2024年5月後半から6月初旬にかけての高配当に関するニュースをお送りします。
米国ETFの2024年6月の分配金日程について
まずは、6月の分配金日程についてです。
このカレンダーは米国ETF6月の分配金の権利落ち日についてです。
権利落ちの1営業日前が権利付き最終日なので、1営業日前に保有していれば、分配金はもらえます。今月は6月なので、米国ETFの四半期タイプの分配金があります。赤字が主なETFのティッカーコードです。
主要高配当ETFと増配ETFの分配金日程を確認
この中から、米国主要高配当ETFと増配ETFを見ていきます。
先ほどのカレンダーに書かれていたのは権利落ち日です。
その前日が権利付最終日です。主要高配当ETFだとHDVが10日、VYMやSPYDは20日が権利付最終日ですね。分配金が欲しい人はこの日までに購入しましょう。
さて、ここで1つ変更点があります。米国市場は決済期間の短縮に伴い、5月28日から権利確定日が権利落ち日と同じになりました。
権利確定日が権利落ち日と同じ日に変更!
以下のようになりました。これまでは権利確定日の前営業日が権利落ち日で、その前営業日が権利付最終日でした。
5月28日からは、権利確定日と権利落ち日が同じ日になり、権利付最終日がその前営業日になりました。
権利付最終日が権利落ち日の前営業日というのは、変わりません。
東証上場ETFや投資信託の2024年6月分配金について
今度は東証上場ETFと投資信託の6月分配金の日程を確認しましょう。高配当を対象としたものから抜粋しました。
東証ETFは決算日が権利確定日です。その2営業日前が権利付き最終日です。
投資信託は決算日が権利落ち日です。その1営業日前が、権利付き最終日です。注文した日に約定になる場合と翌営業日に約定になるケースがあります。
なんといっても注目は、投資信託の「日経平均高配当利回り株ファンド」ですね。この投資信託は日経平均225社の中から配当利回りの上位30銘柄を対象とした投資信託です。新NISAのつみたて投資枠で購入可能ですね。分配金を払うタイプで、新NISAのつみたて投資枠で購入可能なファンドは、ほぼこれだけなので、かなり貴重です。
ちなみに、人気ETFの【1489】は日経平均225社の中から配当利回り上位50銘柄が対象です。日経平均高配当利回り株ファンドは、配当利回り上位50銘柄が30銘柄になっただけで、残りのコンセプトは結構似ています。
日経平均高配当利回り株ファンドと【1489】を比較
左が日経平均高配当利回り株ファンドの分配金で、右が【1489】(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型ETF)の分配金です。
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2024年は【1489】のみですが、かなり傾向は似ていますね。
トータルリターンはどうか?
トータルリターンの比較です。左が日経平均高配当利回り株ファンド。真ん中が【1489】、右がTOPIXを対象とした【1306】です。
日経平均高配当利回り株ファンドと【1489】は、ほぼ同じですね。1年リターンは54%前後、3年リターンは31~32%、5年リターンは21~22%です。
いずれの期間もTOPIXをアウトパフォームしていますね。
SBIの欧州高配当はどうか?
6月の注目としては、SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)が初めての分配金を出します。決算日は6月20日です。
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SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は設定されたのが2月28日なので、わずか3カ月で純資産が125億円に到達しました。信託報酬が年0.99%というのが支持されたようです。初回分配金はどのくらいになるでしょうか。
カバードコールETFの分配金について
続いて、カバードコールETFの分配金を見ていきます。日本で購入可能なカバードコールETFはたくさんありますが、この5つが代表的なものです。
まずは直近の分配金についてです。【JEPI】【JEPQ】は6月1日に発表。【QYLD】【XYLD】【RYLD】は5月18日に発表されました。
好調だったのは【JEPI】で0.3603ドル、先月よりも10.5%増でした。【JEPQ】は0.4497ドルで、先月よりも4.3%増です。不調だったのは【XYLD】で0.2819ドル、先月よりも17.2%減でした。
カバードコールETFの基本情報をチェック!
