バンガード・生活必需品セクターETF【VDC】が2021年9月の分配金を発表。1.0406ドル。対前年同期19.4%増

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バンガード社の米国生活必需品セクターETF【VDC】が、2021年9月28日に分配金を発表しました。1.0406ドルです。1年前の同期は0.8713ドルでしたので、1年前の同期との比較では19.4増です。

分配金利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2021年10月1日の終値は179.69ドル、過去1年の分配金額は4.5958ドルなので、利回りは2.56%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに、計算します。

 

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基本情報を確認しよう

【VDC】はGICS(Global Industry Classification Standard)による分類の生活必需品セクターが対象です。時価総額加重型によって組み込まれ、小型株もそれなりに含まれます。

下の表は日本で購入できるバンガード社のセクターETF10銘柄の基本情報です。利回りの高い順に並んでいます。いずれも経費率は0.1%、2004年に設定されました。生活必需品【VDC】は利回りが2.56%とセクターETFの中では3番目に高いです。

上の表のセクターの背景に色をつけました。このカラーは当サイト内で共通のものとして使用しております

※バンガード社には不動産(REIT)ETF【VNQ】もありますが、これは日本の証券会社では購入できません

 

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【VDC】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VDC】の組込銘柄数は97銘柄です。それほど多くないですね。ベンチマークはMSCI USインベスタブル・マーケット・生活必需品25/50インデックス。組込順位や構成比は2021年8月末日、時価総額や配当利回りは10月1日のデータです。

首位のプロクター・アンド・ギャンブル【PG】の比率が高いですね。日本ではP&Gとしておなじみの日用品全般を扱っている企業です。

上位は世界的に有名な企業が並んでいます。飲料水のコカ・コーラ【KO】とペプシコ【PEP】、スーパーのウォルマート【WMT】とコストコ【COST】、タバコのアリトリア【MO】とフィリップモリス【PM】などです。

 

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最近の組込上位20銘柄の推移

2020年5月以降の組込比率上位20銘柄の推移です。上位20銘柄で約8割を占めており、結構集中投資です。安定感のある生活必需品セクターなので、組込順位が大幅に変化することはありません。1カ月前との比較では、プロクター・アンド・ギャンブル【PG】、コカ・コーラ【KO】、ペプシコ【PEP】が比率を下げています。

 

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【VDC】組込上位銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VDC】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】、市場全体【DIA】【VOO】【VTI】、ハイテク・グロース系【QQQ】【VUG】【VGT】の主要12ETFへの組込比率(%)をまとめました。

【VDC】との重複率は【SPYD】が8%、【HDV】17%、【DVY】9%、【VYM】13%、【SDY】14%、【VIG】が14%、【DIA】は7%、【VOO】が6%、【VTI】が5%、【VUG】2%、【QQQ】4%、【VGT】0%です。

【VDC】の上位20銘柄は高配当の【VYM】に15銘柄、連続増配の【VIG】に10銘柄、【SDY】に9銘柄組み込まれています。重複率では【HDV】が17%で最多です。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年8月末、【HDV】【DVY】は9月22、23日、その他のETFは9月14日頃のデータをもとにしています。【DIA】は株価の高い銘柄が比率が高くなり、【SPYD】は均等平均加重組入なので、これらのETFの組込比率はあまり重要ではありません。

主要ETFの並び順は基本的に左端が最も利回りが高く、右に行くにつれて下がっていきます。ただし、【VGT】は少し毛色が異なるセクターETFなので、右端にしました。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は9月17日の利回り(%)です。

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【VDC】の過去の分配金と増配率は?

【VDC】が設定されたのは2004年1月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

今回の【VDC】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が1.0406ドル、前年の同期が0.8713ドルなので19.4%増配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が4.5958ドル、前年の同期が3.8402ドルなので、19.7%の増配となります。

※背景がになっているのが減配です

 

【VDC】の期別の分配金は?

期別の分配金です。昨年の同期(2020年9月)と比較すると増えています。これまでのところ、2021年は前年を上回るペースで、年間分配金は過去最高になる可能性があります。

【VDC】の年間分配金額と年間増配率は?

