米国高配当ETF【VYM】の2022年12月分配金は0.9745ドル。前年同期から3.8%増(バンガード 米国高配当株式ETF)
バンガード社のバンガード 米国高配当株式ETF【VYM】が、2022年12月15日に分配金を発表しました。0.9745ドルです。1年前の同期は0.9386ドルでしたので、1年前の同期から3.8%増です。
利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2022年12月16日の終値は107.99ドル、過去1年の分配金額は3.2518ドルなので、利回りは3.01%になります。
※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。
【VYM】はどんなETF?
【VYM】は今後1年の予想分配金が市場平均を上回る銘柄を、時価総額加重平均で組み入れています。リートは対象外です。配当利回りが平均以上米国大型株が中心のETFです。
【VYM】の過去の分配金と増配率は?
【VYM】が設定されたのは2006年11月です。下の表は過去の分配金の一覧です。
今回の【VYM】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、下の表の(1)「期別分配金」の今回と前年同期の比較です。今回が0.9745ドル、前年の同期が0.9386ドル。(2)「期別分配金の対前年同期増減率」は3.8%増になります。
また、(3)「過去1年分配金」を1年前と比較するのも参考になります。今回が3.2518ドル、前年の同期が3.0961ドル。(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」は5.0%増となります。
色をつけた箇所のデータをグラフにして解説していきます。「期別分配金」と「過去1年分配金」のデータを様々な角度から比較することで、【VYM】の分配金の傾向を探ります。
期別分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう
(1)「期別分配金」を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。こうしてみると、分かりやすいですね。2011年以降は毎年着実に増えています。
今回の2022年12月の分配金0.9745ドルは、過去最高額です。年間分配金の3.2518ドルも過去最高です。
期別分配金を1つずつ並べて比べよう
(1)「期別分配金」を1つずつ棒グラフにして、株価と比較しました。分配金は期によってバラつきがあります。リーマン・ショック以降、2011年頃からは安定して上昇しています。2022年12月は0.9745ドルで、これまでの最高額でした。1ドルが視野に入って来ました。
株価と分配金の伸びは似ていますね。これが似ているというのは、利回りがほぼ同じで推移していることを意味しています。
年間分配金と株価の関係は?
(3)「過去1年分配金」を1年ごとにまとめて年間分配金とし、株価と比較しました。株価は最新年を除いて年末のものです。【VYM】の分配金が最初に支払われたのは2006年12月です。株価と分配金の伸びを見ると、できるだけ早く投資したいETFと言えますね。
過去1年分配金額を1つずつ並べて確認しよう
(3)「過去1年分配金」を期ごとに棒グラフにして、株価と比較しました。2つ前の期別分配金は期によって分配金に差があったのですが、過去1年ごとにすると、マイルドになります。
高配当ETFの分配金は期ごとで一喜一憂するのではなく、過去1年分などを比較して、伸びているかどうかをチェックするのが重要です。2020年3月のコロナ・ショックは、株価にダメージを与えましたが、分配金への影響はあまりなかったです。2022年は軟調相場でしたが、終盤にかけて回復しつつあります。
期別と過去1年分配金を、前年同期と比較しよう
(2)「期別分配金の対前年同期増減率」、(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」をグラフにしました。
ETFの場合、「期別分配金の対前年同期増減率」で増配や減配を決めることが多いですね。「今回の分配金は前年同期と比べて何%増です」というやつです。ただしこれは、大きく減ることも結構あるので、あまり気にする必要はありません。赤い★の部分です。
それよりも「過去1年分配金の対前年同期増減率」の長期の傾向が重要です。紫色の階段面の部分です。【VYM】は2011年以降、この値がマイナスになることがほぼないですね。つまり、過去1年分配金で見ると、期ごとに着実に増えている超優良ETFと言えます。
年間増配率は?