続いて5つのカバードコールETFの基本情報です。
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現在の分配金利回りを12カ月と直近の分配金から出しました。一番下のところです。
【RYLD】が12%台で最も高く、【QYLD】が11%台で2番目に良いです。【XYLD】と【JEPQ】は9%前後、【JEPI】は7%台ですね。
JEPIの分配金について
それぞれのETFの毎月の分配金と株価の比較を見ていきます。赤い線が株価で、青い棒が分配金です。
表の見方としては、株価と分配金はちょうど二桁異なりますので、赤い線の株価を基準にして、青い棒の分配金が重なれば、月利1%で年利12%ぐらいになるという目安です。
【JEPI】です。2022年頃は分配金が好調で、株価と重なっており、年利12%ぐらいありました。
現在は右端で株価の半分強ぐらいですね。なので直近分配金利回りは7.61%です。直近2024年6月の分配金は0.3603ドルです。
JEPQの分配金について
続いて【JEPQ】です。
分配金利回りは10%前後です。直近2024年6月の分配金は0.4497ドルです。右端の直近の分配金は株価に近いですね。直近分配金利回りは9.96%です。
QYLDの分配金について
次はナスダック100を対象とした【QYLD】です。グローバルX社のカバードコールETFは、毎月のオプションプレミアムが2%以上獲得できれば、分配金はNAVの1%というルールがあります。NAVはほぼ株価のことです。
【QYLD】です。ボラティリティが高く、最近はぼ毎月2%以上のオプションプレミアムを獲得できています。赤い線に青い棒グラフが重なっていますね。そんなわけで【QYLD】の分配金利回りは12%前後になるわけです。
直近2024年5月の分配金は0.1628ドルです。NAVに対しては0.93%でした。
XYLDの分配金について
【XYLD】はS&P500を対象としたカバードコールETFです。
S&P500はボラティリティがそれほど高くないので、オプション・プレミアムが2%ではないこともあります。なので分配金利回りは10%前後です。
直近2024年5月の分配金は0.2819ドル。NAVに対しては0.7%ほどと低調でした。
RYLDの分配金について
最後は【RYLD】。米国の小型株を対象としたカバードコールETFです。
小型株は値動きが激しいので、ボラティリティが高いです。そのため、毎月2%以上のオプションプレミアムを獲得できています。
なので【RYLD】の分配金利回りは12%前後になるわけです。直近2024年5月の分配金は0.1654ドル。NAVに対しては1%ぴったりでした。
SBIの投資信託(VYM、SPYD、VIG投信)の初回分配金決定
ここからは、SBIアセットの投資信託、【VYM】【SPYD】【VIG】の投資信託版の初回分配金についてです。
5月20日に決定しました。SBIグローバルアセットマネジメントの資料です。
【SPYD】が120円で、分配率は4.73%。【VYM】が80円で、分配率は3.13%、【VIG】が45円で、分配率は1.86%です。
分配率とは分配金を1年換算し、米国税10%控除前に戻した分配金利回りです。いずれもかなり好調ですね。
本家のETFと分配金利回りを比較
こちらに本家ETFの分配金利回りのデータです。【SPYD】が4.38%、【VYM】が2.81%、【VIG】が1.75%です。
過去1年分配金から出したものなので、先ほどの直近を1年換算するものとは、少し異なります。
投資信託の分配金は純資産の規模が大きくなっても、希薄化されないようです。本家のETFとほぼ同じ分配金利回りのようです。
元本払戻金になるのか?
投資信託の場合、自分が購入した基準価額が、決算時におけるファンドの基準価額よりも高い場合、普通分配金ではなく元本払戻金になります。赤く囲った部分です。
そうなるか試してみたくて、決算の2営業日前に【VYM】【SPYD】【VIG】の投信を1万口ずつ購入したのですが、いずれも翌営業日に基準価額が上がってしまったので、元本払戻金にはならなかったです。
今まで分配金をもらうタイプの投資信託を買ったことがなかったので、どうなるか試してみたかったのですが残念です。
次回はSBI欧州高配当株式ファンドで試してみようかなと考えています。
インベスコ・シニア・ローン・ETF【BKLN】が購入可能に
シニア・ローンを対象としたETF、インベスコ・シニア・ローン・ETF【BKLN】が購入可能になりました。
5月17日よりマネックス証券で可能となり、5月末にはSBI証券や楽天証券でも購入できるようになりました。
シニアローンは企業に対して担保付きの高位貸付を変動金利で行います。そのため、現在のような高金利の時はETFの分配金利回りが高いです。企業の資産に対する優先権を持っているため、企業が破綻した場合でも他の債務より先に返済されることが多いです。
日本で購入可能なシニアローンETFの比較
日本の証券会社で購入可能なシニアローンETFは3つがあります。
一番左が今回購入可能となったインベスコの【BKLN】。真ん中がステートストリートの【SRLN】、右がファーストとラストの【FTSL】です。
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表内の赤い数値が優れているという意味です。
【BKLN】は設定されたのが2011年と最も古く、経費率は0.65%とこの中では一番低いです。運用総額は約1.2兆円で最も規模が大きいです。
現在の分配金利回りは【BKLN】と【SRLN】が8.8%台、【FTSL】が7.76%です。
シニアローンは変動金利で貸し付けるため、現在のような金利が高い時は、分配金利回りが高いです。
過去10年のリターンは?
