バンガード社の米国生活必需品セクターETF【VDC】が、2020年12月15日に配当金を発表しました。1.5724ドルです。1年前の同期は1.0621ドルでしたので、1年前の同期との比較では48.0%の増配です。
配当利回りを過去1年間の配当金額から算出すると、2020年12月24日の終値は172.2ドル、過去1年の配当額は4.3505ドルなので、配当利回りは2.53%になります。
【VDC】の過去の配当金と増配率は?
【VDC】が設定されたのは2004年1月です。下の表は過去の配当金の一覧です。
配当利回りの計算方法は、年4回配当金を支払う個別銘柄では、最新の配当金額を4倍した額が年間配当額となり、それを株価で割って配当利回りが算出されます。
ところがETFの場合は、組み込まれている銘柄によって配当金を払うタイミングが異なるため、期によってバラバラになります。そこで、最新の配当金と過去3回の配当金を足した数字、つまり過去1年分の配当額が年間配当額となり、それを元に配当利回りが算出されることが多いです。
今回の【VDC】の配当が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との配当額の比較です。今回が1.5724ドル、前年の同期が1.0621ドルなので48.0%の増配になります。また、前年同期との過去1年配当額の比較では、今回が4.3505ドル、前年の同期が3.94ドルなので、10.4%の増配となります。
※背景が赤になっているのが減配です
【VDC】の年間配当額と年間増配率は?
【VDC】の配当金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年によってばらつきがありますが、長期で見ると順調に伸びています。
【VDC】の期別の配当は?
2020年配当は最後の12月が前年同期を大きく上回り、過去最高を更新しました。
【VDC】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう
先ほどの表の過去1年配当額を棒グラフにして、【VDC】の株価と比較しました。過去1年配当額は、株価とある程度は連動しています。基本的には右肩上がりです。
【VDC】の配当額を棒グラフで確認しよう
こちらは期ごとの配当額を株価と比較したものです。期によって配当額がバラバラですね。ここ数年の配当は横ばいでしたが、今回一気に増えました。
今年に入ってからの配当利回りは?
2020年に入ってからの【VDC】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは2.5%弱で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが3.1%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回りましたが、増配されたため、配当利回りは2.53%です。
現在の【VDC】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じく4.3505ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ4.3505ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【VDC】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
【VDC】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【VDC】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。
2020年12月24日の終値は172.2ドル、過去1年の配当金額は4.3505ドルなので、現在の配当利回りは2.53%です。過去5年の平均配当利回りは約2.49%です。過去5年の株価は一応右肩上がりで、長期で見ると増配傾向だったので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年1月に買っていたら、現在YOCは約3.4%になっていました。
【VDC】の今後の配当予想は?
現在の過去1年配当金額(4.3505ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年配当金額(3.94ドル、3.6777ドル、3.294ドル、1.906ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。
YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VDC】株を2020年12月24日の終値172.2ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
年間増配率は過去1年が10.4%、過去3年が5.8%、過去5年が5.7%、過去10年が8.6%でした。現在の配当利回りは2.53%です。もっとも増配率の低い過去5年のペースだと10年後のYOCは4.4%、20年後のYOCは7.7%になります。もっとも増配率が高い過去1年の増配率を当てはめると10年後のYOCは6.8%、20年後のYOCは18.3%になります。今回の配当がかなり良かったこともあり、どの期間の増配率を採用しても将来YOCは期待できそうです。
【VDC】の上位組込銘柄はどんな会社か?
【VDC】の保有銘柄数は97銘柄です。それほど多くないですね。【VDC】の組込上位20銘柄です。連続増配年数の長い銘柄が多いですね。ベンチマークは、MSCI USインベスタブル・マーケット・生活必需品25/50インデックス。データの中身は2020年11月末時点のものです。
過去6カ月の組込比率1%以上の銘柄比較
最近7カ月間の組込順位上位20銘柄の推移です。先月との比較では、組込順位の変動がほとんどないですね。上位10銘柄の中ではプロクター・アンド・ギャンブル【PG】が1%ほど比率を下げています。なお、6月30日のデータは抜けています。
まとめ
【VDC】の今回の配当はかなり良かったです。年間配当額は昨年よりも10%も増えました。近年の生活必需品セクターは、他のセクターと比較すると少し出遅れ気味でしたが、ようやく調子を取り戻してきました。
なお、例年通りだと、次回は3月半ばごろに配当金額が決定し、その数日後に配当落ちになりそうです。