米国情報技術セクターETF【VGT】が前年同時期比5.8%の増配

少し前のことですが、バンガード社のバンガード・米国情報技術セクターETF【VGT】が、2020年6月18日に配当金を発表しました。0.6746ドルです。1年前の同時期は0.6376ドルでしたので、1年前の同時期との比較では5.8%の増配です。

配当利回りを過去1年間の配当金額から算出すると、2020年7月2日の終値は280.9ドル、過去1年の配当額は3.0012ドルなので、配当利回りは1.07%になります。

【VGT】は配当金目当てではなく、株価の値上がり益を求めて買う銘柄かもしれませんが、配当金に注目することで、この人気セクターETFのあまり知られていない一面を浮き彫りにしていきます。

 

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【VGT】の過去の配当金と増配率は?

【VGT】が設定されたのは2004年1月です。下の表は過去の配当金の一覧です。

配当利回りの計算方法を説明します。年4回配当金を支払う個別銘柄の場合は、最新の配当金額を4倍した額が年間配当額となり、それを株価で割って配当利回りが算出されます。

ところがETFの場合は、組み込まれている銘柄によって配当金を払うタイミングが異なるため、期によってバラバラになります。そこで、最新の配当金と過去3回の配当金を足した数字、つまり過去1年分の配当額が年間配当額となり、それを元に配当利回りが算出されることが多いです。

よって今回の【VGT】の配当が減配かどうかを調べるには、四半期ごとに過去1年分の配当金のデータを作成する必要があります。下の表の右から3番目が過去1年配当額です。今期の【VGT】の過去1年配当額は3.0012ドルで、前期の過去1年配当額は2.9642ドルなので、1.2%の増配といえるでしょう。ただし、この計算方法だと、減配かどうかの判断は今期と1年前の同時期の配当の比較によって決まります。なぜなら、残り3つの期はデータが同じだからです。

ちなみに前年の同時期との配当額の比較では、今回が0.6746ドル、前年の同時期が0.6376ドルなので5.8%の増配になります。また、前年の同時期との過去1年配当額の比較では、今回が3.0012ドル、前年の同時期の過去1年配当額が2.5238ドルなので、18.9%の増配となります。

そんなわけで、個別銘柄の減配とETFの減配は、少し意味合いが異なります。ETFで多少減配されたとしても、それほど神経質にならなくてもいいかもしれません。

※背景がになっているのが減配です

【VGT】の年間増配額と年間増配率は?

【VGT】の配当金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2020年は3月と6月の配当額で、今後9月と12月分が加わる予定です。2017年を除いて、素晴らしい増配率が続いています。

2020年は3月に続き、6月も前年同時期を上回る配当でした。コロナ・ショックの影響は少なかったといえそうです。

【VGT】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう

先ほどの表の過去1年配当額を棒グラフにして、【VGT】の株価と比較しました。過去1年配当額は、株価とある程度は連動しています。2018年初頭の過去1年配当額と比較すると、現在は約2倍になっています。

【VGT】の配当額を棒グラフで確認しよう

こちらは期ごとの配当額を株価と比較したものです。期によって配当額がかなり異なります。ただし、長期で見ると右肩上がりです。

 

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【VGT】の今後の配当予想は?

現在の年間配当金額(3.0012ドル)と1、3、4年前の同時期の年間配当金額(2.5238ドル、1.605ドル、1.488333ドル)を比較して増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VGT】株を2020年7月2日の終値280.9ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。

増配率は過去1年が18.9%、過去3年が23.2%、過去4年が23.2%でした。現在の配当利回りは1.07%です。もっとも成績の悪い過去1年のペースで減配が続くと10年後のYOCは6.04%、20年後のYOCは34.16%になります。もっとも成績がよかった過去3年の増配と同じだと10年後のYOCは8.61%、20年後のYOCは69.32%になります。過去4年のデータだと10年後のYOCは6.17%、20年後のYOCは35.62%になります。現在の配当利回りは低いですが、どの期間で測っても、将来YOCはかなり上がりそうです。

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【VGT】を買うタイミングを考える

下のグラフは過去5年の【VGT】の株価、配当利回り、YOCです。過去5年の配当利回りの平均は1.15%です。配当利回りは0.8~1.4%の間で推移している期間がほとんどでした。

黄色の線はYOC(Yield on Cost)です。過去5年に購入した場合、現時点での購入単価当たりの利回りが何%になっているかを、過去に買ったタイミングごとに示しています。配当利回り(赤い線)と連動した動きになります。

YOCを上げるコツは(1)増配率の高い銘柄を買う、(2)連続増配年数の長い銘柄を買う、(3)株価が低迷しているときに買うなどがあります。いずれの場合もなるべく早い時期に買った方が、YOCは上がっていきますが、長期にわたって株価が右肩下がりの場合は最近購入した方が数値が上がります。

【VGT】の株価は右肩上がりで、増配率も高いので、早い時期に購入するとYOCは上がります。過去5年で最もYOCが高いのが2015年9月頃に買った場合で、現在約3.0%になっています。

今年に入ってからの【VGT】の株価と配当利回りは?

