今回は1651(iFreeETF TOPIX高配当40指数)を徹底分析!
日本株の高配当銘柄を集めたETFです。
序盤はETFの分配金情報について
前半は、ETFのコンセプト、上位銘柄紹介、業種比率、最新の分配金情報など
後半は、ライバルの高配当ETFと組入銘柄や業種の違い、分配金利回り、増配率、トータルリターン、過去に買った場合のYOC、将来YOC予想などを比較
1651の分配金を確認しよう
まずは分配金について見ていきましょう。
【1651】のこれまでの分配金一覧です。年4回支払われます。最初に分配金が支払われたのが2017年11月なので、それから7年です。グラフにして確認しましょう。
【1651】の分配金の推移は?
分配金の推移です。
2019年が多かったですが、それ以外は緩やかな右肩上がりです。
直近2024年11月の分配金は26円と過去最高でした。年間分配金は53.5円で、前年より53.3%増です。フィーバーしました。
【1651】の分配金と取引所価格の関係
過去1年分配金と取引所価格の比較です。
2023年以降の取引所価格は急激に上昇していましたが、2024年8月に暴落して、その後持ち直しています。
分配金は横ばいでしたが、直近2024年は分配金が多かったので、直近の青い棒グラフは突き抜けました。
【1651】を過去に買った場合は?
取引所価格、分配金利回り、YOCです。
赤い線が分配金利回りで、過去1年分配金を株価で除して計算しました。以前は3%を超えており、最近は2%を切っていることもありましたが、この1年は増配したのでやや上昇しています。現在の分配金利回りは2.66%です。
黄色の線がYOCです。Yield on Costのことで、過去にこの銘柄を買った場合、現在取得価額に対する利回りがどうなっているかということです。この黄色の線が左肩上がりの場合は、株価が好調&増配傾向にあるといえます。
2020年7月頃に購入していれば、現在YOCは6.9%ほどになっていました。長期で見ると、分配金は増えています。
平均分配金利回りは約2.9%なので、現在の分配金利回り2.66%は平均と比べると少し低いです。分配金は増えましたが、それ以上に取引所価格が上がっている感があります。
1651(iFreeETF TOPIX高配当40指数)の基本情報
まずは【1651】の基本情報です。
正式名称は「iFreeETF TOPIX高配当40指数」です。略称は「iF高配当40」。対象指数は「TOPIX高配当40指数(配当込み)」。TOPIX100構成銘柄のうち、配当利回りが相対的に高い40銘柄により構成された指数です。
設定されたのは2017年9月。7年弱が経過しています。経費率は0.209%。他の国内高配当ETFと比べて低いです。
過去1年分配金と現在の株価で算出した分配金利回りは2.1%。高配当ETFの中では低い部類です。
分配金は2、5、8、11月の年4回。決算日(権利確定日)は10日。その2営業日前に保有していれば分配金が貰えます。分配金の支払いは決算日の40日後ぐらい。2024年4月分は5月17日です。
2024年5月22日の終値は2053円。1株から購入可能なので、2000円ほどで買えます。
これまでは10口単位でしたが、今年2024年5月7日より1口単位となりました。気軽に積み立てできる価格です。
ベンチマークの「TOPIX高配当40指数」とは?
それでは【1651】のコンセプトについて、見ていきましょう。
このETFは「TOPIX高配当40指数」との連動を目指します。この指数を大雑把にまとめると、TOPIX100構成銘柄のうち、配当利回りが相対的に高い40銘柄を時価総額加重で組み入れます。
「TOPIX100」は、TOPIX(東証株価指数)の上位100銘柄です。TOPIX(東証株価指数)は日本を代表する指数で、約2150銘柄が時価総額加重平均で組み入れられています。なので、TOPIX100は、日本企業の中の時価総額の大きい100銘柄と言えます。
銘柄の入れ替えは年1回、6月の営業最終日の取引後です。1カ月前の5月の営業最終日のデータを使います。
1つの銘柄のウェイトは5%を上限とします。ウェイト付け方法は、時価総額加重方式です。規模の大きい銘柄の比率が高くなります。
(1)TOPIX100に入っている銘柄それぞれを、直近1年間の実績配当金から配当利回りを計算します
(2)配当利回りの高い順に40銘柄選びます。ただし、既構成銘柄は上位50位以内で継続して採用されます
(3)その結果、 銘柄数が40に満たない場合は、銘柄数が40になるまで、配当利回りの高い順に新規に採用します
1651はどんな銘柄で構成されているのか?
