高配当&増配ETFのVYM、HDV、SPYD、DVY、DHS、VIG、SDYを徹底比較!

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インカムゲインを目的としている人にとって、人気の高配当ETFといえば【VYM】【HDV】【SPYD】などが挙げられます。今回は、米国を代表する高配当ETFと連続増配ETFを比較します。

対象となるのは7つのETF。高配当ETFは5つ。バンガード・米国高配当株式ETF【VYM】、iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】、SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF 【SPYD】、iシェアーズ 好配当株式 ETF【DVY】、ウィズダムツリー 米国株 高配当ファンド 【DHS】です。

連続増配ETFは2つ。バンガード・米国増配株式ETF【VIG】、SPDR S&P米国高配当株式 ETF【SDY】です。

 

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基本情報を確認しよう

7つのETFの基本情報です。左の5つが高配当ETF、右側の背景が水色の2つが連続増配ETFです。運用総額の大きな順に並んでいます。「利回り」は過去1年の配当額から算出しました。

経費率は【VYM】【HDV】【SPYD】【VIG】が0.1%を切っているため、この4銘柄は日本の個人投資家には人気です。

【DVY】【SDY】【DHS】の経費率は0.3%台と少し高いですが、【DVY】と【SDY】の運用総額は2兆円と大きく、【HDV】や【SPYD】を大きく引き離しています。

【DHS】はこれらの中では最も売れていなくて、経費率も高いですが、上位組込銘柄は最も高配当ETFらしいです。

連続増配の【VIG】は利回りが約1.5%と低く、どちらかというと【VOO】などのインデックスと比較されるETFです。同じく連続増配の【SDY】は高配当とインデックスの中間のような存在です。ただ、どちらのETFもトータルリターンはなかなかのものがあります。

 

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セクター比率はどうか?

7つのETFのセクター比率を円グラフにしました。すべてGICSに統一しました。バンガード社の【VYM】【VIG】は3月31日、それ以外は4月26日のデータです。

金融セクターがトップなのが【VYM】【SPYD】【SDY】です。【VIG】と【SDY】は連続増配ETFなのに、セクター割合が全然違いますね。

セクター比率を表組にすると?

先ほどの円グラフを表にしました。表内の数値は各ETFの組込比率(%)です。一番上の行をクリックすると、並び替えができます。現在は合計(%)の大きい順に並んでいます。比率20%以上が太字で赤、10%台後半が、10%台前半がと色をつけました。

セクターVYMDVYHDVSPYDDHSVIGSDY合計(%)
金融21.822.313.823.617.113.817.7130.2
生活必需品13.78.415.05.119.814.613.489.9
公益事業7.626.68.413.313.23.012.985.1
ヘルスケア13.14.016.73.412.015.95.770.8
情報技術10.96.411.27.012.818.73.270.2
資本財9.04.05.70.04.016.015.153.7
エネルギー6.78.217.613.70.90.05.652.6
通信サービス6.17.36.46.311.12.94.044.1
一般消費財6.25.33.53.91.211.16.537.8
素材4.97.31.34.92.54.18.733.6
不動産0.00.00.118.85.30.07.231.4

金融セクターはすべてのETFで10%以上です。金融セクターの個別銘柄は難易度が高いので、これらのETFを通して所有する方法がよさそうです。

不動産セクターの個別銘柄(REIT)は日本の証券会社から購入することは基本的にはできません。【SPYD】や【SDY】で代用するという方法はいいかもしれません。

素材セクターは、ほとんどの人があまり所有していないですね。【DVY】や【SDY】には比較的高い比率で組み込まれています。

 

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組込上位銘柄はどんなものか?

7つのETFの組込上位銘柄はどのようなものでしょうか? 下の表は7つのETFの組込上位20位銘柄をそれぞれ抽出しました。7つのETFの組込比率を合計し、その比率の大きい順に並べました。表内の数値は、そのETFに組み込まれている比率(%)です。

※組込比率は【VIG】【VYM】は2021年3月末、それ以外は4月26日のデータをもとにしています。【VYM】に比率0.1%未満で組み込まれているものは、除外しています

【HDV】と【DHS】は上位組込銘柄の比率が高いので、この両ETFの上位銘柄が合計比率が高くなる傾向にあります。

【VIG】と【SDY】は連続増配ETFですが、両方に組み込まれている銘柄はあまりないですね。

7つのETFすべてに組み込まれている銘柄はありませんでした。6つのETFに組み込まれていたのはコカ・コーラ【KO】だけでした。5つに組み込まれていたのは【XOM】【VZ】【MO】【T】【CVX】【AVGO】【IBM】【MCD】【TFC】などです。トゥルイスト・ファイナンシャル【TFC】以外は、メジャーな高配当銘柄ですね。

 

【ソート機能あり】高配当&増配7ETFの個別銘柄組込比率一覧のエクセルファイルのダウンロードはこちら

 

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利回りはどうか?