(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」の1年ごとのデータを見てみましょう。いわゆる年間増配率です。最初に分配金が支払われたのが2006年の12月からなので、2008年から見てみましょう。リーマン・ショックの影響で2009年と2010年はマイナスでした。2011年以降はプラスに転じ、その後も5%以上増配した年が目立ちます。2022年は前年からちょうど5%の増配でした。
長期の増配率をチェック!
年間増配率だとざっくりしすぎていて、若干イメージしづらいかもしれません。そういう時は、複数年単位で増配率をチェックしましょう。下のグラフは過去3年と過去5年の増配率の推移です。
2017年以降は5~9%で推移しています。ただ、年々すこしずつ減少しているようにも見えます。今後は4~7%ぐらいで推移しそうです。
増配率はどのように変化したか?
直近4回で過去1、3、5、7、10年増配率がどのように変化したかをチェックしましょう。右上の赤い囲みが、現在(2022年12月分配金決定時)の過去1、3、5、7、10年増配率です。ちなみに増配率は過去1年分配金をベースにして、1年前や3年前の過去1年分配金と比較して算出します。
3、6、9月の分配金決定時の増配率は、その左側に記しておきますので、比較すると面白いかもしれません。
ETFの場合、分配金額は期によってバラバラです。そのため、増配率も分配金が決定するたびに、多少変化するということを頭の片隅に入れておくといいかもしれません。そして前回や前々回の増配率も考慮しながら、その銘柄の増配率の傾向を理解しましょう。
【VYM】は分配金がかなり安定しているため、増配率はあまり変化がないですね。過去3年増配率は5%弱、5年は6%前後、7年は6%台、10年は8%ぐらいですね。
2020年以降の利回りは?
2020年以降の【VYM】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から利回りは算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。
2020年の年初は利回りが3.0%強でしたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで株価が下がったため、3月終盤には利回りが約4.5%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前をやや上回っていますが、増配をしているので2022年12月16日の利回りは3.01%です。
現在の【VYM】の株価と利回りの関係は?
年間分配金額が現在と同じで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ3.2518ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後、【VYM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
利回り2.5%は株価130.1ドル、利回り3.0%は株価108.4ドル、利回り3.5%は株価92.9ドルです。
【VYM】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【VYM】を買った場合、取得価格あたりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から10年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。
下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、取得価格あたりの利回り(YOC)です。この線は株価と逆の動きをします。左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向になるため、早い時期に買うとYOCが上がります。なので、【VYM】はなかなか好調と言えます。
2022年12月16日の終値は107.99ドル、過去1年の分配金額は3.2518ドルなので、現在の利回りは3.01%です。過去10年の平均利回りは約3.1%です。
利回りはあまり変動がなく、2.7~3.3%の間が多いです。3.3%を超えたら買いと言えそうです。
過去10年で株価は上昇して増配率も高かったので、早い時期に買った方がYOCは上がります。10年前の2012年12月に買っていたら、現在YOCは約6.6%になっていました。また、5年前の2017年12月に買っていた場合は、現在YOCは約3.8%になっていました。
【VYM】のセクター比率は?
ここからは【VYM】の中身について見てきます。
【VYM】のセクター比率を約1年7カ月前と比較します。大きな変化はありません。首位の金融セクターが比率が少し減り、ヘルスケアの比率が増えて2位になりました。最近軟調な情報技術セクターの割合は減っています。
【VYM】の上位組込銘柄はどんな会社か?
バンガード社のETFデータは月に1回更新されます。月末のものが翌月の15日頃に公開されます。なので、現在の最新データは2022年11月末です。
【VYM】の組込上位20銘柄です。上位組込銘柄のセクターはバラエティに富んでおり、なかなかバランスがいいですね。ヘルスケアがやや多いです。セクターの背景色をGICSによる分類で色分けしています。カラフルですね。
上位20銘柄中で連続増配年数が10年を超えていないのは、わずか3銘柄です。なので【VYM】は高配当ETFというより、中配当連続増配ETFという分類がいいかもしれません。
ベンチマークは、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスです。上位10銘柄で全体の約24%を占め、20銘柄では約38%です。それなりに分散が利いています。
組込順位や構成比は2022年11月末日、時価総額や配当利回りは12月16日のデータ。配当利回りと時価総額は「Market Chameleon」、連続増配年数は「The Dividend Investing Resource Center」のデータから作成しました。
2020年4月以降の上位銘柄は?