それでは【1651】の組入銘柄について、見ていきましょう。上位20銘柄です。
時価総額加重平均なので、時価総額の大きい順に比率が高くなります。時価総額トップ100銘柄の中の配当利回りの高い40銘柄なので、日本を代表する企業ばかりです。上位20位で聞いたことのない企業はないですね。
1銘柄の上限は5%。銘柄入れ替えは毎年6月末なので、最後の入れ替えから10カ月が経過しています。首位の三菱商事や2位のトヨタ自動車は比率が6%を超えています。直近10カ月の株価がかなり好調だったということですね。
上位10銘柄の比率は51.1%、上位20銘柄は全体の76.4%なので、結構集中投資です。大型株と分類される時価総額3000億円以上は、40銘柄中25銘柄です。
全40銘柄を確認
全40銘柄を見てみましょう。左側が1位から20位、右側が21位から40位です。
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21位以下も有名企業ばかりですね。上位20銘柄には卸売業、銀行、情報・通信業が目立ち、21位より下は保険業、建設業、化学、非鉄金属などが複数入っています。
TOPIXの上位50銘柄と比較
それではTOPIXの上位50銘柄に【1651】銘柄がどのくらい含まれているか見てみましょう。
この表はTOPIXの上位50銘柄です。左側が1位から25位、右側が26位から50位です。表の右側にTOPIXの組入順位と比率、【1651】の組入順位と比率があります。
【1651】のコンセプトはTOPIX100の中から配当利回り上位40銘柄です。TOPIXの50銘柄だと23銘柄ですね。半分の20銘柄よりも少し多いです。
TOPIXも【1651】も時価総額加重なので、並びはほぼ同じですね。
TOPIX上位銘柄で【1651】に入っていないのは、ソニーグループ、東京エレクトロン、日立製作所、キーエンス、信越化学工業などですね。いずれも配当利回りの低い銘柄です。
現在銘柄入れ替えから10カ月ほど経過しているので何とも言えませんが、【1651】に加入するには配当利回りは2%以上ぐらいがボーダーラインとなりそうです。
1651の業種組入比率をチェックしよう
それでは【1651】の組入銘柄の業種について、見ていきましょう。
トップが卸売業で21.7%、銀行業が16.8%、輸送用機器が11.5%。この3業種で50.5%でほぼ半分を占めています。以下、情報・通信業、保険業、その他製品、医薬品、食料品と続いています。上位5業種では68.4%と7割近くを占めており、業種は偏っています。
情報・通信業、その他製品、医薬品、食料品などが上位におり、高配当ETFの中では上位に景気敏感セクターが少ないといえそうです。
業種別に組入銘柄を確認
全40銘柄を業種別の多い順に並べて見ていきましょう。左側が組入上位5業種、右側が6位以下の業種です。東証33業種中19業種があります。比較的業種は分散されています。
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左側の業種比率上位に注目してください。商社は五大商社、銀行は三大メガバンク、自動車はトヨタとホンダ、携帯は三大キャリア、三大損保がすべて入っており、日本を代表する企業しかいませんね。
1651と日本株高配当ETFの純資産を比較
ここからは【1651】とライバルの日本株を対象とした高配当や増配ETFを比較します。
下のグラフは日本株を対象とした8つの高配当ETFです。純資産総額の比較です。すべてを比較すると、細かすぎるので、絞り込みます。
【1651】のライバルと言えそうな【1478】、高配当ETFの代表格【1489】、そして高配当ではありませんが【1651】の親指数であるTOPIX100の元となったTOPIX・ETF【1306】と比べます。
1651とライバルの日本株高配当ETFの基本データ比較
左から、今回の主役・大和アセットの【1651】、ブラックロックの【1478】、野村アセット【1489】、同じく野村アセットのTOPIX【1306】です。
表内の数値が赤色は、他のETFよりも秀でているという意味です。オレンジ色は赤色に次ぐ2番手グループという意味です。
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【1478】は財務を重視した高配当ETF。分配金利回りが2%前半と少し低く、株価やトータルリターンを狙えるという点では【1651】と同じで、ライバル関係といえます。
【1489】は高配当ETFの代表格。純資産が2400億円ほどともっとも大きいです。日経平均の中から、配当利回りの高い50銘柄を集めたものです。ほぼ配当加重ですね。
【1306】はTOPIXが対象のETF。約2100銘柄を時価総額加重で組み入れたものです。米国ETFに例えるとS&P500の【VOO】と全米の【VTI】の中間のようなイメージでしょうか。
業種と上位銘柄を比較する
それでは、組入上位10銘柄を比較します。4つのETFともに日本を代表する超大型株や大型株が中心です。
