【SPYD】が半年に1度の銘柄入れ替えを実施、モルガン・スタンレー【MS】、インテル【INTC】など16銘柄が新加入

ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】は年2回、大幅な銘柄入れ替えを行っています。今回、2022年7月29日に銘柄入れ替えが行われました。

今回の入れ替えでは15銘柄が除外されて、16銘柄が追加されました。そして1銘柄はすでに除外されていました。

 

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SPYDの銘柄入れ替え方法

【SPYD】はS&P500採用銘柄からほぼ利回りの高い80銘柄を均等に組み入れます。銘柄入れ替えは年2回、1月と7月の最終営業日に発表されます。入れ替える銘柄を決める基準日は、その1カ月前、つまり12月末と6月末です。

80銘柄を均等に1.25%ずつに組み込み、株価を割り当てるのは、銘柄入れ替え発表の5営業日前です。今回は7月22日の終値です。つまり、7月29日に発表されたデータは、5営業日前に均等に組み入れたものから少し変化しています。

銘柄入れ替えの方法は、全体80銘柄の80%に該当する64銘柄は、S&P500の中から利回りの高いものを自動的に選びます。残りの20%に当たる16銘柄は、既採用銘柄が利回り上位96銘柄(120%)の中に該当していれば残ります。その結果、全部で80銘柄に達しない場合は、現在組み込まれていない銘柄から利回りの高い順に選んで80銘柄にします。

ちょっとわかりづらいですが、S&P500採用銘柄の利回りの高いほぼ上位80銘柄と考えてOKです。現在組込まれている銘柄は、利回りが上位80位よりわずかに低くても残留するというイメージです。

 

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すでに除外されていた1銘柄

今回の入れ替え前にすでに除外されていたのは、ピープルズ・ユナイテッド・ファイナンシャル【PBCT】です。2022年4月にM&T Bank【MTB】によって買収されたので、S&P500採用銘柄から外れ、【SPYD】からも除外されました。

配当がカットされた銘柄、S&P500から除外された銘柄、買収された銘柄などは、年2回の入れ替えを待たずに、【SPYD】からも自動的に除外されます。

ちなみにS&P500は年4回、3、6、9、12月に銘柄の入れ替えがあります。

 

S&P500の採用条件は、米国企業であり、時価総額が53億ドル以上、流動性が高く、浮動株が発行済株式総数の50%以上、4 四半期連続で黒字の利益を維持していることです。時価総額加重指数のため、規模の大きな会社が組込比率が高くなります。S&P500は、米国株式市場全体の時価総額の約78%を占めています。

 

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今回の入れ替えで【SPYD】から除外された15銘柄は?

今回の銘柄入れ替えで【SPYD】から外された15銘柄について見てみましょう。ブリストル・マイヤーズ・スクイブ【BMY】、メルク【MRK】、アムジェン【AMGN】は巨大製薬会社。ヘルスケア・セクターです。

生活必需品セクターのケロッグ【K】、ゼネラル・ミルズ【GIS】、キャンベル・スープ【CPB】は食料品です。

いずれの銘柄も株価が好調で配当利回りが下がったため、除外されたと考えられます。下の表の組込順位や比率は入れ替え直前の7月28日のものです。除外された銘柄の順位は、真ん中の40番よりも高い上位がほとんどです。

 

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【SPYD】に新たに加わった16銘柄は?

今回の銘柄入れ替えで除外されたのが15銘柄、それ以前に除外されていたのが1銘柄なので、新たに加わったのは16銘柄です。7月29日データです。組込比率の高い順に並んでいます。セクター内訳は金融が6銘柄、一般消費財が4銘柄、不動産と情報技術が2銘柄ずつ、公益事業と通信サービスが1銘柄ずつです。

金融セクターでは、モルガン・スタンレー【MS】は世界有数の金融機関。ステート・ストリート【STT】はこのETF【SPYD】を運用しています。インベスコは【QQQ】の運用会社として有名ですね。Tロウ・プライス・グループ【TROW】も含め、資産運用会社が多くランクインしています。

インテル【INTC】は半導体、シーゲート・テクノロジー【STX】はハードディスクなどストレージを扱っています。

ワールプール【WHR】は世界有数の家電メーカー、ベストバイ【BBY】は世界最大規模の家電量販店、VF【VFC】は世界最大規模のアパレルメーカー。ちなみに、ダーデン・レストランツ【DRI】はアメリカやカナダで展開しているレストラン・チェーン。一般消費財セクターは、世界展開をするケースが少なく、日本企業の強い分野でもあるので、日本人にとっては馴染みのない銘柄かもしれません。

 

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これが【新SPYD】全80銘柄だ!

