米国生活必需品セクターETF【VDC】が前年同時期比24%の増配

少し前のことですが、バンガード社のバンガード・生活必需品セクターETF【VDC】が、2020年6月18日に配当金を発表しました。1.2891ドルです。1年前の同時期は1.0397ドルでしたので、1年前の同時期との比較では24%の増配です。

配当利回りを過去1年間の配当金額から算出すると、2020年7月2日の終値は150.3ドル、過去1年の配当額は4.0596ドルなので、配当利回りは2.7%になります。

【VDC】は配当金と株価の値上がり益の両方をバランスよく狙えるETFと言われてます。果たして本当でしょうか? 様々なデータからこのセクターETFを分析していきます。

 

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【VDC】の過去の配当金と増配率は?

【VDC】が設定されたのは2004年1月です。下の表は過去の配当金の一覧です。

配当利回りの計算方法を説明します。年4回配当金を支払う個別銘柄の場合は、最新の配当金額を4倍した額が年間配当額となり、それを株価で割って配当利回りが算出されます。

ところがETFの場合は、組み込まれている銘柄によって配当金を払うタイミングが異なるため、期によってバラバラになります。そこで、最新の配当金と過去3回の配当金を足した数字、つまり過去1年分の配当額が年間配当額となり、それを元に配当利回りが算出されることが多いです。

よって今回の【VDC】の配当が減配かどうかを調べるには、四半期ごとに過去1年分の配当金のデータを作成する必要があります。下の表の右から3番目が過去1年配当額です。今期の【VDC】の過去1年配当額は4.0596ドルで、前期の過去1年配当額は3.8102ドルなので、6.5%の増配といえるでしょう。ただし、この計算方法だと、減配かどうかの判断は今期と1年前の同時期の配当の比較によって決まります。なぜなら、残り3つの期はデータが同じだからです。

ちなみに前年の同時期との配当額の比較では、今回が1.2891ドル、前年の同時期が1.0397ドルなので24%の増配になります。また、前年の同時期との過去1年配当額の比較では、今回が4.0596ドル、前年の同時期の過去1年配当額が3.6519ドルなので、11.2%の増配となります。

そんなわけで、個別銘柄の減配とETFの減配は、少し意味合いが異なります。ETFで多少減配されたとしても、それほど神経質にならなくてもいいかもしれません。

※背景がになっているのが減配です

【VDC】の年間増配額と年間増配率は?

【VDC】の配当金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2020年は3月と6月の配当額で、今後9月と12月分が加わる予定です。前年とほぼ横ばい→増配を繰り返しながら、右肩上がりになっているようにも見えます。

2020年の3月は前年同時期を下回りましたが、6月は前年同時期を上回る配当でした。ディフェンシブなセクターだけに、コロナ・ショックの影響は少なかったといえそうです。

【VDC】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう

先ほどの表の過去1年配当額を棒グラフにして、【VDC】の株価と比較しました。過去1年配当額は、株価とある程度は連動しています。右肩上がりですが、前年を下回る年もあります。

【VDC】の配当額を棒グラフで確認しよう

こちらは期ごとの配当額を株価と比較したものです。期によって配当額がかなり異なります。ここ数年の配当は、わずかな伸びのように見えます。

 

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【VDC】の今後の配当予想は?

現在の年間配当金額(4.0596ドル)と1、3、4年前の同時期の年間配当金額(3.6519ドル、3.683ドル、3.0936ドル)を比較して増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VDC】株を2020年7月2日の終値150.3ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。

増配率は過去1年が11.2%、過去3年が3.3%、過去4年が7.0%でした。現在の配当利回りは2.70%です。もっとも成績の悪い過去3年のペースで減配が続くと10年後のYOCは3.74%、20年後のYOCは5.17%です。もっとも成績がよかった過去1年の増配と同じだと10年後のYOCは7.78%、20年後のYOCは22.43%になります。過去4年のデータだと10年後のYOCは5.33%、20年後のYOCは10.51%になります。どの期間のデータを参考にするかで、将来のYOCは異なりますね。

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【VDC】を買うタイミングを考える

下のグラフは過去5年の【VDC】の株価、配当利回り、YOCです。過去5年の配当利回りの平均は2.48%です。配当利回りは1.8~2.6%の間で推移している期間がほとんどでした。

黄色の線はYOC(Yield on Cost)です。過去5年に購入した場合、現時点での購入単価当たりの利回りが何%になっているかを、過去に買ったタイミングごとに示しています。配当利回り(赤い線)と連動した動きになります。

YOCを上げるコツは(1)増配率の高い銘柄を買う、(2)連続増配年数の長い銘柄を買う、(3)株価が低迷しているときに買うなどがあります。いずれの場合もなるべく早い時期に買った方が、YOCは上がっていきますが、長期にわたって株価が右肩下がりの場合は最近購入した方が数値が上がります。

【VDC】の株価はゆるやかな右肩上がりで、増配率もそれなりですので、早い時期に購入するとYOCは上がります。過去5年で最もYOCが高いのが2015年9月頃に買った場合で、現在約3.3%になっています。

今年に入ってからの【VDC】の株価と配当利回りは?

