資本財セクターは航空、宇宙、防衛、コングロマリット、機械、鉄道、商社などの会社によって構成されています。これらの銘柄の取引形態はBtoB(企業間)が多いため、消費者にとってなじみの薄い企業が目立ちます。さて、そんな資本財セクターの代表銘柄といえばスリーエム【MMM】が挙げられます。同セクターの他銘柄と比べた場合、どのようなものでしょうか? そこで、配当金と増配率をテーマに、資本財セクターの企業を比較してみましょう。
時価総額500億ドル以上の企業の配当利回りは?
以下がおもな時価総額500億ドル以上の巨大企業です。500億ドル以下からは増配年数の長い企業を入れました。もっとも時価総額が多いのはボーイング【BA】です。配当利回りが2%前後の銘柄が目立ちますね。
銘柄 | ティッカー | 配当利回り | 時価総額(100万ドル) |
---|---|---|---|
ボーイング | BA | 2.22% | 217710 |
ハネウェル・インターナショナル | HON | 2.14% | 121530 |
ユナイテッド・テクノロジーズ | UTX | 2.12% | 118680 |
ユニオン・パシフィック | UNP | 2.37% | 115350 |
ロッキード・マーチン | LMT | 2.54% | 110960 |
ユナイテッド・パーセル・サービス | UPS | 3.24% | 101710 |
スリーエム | MMM | 3.52% | 95050 |
ゼネラル・エレクトリック | GE | 0.44% | 78194 |
キャタピラー | CAT | 3.14% | 71110 |
ノースロップ・グラマン | NOC | 1.48% | 64660 |
カナディアン・ナショナル・レイルウェイ | CNI | 1.85% | 64610 |
CSX | CSX | 1.37% | 55410 |
レイセオン | RTN | 1.89% | 55120 |
ディアー | DE | 1.76% | 54762 |
ゼネラル・ダイナミックス | GD | 2.30% | 53730 |
イリノイ・ツールワークス | ITW | 2.72% | 50240 |
エマソン・エレクトリック | EMR | 2.88% | 40790 |
パーカーハネフィン | PH | 1.92% | 23150 |
スタンレー ブラック&デッカー | SWK | 1.85% | 21600 |
WW グレインジャー | GWW | 1.85% | 16020 |
ドーバー | DOV | 1.93% | 14470 |
資本財セクターの増配率と連続増配年数を比較
下のグラフは過去1、3、5の増配率と連続増配当年数です。全部で21社あります。なお、増配率がマイナスの部分は表示していません。
連続増配年数の全米トップクラスがズラリ顔を揃えています。ドーバー【DOV】は全米首位の64年、パーカーハネフィン【PH】は63年、エマソン・エレクトリック【EMR】は62年、スリーエム【MMM】は61年です。
いま資本財の銘柄を買ったら、5年後YOCはどうなるか?
下の図は過去1、3、5の増配率をもとにした5年後の予想YOCと現在の配当利回りです。つまり今株を買うと、5年後に元本配当利回り(YOC)が何%になるかの予測です。
イリノイ・ツールワークス【ITW】は様々な分野の工業製品を作っている会社です。増配率が高く、配当利回りもまずまず。5年後と10年後のYOC予想は、資本財セクターの時価総額上位銘柄の中ではもっともよさそうです。
ユニオン・パシフィック【UNP】は全米最大の鉄道会社です。5年後のYOC予想は4~6%と手堅そうです。
キャタピラー【CAT】は世界最大規模を誇る重機メーカーです。2019年1月を境に株価が下がっていますので、現在の配当利回りが3.1%まで上がりました。5年後のYOC予想は4~5%とまずまずです。
資本財セクターの10年後YOCは?
次に過去1、3、5の増配率をもとにした10年後の予想YOCと現在の配当利回りです。今株を買うと、10年後に元本配当利回り(YOC)が何%になるかの予測です。
ボーイング【BA】は世界最大の航空機メーカー。現在の配当利回りは2.2%と平均的ですが、10年後YOCが13~19%まで伸びそうです。
スリーエム【MMM】は幅広い産業分野の製品を手掛けています。現在の配当利回りは3.5%と、このセクターではトップクラスです。連続増配企業としても知られており、10年後YOCが7~11%を予想しています。
米国最大規模の軍用機メーカー・ロッキード・マーチン【LMT】の10年後YOCは6%前後を予想しています。