今回は、2024年の1月や2月にSBIアセットマネジメントが設定したVYM、SPYD、VIGの投信版(年4回分配型)の総経費率が決定しました。チェックします。
ファンドによって、総経費率が異なる理由を、SBI日本高配当も合わせて比較します。
グローバルXの【2564】の7月分配金が15円に決定。分配金データを詳しくご紹介。
最初の分配金はいくらだったか?
5月20日時点でのSBIアセットからのリリースです。分配金は、SPYDの投信版が120円、VYMの投信版は80円、VIGの投信版は45円でした。
SBIアセットマネジメントの公式サイトに、交付運用報告書と運用報告書が掲載されました。
【VYM】【SPYD】【VIG】の投信版が最初に分配金を出した5月20日のデータです。それらを確認していきましょう。
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)の5月分配金は80円
それでは、VYMの投資信託から確認していきましょう。
正式名称は「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」。略称は「SBI・V・米国高配当株式(分配重視型)」です。
総経費率は0.19%です。
投資先ファンドの運用管理費用は【VYM】の信託報酬ですね。0.06%。それ以外が0.13%ほどかかり、合計0.19%になりました。
当初の信託報酬の予定は0.1238%なので、0.07%ほど高いですね。
純資産はどのくらいか?
純資産や基準価額、分配金のデータです。5月20日時点での純資産は93.7億円。なかなか多いですね。
分配金原資はどうか?
分配原資の内訳です。今回の分配金は80円。収益は79円なので、ほぼ同じです。
翌期繰越分配対象額は1万口当たり1272円です。
SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)の5月分配金は120円
続いて、SPYDの投資信託版です。
正式名称は「SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」。略称は「雪だるま(S&P500高配当株式-分配重視型)」です。
総経費率は0.26%です。
投資先ファンドの運用管理費用は【SPYD】の信託報酬ですね。0.07%のはずですが、0.06%になっています。それ以外が0.20%ほどかかり、合計0.26%になりました。
当初の信託報酬の予定は0.1338%なので、0.13%ほど高いですね。
純資産はどのくらいか?
純資産や基準価額、分配金のデータです。5月20日時点での純資産は29.6億円。VYMの投資信託と比べると今ひとつです。
分配金原資はどうか?
分配原資の内訳。今回の分配金は120円。収益は120円なので、同じです。
翌期繰越分配対象額は1万口当たり1150円です。
SBI・V・米国増配株式 インデックス・ファンド(年4回決算型)の5月分配金は45円
続いて、VIGの投資信託版です。
正式名称は「SBI・V・米国増配株式 インデックス・ファンド(年4回決算型)」。略称は「SBI・V・米国増配株式(分配重視型)」です。
総経費率は0.31%です。
投資先ファンドの運用管理費用は【VIG】の信託報酬ですね。0.06%。それ以外が0.25%ほどかかり、合計0.31%になりました。
当初の信託報酬の予定は0.1238%なので、0.19%ほど高いですね。
純資産はどのくらいか?
純資産や基準価額、分配金のデータです。5月20日時点での純資産は13.7億円。SPYDの投資信託よりも少ないです。
分配金原資はどうか?
分配原資の内訳。今回の分配金は45円。収益は45円なので、同じです。
翌期繰越分配対象額は1万口当たり680円です。
SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)の4月分配金は140円
ここで、SBI日本高配当について確認しましょう。
このファンドは昨年12月に設定されたアクティブファンドで、すでに2回分配金が出ました。4月と7月です。
これと比較してみると、面白いかもしれません。4月の分配金が決定したときのデータです。
総経費率は0.11%です。
アクティブファンドなので、投資先ファンドの運用管理費用は、自社に支払う額です。0.02%。それ以外が0.09%ほどかかり、合計0.11%になりました。
当初の信託報酬の予定は0.099%なので、0.01%ほど高いですね。かなり抑えられていますね。
純資産はどのくらいか?
純資産や基準価額、分配金のデータです。最初に分配金を出した4月20日時点のものです。
純資産は655億円。設定から約4カ月なので、かなりの規模になっています。
分配金原資はどうか?
分配原資の内訳です。最初の分配金は140円。収益は140円なので、同じです。
翌期繰越分配対象額は1万口当たり1845円です。
なぜ隠れコストが異なるのか?
ここまで紹介した4つのファンドの総経費率は、異なっています。どうしてこうなったのか、比較・検証していきます。左から、VYM、SPYD、VIG、SBI日本高配当の順です。今まで説明した順番です。
※クリックで拡大します
VYMの投資信託版から見ていきます。当初の信託報酬は0.1238%です。その内訳は、投資先ファンドの運用管理費用が0.06%、その他費用が0.0638%の予定でした。
今回発表された総経費率では、投資先ファンドの運用管理費用は0.06%で変わりませんが、その他費用が0.0638%から0.13%に増えました。
隠れコストが0.07%ほどかかったということですね。
同じように、SPYDの投資信託版は0.13%プラス、VIGの投資信託版は0.19%プラスとなりました。SBI日本高配当は0.01%プラスなので、ほとんど変わりません。
コストを減らすには規模拡大が重要だ!