先ほどのグラフは少し大雑把なので、もう少し細かく1日ごとのデータで見ていきます。下のグラフは、2020年に入ってからの【VDC】の株価と配当利回りです。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは2.4%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが3.1%まで上昇しました。現在は株価が回復したので、配当利回りは2.7%まで下がりました。

 

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現在の【VDC】の株価と配当利回りの関係は?

年間配当額が現在と同じく4.0596ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ4.0596ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回り0.2%ごとに株価を出しました。今後、【VDC】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【VDC】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【VDC】に組み込まれているのは94銘柄です。ファンド構成比は、ほぼ時価総額の大きい順になっています。上位20銘柄で全体の約81%を占めています。組込順位は2020年5月31日のものです。

 

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【VDC】の上位組込銘柄は、他のETFにも組み込まれているのか?

【VDC】の上位組込20銘柄は主要ETFに組み込まれているのでしょうか? 下の表は左から、S&P500【VOO】、米国全体【VTI】、ダウ30平均【DIA】、連続増配【VIG】、高配当【VYM】【HDV】【SPYD】、ナスダック100【QQQ】です。表内の数字はETFへの組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「順位」はVHTへの組込順位、「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回り(%)です。データは2020年7月2日頃のものです

順位 ティッカー 配当利回り(%) VOO VTI DIA VIG VYM HDV SPYD QQQ
1 PG 2.7 10 10 12 6 3
2 KO 3.7 29 29 26 12 9
3 PEP 3.1 26 27 9 11 10 14
4 WMT 1.8 31 31 14 1 15
5 PM 6.7 50 50 22 19
6 COST 0.9 40 40 14 17
7 MDLZ 2.2 71 71 27
8 MO 8.6 76 76 35 28
9 CL 2.4 95 93 34 42
10 KMB 3.0 124 123 52 23
11 EL 1.2 135 137 46
12 GIS 3.2 144 146 56 27 4
13 WBA 4.3 161 164 28 64 51
14 MNST 184 192 53
15 STZ 1.7 172 203
16 SYY 3.3 179 195 59 77
17 KR 2.1 210 201 77
18 CLX 2.0 200 206 66 78
19 ADM 3.6 235 248 93
20 BF.B 1.1 356 276 78

※【DIA】は株価の高いものが組込順位が上がるだけなので、順位は関係ありません。【SPYD】は1、7月にSP&500の配当利回り上位80社を均等に買って、そこから株価が上がった銘柄の順位が高くなるだけなので、こちらも順位はほとんど関係ありません。

最多の6ETFに組み込まれていたのはペプシ【PEP】です。5ETFに組み込まれたのはプロクター・アンド・ギャンブル【PG】、コカ・コーラ【KO】、ウォルマート【WMT】、ゼネラル・ミルズ【GIS】、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス【WBA】です。

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【VDC】と他のETFのトータルリターンを比較する

それでは生活必需品セクターETF【VDC】を他のETFと比較してみましょう。ヘルスケア・セクターETF【VHT】、情報技術セクターETF【VGT】、S&P500と比べました。下のグラフは、2011年1月以降のトータルリターンです。【VGT】が最も成績が良く、【VDC】は伸び悩んでいます。

2011年1月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2019年6月には【VGT】が5万500ドル、【VHT】が3万9200ドル、S&P500が2万9600ドル、【VDC】は2万5700ドルになっていました。

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2010年前後の比較だとどうなる?

先ほどの比較では情報技術セクターETF【VGT】が最も優れていました。とくに2017年以降の伸びが素晴らしかったです。そこで今度は2010年前後で比較してみます。すると、生活必需品セクターETF【VDC】が頭一つ抜ける結果となりました。

2007年1月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2012年12月末には【VDC】が1万5800ドル、【VHT】が1万4000ドル、【VGT】が1万3700ドル、S&P500が1万1300ドルになりました。意外なことに【VGT】は3番目でした。セクターの好長期は、比較する期間によって大きく異なります。最近はITが圧倒的ですが、景気が停滞する時期は生活必需品セクター【VDC】が底堅い動きを見せる傾向にあるようです。

 

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まとめ

【VDC】は最近の株価と配当金の伸びは今ひとつかもしれません。ただし長期的に見ると、堅実な結果を残しているので、なかなかオススメです。

生活必需品セクターの個別株ではアリトリア・グループ【MO】やフィリップモリス【PM】などのタバコ株の配当利回りが際立っています。これらを個別銘柄として持つにはリスクがあると考えた場合、生活必需品セクター【VDC】としてまとめて保有する方法はアリかもしれません。

なお、例年通りだと、次回は9月24日頃に配当金額が決定し、その数日後に配当落ちになりそうです。

 

 

 

 

 

 

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