7つのETFの利回りはどう違うのでしょうか? 過去1年分配金から利回りを算出しました。特別分配金も含めて計算しています。

利回りは【SPYD】が常に高く、【VIG】が低いですね。【SDY】は2013~17年まで特別分配金を出しており、その金額が年によって異なっていたため、チャートにするとデコボコな感じになっています。

 

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7つのETFの重複比率はどうか?

ファンドオーバーラップを使って、他のETFとの重複割合を調べてました。下のグラフは7つの高配当&増配ETF同士の重複している割合を示したものです。比率が高いほど濃いオレンジ色になり、比率が低いと薄くなります。

重複比率が一番高かったのは【VYM】と【VIG】が51%、以下【DVY】と【SPYD】が50%、【VYM】と【HDV】が41%でした。

逆に重複比率が低かったのは【VIG】と【SPYD】で1%、【VIG】と【DHS】は4%、【VIG】と【DVY】は9%でした。【VIG】は【VYM】以外の高配当系との重複比率は軒並み低いですね。

【VIG】と【SDY】は同じ増配ETFですが、重複比率は22%とあまり高くないです。

銘柄分散させるのなら、増配の【VIG】【SDY】に、高配当で重複比率の低い【SPYD】、さらに【SPYD】と重複比率の低い【VYM】or【HDV】の4ETFを所有するとバランスがいいかもしれません。

 

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過去10年の分配金額と増配率を確認しよう

1年ごとの分配金を調べて、それをもとに増配率を作りました。直近の2021年3月の分配金を基準にして、そこから1年間を遡ったのが過去1年分配金です。「過去10年増配率」というのは、過去10年の期間における1年あたりの増配率を意味します。【HDV】は設定されたのが2011年3月なので、過去10年増配率は過去9年増配率で計算しています。背景が黄色の部分です。【SPYD】は設定されたの2015年10月なので、過去5年増配率は過去4年増配率で計算しています。背景が青色の部分です。

年間増配率は年によってバラバラですが、過去数年にまとめると、5~10%にほとんどが収まります。いずれも安定して増配しているETFと言えそうです。【SDY】は2013~17年まで特別分配金を出していたため、それがなくなった過去3年や過去5年の増配率はマイナスになりましたが、あまり気にする必要はなさそうです。

1年ごとの増配率を比較する

先ほどの表の上のほうの1年ごと増配率の変化を確認しましょう。【SDY】は動きが大きすぎるので除外しました。ETFによって増配率の高い年と低い年がバラバラですね。

過去1、3、5、7、10年の年間増配率を比較する

今度は1、3、5、7、10年の期間ごとに、増配率を比較します。こちらも【SDY】は動きが大きすぎるので除外しました。最も利回りの高い【SPYD】が、増配率では少し見劣っています。

※【HDV】の過去10年増配率は過去9年増配率、【SPYD】の過去5年増配率は過去4年増配率で計算しています。

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過去のトータルリターンはどうか?

過去のトータルリターンを比較しましょう。下の表は過去3カ月、1年、3年、5年、10年の年平均トータルリターン比較です。リターンが高いほど濃いオレンジ色になり、リターンが低いと薄くなります。

どの銘柄も過去1年リターンは素晴らしいですね。とくに【SPYD】と【DVY】が抜きんでています。過去10年では【VYM】【DVY】【VIG】【SDY】がほぼ互角です。

トータルリターンをグラフにすると?

先ほどの表をグラフにしました。過去1年のリターンは数値が大きすぎるので、除外しています。過去3年以上のパフォーマンスでは【VIG】が安定しており、【SDY】と【VYM】【DVY】が続いています。高配当銘柄よりも連続銘柄が優勢ですね。

ちなみに10年前の2011年4月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年3月末には【VIG】が3万2500ドル、【SDY】が3万1900ドル、【VYM】が3万1200ドル、【DVY】が3万900ドル、【DHS】が2万6800ドル、【HDV】が2万6500ドル、【SPYD】は設定されていないのでデータなしです。

 

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過去5年の分配金はどのくらいか?