2020年4月以降の組込上位20銘柄の推移です。毎年3月に銘柄入れ替えを行うので、太い線を引いておきます。
2022年に入ってからは、エクソン・モービル【XOM】、シェブロン【CVX】のエネルギーセクターが強いですね。比率が増えています。
ベライゾン【VZ】、コムキャスト【CMCSA】、AT&T【T】など、通信サービスセクターはトップ20からいなくなりました。
【VYM】とライバルETFの比較
ここからは、【VYM】とライバルのインカム系ETF(高配当系ETF)【HDV】【SPYD】【DVY】【SDY】【VIG】、6つのETFの様々なデータを比較していきます。
【VIG】は利回りがそれほど高くないので高配当ETFというわけではありませんが、「インカム連続増配」なので、加えます。
赤い文字が他のETFと比べて素晴らしい数値、オレンジ色が優秀です。経費率は【VYM】【HDV】【SPYD】【VIG】は0.1%を切っており、【DVY】【SDY】が0.3%台と少し高いです。
運用総額は【VIG】が約9.7兆円と多く、【VYM】は約7.0兆円となかなかで、【DVY】や【SDY】は3兆円台とまずまず規模が大きいです。
利回りは【SPYD】が約5.1%と最も高く、【HDV】が約3.6%で続き、【DVY】が約3.5%、【VYM】は約3.0%です。
組込銘柄数は【VYM】が450近くあり、分散が利いています。
【VYM】とライバルETFのセクター比率は?
セクター比率を比べます。
【VYM】は金融が約20%と一番多く、ヘルスケア、生活必需品の上位3セクターで約49%と半数を占めています。【VYM】はセクターのバランスは、なかなかよいですね。
高配当ETFには金融が多く組み込まれる傾向です。背景が紫色です。【HDV】は例外的に少ないですね。
【HDV】と【DVY】は上位2セクターの占める割合が大きく、ややセクターに偏りがあります。
セクター比率が似ているのは【SPYD】と【DVY】ですね。【VYM】とセクターが似ているETFはないですね。
【VYM】上位10銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?
【VYM】の組込比率上位10銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 5つのインカム系ETFへの組込順位と比率(%)をまとめました。
背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。
【VYM】上位10銘柄は【SDY】に5銘柄、【HDV】【DVY】【VIG】に4銘柄、【SPYD】に3銘柄とあまり入っていません。
意外と【VYM】上位組込銘柄は、他の高配当ETFには入っていないですね。ただしこれが逆のパターンで、他の高配当ETFの上位10銘柄の場合は、【VYM】にほとんどが組み込まれています。
銘柄から見ると、エクソン・モービル【XOM】とシェブロン【CVX】は、【VIG】以外の4ETFに入っており、比率も高いです。
【VYM】とウェイトの重複が最も多いのは連続増配ETFの【VIG】で50%、【HDV】【DVY】が約30%です。【VYM】は純粋な高配当ETFとは少し毛色が異なり、【VIG】に近いと言えそうです。
株価やリターンなどを比較する
ここからはPORTFOLIO VISUALIZERを使って、【VYM】とライバルのインカム系ETF(高配当系ETF)【HDV】【SPYD】【DVY】【SDY】【VIG】のデータ比較します。
株価推移を比較する
まずは10年間の株価推移を比べます。【SPYD】は設定から約7年なのでこのデータはありません。
2012年12月に1万ドル投資した場合、2022年11月末の株価は【VIG】が2万6500ドル、【VYM】が2万2700ドル、【SDY】が2万2400ドル、【DVY】が2万1700ドル、【HDV】が1万8000ドルになっていました。
【VIG】が優勢で、【VYM】【SDY】【DVY】はほぼ互角、【HDV】がやや劣っていました。
トータルリターンを比較
分配金を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。こちらも【SPYD】のデータはありません。