さて、【SPYD】はどのように生まれ変わったでしょうか? 以下の表が2022年7月29日現在の【新SPYD】の組込銘柄です。組込比率順に並んでいます。左端の背景がピンク色で「新」が新たに加わった銘柄です。

全80銘柄の配当利回りを組込比率を加味して計算すると4.29%です。ちなみに、銘柄入れ替え直前の2022年7月28日の全79銘柄の組込比率を加味した利回りは4.06%なので、利回りは0.23%上がりました

 

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【SPYD】の組込比率の変化について

【SPYD】は年2回の銘柄入れ替えで、80銘柄に均等に組み入れます。そして株価が上昇すると、その割合だけ比率が上がります。下がった場合は、比率が下がります。

今回の7月入れ替えの場合、銘柄入れ替えが発表される日は7月最終営業日の7月29日ですが、1カ月前の6月最終営業日の6月30日のデータで、新SPYD採用銘柄が決定します。

そして、1.25%ずつ均等に組み入れ、株価を割り当てるのは、銘柄入れ替えの5営業日前にあたる7月22日の終値です。

上の表は【新SPYD】の、切りのいい組込順位の9銘柄の組込比率です。

【A】が7月29日の組込比率。【B】が7月22日から7月29日にかけての株価倍率。この数字に、今回の場合は1.206を掛けると【C】になります。

そして【A】と【C】が同じ数字なので、7月22日から7月29日にかけての株価変化率が、組込比率にも反映され、現在の組込順位や比率になります。

そんなわけで、1つ前の【新SPYD】の全組込銘柄は、均等組み入れから5営業日しか経っておらず、その期間の株価変化による順位なので、あまり重要ではないですね

 

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セクター比率はどのように変化したか

【SPYD】のセクター比率がどう変化したでしょうか、左の円グラフが銘柄入れ替え直前の2022年7月28日のセクター比率。右側が、2022年7月29日の新SPYDのセクター比率です。

入れ替え前までは公益事業セクターが20%弱で一番比率が高かったですが、15.6%に減って2位に陥落しました。組込首位になったのは金融セクターで、14.4%から21.2%に増えました。不動産は4位から3位にランクアップして15.1%。エネルギーは2位から4位に落ちて、比率は14.8%から9.1%に減りました。

セクターの銘柄数はどう変化したか

銘柄数は金融が4銘柄増えて最多の17銘柄、公益事業は2つ減って12銘柄、不動産は1銘柄増えて同じく12銘柄です。エネルギー、生活必需品、ヘルスケアはいずれも3銘柄減りました。

 

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【新SPYD】全80銘柄をセクターごとにチェック

それでは【新SPYD】に組み込まれているセクターを、銘柄数の大きい順に紹介します。

組込銘柄数は、金融が最多17銘柄、公益事業と不動産が12銘柄、エネルギーが7銘柄、通信サービスと生活必需品が6銘柄、一般消費財、ヘルスケア、素材が5、情報技術が4、資本財が1銘柄です。

金融セクター

最も比率が大きいのが金融で、銘柄数は17です。新加入がモルガン・スタンレー【MS】、ステート・ストリート【STT】など6銘柄もあります。金融は規模がそれほど大きくないのが特徴です。

公益事業セクター

公益事業は12銘柄です。新加入がNRGエナジー【NRG】。北米最大の独立系発電会社です。

不動産セクター

不動産も12銘柄。新加入は2銘柄。デジタル・リアルティ・トラスト【DLR】がデータ・センターが主力事業。VICIプロパティーズ【VICI】はカジノやレジャーなどを手がけています。

エネルギーセクター、通信サービスセクター

エネルギーは7銘柄。新加入はありません。エクソン・モービル【XOM】とシェブロン【CVX】というスーパーメジャーが、現在組込順位1位と2位です。

通信サービスは6銘柄。パラマウント・グローバル【PARA】が新加入。2022年2月にメディア大手のバイアコムCBSが社名を変更しました。通信インフラの超巨大企業ベライゾン【VZ】とAT&T【T】がいます。