その中でも【1489】は配当利回りの高い銘柄が多く、TOPIX【1306】は配当利回りの低い銘柄が含まれています。
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【1651】は【1478】と似ていますね。三井物産、任天堂、本田技研が共通しています。
【1651】と【1489】はどちらも三大メガバンクの三菱UFJ、三井住友、みずほが入っています。三菱商事も共通しています。
【1651】はTOPIX100の中から配当利回りの高い40銘柄が対象なので、【1651】採用銘柄は、必ずTOPIX・ETF【1306】に入っています。ただし上位10位以内ではない場合もあります。
上位10銘柄の比率は【1651】と【1478】が51%と、結構集中投資です。TOPIXの【1306】は21%ほどです。
組入銘柄の規模を比較しよう
ETFに組み入れられている銘柄の規模を比較します。左端の赤色のGiant(ジャイアント)が超巨大企業で、青のLarge(ラージ)が巨大企業、緑色のMid、黄色のSmall、ピンク色のMicroの順に規模が小さくなっていきます。
【1651】はジャイアントが66.8%と圧倒的に多く、ラージが28.2%。この2つでほとんどを占めます。4つのETFはいずれも大型銘柄や超大型銘柄が主体のETFですが、【1651】の大きさは際立っています。
【1478】はジャイアントが44%で【1306】とほぼ同じです。TOPIXと似たような規模です。
【1489】はジャイアントが30%とこの中では最も小さいです。ただしラージが52.7%なので、この2つを合わせるとかなりの規模になります。
上位業種を比較しよう
組入銘柄の業種を比較します。どのETFも似たような業種が上位です。
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【1651】の首位は卸売業で、残りの3つのETFにも上位5位以内に入っています。
【1651】の2位から5位の銀行業、輸送用機器、情報・通信業、保険業は、残り3つのETFのうち2つに入っています。
上位業種から見ると、これらのETFを複数保有しても、あまり銘柄分散にはならないかもしれないですね。
ちなみに上位5業種の比率は【1651】が68.4%と一番集中投資です。
トータルリターンを比較する
トータルリターンを比較します。トータルリターンとは分配金を再投資した株価リターンのことです。2024年4月末基準のデータです。期間は1、3、5年で、年率です。
【1489】が1年リターン57.1%、3年リターン32.0%、5年リターン20.4%でいずれもトップです。高配当ETFの中で純資産が一番大きいのも納得です。
【1651】は1年リターン52.9%、3年リターン28.7%、5年リターン19.9%です。ライバルの【1478】との比較では、いずれの期間も優勢です。
TOPIXの【1306】と比べると、高配当ETFはすべての期間で上回っていました。高配当や増配ETFは最近5年はかなり好調ですね。
トータルリターン、リスク、シャープレシオを散布図で比較(3年)
トータルリターン、リスク、シャープレシオを比較します。縦軸がトータルリターン、横軸がリスク、括弧内の数値がシャープレシオです。
シャープレシオは投資効率の良さを示したものです。トータルリターンが高く、リスクが低いと、シャープレシオは高くなります。
表の左上がローリスク・ハイリターンで理想です。右下がハイリスク・ローリターンで良くないです。ただし、一般的にはリターンが大きいとリスクも大きくなる傾向です。
まずは3年です。
【1489】がトータルリターンが32%と圧倒的で、リスクも12.9%と高く、シャープレシオは2.26です。
【1651】はトータルリターンは28.7%で2番目です。リスクが12.6%と【1489】よりは少し低いです。シャープレシオは2.09で、【1489】の次に優秀です。
トータルリターン、リスク、シャープレシオを散布図で比較(5年)
続いて5年です。
こちらもトータルリターンは【1489】が20.4%でもっとも高く、シャープレシオは1.22。
【1651】はトータルリターンは19.9%と【1489】にわずかに及びませんでした。ただし、リスクが15.9%で【1489】より低いので、シャープレシオは1.24で最も素晴らしいです。
【1478】はリスクが15.0%と抑えられています。
3年と5年を総合的に見ると、【1651】は素晴らしいですね。シャープレシオは【1489】といい勝負です。
分配金利回り推移を確認しよう
それでは分配金利回りの推移を比較しましょう。【1651】の分配金が1年分になった2018年8月以降です。分配金利回りは過去1年分配金から算出しました。株価は月に1度、月末のものです。
現在の分配金利回りは【1489】が2.91%で一番高く、【1478】が2.21%。【1651】は2.10%、【1306】は1.80%です。
【1489】が常に一番分配金利回りが高いですが、2021年の前半ぐらいまでは【1478】や【1651】と同じぐらいでした。
分配金利回りの平均は?
