナス2%だった場合の将来YOC予想
続いて増配率マイナス2%で検証します。
【QYLD】の再投資するケースは10年後のYOCは22.9%、20年後YOCは40.9%。【PFFD】の再投資するケースは10年後のYOC5.4%、20年後YOCは6.0%。
【QYLD】は現在の利回りが高いので、増配率マイナス2%でも、再投資するとYOCはかなり上がります。
増配率がマイナス4%だった場合の将来YOC予想
続いて増配率マイナス4%で検証します。
【QYLD】の再投資するケースは10年後のYOCは17.3%、20年後YOCは20.7%。【PFFD】の再投資するケースは10年後のYOC4.2%、20年後YOCは3.6%。
【QYLD】は増配率マイナス4%でも、再投資するとYOCは上がります。【PFFD】はマイナス4%が続くと、厳しいですね。
なぜQYLDとPFFDを東証に上場させたのか?
グローバルX社のインカムを目的としたETFはたくさんありますが、なぜ【QYLD】と【PFFD】が選ばれたのでしょうか。
最初に純資産総額が大きいためと書きましたが、それ以外にもありそうです。
下のグラフは、コロナ・ショックの直前の2020年2月を100とした場合の分配金額の推移です。グローバルX社のインカム系ETFが対象です。
グローバルX社は超高配当ETFが多く、相場が軟調になると分配金が減る傾向にあります。
そんな中、青い線の【PFFD】は最も成績がよく、ほとんど減っていません。
赤い線の【QYLD】は最近は株価が下がったことによって分配金も減っていますが、全体としてみると、なかなか手堅いです。
そんなわけで、自社のインカムETFの中でも安定感のある【PFFD】と【QYLD】を投入したとも考えられます。
GXロジリート(2864)とはどんなETFか?
最後は「GXロジリート」。グローバルX ロジスティクス・REIT ETF【2864】です。
ベンチマークはソラクティブ・リート・インデックス。日本を除く世界の物流施設関連のREITが対象で、最大30銘柄で構成される指標です。
時価総額10億ドル以上など、規模の大きい物流関連施設へ投資を行うREITが組み込まれています。指数の算出方法は、時価総額加重方式で、構成銘柄ウェイトの上限は20%。
上位10銘柄は米国が多いですね。上位10銘柄で82%なので、かなり集中投資です。上位10銘柄の組込比率を考慮して算出した利回りは2.4%でした。
GXロジリートの国別比率は?
組込銘柄の国別の比率を見てみましょう。米国が67%と多く、オーストラリア、シンガポール、ベルギーが少しずつあります。
GXロジリートの実績は?
ベンチマークの設定来リターンです。ソラクティブのデータです。期間は2017年7月から2022年9月。5年2カ月で1000ドルが2300ドルになっています。なかなか順調です。
まとめ
GXNDXカバコ(2865)やGX優先証券(2866)は、米国上場の【QYLD】【PFFD】とは権利落ちなど分配金のスケジュールが異なります。
GXNDXカバコ(2865)は、【QYLD】と分配金が同じ割合かどうか、確認してから購入したほうがいいかもしれません。
米国で源泉徴収される10%の税金については、後々に二重課税調整の対象となる可能性が高いとのことです。
GX優先証券(2866)は他の運用会社の国内と米国両方に上場しているETFを比較すると、目安になるかもしれません
GXロジリート(2864)はリート好きならいいかもしれません。日本の物流施設を対象とした「グローバルX ロジスティクス・J-REIT ETF」【2565】もあるので、こちらも参考にするといいかもしれません。
今回の内容は予測が多く、間違っている可能性もあります。公式データをチェックしたり、実際の上場や分配金の支払いを待ってから購入するかを決めた方がいいかもしれません。
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