生活必需品、一般消費財セクター

生活必需品は6銘柄。新加入はなし。フィリップモリス【PM】やアルトリア・グループ【MO】というタバコメーカーが入っています。

一般消費財は5銘柄。一気に4銘柄も新加入です。いずれも小売りですね。家電、アパレル、レストラン、家庭用品などです。

ヘルスケア、素材、情報技術、一般消費財、資本財セクター

ヘルスケアセクターは5銘柄。3銘柄も減りました。

素材セクターは5銘柄。新加入はありません。もっともマイナーなセクターですが、ダウ【DOW】は世界最大の素材・化学メーカーです。

情報技術は4銘柄。シーゲート・テクノロジー【STX】とインテル【INTC】が新加入。同じPCに入っていそうな組み合わせです。

資本財は1銘柄。スリーエム【MMM】です。

 

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公式サイト掲載の利回りについて

公式サイトに掲載されている利回りについてです。銘柄入れ替え直前の2022年7月29日と直後の8月1日を比較してみましょう。(実際の銘柄入れ替えは7月29日のデータで更新されましたが、このデータは1日遅れており、銘柄入れ替えは翌8月1日となっています)

一番右の「インデックスの配当利回り(Index Dividend Yield)」は、組込銘柄から算出した利回りです。

ちなみに右から2番目の「ファンドの利回り(Fund Distribution Yield)」は過去1年分配金から算出した利回りです。

インデックスの配当利回りは、銘柄入れ替え前後で4.04%から4.29%になりました。利回りは0.25%上がりました

ちなみに、自分で全組込銘柄の利回りを組込比率を加味して計算したところ、入れ替え前は4.06%、入れ替え直後は4.29%でした。公式サイトとほぼ同じですね。

 

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これまでの銘柄入れ替え数は?

過去5回の銘柄入れ替え数です。上の棒のオレンジ色が新加入銘柄数、下の棒の赤色が除外された銘柄数、灰色は途中で除外された銘柄数です。今回の新加入16銘柄は、過去3回と比べてかなり多いですね。

2020年7月は途中除外が19銘柄もありました。コロナ・ショックの影響で、店舗の営業ができなくなった一般消費財セクターの銘柄の多くが、売り上げがなくなり、配当をカットしたためです。こちらの記事で速報して随時更新しました。

 

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組込比率上位20銘柄の推移

組込上位20銘柄の推移です。下の表で銘柄の入れ替えのあったところは、黒い太い線を引きました。ざっと見るとバラバラです。

【SPYD】は毎年1月と7月に銘柄の入れ替えがあり、S&P500採用銘柄の利回りの高い80銘柄を均等に組み入れます。そして、採用後に株価が上がると【SPYD】内の比率も高くなりますが、利回りが下がるので、次回の入れ替えで除外される可能性が高くなります。そんなわけで、同じ銘柄が長期間にわたって上位に留まることはないですね。

一番右端が直近のデータです。現在は入れ替え直後なのであまり差はないです。上位銘柄は、銘柄入れ替え後の数日間の株価が好調だったという意味です。公益事業が多く、エネルギと金融セクターも目立ちます。

 

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【SPYD】組込上位10銘柄の高配当ETF組込状況

【SPYD】の組込比率上位10銘柄は、他の高配当ETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? なお、参考用として一番右に全米ETF【VTI】のデータも入れておきました。

【SPYD】は均等組み入れなので上位組込銘柄だからといって、それほど重要ではないです。

【SPYD】の組込順位1位のエクソン・モービル【XOM】と2位のシェブロン【CVX】は、他の高配当ETFでも上位に組み込まれています。

【VTI】の順位が全米の会社の時価総額順とほぼ同じなので、【SPYD】のトップ10は全米の90位以降が多いですね。

【VYM】は組込銘柄数が約400と多いので、【SPYD】の上位10銘柄もすべて入っていますが、順位は50~150番が多いですね。【DHS】も10銘柄すべて、【HDV】は8銘柄、【DVY】は7銘柄入っており、いずれもそれなりの順位ですね。

【SPYD】との重複率は【DVY】が50%【DHS】が40%、【HDV】が29%、【VYM】が26%、【VTI】が11%でした。他の高配当ETFとの重複率は結構高いですね。

※組込比率は【SPYD】は7月29日、【VYM】【VTI】は6月末、【HDV】【DHS】【DVY】は8月1日のデータをもとにしています。

 

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【SPYD】の分配金は?