2012年12月に1万ドル投資して、分配金を再投資した場合、2022年11月末は【SDY】が3万2600ドル、【VIG】が3万2400ドル、【VYM】が3万1000ドル、【DVY】が3万600ドル、【HDV】が2万5800ドルになっていました。
【SDY】【VIG】がやや優勢、【VYM】【DVY】が続き、【HDV】は劣っていました。株価推移で優秀だった【VIG】は利回りが低いので、再投資すると、他の3つのETFと似た結果になりました。
過去のトータルリターン
過去1、3、5、10年のトータルリターンをグラフにして、現在の利回りと比べました。
過去3年以上のトータルリターンは【VYM】【DVY】【SDY】【VIG】は似ています。わずかに【VIG】が優勢で、【SDY】が続き、【VYM】【DVY】が少し遅れています。【HDV】はさらに劣っており、【SPYD】は苦戦しています。
安定度などを比べよう
安定度などを比べます。
ボラティリティと最大下落率は0に近いほど安定しています。安定感が一番あるのは【VIG】です。【VYM】も悪くないですね。
シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。
ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。
シャープレシオやソルティノレシオの値は【VIG】【SDY】【VYM】の順に良いですが、それほど差はありません。
過去の分配金はどのくらいか?
10年前の2012年12月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。【SPYD】は設定から約7年なのでこのデータはありません。
10年間の分配金の合計は【SDY】が6800ドル、【DVY】が6400ドル、【HDV】が5900ドル、【VYM】が5800ドル、【VIG】が3800ドルでした。
【SDY】が頭一つ抜けていますが、2013~17年にキャピタルゲイン分配金があったためです。それを除くと、他のETFと同じくらいです。利回りから考えると、【VYM】は悪くないですね。
これまでの利回りは?
過去10年の利回り推移をチェックしましょう。利回りは過去1年分配金から算出しました。株価は月に1度、月末のものです。
利回りは【SPYD】が最も高く、【HDV】が2番目で、【DVY】が3番目、【VYM】は4番目、そのあとが【SDY】、最も低いのは【VIG】です。
過去5年の平均利回りは【SPYD】が約4.6%、【HDV】が3.6%、【DVY】が3.4%、【VYM】が3.1%、【SDY】が2.7%、【VIG】が1.8%す。
【VYM】はこの6ETFの中では、上から4番目に利回りが高いです。下から3番目とも言えます。
増配率を比較する
現在の過去1年分配金額と3、5、7、10年前の同時期の過去1年分配金額を比較して、年間増配率を計算しました。最新2022年12月分配金発表後のデータです。【SPYD】は過去7年と10年増配率はありません。
【VYM】の過去1年増配率は5.0%、過去3年増配率は4.6%、過去5年増配率は6.3%、過去7年増配率は6.1%、過去10年増配率は7.4%です。【VYM】は過去10年増配率が素晴らしく、それ以外の期間の増配率も高いレベルで安定しています。
この6つのETFでは【VIG】の増配率の高さが目立ちます。【SDY】も素晴らしく、【VYM】【DVY】もなかなかです。
【SPYD】の過去5年増配率は6.9%と高いです。ただし、2017年12月のキャピタルゲイン分配金を含めないで計算しています。それを含めて計算すると、増配率は2.7%です。どちらで計算するかは悩ましいところです。
主要ETFの今後のYOC予想は?
1つ前で出した増配率を使って、現在の利回りをもとに、将来YOCを予想します。
YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。2022年12月16日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。
「分配金を再投資しない、税金を考慮しない」で検証します。
10年後のYOCはどうなっているか?
