ブラックロック社のiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】は、モーニングスターの配当フォーカス指数に連動したETFです。財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国籍企業75銘柄前後で構成されています。
毎年3、6、9、12月の計4回組み換えがあります。直近では、2020年3月23日頃に銘柄の入れ替えを行いました。13銘柄が削除され、14銘柄が追加されました。前回の2020年12月の組み換えでは15銘柄が新加入だったので、今回も同程度ですね。
【HDV】全組込銘柄がどのように変化したのか?
下の表は【HDV】全組込銘柄を、組み換え前後の2021年3月10日と2021年3月23日で比較したものです。保有比率の大きい順に並べました。左側(3月10日)の表の一番左側に背景が灰色で「除」と書かれているのが今回除外された銘柄です。右側(3月22日)の表の一番左側が背景ピンク色で「新」と書かれているのが、今回新たに組み込まれた銘柄です。全75銘柄です。
目立った新加入は、JPモルガン・チェース【JPM】、アリトリア・グループ【MO】、ブロードコム【AVGO】などです。
除外された銘柄ではAT&T【T】、ファイザー【PFE】、ペプシコ【PEP】、ロッキード・マーチン【LMT】、シュルンベルジェ【SLB】、アフラック【AFL】などがあります。
セクター比率はどう変化したか?
【HDV】に組み込まれている銘柄のセクターの占める割合を、組み換え前後の3月10日と3月22日で比較しました。首位のエネルギーの比率が下がりました。通信サービスは8%ほどの比率を占めていたAT&T【T】が除外されたので、だいぶ減りました。逆に金融は7%弱の比率を持つJPモルガン・チェース【JPM】が新加入したので、割合が増えました。
新たに追加された銘柄は?
今回、新たに追加されたのは14銘柄です。セクター別では金融が6銘柄と最多で、生活必需品、情報技術、公益事業がそれぞれ2銘柄ずつです。
アリトリア・グループ【MO】はタバコ・メーカーです。高配当銘柄の代表的存在で、個別銘柄で所有している人も多いですね。前回2020年12月の入れ替えで除外されて、すぐに復帰となりました。ちなみにその前の2020年9月には新加入しており、出たり入ったり忙しいですね。
プログレッシブ【PGR】は配当利回りは低いですが、毎年特別配当を出しており、それを加えると高配当になります。
除外された銘柄は?
除外された銘柄は13銘柄です。セクター別の数ではこちらも金融が4と多く、生活必需品が2銘柄です。
AT&T【T】が除外されました。エクソン・モービル【XOM】と並んで【HDV】の主力を形成していただけに、意外ですね。現在、増配をせずに配当が据え置きになっています。
ロッキード・マーチン【LMT】は前回2020年12月に新加入したばかりでしたが、すぐに除外となりました。
2020年以降の主な銘柄の入れ替えは?
【HDV】は75銘柄前後で構成されていて、四半期に1回銘柄の入れ替えが行われます。だいたい10~20ぐらいの銘柄が変更となります。その中でも組込比率1%以上の銘柄についてまとめました。こうしてみると、今回は主力銘柄がたくさん入れ替わりました。
ギリアド・サイエンシズ【GILD】とアリトリア・グループ【MO】は目立ちますね。
※なお比率の1%以上を計測したのは、入れ替えの直前と直後ではなく、少し日にちが経っている場合もあります
まとめ
いかがでしたか? 今回はAT&T【T】をはじめ、比率の高い銘柄の新加入と除外が目立ちました。これが今後、どのように影響するのかは定かではないです。