こちらは過去10年のトータルリターンの推移です。
似たような結果ですが、水色の【BKLN】はわずかに劣っています。10年前に1万ドルを投資して分配金を再投資した場合、【FTSL】が1万4342ドル、【SRLN】が1万4073ドル、【BKLN】は1万3556ドルになっていました。
トータルリターンを比較
このグラフは1、3、5、10年のリターンの比較です。先ほどのグラフにあったように、【BKLN】は10年リターンは残りの2つと比べてやや劣っています。ただ、3年リターンは4.5%で、最も優秀です。
全体的に見ると、経費率や運用規模は【BKLN】が素晴らしく、分配金利回りは【BKLN】と【SRLN】、トータルリターンは【FTSL】が優勢ですね。ただし、それほど差はないですね。
一歩先いく NASDAQ-100 毎月カバコ戦略(QYLD)の初回分配金が決定
大和アセットの投資信託「一歩先いく NASDAQ-100 毎月カバコ戦略(QYLD)」の初回分配金が決まりました。
1万口当たり90円です。毎月分配型なので、90円を12倍すると、年間1080円になります。現在の基準価額が1万252円なので、分配金利回りは10.5%ほどです。米国源泉の10%控除前に戻すと、分配金利回りは11.6%。米国のQYLDとほぼ同じですね。
このETFは3月19日に設定されたばかりです。QYLDの投資信託版です。純資産額が0.39億円とあまり売れていないですね。
今回の分配金が米国ETFとほぼ同じだと示されたので、今後はもう少し売れると思います。
ちなみにカバードコール戦略というのは、原資産(この場合ナスダック100指数)を保有しつつ、コールオプションを売ることで、不確実な将来の値上がり益を放棄する代わりに、オプションプレミアムが得ることです。獲得したオプションプレミアムが分配金となります。
【2019】(グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型))の2度目の分配金は好調
グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型)【2019】の分配金についてです。
優先証券ETF【PFFD】の東証版は、すでに【2866】がありますが、隔月分配型として【2019】が登場しました。隔月にしたことで、新NISAの成長投資枠になったわけです。
初回の分配金は3月24日で、100口当たり600円でした。毎月分配型の【2866】は400~500円なので、900円前後が妥当です。かなり少なかったです。
ただし、今回は1000円に増えましたので、米国上場ETF【PFFD】と同じくらいの分配金利回りですね。その理由は希薄化が考えられます。
純資産の増え方と分配金を確認
下のグラフのオレンジ色が純資産総額です。□でくくったdというのが、【2019】の決算です。右側が直近の分配金1000円で、真ん中あたりにあるのが初回の分配金600円です。
青い丸が米国【PFFD】の決算ですね。毎月5日前後です。この米国【PFFD】の決算から、日本の【2019】の決算までの間に純資産が増えると、分配金が希薄化されてしまいます。
初回の2月5日頃はオレンジ色のグラフが急激に増えています。これが、初回の分配金が希薄化されたため、600円と少なかった理由と考えられます。
今回の1000円は分配金が多いのは、直近は純資産があまり増えていないからと考えられます。
ただ、今回1000円と多かったので、今後、純資産額が増える可能性はありますね。そうすると、次回は分配金が希薄化されて、分配金が今回よりも少なくなる可能性はあります。
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まとめ
高配当に関する様々な出来事がありました。個人的に一番注目しているのは、新NISAつみたて投資枠で購入可能な「日経平均高配当利回り株ファンド」が6月14日が権利付最終日を迎えることですね。
1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)を徹底分析!