高配当ETF【JEPI】の2022年3月分配金は0.4623ドルで先月より21.1%増

JPモルガン・エクイティ・プレミアム・インカムETF【JEPI】が2021年2月28日に分配金を発表しました。は0.4623ドル(厳密には0.46226ドル)でした。

1年前の同期は0.3211ドルだったので、1年前の同期との比較では44%増です。前回2022年2月の分配金は0.3818ドルなので、前期との比較では21.1%増です。

2022年3月4日の終値は59.73ドル、過去1年の分配金は4.4215ドルなので、利回りは7.40%になります。

※このページでの利回りは、過去1年間の分配金をもとに計算します。

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【JEPI】の過去の分配金と増配率は?

【JEPI】が設定されたのは2020年5月です。下の表は過去の配当金の一覧です。期間が短いので何とも言えませんが、2021年2月に分配金が一気に減って、その後、徐々に回復しています。

※背景がになっているのが対象月と比べてマイナスです

【JEPI】の毎月の分配金は?

期別の分配金を重ねて1年ごとにしました。権利落ちは毎月1日ごろです。毎月の分配金は、2020年は0.4ドル台が多く、2021年は0.3ドル台、そして2022年は0.4ドル台に回復傾向です。

【JEPI】の分配金と株価の関係は?

株価と分配金の比較です。株価は52~64ドルの間で推移しており、ゆるやかに上昇しています。分配金は結構バラつきがあり、0.25~0.55ドルです。最近は回復傾向です。

 

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設定以来の株価、利回り、YOCは?

株価と利回りの比較しましょう。株価が青い線です。緩やかながら上昇しています。2020年5月が50ドル。2022年1月が60ドル。設定当初から約1.2倍になっています。

利回りを過去12カ月の分配金から算出したものが、赤い線です。分配金を支払いはじめてから1年後から登場します。2021年5月は8.1%、現在の2022年3月3日は7.40%ですね。

現在の分配金を12倍して利回りを計算する方法もあります。これが黄色い線です。毎月分配金が異なりますのでデコボコです。直近の利回りは9.29%です。最近1年は分配金が少ない時期が多かったので、12カ月利回りよりも直近利回りが高い状態になっています。

ちなみに毎月分配型のETFは現在の分配金を1年換算したものを使うケースもありますが、【JEPI】のように月々の分配金の差が激しい場合は、過去12カ月の分配金から利回りを計算したほうがしっくりきますね。

 

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ライバルETFとの比較

【JEPI】のライバルといわれるカバードコールETFの【XYLD】、【XYLG】、そして【QYLD】と主要データを比べましょう。

もともと【QYLD】は日本の証券会社でも購入可能でしたが、2021年10月中盤より【JEPI】が買えるようになり、2021年11月の頭からは【XYLD】【XYLG】【QYLG】が購入可能になりました。

【XYLD】はS&P500をカバードコールするETFなので、【JEPI】との類似性があります。【XYLG】は保有しているS&P500の半分をカバードコールします。そして、【QYLD】はナスダック100指数のカバードコールなので、少し異なります。

運用総額は【JEPI】と【QYLD】が7000億円台で、競っています。【XYLD】は1100億円なので、少し差がついています。【JEPI】は設定が2020年5月と最近ですが、売れ行きはかなり好調です。

過去1年分配金から算出した利回りは、通常は【QYLD】【XYLD】【JEPI】の順で高いです。ただし、2021年12月の分配金は、50%カバードコールETFの【QYLG】と【XYLG】がキャピタルゲインが莫大だったため、とてつもない金額になりました。現在この両銘柄の「分配金利回り(12カ月)」は通常よりかなり高い状態です。【QYLG】と【XYLG】の利回りは「分配金利回り(直近)」の方が現実的です。

分配金利回り(12カ月)は過去1年の分配金から算出したものです。

分配金利回り(直近)は直近の分配金が今後1年続いたものとして算出しました

 

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カバードコール系ETFの利回り推移

カバードコール系ETFの2021年12月の分配金はいずれも好調でした。とくに【QYLG】【XYLG】は凄まじい額だったので、直近の分配金を1年換算して株価で割って利回りを求めると、以下のグラフのような推移になります。

※上に突き抜けている2021年12月の【QYLG】の数値は59.9%、【XYLG】は41.8%、【QYLD】は26.9%です。

カバードコール系ETFの利回りを過去1年分配金から算出

先ほどのグラフだと、少しイメージしづらいかもしれません。過去1年の分配金から利回りを算出しました。【QYLG】【XYLG】は2021年12月が凄まじかったので、過去1年からの利回りでも、爆上げしています。

2021年9~11月ぐらいのデータが、最近の利回りの目安かなと思います。つまり【QYLD】11%、【XYLD】9%、【JEPI】7%、【QYLG】5.5%、【XYLG】4.5%ぐらいですね。

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【JEPI】はどんなETFか?

