バンガード・生活必需品セクターETF【VDC】が2021年3月の分配金0.9598ドルを発表。前年同期から55.4%の増配

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バンガード社の米国生活必需品セクターETF【VDC】が、2021年3月24日に分配金を発表しました。0.9598ドルです。1年前の同期は0.6177ドルでしたので、1年前の同期との比較では55.4%の増配です。

分配金利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2021年3月26日の終値は178.78ドル、過去1年の分配金額は4.6926ドルなので、利回りは2.62%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに、計算します。

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基本情報を確認しよう

【VDC】はGICS(Global Industry Classification Standard)による分類の生活必需品セクターが対象です。時価総額加重型によって組み込まれ、小型株もそれなりに含まれます。

下の表はバンガード社の代表的なセクターETF4つの基本情報です。生活必需品【VDC】と公益事業【VPU】は比較的利回りが高く、組込銘柄数が100以下と少ないです。逆にヘルスケア【VHT】と情報技術【VGT】は利回りは低いですが、組込銘柄数が多く、運用総額も1兆円を超えており人気のETFです。

 

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【VDC】の過去の分配金と増配率は?

【VDC】が設定されたのは2004年1月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

今回の【VDC】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が0.9598ドル、前年の同期が0.6177ドルなので55.4%増配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が4.6926ドル、前年の同期が3.8102ドルなので、23.2%の増配となります。

※背景がになっているのが減配です

【VDC】の年間分配金額と年間増配率は?

【VDC】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年によって結構ばらつきがありますが、長期で見ると伸びています。

【VDC】の期別の分配金は?

期別の分配金です。2020年12月に続き、今回の2021年3月も前年同月比で大幅プラスになりました。

【VDC】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう

過去1年分配金額を棒グラフにして、【VDC】の株価と比較しました。過去1年分配金額は、株価とある程度は連動しています。基本的には右肩上がりです。現在の過去1年分配金は最高値ですね。

【VDC】の分配金額を棒グラフで確認しよう

こちらは期ごとの分配金を株価と比較したものです。期によって分配金の差が激しいです。ここ数年は横ばい傾向でしたが、最近2回は好調です。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【VDC】の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りが2.5%弱でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には3.1%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回りましたが、増配したので利回りは2.62%です。

 

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現在の【VDC】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく4.6926ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ4.6926ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【VDC】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

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【VDC】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VDC】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

2021年3月26日の終値は178.78ドル、過去1年の分配金金額は4.6926ドルなので、現在の利回りは2.62%です。過去5年の平均利回りは約2.50%です。過去5年の株価は一応右肩上がりで、長期で見ると増配傾向なので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年4月に買っていたら、現在YOCは約3.5%になっていました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

他のセクターETFと比較します。ヘルスケア【VHT】、情報技術F【VGT】、公益事業【VPU】とトータルリターンを比較します。期間は2011年3月から2021年2月まで。

2011年3月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年2月には【VGT】が6万1000ドル、【VHT】が4万4100ドル、【VDC】は2万8500ドル、【VPU】は2万6000ドルになっていました。【VGT】がかなり優秀です。

 

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。どの期間でも【VGT】が圧倒的で、【VHT】が続いています。【VDC】の3、5、10年リターンは【VPU】と同じくらいです。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年3月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

現在の利回りの高い【VPU】と【VDC】が優勢で、利回りの低い【VHT】と【VGT】は今ひとつです。【VDC】は2020年に738ドルになっていました。

 

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【VDC】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(4.6926ドル)と1、2、3、4年前の同時期の過去1年分配金額(3.8102ドル、3.8596ドル、3.3794ドル、3.409ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの分配金利回りのことです。【VDC】株を2021年3月26日の終値178.78ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

増配率は過去1年が23.2%、過去2年が10.3%、過去3年が11.6%、過去4年が8.3%でした。現在の分配金利回りは2.62%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが2.62%なので、年間分配額は262ドルです。

もっとも増配率の低い過去4年のペースだと5年目の分配金額は361ドル、10年目の分配金額は538ドルになります。もっとも成績の良い過去1年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は604ドル、10年目の分配金額は1710ドルになりそうです。分配金額1710ドルはYOC(購入額に対する利回り)17.1%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い過去4年のペースだと5年目の分配金額は405ドル、10年目の分配金額は737ドルになります。もっとも成績の良い過去1年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は695ドル、10年目の分配金額は3048ドルになりそうです。分配金額3048ドルはYOC(購入額に対する利回り)30.48%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は262ドルではなく、税引き後の189ドルになります。

もっとも増配率の低い過去4年のペースだと5年目の分配金額は282ドル、10年目の分配金額は487ドルになります。もっとも成績の良い過去1年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は481ドル、10年目の分配金額は1875ドルになりそうです。分配金額1875ドルはYOC(購入額に対する利回り)18.75%です。

 

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【VDC】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VDC】の組込銘柄数は96銘柄です。それほど多くないですね。ベンチマークはMSCI USインベスタブル・マーケット・生活必需品25/50インデックス。組込順位や構成比は2021年2月末日、時価総額や配当利回りは3月26日のデータです。

 

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最近の組込上位20銘柄の推移

2020年5月以降の組込比率上位20銘柄の推移です。上位20銘柄で約8割を占めており、結構集中投資です。安定感のある生活必需品セクターだけに、組込順位が大幅に変化することはありません。

 

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【VDC】組込上位銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VDC】の組込上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【VYM】【HDV】【SPYD】、市場全体系【VIG】【VOO】【VTI】【DIA】、ハイテク【QQQ】【VGT】への組込比率(%)をまとめました。

これといった傾向はないですが、上位組込銘柄は【VIG】や【VYM】と少し似ていますね。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年2月末、その他のETFは3月12日のデータをもとにしています。バンガードのETFの組込比率が低すぎるものは対象外にしました。【DIA】と【SPYD】の組込比率はあまり重要ではありません。

 

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まとめ

前回2020年12月に引き続き、【VDC】の今回の分配金はかなり良かったです。過去1年増配率をもとにした今後の分配金予想は素晴らしい数値が出ましたが、さすがにこの通りにはいかないと思います。次回の分配金も楽しみです。

なお、次回は6月21日が権利落ちの予定なので、その前日までに購入すれば分配金が貰えると思います。