2024年4月と5月の高配当に関するニュースをお送りします。
日米のETFや投資信託を中心に、個別銘柄、BDCなども紹介します。
SBI日本高配当の次回分配金はどうなる?
まずは、投資信託のSBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)の現状を確認しましょう。下はSBIアセットマネジメントの資料です。
2023年12月に設定され、約半年で純資産総額が730億円というとてつもない規模になりました。信託報酬が年0.099%というのが支持されたようですね。
分配金は1、4、7、10月の年4回です。最初の分配金は140円。これが4回続くなら、分配金利回りは4.7%ほどになりますが、同じぐらいの金額にはならないと思います。
4月末時点の組入れ銘柄から計算した配当利回りは4.09%のようです。現在は株高のため、日本を対象とした高配当ETFは3.5%を超えているのはほぼないので、4%というのは、かなり高いですね。
組入れ銘柄数は、当初は30銘柄でスタートしましたが、現在は50銘柄に増えています。
組入銘柄の配当月を確認する
こちらはSBI日本高配当の全銘柄と、配当月についてまとめたものです。
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左側が上位30銘柄。背景黄色の3月9月がほとんどです。規模の大きな日本企業は3月に決算を行うケースが多いので、配当が3月と9月に出るケースが大部分を占めます。
ただ、そうすると、年4回分配金を支払うETFでは、2回は多いですが、残りの2回が少なくなってしまいます。SBI日本高配当なら、4月と10月が多く、1月と次回の7月は少ないというわけです。
そこで、右側の「2024年4月に追加した銘柄」に注目してください。
13銘柄あります。背景黄色が配当月の3月9月です。背景黄色以外が結構入っていますね。13銘柄中5銘柄が3月9月以外です。3月決算以外を増やすことで、次回の7月分配金を増やそうとしている可能性が考えられます。
ちなみに、これはSBIアセットが発表した4月末時点の資料をもとに作成しました。5月や6月も3月決算以外の銘柄を新加入させて、7月の分配金を増やす可能性がありそうですね。
初回の4月分配金はかなり多かったですが、7月分配金が一気に減ってしまうと、ファンドの解約が起きる可能性があります。そのため、次回の7月分配金は、4月ほどではなくてもある程度は確保したいところです。
SBI高配当の組入銘柄数はどう変化したか?
SBI日本高配当の組入れ銘柄数の変化を見ていきましょう。こちらはSBIアセットマネジメントの資料に、最新の4月のものをつけ加えました。
当初は30銘柄でスタートしましたが、現在は50銘柄に増えています。毎月銘柄の入れ替えを行っていますね。頻繁に銘柄入れ替えをすると、トータルリターンが悪くなるケースが多いので、そこが少し心配です。
ファンドの純資産が予想以上に集まったので、銘柄入替に費やすコストが確保できたのかもしれないですね。
高配当ETFに例えるならどんなイメージ?
SBI日本高配当は当初は30銘柄で均等加重という方針でしたね。ETFならグローバルXの【2564】と似ていました。左側ですね。
現在は50銘柄に増え、均等加重ではないですね。やや配当加重っぽくなってきました。配当利回りと時価総額の大きな銘柄の比率を高くする感じです。高配当のETFやファンドでよく使われるパターンです。
SBI日本高配当は年4回の分配金の差をなるべく少なくしようとしている感もあるので、ETFで例えるなら【1698】の配当利回りを高くしたようなイメージかもしれません。
ライバルETFとリターンを比較する
各社の公式サイトにあったデータをもとに作成したリターンの比較です。SBI日本高配当が設定された2023年12月12日から2024年5月10日までの比較です。
会社によって基準価額と、分配金再投資基準価額の両方があったり、片方だったりします。
SBI日本高配当は基準価額のみです。リターンは+19.0%と素晴らしいです。高配当ETFの代表格の【1489】の基準価額のリターンは+21.1%なので、これと比較するとやや劣っています。
【1698】の分配金再投資基準価額+18.2%と比較すると、SBI日本高配当がアウトパフォームしていますね。一番右がTOPIXで、+17.3%です。
半年ほどのデータなので、何とも言えませんが、SBI日本高配当は分配金利回りが4%ほどと高く、それでいてリターンも高水準です。出だしは好調と言えます。
1651(iFreeETF TOPIX高配当40指数)の分配金が大幅増
日本株を対象とした高配当ETFの中で、もっとも分配金利回りが低かった【1651】(iFreeETF TOPIX高配当40指数)が、大幅増配を発表しました。
2024年5月分配金は23円です。前年同期との比較でも66.7%増。過去最高の分配金となりました。
高配当ETFの分配金利回りを比較する
こちらは、日本株高配当を代表する8つのETFの分配金利回り推移です。右端が4月10日の時点です。
紫色が【1651】です。分配金利回りは1.66%で、唯一2%を切っていました。
今回の増配で分配金利回りは2.12%に浮上しました。ライバルの【1478】とだいぶ近づいたわけですね。
【1651】は気軽に購入可能になった!