【SPYD】が設定されたのは2015年10月です。下の表は過去の分配金と増減率の一覧です。

直近の2022年6月の分配金は0.4050ドル、前年の同期が0.3989ドルなので1.5%増です。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、直近が1.5718ドル、前年の同期が1.9053ドルなので、17.5%減です。

※背景が赤色が、対象と比べて減ったという意味です。2017年12月は通常の分配金が0.399ドル、特別分配金が0.3133ドルでしたが、すべて含めて0.7123ドルにしました

ETFの分配金は結構バラつきがありますので、1回ごとの分配金ではなく、過去1年分配金を重視したほうがいいですね。この表の右から3列目です。

期別分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう

「期別分配金」を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。

【SPYD】の分配金は多い時と少ない時の差が激しいですね。どの期が多いというような傾向はないですね。また、分配金が多かった前後は少ないように見え、長期で見ると横ばいで帳尻を合わせているようにも見えます。

2022年6月は1年前の同期(2021年6月)と比べて微増です。2022年の2回の分配金は前年と比べると、少し多いペースです。

【SPYD】の過去1年分配金と株価の推移

「過去1年分配金」をグラフにして、株価と比較しました。過去1年分配金は1.5ドル~1.9ドルの間で横ばいです。2021年12月の期別分配金が0.1276ドルとかなり少なかったので、右端の3回は1.5ドル台と少なめです。

 

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ライバルETFと基本情報を比較しよう

【SPYD】と米国の高配当ETF【HDV】【DHS】【DVY】【VYM】を比較しましょう。赤字が他と比べて素晴らしいデータで、オレンジ色がなかなかのデータです。

経費率は【SPYD】【HDV】【VYM】が0.1%を切って安いです。運用総額は【VYM】が約6.1兆円と多く、【SPYD】は約1兆円です。

高配当ETFとの利回り推移を比較

高配当ETFの利回り推移を見てみましょう。過去1年分配金から利回りを算出しました。【SPYD】は常にもっとも高いです。以前は5%弱ぐらいでしたが、2021年12月の期別分配金がかなり少なかったため、最近の利回りは4%弱ぐらいです。【HDV】も分配金が減少傾向で、現在の利回りは3%前後で【VYM】や【DVY】とほぼ同じです。

 

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銘柄入れ替え予想はどうだったか?

2022年7月8日に銘柄入れ替え予想を行いました。こちらのページです。どのくらい的中していたかの検証します。以下が結果です。

 

すでに除外されていた銘柄の検証

すでに除外されていた1銘柄はピープルズ・ユナイテッド・ファイナンシャル【PBCT】で、的中です。まあ、これは調べればわかることですね。

 

新加入候補についての検証

新加入候補は19銘柄を予想しましたが、16銘柄でした。

新加入予想の中では、利回りの高い上位3銘柄が入りませんでした。コンチュラ・エナジー【CTRA】(利回り9.3%)、デボン・エナジー【DVN】(利回り9.2%)、パイオニア・ナチュラル・リソーシズ【PXD】(利回り6.6%)です。この3銘柄は利回りが抜群に高かったのですが、特別配当も併せて計算してしまったことが原因と思われます。

フィフス・サード・バンコープ【FITB】(利回り3.9%)は新加入候補でしたが入らず、候補にしなかったNRGエナジー【NRG】(利回り3.7%)が入りました。これは分かりません。利回りの計算ミスかもしれません。

 

除外候補についての検証

除外候補は18銘柄を予想しましたが、15銘柄でした。

除外候補にしたコンソリデーテッド・エジソン【ED】、オルガノン【OGN】、PPLコーポレーション【PPL】の3銘柄は残留でした。除外候補の中の利回りの高い3銘柄です。つまり、新加入候補の3銘柄【CTRA】【DVN】【PXD】が利回りが高くなかったので新加入しなかったため、この3銘柄が残留となりました。

全80銘柄中、的中が76銘柄でした。的中率95%です。新加入16銘柄中、4銘柄がハズレと考えると、的中率はあまりよくないですね。

 

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まとめ

今回は銘柄入れ替え数が16で、通常より多かったですね。セクターの首位は公益事業から金融になりました。

新加入は資産運用会社の金融セクター、小売りを中心とした一般消費財セクターなどが目立ちました。除外されたのが製薬大手のヘルスケア・セクターと食料品の生活必需品セクターです。利回りは高くなりますが、安定感に欠けるかもしれませんね。

公式サイトによる利回りは入替前が4.04%、入れ替え後は4.29%だったので、0.25%上がりました。

次回9月の分配金はそれなりに期待できそうです。

なお、次回は9月16日が権利落ちで、その前営業日までに保有していれば分配金がもらえます。