現在の分配金利回りと、過去3年、5年の分配金利回りの平均です。
いずれのETFも現在の分配金利回りは、過去の平均分配金利回りと比べて、低くなっています。つまり、株価が上がりすぎている感じですね。
【1489】は現在の分配金利回りが2.9%、過去の平均は4.0%ほどなので、約1%低いですね。
【1651】と【1478】は3年だと0.4%ほど、5年では0.7%ほど低くなっています。
TOPIXの【1306】は0.2%ほど低く、あまり下がっているわけではないですね。高配当ETFの現在の分配金利回りが、過去よりも低くなっていると言えます。
過去に購入したら、現在YOC(取得価額に対する利回り)はどうなったか?
過去にETFを購入していた場合、現在、取得価額に対する利回り(YOC)はどのくらいになっているかというグラフです。いわゆる自分利回りというやつです。
グラフが左肩上がりなら、増配しており、株価が好調というイメージです。
上の表は、3年前、5年前、6年8カ月前に購入したら、現在のYOCがどうなっているかというデータです。6年8カ月前というのは【1651】が設定された年です。
【1651】は3年前に購入した場合はYOCが3.99%、5年前は4.83%、設定当初の6年8カ月前なら4.05%になっています。【1478】とほぼ同じですね。このあたりが、両ETFがライバル関係と言える理由のひとつですね。
【1489】は、コロナショックの2020年3月頃に買っていれば、7.5%ぐらいになっています。
増配率を確認しよう
増配率を見ていきましょう。表の上段は1年ごとの過去1年分配金と、前年からの増配率です。背景ピンク色がマイナスです。
※クリックで拡大します
表の下段は現在を起点とした1年から5年の増配率。年平均をCAGR(Compound Annual Growth Rate/年平均成長率)で計算します。
背景のオレンジ色が濃いほど、増配率が高いという意味です。この部分をグラフで見てみましょう。
1年、2年増配率をグラフにして比較する
まずは1年、2年増配率です。
1年増配率は【1651】が33.4%とトップ、【1306】が11.8%で2番手。残りはマイナスです。
2年増配率は【1478】が21%とトップ。【1306】が19.3%で続き、【1651】が10.8%で3番手です。
3年、4年、5年増配率をグラフにして比較する
3年、4年、5年増配率を見てみましょう。
3年増配率は【1489】が20.2%で首位、【1306】が16.6%で続き、【1651】は9.8%で4番手です。
4年増配率は【1306】と【1489】が11.8%前後でトップです。【1651】は8.4%で3番手。
5年増配率は【1306】が11.3%で首位、【1489】が9.3%で続き、【1651】は6.7%で3番手です
全体的にみると、【1651】は1年増配率は33.4%と素晴らしいですが、残りは3番手が多かったですね。
【1651】の増配率が低いというよりは、他のETFの増配率がかなり素晴らしいと言えそうです。
ライバルの【1478】との比較では互角ですね。
ただ、増配率は直近の分配金によって、ガラッと変わりますので、あくまで「現時点では」という考え方でOKです。
増配率、分配金利回り、トータルリターンを比較しよう
増配率、分配金利回り、トータルリターンをバブルチャートで比較します。
縦軸が増配率、横軸が分配金利回り、バブルの大きさがトータルリターンです。バブルの近くの数値もトータルリターンです。右上かつバブルが大きいのが最も素晴らしく、左下かつバブルが小さいのが良くないです。
【1489】がトータルリターンが32.0%で首位、分配金利回りも約4.0%で首位と素晴らしく、増配率も20.2%でトップ。完璧ですね。
【1651】はライバルの【1478】と競っています。増配率と分配金利回りは【1478】がわずかに優勢、トータルリターンは【1651】に軍配が上がりました。
【1306】は増配率は16.6%と素晴らしいです。
増配率、分配金利回り、トータルリターンの5年を比較
続いて5年を見てみましょう。
【1489】がトータルリターンが20.4%で首位、分配金利回りも約4.0%でトップと素晴らしいです。
【1306】は増配率が11.3%と高いですね。
今回も、【1651】はライバルで黒色の【1478】と競っています。ただ今回は増配率、分配金利回り、トータルリターン、いずれも【1651】がわずかに優勢でした。
増配率、分配金利回り、トータルリターンを総合的に考えると【1651】のライバルは【1478】ですね。
増配率を使った将来YOCを予想する
それでは、いまETFを購入したら、将来、取得価額に対する利回り(YOC/Yield On Cost)がどのくらいになるのかをシミュレーションします。
現在の分配金利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。3年、4年、5年の増配率を使用します。「分配金は再投資しない。税引き前」という設定にします。
現在の分配金利回りは【1489】が2.91%、【1478】が2.21%、【1651】が2.1%、【1306】が1.8%です。
まずは3年増配率を使った将来YOC予想です。
3年増配率は【1489】が20.2%と圧倒的で、【1651】は9.8%です。
20年目のYOC予想は、首位は【1489】で96.4%、2番手は【1306】で33.1%、【1651】は4番手で12.3%です。
4年増配率を使用した将来YOC予想は?