JPモルガン・エクイティ・プレミアム・インカムETF【JEPI】は、オプションの販売と米国大型株(主にS&P500)への投資を組み合わせ、オプション・プレミアムと株式配当から毎月の収益を得ることを目指します。

【JEPI】の約80%が、S&P500採用銘柄を中心とした低ボラティリティ銘柄。この部分で株価の値上がり益を狙います。

20%を上限に、エクイティ・リンク・ノート(ELN)が組み込まれています。これは、株式に連動してインカムを狙う仕組債の一種です。

エクイティ・リンク・ノート(ELN)はS&P500のコール・オプションを売るデリバティブで、S&P500でカバードコール戦略を行う【XYLD】と少し似ています。

【JEPI】はELNでインカムを狙い、大型株の部分でキャピタルゲインを狙う、いいところどりのETFとも言えます。

 

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エクイティ・リンク・ノート【ELN】とはどんな商品か?

【ELN】は、S&P500指数を参照するノックイン型の仕組債です。

参考までに、日経平均リンク債を例に挙げます。以下のようなルールです。

期間、クーポン(利率)、ノックインレベルを設定し、ノックアウト(早期償還)判定を定期的に行います。発行体はオプションの売りのポジションを取るので、オプション料がクーポンとしてもらえますね。

(1)?(2):保有期間中にノックアウトを上回った場合は、額面価格(行使価格)で早期償還となります。

(3):償還時までノックインとノックアウトの間で推移すれば、高いクーポンをもらえます。このケースを目標としています。

(5):保有期間中にノックインを下回った場合は、償還時の価格で支払いとなるので、マイナスになるケースが多いです。(4):一度ノックインを下回った後、償還時の価格が額面価格以上になった場合は、額面価格(行使価格)での償還となります。

 

 

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【JEPI】のセクター比率は?

【JEPI】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。かなり分散されています。資本財、ヘルスケア、情報技術、生活必需品、金融がそれぞれ10%強です。ELN(Equity Linked Note)が16.2%です。

右の円グラフ、S&P500ETF【SPY】と比較すると、【JEPI】は情報技術セクターの比率がかなり減って、資本財と生活必需品セクターが増えています。

【JEPI】は、主にS&P500の中から低ボラティリティ銘柄を採用する方針です。情報技術セクターはボラティリティの激しい銘柄が多く、資本財や生活必需品セクターは株価の安定した連続増配銘柄が多いためですね。

 

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【JEPI】の上位組込銘柄は?

【JEPI】の組込上位には【SPX】が目立ちます。これはS&P500に連動したエクイティ・リンク・ノート(ELN)です。全部で10銘柄あり、合計比率は16.2%です。上の円グラフの黒い部分です。

株式の上位組込銘柄は?

下の表は【JEPI】に組み込まれている株式の上位10銘柄です。有名な銘柄と地味な銘柄が入り混じっている感じですね。

昨年10月と比較してもそれほど変化はないですね。情報技術が減って、ヘルスケアが増えています。

オールド・ドミニオン・フレイト・ライン【ODFL】は老舗トラック輸送、プログレッシブ【PGR】は自動車保険会社、ハーシー【HSY】は菓子メーカー。日本ではあまり知られていない銘柄ですね

なお、株の組込銘柄数は全部で約100銘柄で、組込比率を考慮した場合の利回りは約1.4%です。それほど高くないですね。(2021年10月のデータです)

 

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ELNとは利率(クーポンレート)はどのくらいか?

下の表はJPモルガンアセットマネジメントのアニュアルレポートに記載されている内容です。

【ELN】の発行体はトロント・ドミニオン銀行、カナダ・ロイヤル銀行、BNPパリバ、UBS、シティグループ、バークレイズ、クレジット・スイスなど世界的な金融機関ばかりです。償還日が1週ずつずれています。

左が2021年6月末、右が2021年12月末です。下の表の赤線を引いたところが、ELNのクーポンレート(いわゆる利率)です。2021年6月末は30%台後半で、2021年12月末は平均が40%台後半です。利率は結構上がっていますね。ちなみに、ELNの占める割合は、JEPIの中で最大で20%と定められています。

 

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分配金とボラティリティの関係

S&P500の近い将来の不確実性を示す指数【VIX】と【JEPI】の関係を見てみましょう。

完全に連動しているとは言えませんが、【VIX】の値が高かった2020年は、分配金額も好調でした。そして2021年の前半から中盤にかけては【VIX】の値が低く、分配金も減りました。2021年の終盤以降は【VIX】の値が高くなり、分配金額も回復してきました。

【JEPI】の分配金額は、ある程度は、S&P500のボラティリティに連動していると言えます。

 

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運用総額の変化は?

【JEPI】とライバルのカバードコールETF【XYLD】【QYLD】【XYLG】の運用総額の変化を比較しました。表の上に伸びている緑棒が資金が流入(売れた)、下に伸びている赤棒が資金流出(売られた)です。

過去1年のデータです。【JEPI】は約7500億円増えています。【QYLD】は約6000億円増えています。運用総額はほぼ同じですが、ここ1年では【JEPI】に軍配が上がります。

【XYLD】は約1100億円増です。【XYLG】はこの中では、あまり売れていないですね。

 

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【XYLD】と【JEPI】を比較する

【JEPI】とライバルと言われている【XYLD】を比較します。【JEPI】が設定されたのが2020年5月、【XYLD】が現在のベンチマークになったのが2020年8月なので、2020年9月1日から2022年2月4日までの約1年5カ月間を比べます。

株価の上昇率はどうか?