先ほどのグラフは少し大雑把なので、もう少し細かく1日ごとのデータで見ていきます。下のグラフは、2020年に入ってからの【VGT】の株価と配当利回りです。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは1.0~1.1%で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが1.6%まで上昇しました。現在は株価が回復したので、配当利回りは1.07%まで下がりました。

 

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現在の【VGT】の株価と配当利回りの関係は?

年間配当額が現在と同じく3.0012ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ3.0012ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後、【VGT】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【VGT】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【VGT】に組み込まれているのは334銘柄です。ファンド構成比は、ほぼ時価総額の大きい順になっています。上位20銘柄で全体の約71%を占めています。組込順位は2020年5月31日のものです。

 

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【VGT】の上位組込銘柄は、他のETFにも組み込まれているのか?

【VGT】の上位組込20銘柄は主要ETFに組み込まれているのでしょうか? 下の表は左から、ナスダック【QQQ】、S&P500【VOO】、米国全体【VTI】、ダウ30平均【DIA】、連続増配【VIG】、高配当【VYM】【HDV】【SPYD】です。表内の数字はETFへの組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「順位」は【VGT】への組込順位、「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回り(%)です。データは2020年7月2日頃のものです

順位 Tik 配利 QQQ VOO VTI DIA VIG VYM HDV SPYD
1 AAPL 0.9 1 2 2 1
2 MSFT 1.0 2 1 1 4 2
3 V 0.6 9 9 6 4
4 MA 0.5 15 15
5 INTC 2.2 7 13 12 23 4
6 NVDA 0.2 8 18 20
7 CSCO 3.1 13 22 22 25 9 8
8 ADBE 10 25 25
9 PYPL 12 27 28
10 CRM 35 35
11 ACN 1.5 43 43 17
12 ORCL 1.7 47 48 11
13 AVGO 4.1 19 48 53 23 9
14 IBM 5.4 52 52 13 25 16
15 TXN 2.8 20 51 51 21 24 14
16 QCOM 2.9 22 62 63 25 31
17 FIS 1.0 65 66
18 INTU 0.7 25 70 77
19 NOW 75 75
20 ADP 2.4 31 90 102 32 40

※【DIA】は株価の高いものが組込順位が上がるだけなので、順位は関係ありません。【SPYD】は1、7月にSP&500の配当利回り上位80社を均等に買って、そこから株価が上がった銘柄の順位が高くなるだけなので、こちらも順位はあまり関係ありません。

【VOO】【VTI】を除くと、【QQQ】に組み込まれている銘柄が多いですね。最多の6ETFに組み込まれているのは【CSCO】【TXN】、5ETFに組み込まれているのは【MSFT】【INTC】【AVGO】【QCOM】【ADP】【IBM】です。【MSFT】以外は配当利回りがそれなりに高い銘柄ですね。情報技術セクターに属する銘柄は配当金を払っていないか、少ないという印象でしたが、そうでない企業も多いですね。

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【VGT】と他のETFのトータルリターンを比較する

それでは情報技術ETF【VGT】を他のETFと比較してみましょう。情報技術ETF【VGT】、ナスダック100指数【QQQ】、ヘルスケアセクターETF【VHT】、S&P500【VOO】と比べました。下のグラフは、2011年1月以降のトータルリターンです。【VGT】と【QQQ】が同じくらい成績が良いです。

2011年1月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2019年6月には【VGT】が5万500ドル、【QQQ】が5万200ドル、【VHT】が3万9200ドル、【VOO】が2万9800ドルになりました。

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2016年以降の比較だとどうなる?

今度は2016年以降で比較してみます。すると、情報技術ETF【VGT】が頭一つ抜ける結果となりました。

2016年1月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2020年6月には【VGT】が2万7100ドル、【QQQ】が2万3000ドル、【VOO】が1万6500ドル、【VHT】が1万5500ドル、になりました。最近の約5年では【VGT】が【QQQ】を上回っていました。

 

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まとめ

【VGT】の最近5年の株価の伸びは凄まじいものがあります。配当利回りは約1%と高くないですが、増配率はかなり高いです。このままの増配率を維持し続ければ、10年後には株価の値上がり益、配当の両方で、相当のリターンを得ることができそうです。

ただし、IT業界全体で成長が鈍化するケースも考えられますので、このことは頭の片隅に入れておいた方がいいかもしれません。

なお、例年通りだと、次回は9月25日頃に配当金額が決定し、その数日後に配当落ちになりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

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