続いて4年増配率を使った将来YOC予想です。
4年増配率は【1306】、【1489】が11.8%前後でもっとも高く、【1651】は8.4%です。
20年目のYOC予想は、首位は【1489】で23.7%です。【1651】は3番手で9.7%でした。
5年増配率を使用した将来YOC予想は?
最後に5年増配率を使った将来YOC予想です。
5年増配率は【1306】が11.3%でもっとも高く、【1651】は6.7%です。
20年目のYOC予想は、首位は【1489】で15.8%です。【1651】は【1478】と同じで7.3%。グラフの紫色と黒色の線が重なっています。
全体的に見ると、将来YOC予想は【1489】が圧倒的で、【1306】が続き、【1651】はライバルの【1478】と互角でした。
これまでのデータを項目別にランク付け
これまで取り扱ったデータを項目別にランクづけしました。「A」が最高で「B」「C」「D」の順です。「S」は飛び抜けて優秀という意味です。
相対比較で、やや強引に差をつけました。参考程度にしてください。
【1651】は今回の分配金が好調だったため、トータルリターンやシャープレシオなどが「A」でした。増配率や過去YOCは「B」でまずまずでした。
【1478】は様々なデータで【1651】と競っていました。全体的には「B」が多く、安定感のあるETFという印象です。
【1489】が素晴らしいです。トータルリターンは「S」でした。シャープレシオ、将来YOC、純資産、分配金利回りなどが「A」でした。直近の増配率がイマイチなところだけが、少し気になります。
【1306】はTOPIXを対象とした市場全体インデックス。高配当ではないので、比較すると差が出ますね。イメージと異なるのは、トータルリターンが高配当ETFより悪いこと、増配率が高配当ETFよりも素晴らしいことですね。米国の市場全体インデックスと日本の市場全体インデックスは、少し傾向が異なりますね。
ランキングの数をまとめると?
SABCDの数値をまとめたデータです。
「S」は【1489】と【1306】に1つずつありました。
「A」の数は【1489】が8個と素晴らしいです。
「B」の数は【1478】が最多で11個と圧倒的です。
【1651】はどのランクも満遍なくあります。平均的といえるかもしれません。
まとめ
【1651】の直近の分配金は23円で、前年同期と比較して66.7%増と絶好調でした。分配金は横ばいの期間が長かったですが、ようやく増配しました。
【1651】はTOPIX100構成銘柄のうち、配当利回りが相対的に高い40銘柄を時価総額加重で組み入れたETFです。高配当ETFですが、分配金利回りは2.1%と低いです。高配当ETFの中では、株価上昇(キャピタルゲイン)を狙うタイプです。
【1651】の組入れ銘柄は日本を代表する企業ばかりです。五大商社、三大メガバンク、自動車のトヨタとホンダ、携帯三大キャリア、三大損保が全部入っています。
【1651】のライバルは【1478】と言えそうです。どちらも高配当ETFの中では分配金利回りが低め、株価上昇が狙えるタイプ、組入れ銘柄の規模はTOPIXよりも大きいです。超大型株中心と言えます。
TOPIXよりも【1651】や【1478】の方がトータルリターンが上回っていました。米国株と違って、日本株は大型配当銘柄のリターンが素晴らしいです。
たかにんは現在保有していませんが、少し買ってみようかなと思います。