過去5年間の分配金額の推移はどうだったでしょうか。2016年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERを使って調べました。

5年間の分配金の合計は【SPYD】が3000ドル、【HDV】が2200ドル、【DVY】【DHS】【SDY】が2100ドル、【VYM】が2000ドル、【VIG】が1300ドルでした。高配当の中では【SPYD】が頭一つリードしています。残りは【VIG】を除いてあまり差がなかったです。

過去10年の分配金はどのくらいか?

過去10年ではどうでしょうか? 2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。

10年間の分配金の合計は【SDY】が6900ドル、【DHS】【HDV】【DVY】が6400ドル、【VYM】が5900ドル、【VIG】が3600ドルでした。2013~17年まで特別分配金を出していた【SDY】に軍配が上がりました。

 

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過去3年増配率を使って今後の分配金を予想する

過去3年増配率を使って将来の分配金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。それぞれのETFを2021年4月26日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

過去3年増配率は【VYM】が7.1%、【DVY】が5.2%、【HDV】が5.3%、【SPYD】が2.0%、【DHS】が9.9%、【VIG】が7.3%、【SDY】がマイナス11.4%でした。現在の利回りは【VYM】が2.9%、【DVY】が3.0%、【HDV】が3.7%、【SPYD】が4.7%、【DHS】が3.9%、【VIG】が1.5%、【SDY】が2.6です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。

もっとも成績が良かった【DHS】の5年目の分配金額は557ドル、10年目の分配金額は895ドル。次点は【HDV】で5年目の分配金額は457ドル、10年目の分配金額は593ドル。3番目が【SPYD】で5年目の分配金額は510ドル、10年目の分配金額は561ドルでした。

 

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を年1回再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と3年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも成績が良かった【DHS】の5年目の分配金額は657ドル、10年目の分配金額は1445ドル。次点は【HDV】で5年目の分配金額は532ドル、10年目の分配金額は876ドル。3番目が【SPYD】で5年目の分配金額は612ドル、10年目の分配金額は865ドルでした。

 

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。

もっとも成績が良かった【DHS】の5年目の分配金額は452ドル、10年目の分配金額は912ドル。次点は【HDV】で5年目の分配金額は367ドル、10年目の分配金額は566ドル。3番目が【SPYD】で5年目の分配金額は419ドル、10年目の分配金額は553ドルでした。

 

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まとめ

高配当&増配ETFは経費率の低い【VYM】【HDV】【SPYD】、そして【VIG】が人気ですが、今回取り上げた【DVY】【SDY】【DHS】もなかなかオススメです。

【DVY】【SDY】は運用総額が約2兆円と売れているだけあって、パフォーマンスは良かったですね。過去のリターンでは【VYM】とほぼ同じでした。はインカムとキャピタルの両方が狙えるので、興味深いですね。

【DHS】は現在の利回りは4%弱と高く、過去の増配率もなかなか優秀でした。過去3年増配率をもとにしたYOC予想では圧倒的な数値でした。利回りと増配率どちらも高いETFというのは、ほとんどないので注目です。ちなみに【DHS】はマネックス証券やSBI証券で購入すると、手数料が実質タダになるのでオススメです。

これまでのデータを「A」~「D」にしてまとめてみました。「A」が最高で、「B」はまあまあ、「C」は普通、「D」はイマイチです。【HDV】の過去10年増配率は過去9年増配率、【SPYD】の過去5年増配率は過去4年増配率で計算しています。

もっとも「A」が多かったのは【VIG】ですね。ただし利回りが低いので、「D」も多くなってしまいます。

【SDY】は増配率の部分で「D」が目立ちますが、これは以前支払われていた特別分配金がなくなった影響なので、あまり気にする必要はないです。特別分配金をなしで計算すると、過去3年や過去5年増配率のランクは上がりますが、過去5年や過去10年の分配金額のランクは下がります。

【SPYD】も同様で2017年12月に特別分配金があったので、これも含めています。これをなしで計算すると、過去3年増配率のランクは上がりますが、過去5年分配金額のランクは下がりそうです。

【VYM】は「A」が4つと多く、「C」以下が2つと少ないですね。総合的に見ると、一番ですね。

 

 

 

 

 

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