【VDC】の分配金を1年ごとにまとめ、年間増配率と比較しました。前年を下回る年が結構ありましたが、長期で見ると伸びています。

 

【VDC】の分配金額を棒グラフで確認しよう

期ごとの分配金と株価の比較です。四半期分配となった2015年の12月以降です。期によって分配金の差が激しいです。3月が少なく、6月と12月が多いですね。やや右肩上がりです。

 

【VDC】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう

過去1年分配金額と株価の比較です。過去1年分配金額は、株価とかなり連動しています。基本的には右肩上がりです。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【VDC】の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。

2020年の年初は利回りが2.5%弱でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には3.1%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回りましたが、増配もしたので、利回りは2.56%です。

 

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現在の【VDC】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく4.5958ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ4.5958ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【VDC】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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過去の利回り、株価、YOCは?

過去に【VDC】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から10年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。

2021年10月1日の終値は179.69ドル、過去1年の分配金金額は4.5958ドルなので、現在の利回りは2.56%です。過去10年の平均利回りは約2.4%です。

過去10年の株価は右肩上がりで、長期で見ると増配傾向なので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2011年10月に買っていたら、現在YOCは約5.8%になっていました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

バンガード社のセクターETFの中で利回りの高いものと比較します。生活必需品セクターETF【VDC】、エネルギー・セクターETF【VDE】、公益事業セクターETF【VPU】、そして全米S&P500【VOO】でトータルリターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年10月から2021年9月までの10年間を比べます。

2011年10月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年9月には【VOO】が4万6300ドル、【VDC】が3万600ドル、【VPU】は2万7200ドル、【VDE】は1万1500ドルになっていました。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。過去3年以上の期間では【VDC】は【VOO】より4~8%劣っています。【VPU】との比較では、1%ほど上回っています。

過去10年のリターン(年平均)は、【VOO】が16.6%、【VDC】が11.8%、【VPU】は10.5%、【VDE】は1.5%でした。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン−無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。1を超えていれば、優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。1.5を超えていると、素晴らしいです。

【VDC】は最大ドローダウン値が安定しており、暴落耐性がありますね。シャープレシオやソルティノレシオもなかなか高いです。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年10月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

【VPU】と【VDC】が優勢です。【VDE】は意外と少ないですね。10年間の分配金の合計は【VPU】が6000ドル、【VDC】が5200ドル、【VOO】が4500ドル、【VDE】は3400ドルでした。

 

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【VDC】の今後のYOC予想は?

現在の過去1年分配金額(4.5958ドル)と1、2、3、5年前の同時期の過去1年分配金額(3.8402ドル、3.9215ドル、3.6399ドル、3.139ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【VDC】株を2021年10月1日の終値179.69ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

年間増配率は過去1年が19.7%、過去2年が8.3%、過去3年が8.1%、過去5年が7.9%でした。現在の利回りは2.56%です。

「分配金を再投資しない」「分配金を再投資しない(税引き後)」「分配金を再投資する」「分配金を再投資する(税引き後)」の4パターンで検証します

分配金を再投資しない場合のYOC

まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。スタート年は、現在の利回りの2.56%です。

もっとも増配率の低い過去5年の増配率(7.9%)で推移すると、5年後のYOCは3.74%、10年後のYOCは5.48%になります。もっとも成績の良い過去1年の増配率(19.7%)で推移すると5年後のYOCは6.28%ドル、10年後のYOCは15.41%です。

分配金を再投資しない場合(税引き後)のYOC

次に分配金を再投資しないケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは2.56%ではなく、税引き後の1.84%になります。

もっとも増配率の低い過去5年の増配率(7.9%)で推移すると、5年後のYOCは2.70%、10年後のYOCは3.95%になります。もっとも成績の良い過去1年の増配率(19.7%)で推移すると5年後のYOCは4.52%ドル、10年後のYOCは11.10%です。

分配金を再投資する場合のYOC

それでは分配金を年1回再投資する場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する分配金額は、現在と5年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い過去5年の増配率(7.9%)で推移すると、5年後のYOCは4.30%、10年後のYOCは7.72%になります。もっとも成績の良い過去1年の増配率(19.7%)で推移すると5年後のYOCは7.48%ドル、10年後のYOCは27.90%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)のYOC

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは2.56%ではなく、税引き後の1.84%になります。

もっとも増配率の低い過去5年の増配率(7.9%)で推移すると、5年後のYOCは2.98%、10年後のYOCは5.05%になります。もっとも成績の良い過去1年の増配率(19.7%)で推移すると5年後のYOCは5.13%ドル、10年後のYOCは17.09%です。

 

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まとめ

【VDC】の今回の分配金はなかなか良かったですね。前回(6月)が今ひとつでしたが、過去1年の増配率は上々です。

なお、次回は12月16日が権利落ちの予定なので、その前日までに購入すれば分配金が貰えると思います。