10年後のYOCを予測します。【SPYD】は現在の利回りが高く、過去5年増配率(6.9%)が続くようだと、9.9%になります。
【DVY】はいずれの期間でも成績が良いです。過去5、7、10年増配率で推移すると、いずれも6.8%と高いレベルで安定しています。
【VYM】は過去10年増配率で推移すると6.1%になります。
ちなみに黒い★は利回りです。各ETFともに、ここがスタート地点となるので、現在の利回りはかなり重要です。
20年後のYOCはどうなっているか?
続いて、20年後のYOCを予測します。今度は【VIG】がいいすね。利回りは1.95%とこの中では低いですが、過去3年増配率(11.7%)だと、20年後YOCは17.8%まで伸びてきます。
【SPYD】の過去5年増配率(6.9%)の場合も素晴らしく、19.2%まで上がります。
【VYM】もまずまずです。過去10年増配率で推移するなら20年後YOCは12%を超えます。
今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?
最後に、今【VYM】を購入したら、将来どのくらい分配金をもらえそうかをシミュレーションします。現在の利回り、増配率を使用します。
1万ドルを投資した場合の、将来もらえる分配金の推移を検証します。「分配金を再投資しない(税引き後)」と「分配金を再投資する(税引き後)」の2パターンで検証します。
増配率は過去3、5、7、10年の4パターンを使います。年間増配率は過去3年が4.6%、過去5年が6.3%、過去7年が6.1%、過去10年が7.4%でした。現在の利回りは3.01%です。
なお、再投資するケースは過去10年の株価騰落率(8.14%)で調整します。つまり、株価が年8.14%上がるので、分配金の再投資額はその分減らします。
過去3年増配率で推移した場合の分配金予想
まずは過去3年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は4.6%です。
分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。スタート時の利回りは3.01%なので、税金を引いた72%の2.17%になります。投資額が1万ドルなので、スタート年の分配金は217ドルになります。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は340ドル、20年後の分配金は532ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は434ドル、20年後の分配金は994ドルになります。YOCだと9.94%です。
過去5年増配率で推移した場合の分配金予想
次に過去5年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は6.3%です。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は398ドル、20年後の分配金は729ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は518ドル、20年後の分配金は1532ドルになります。YOCだと15.32%です。
過去5年増配率(6.3%)は、過去3年増配率(4.6%)よりも高いので、もらえる分配金も増えます。
過去7年増配率で推移した場合の分配金予想
次に過去7年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は6.1%です。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は392ドル、20年後の分配金は708ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は509ドル、20年後の分配金は1469ドルになります。YOCだと14.69%です。
過去10年増配率で推移した場合の分配金予想
最後に過去10年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は7.4%です。
再投資をしない場合は、10年後の分配金は443ドル、20年後の分配金は903ドルになります。
再投資をする場合は、10年後の分配金は585ドル、20年後の分配金は2088ドルになります。YOCだと20.88%です。高い増配率なので、再投資し続けると、分配金は相当増え、将来YOCはかなり上がります。
過去10年増配率(7.4%)は、過去3、5、7年増配率よりも高いので、もらえる分配金はさらに増えます。
いずれのケースでも「再投資をしない」に比べて、「再投資する」場合の分配金の伸びが素晴らしいです。10年後はそれほど差がありませんが、20年後はかなり差がつきます。複利効果ですね。
過去10年増配率で進めば分配金はかなり増えますが、最近の増配率はやや減少傾向なので、このシナリオはポジティブすぎるかもしれません。
まとめ
【VYM】の2022年12月の分配金は0.9745ドルで過去最高額。1年前と比較すると、3.8%増と微増でした。
2022年の年間分配金は3.2518ドルで、こちらも過去最高額。2021年と比較すると5%増でした。
セクターのバランスは、金融が少し多いですが、それ以外は満遍なくあります。
高配当ETFの中では安定した増配、値上がり益も狙えるため、10年後ぐらいにリタイアを考えている人にとっては、なかなかオススメのETFと言えそうです。
増配率は安定しており、再投資し続ければ、20年後にはなかなかの分配金(YOC)になりそうです。