前回、ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】について、過去の増配率、今後の配当予想、過去の配当利回りからの買い時などを紹介しました。その時の記事はコチラです。今回は【SPYD】に組み込まれている80銘柄を分析して、その傾向を探ります。【SPYD】は1月と7月に入れ替えを行います。2020年2月21日の分配利回りは4.42%、経費率は0.07%と低いです。
【SPYD】の組込銘柄をセクター別に分ける
下の円グラフは前回紹介した【SPYD】の組込銘柄をセクター別に分けたものです。
全銘柄を日本語名で紹介
円グラフだとわかりづらいので、組み込まれている全80銘柄をセクターごとに表にして、日本語の銘柄名も加えてみました。組込数の多い不動産、一般消費財、金融は高配当投資を行っている人でも知らない銘柄が多いですね。
【SPYD】の配当利回り上位銘柄の顔ぶれは?
まずは【SPYD】の組込銘柄を配当利回り順に左から並べました。配当利回り5%以上は、80銘柄中24銘柄ありました。アイアンマウンテン【IRM】、キムコ・リアルティ【KIM】、サイモン・プロパティー・グループ【SPG】、ベンタス【VTR】は不動産セクターです。あまり馴染みのない銘柄ですね。ちなみ全80銘柄の平均配当利回りは4.8%でした。
配当利回りは何%台が多いのか?
組込銘柄の配当利回りは4%台が約50%、3%台が25%、5%以上が25%です。高配当ETFですが、配当利回り5%に満たない銘柄が約75%を占めています。
【SPYD】の時価総額上位銘柄の顔ぶれは?
次は【SPYD】の組込銘柄を時価総額の大きい順に左から並べました。時価総額が500億ドルを超える銘柄は、80銘柄中19銘柄ありました。AT&T【T】やエクソン・モービル【XOM】など高配当投資でおなじみの銘柄が揃っています。ちなみに全80銘柄の平均時価総額は450億ドルでした。
逆に時価総額下位銘柄はどうか?
逆に、【SPYD】組込銘柄の時価総額の小さい順に左から並べました。時価総額100億ドル以下の銘柄は、80銘柄中19銘柄ありました。馴染みのない銘柄が揃っています。H&Rブロック【HRB】やヘインズブランズ【HBI】は一般消費財セクターで、このセクターは10銘柄もありました。
時価総額の割合は?
組込銘柄の時価総額は500億ドル以上が約24%。300億ドル未満は全体の60%を占めております。高配当投資の鉄則は分散&巨大企業ですが、【SPYD】は規模が小さめの銘柄が多く組み込まれています。これを不安と考えるか、もしくは個別で購入しない銘柄をまとめて保有できて分散できると考えるかは、人それぞれです。
【SPYD】の連続増配年数上位銘柄の顔ぶれは?
【SPYD】組込銘柄を連続増配年数の上位から順に並べました。連続増配年数が15年以上は、80銘柄中20銘柄ありました。首位はアリトリア・グループ【MO】で50年です。ヘルマリック・アンド・ペイン【HP】が47年で続き、エネルギー・セクターが5銘柄と最多です。ちなみに全80銘柄の連続増配年数の平均は10.1%でした。
連続増配年数は何年が多いのか?
組込銘柄の連続増配年数は15年以上が25%ありますが、0年も26%ほどあります。連続増配年数が9年以下が80銘柄中47銘柄で、全体の60%弱を占めています。株価が低迷したことにより配当利回りが上がった危険な銘柄が、ある程度含まれていると考えた方がよさそうです。
【SPYD】の過去5年増配率上位銘柄の顔ぶれは?
【SPYD】の組込銘柄を過去5年増配率の上位から順に並べました。過去5年増配率が10%以上は、80銘柄中26銘柄ありました。首位はブロードコム【AVGO】で55%です。このグラフに掲載されている銘柄は、配当利回りと増配率がどちらも高いので、個別に調べてみる価値はありそうです。高配当投資でおなじみの銘柄はアッヴィ【ABBV】ぐらいで、マニアックなのが揃いました。ちなみ全80銘柄の過去5年増配率の平均は7.9%となかなか高かったです。
まとめ
いかがでしたか? 【SPYD】は現在の配当利回りが高くて個人投資家に人気ですが、時価総額が低い、景気に敏感なセクターが多い、増配率が0など、危険な匂いのする銘柄が結構含まれていました。S&P500の配当利回りの高い順に選ぶだけのETFなので、仕方ないかもしれません。リセッション時に株価が大幅に下落し、その際、半年に1度の組み換えがうまくいくのか気になります。安全を求めるなら【VYM】に分がありそうですが、現在の利回りをとるなら【SPYD】ですね。
組み込まれている銘柄を調べて、気に入ったものを買って、「オレ的ポートフォリオSPYD」を組んでみるのも面白いかもしれません。
【SPYD】の組込銘柄で、たかにんが所有しているのは上のグラフの16銘柄です。保有割合もこんな感じです。【SPYD】に組み込まれている時価総額上位銘柄は、かなりの割合で保有しているので、【SPYD】自体は持っていません。リセッションで株価が大幅に下落したら、買い始めようかなと考えています。たかにんのポートフォリオに興味がある方はコチラをご覧ください。