対して【JEPI】の終値は2020年9月1日が53.48ドル、2022年3月1日が58.79ドルでした。この期間で1.10倍になりました。

【XYLD】の終値は2020年9月1日が45.10ドル、2022年3月1日が47.54ドルでした。この期間で1.05倍に増えました。

株価上昇が期待できる【JEPI】が優勢です。ただ、【XYLD】が健闘したとも言えます。

利回りはどうか?

利回りを比較します。支払った分配金を12倍して株価で除して計算します。過去1年利回りではなく、現時点での利回りで比較します。

この期間における【XYLD】の平均利回りは10.1%。対して【JEPI】は8.0%でした。【XYLD】が約2%上回っています。

トータルリターンはどうか?

トータルリターンを比較します。2020年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2022年2月には【JEPI】が1万2500ドル、【XYLD】が1万2400ドルで、ほぼ互角です。推移を見ても似ていますね。

 

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主要ETFとトータルリターンを比較する

【JEPIとライバルETFのトータルリターンを比較します。S&P500をカバードコールするETF【XYLD】、その50%をカバードコールする【XYLG】、ナスダック100をカバードコールするETF【QYLD】と比べました。もっとも後発の【XYLG】が設定されたのが2020年9月なので、2020年11月から2022年2月までの1年4カ月間を比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使用しました。

2020年11月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2022年2月には【XYLG】が1万3100ドル、【XYLD】が1万2800ドル、【JEPI】が1万2700ドル、【QYLD】が1万1500ドルになっていました。

期間が短いので何とも言えませんが、【JEPI】と【QYLD】はほぼ同じです。S&P500を50%カバードコールする【XYLG】が好調です。

主要ETFとの分配金比較は?

2020年11月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

1年4カ月間の分配金の合計は【QYLD】が2500ドル、【XYLD】が1500ドル、【JEPI】が1200ドル、【XYLG】が1100ドルでした。現在の利回りとだいたい一致していますね。

 

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【JEPI】の今後のYOC予想は?

現在の過去1年分配金額(4.4215ドル)と過去の同時期の過去1年分配金額を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想しようと思ったのですが、分配金を支払い始めてから1年9カ月ほどしか経っていないので、増配率を計算できません。

そこで、年間増配率が変化なし、2%、マイナス2%、4%という4つのパターンで検証します。

ちなみに、YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【JEPI】株を2022年3月3日の終値59.73ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

現在の利回りは7.40%です。

「分配金を再投資しない」「分配金を再投資しない(税引き後)」「分配金を再投資する」「分配金を再投資する(税引き後)」の4パターンで検証します

分配金を再投資しない場合のYOC

まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。スタート年は、現在の利回りの7.40%です。

もっとも増配率の低い増配率マイナス4%で推移すると、5年後のYOCは6.04%、10年後のYOCは4.92%になります。もっとも成績の良い増配率2%で推移すると5年後のYOCは8.17%ドル、10年後のYOCは9.02%です。

分配金を再投資しない場合(税引き後)のYOC

次に分配金を再投資しないケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは7.40%ではなく、税引き後の5.33%になります。

もっとも増配率の低い増配率マイナス4%で推移すると、5年後のYOCは4.35%、10年後のYOCは3.54%になります。もっとも成績の良い増配率2%で推移すると5年後のYOCは5.88%ドル、10年後のYOCは6.50%です。

分配金を再投資する場合のYOC

それでは分配金を年1回再投資する場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する分配金額は、現在と1年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い増配率マイナス4%で推移すると、5年後のYOCは8.33%、10年後のYOCは8.84%になります。もっとも成績の良い増配率2%で推移すると5年後のYOCは11.73%ドル、10年後のYOCは19.27%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)のYOC

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは7.40%ではなく、税引き後の5.33%になります。

もっとも増配率の低い増配率マイナス4%で推移すると、5年後のYOCは5.49%、10年後のYOCは5.42%になります。もっとも成績の良い増配率2%で推移すると5年後のYOCは7.65%ドル、10年後のYOCは11.28%です。

設定から日が経っていないので将来のことは予想しづらいですが、【JEPI】は利回りがかなり高いので、分配金が維持されていた場合、再投資し続ければ、YOCはどんどん上がります。

 

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まとめ

【JEPI】は設定から日が浅いので、データからの傾向はつかみづらいです。【QYLD】への投資比率が高い人が、こちらに少し振り分けるなどの使い方がいいかもしれません。

S&P500をカバードコールする【XYLD】とは、似ています。利回りは【XYLD】のが高いですが、トータルリターンは似ていますね。

経費率が0.35%と低いのは、評価できます。超高配当ETFの中ではかなり良心的です。これが売れている理由かもしれません。

分配金は2021年の前半は少なかったですが、2021年の終盤頃から増えてきています。

カバードコールやオプション取引について、より知識を深めたい人には「道具としてのファイナンス」がおすすめ