なぜ、ファンドによって、隠れコストが異なるのでしょうか? それはおそらく、ファンドの規模によると思われます。いわゆる規模の経済(エコノミーズ・オブ・スケール)ですね。
ファンドの規模が大きくなると、運用管理費、監査費用、法定報告書作成費用などの固定費を分散させることが可能となります。
さらに、取引コストも低く抑えられるので、隠れコストが低減されます。その結果、運用効率が向上することもあります。
SBI日本高配当は決算時の純資産額が655億円と巨大になったため、隠れコストが0.01%ほどに収まりました。
VYMの投資信託版は純資産が93.7億円となかなか大きいので、隠れコストは0.07%ほどでした。
SPYDやVIGの投資信託版は純資産額が29.6億円、13.7億円ほどなので、隠れコストはそれぞれ0.13%、0.19%と少し大きいですね。
なので、今後、SPYDやVIGの投資信託版の純資産が増えれば、隠れコストも減る可能性はありそうです。
2564(グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF)の7月分配金は15円
ここからはグローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF【2564】の分配金についてです。このETFは日本株を対象とした高配当ETFです。分配金は年4回です。
7月の分配金は15円でした。1年前の7月は0円だったので、かなり増えました。
分配金の推移は?
【2564】の分配金を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。最初に分配金を支払ったのは2020年10月です。
分配金は4月と10月が多く、1月と7月は少ない傾向です。
今回の15円は7月としてはかなり多いです。ただし前回4月が48円で、前年同期より減っていたので、1年単位で考えると、2024年は前年の2023年と同じくらいのペースです。
過去1年分配金を取引所価格の傾向は?
過去1年分配金と取引所価格の比較しました。
2023年4月頃にかけては、過去1年分配金は増えていましたが、その後は少し足踏み状態です。前回4月終了時点では結構減っていましたが、今回は増えました。
取引所価格は順調に上がっています。日本株はここ数年いずれも好調ですね。
過去に買った場合は?
取引所価格、分配金利回り、YOCの比較です。
赤い線が分配金利回りです。過去1年分配金を株価で除して計算しました。
黄色の線がYOCです。Yield on Costのことで、過去にこの銘柄を買った場合、取得価額に対する利回りのことです。この黄色の線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。
2020年10月頃に購入していれば、現在YOCは7.0%ほどになっています。
2564の全25銘柄や業種比率は?
それでは【2564】の中身について見ていきましょう。全25銘柄の7月23日のデータです。
ベンチマークは、MSCIジャパン・高配当セレクト25指数です。毎年5月と11月末に銘柄入れ替えを行います。表の一番左端の背景がピンク色は、5月の新規加入銘柄です。9銘柄が新加入しました。
※クリックで拡大します
上位10銘柄で全体の約41.6%を占めています。
組入れ銘柄の配当利回りから算出した分配金利回りは4.36%です。過去1年分配金から出した分配金利回りは3.57%なので、0.8%ほど高いです。
右から2列目が時価総額。このファンドは時価総額1000億円以上の中規模の銘柄が対象ですが、超大型株は少ないです。1000億円台や2000億円台の中小型株が中心です。
25銘柄を均等加重するので、銘柄入れ替えから2カ月ほどの株価が好調の銘柄が上位に来ています。あまり銘柄の順位は意識する必要はないです。
業種では、建設業と証券、商品先物取引業が目立ちますね。最近好調だった業種です。有名企業は少なめですね。日本株高配当ETFは超大型株や大型株が中心のものが多いので、サテライトとして保有するには貴重かもしれないですね。
また、個別銘柄の超大型配当株を保有している人が、中小型株をファンドとしてまとめて保有するのに向いているかもしれません。
【2564】の業種比率は
【2564】の組入銘柄の業種比率を円グラフにしたものです。
トップが建設業で20.7%。証券、商品先物取引業が16.4%。電気機器と海運業が7.9%、卸売業とREITが7.7%です、上位業種は、景気敏感な業種が目立ちます。
1つの業種の上限は全体の20%です。建設業は上限ギリギリですね。
証券・商品先物取引業とREITは、高配当ETFで上位にいるのは珍しいです。業種からもサテライト向けという感じがします。
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まとめ
2024年の1月や2月にSBIアセットが設定したVYM、SPYD、VIGの投資信託版(年4回分配型)の総経費率が決定しました。
VYMの投信版が0.19%、SPYDの投信版が0.26%、VIGの投信版が0.31%でした。
ファンドによって差があるのは、隠れコストの違いです。純資産額の大きいVYMの投信版は総経費率が低く抑えられており、3つのファンドの中で一番売れていないVIGの投信版は総経費率が高くなりました。
今後の純資産総額によって、総経費率は変化しそうです。
ちなみにSBI日本高配当の総経費率0.11%とかなり低く抑えられています。
グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF【2564】の分配金が決まりました。15円です。分配金が少ない7月にしては、かなり多かったです。前回4月が少なかったので、帳尻を合わせた感があります。
年間分配金額は前年の2023年とほぼ同じペースです。
2564は5月末に銘柄入れ替えを行いました。組入れ銘柄の配当利回りから出した分配金利回りは4.36%ほどと高いです。
中小型株がメインなので、サテライトとして保有するのはアリかなと思います。たかにんも少し保有しています。
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