さらに、【1651】は取引単位を変更しています。2024年5月7日から、これまで10口単位だったのが、1口単位で購入可能となりました。
現在の【1651】の株価は2033円。従来は2万円ほど必要でしたが、2000円ほどで購入可能となりました。毎月積み立てたい人にとってはうれしいですね。
カバードコールETFの分配金について
続いて、カバードコールETFの分配金を見ていきます。日本で購入可能なカバードコールETFはたくさんありますが、この5つが代表的なものです。
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JPモルガン・アセット・マネジメントの【JEPI】と【JEPQ】、グローバルXの【QYLD】、【XYLD】、【RYLD】です。
現在の分配金利回りを12カ月と直近の分配金から出しました。一番下のところです。【QYLD】と【RYLD】が12%前後と最も高く、【XYLD】が10%、【JEPQ】が9%、【JEPI】は7%前後です。
JEPIの分配金について
それぞれのETFの毎月の分配金と株価の比較を見ていきます。まずは【JEPI】です。赤い線が株価で、青い棒が分配金です。
表の見方としては、株価と分配金はちょうど二桁異なりますので、赤い線の株価を基準にして、青い棒の分配金が重なれば、月利1%で年利12%ぐらいになるという目安です。
【JEPI】は2022年頃は分配金が好調で、株価と重なっており、年利12%ぐらいありました。現在は右端で株価の半分強ぐらいですね。なので分配金利回りは7%ぐらいになるわけです。
直近2024年5月の分配金は0.3261ドルです。
JEPQの分配金について
続いて【JEPQ】です。こちらは【JEPI】よりも分配金が株価に近いですね。
分配金利回りは9%前後です。直近2024年5月の分配金は0.4311ドルです。
QYLDの分配金について
次はナスダック100を対象とした【QYLD】です。グローバルX社のカバードコールETFは、毎月のオプションプレミアムが2%以上獲得できれば、分配金はNAVの1%というルールがあります。NAVはほぼ株価のことです。
【QYLD】はボラティリティが高く、最近はぼ毎月2%以上のオプションプレミアムを獲得できています。赤い線に青い棒グラフが重なっていますね。そんなわけで【QYLD】の分配金利回りは12%前後になるわけです。
直近2024年5月の分配金は0.1628ドルです。先月より5.5%減。NAVの1%ではなかったようです。
XYLDの分配金について
【XYLD】はS&P500を対象としたカバードコールETFです。
S&P500はボラティリティがそれほど高くないので、最近はオプション・プレミアムが2%ではないことが多く、分配金はNAVの1%に到達していないです。
なので分配金利回りは10%前後です。直近2024年5月の分配金は0.2819ドル。先月より17.2%減。
RYLDの分配金について
最後は【RYLD】。米国の小型株を対象としたカバードコールETFです。小型株は値動きが激しいので、ボラティリティが高いです。そのため、毎月2%以上のオプションプレミアムを獲得できています。
なので【RYLD】の分配金利回りは12%前後になるわけです。直近2024年5月の分配金は0.1654ドル。先月より1.6%増。
カバードコールETFのトータルリターンを比較
分配金利回りだけで考えると、グローバルXの【QYLD】や【RYLD】に軍配が上がります。
ただし、トータルリターンはJPモルガン・アセット・マネジメントの【JEPI】と【JEPQ】が高いです。
1年なら【JEPQ】の+28.37%が光ります。3年は【JEPI】が+7.47%と高いです。分配金利回りとトータルリターン、どちらを重視するかということですね。
三菱商事(8058)、三井物産(8031)が大幅増配
続いて、日本株の配当について見ていきます。
総合商社の三菱商事と三井物産が5月に増配を発表しました。
三菱商事の年間配当は現在は70円ですが、100円になる予定です。増配率は42.9%です。凄まじいですね。
上のグラフは三菱商事の配当推移です。ここ数年、配当は一気に増えています。3年増配率は26%です。
三井物産【8031】も増配!
三井物産も増配を発表しました。年間配当は現在は170円ですが、200円になる予定です。増配率は17.6%です。
三井物産も近年の配当の増加が素晴らしいです。3年増配率は24%と、三菱商事とほぼ互角です。
なお、三井物産は2024年6月30日に株式分割を行います。1株が2株になります。
ちなみに、三菱商事も1月1日に1対3の分割を行っていましたね。
商社両雄の増配率を比較
それでは三菱商事と三井物産の配当と増配率を比較します。
2024年5月10日現在の配当利回りは、三菱商事が2.95%、三井物産が2.54%で、三菱商事の方が上回っています。
増配率の比較では1年、3年、10年は三菱商事に軍配が上がりますが、5年や7年増配率は三井物産が高いですね。どちらも素晴らしい増配率です。
BDC銘柄の次回配当が続々決定!
最後は、日本の証券会社からは購入できなくなったBDC銘柄について。
メイン・ストリート・キャピタル【MAIN】は毎月配当を出すタイプです。
配当利回りは5~7%でBDC銘柄の中では低い方ですが、増配と株価上昇の両方が狙えます。
通常配当は、これまで0.24ドルでしたが、2024年7月以降は0.245ドルに増えました。さらに2024年は6月は0.3ドルの特別配当が決定しました。
BDC最大規模の銘柄は?
BDCの最大規模を誇るのが、エイリス・キャピタル【ARCC】です。配当は四半期タイプです。2024年6月の配当は0.48ドルと変化なし。
最後に増配したのが2022年12月なので、そろそろ増配を期待したいですね。
BDCの配当日程をチェックしよう
こちらは主なBDC銘柄の2024年4~6月の配当金と、権利落ち日や支払日のスケジュール。
6月はBDC銘柄の配当ラッシュです。ブログで毎月ETFやBDC銘柄の配当・分配金スケジュールを掲載していますので、もしよかったらチェックしてください。
まとめ
日米ともに高配当ETFは好調ですね。6月は分配金の季節です。楽しみですね。
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