【SPYD】の2023年12月の分配金は0.5340ドル。前年の同期と比べて5.3%増

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ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】が、2023年12月15日に分配金を発表しました。0.5340ドルです(厳密には0.533953ドル)。1年前の同期は0.4184ドルでしたので、1年前の同期から5.3%増です。

2023年12月18日の終値は38.75ドル、過去1年の分配金額は1.8276ドルなので、過去1年間の分配金額から算出すると分配金利回りは4.72%になります。

※このページでの分配金利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

■このページの概要■
序盤は【SPYD】の基本情報やコンセプトについて紹介
前半は、分配金データや株価、増配率などをグラフで説明
中盤は、【SPYD】の組み入れ銘柄やセクター比率など

後半は、【SPYD】の将来YOCを占う

 

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【SPYD】の基本情報

まずはSPYDの基本情報です。正式名称は「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」。ティッカー・コードは「SPYD」です。

ベンチマークは「S&P500 高配当指数」。S&P500指数を構成する銘柄のうち、配当利回りの上位80銘柄で構成されています。

設定されたのは2015年10月。8年が経過しています。

経費率は0.07%。ライバルの米国高配当ETF、VYM、HDVとほぼ同じです。

2023年12月18日の分配金利回りは4.72%。米国高配当ETFの中ではかなり高いです。分配金は3、6、9、12月の年4回。

最新の分配金は0.5340ドル。対前年同期5.3%増です。

直近の権利落ち日は12月15日。1営業日前に保有していれば分配金が貰えます。分配金の支払いは12月20日。

12月18日の終値は38.75ドル、1株から購入可能なので5500円ほど必要です。

 

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ベンチマークの「S&P500 高配当指数」とは?

それでは【SPYD】のコンセプトについて、見ていきましょう。このETFは「S&P500 高配当指数」との連動を目指します。

この指数をざっくりとまとめると、【SPYD】はS&P500採用銘柄からほぼ利回りの高い80銘柄を均等に組み入れます。銘柄入れ替えは年2回、1月と7月の最終営業日に発表されます。入れ替える銘柄を決める基準日は、その1カ月前、つまり12月末と6月末です。実際の銘柄入れ替えは1月末や7月末よりも5営業日前に行っています。

S&P500の採用条件は以下の通りです。

(1)米国企業である
(2)時価総額が53億ドル以上
(3)流動性が高く、浮動株が発行済株式総数の50%以上
(4)4 四半期連続で黒字の利益を維持している

時価総額加重平均で組み入れるため、規模の大きな会社が比率が高くなります。S&P500は、米国株式市場全体の時価総額の約78%を占めています。

さて、S&P500 高配当指数の銘柄選定のルールについて見ていきましょう。
全銘柄数は80です。

1)全体80銘柄の80%に該当する64銘柄は、S&P500の中から利回りの高いものを自動的に選びます。
2)残りの20%に当たる16銘柄は、既採用銘柄が利回り上位96銘柄(120%)の中に該当していれば残ります
3)その結果、全部で80銘柄に達しない場合は、現在組み込まれていない銘柄から利回りの高い順に選んで合計80銘柄にします

ちょっとわかりづらいですが、S&P500採用銘柄の利回りの高いほぼ上位80銘柄と考えてOKです。現在組込まれている銘柄は、利回りが上位80位よりわずかに低くても残留するというイメージです。

【SPYD】はS&P500の高配当銘柄のため、不人気銘柄の集合体と思われがちです。ただし母集団である「S&P500」に採用されるには「4四半期連続黒字」という厳格な条件があります。そのため、企業の安定性を示す一定の基準をクリアしています。

また、S&P500は四半期ごとに銘柄の入れ替えを行っており、S&P500から除外された銘柄は、【SPYD】からも除外されます。コロナ・ショックの影響で2020年7月には19銘柄が途中で除外され、61銘柄になっていました。

 

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【SPYD】の過去の分配金と増配率は?

【SPYD】が設定されたのは2015年10月です。分配金は年4回支払われます。

今回の【SPYD】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、下の表の「分配金」の今回と前年同期の比較です。今回が0.5340ドル、前年の同期が0.5073ドル。「分配金の対前年同期増減率」5.3%増になります。

また、「過去1年分配金」を1年前と比較するのも参考になります。今回が1.8276ドル、前年の同期が1.9833ドルです。「過去1年分配金の対前年同期増減率」7.9%減となります。

※2017年12月は通常の分配金が0.3990ドル、特別分配金(ショート・ターム・キャピタルゲインなど)が0.3133ドルありました。このコンテンツでは2017年12月の分配金は通常の0.3990ドルのみで計算します。

 

分配金の推移は?

【SPYD】の分配金推移を見てみましょう。分配金を1年ごとに重ねました。

【SPYD】の分配金は多い時と少ない時の差が激しいですね。今回の0.5340ドルは、1年前の同期と比べて5.3%増です。2023年の年間分配金は1.8276ドル、前年から7.9%減でした。

 

分配金の変化は?

分配金を期ごとに棒グラフにして、株価と比較しました。期によってかなり差があります。少ないときは、多いときの半分ぐらいですね。

分配金は緑色の棒グラフで、左軸です。黒い線が分配金の平均で0.413ドル。今回は0.5340ドルなので、平均よりも多いですね。

分配金は2回続けて多い、もしくは少ないことはあまりありません。2021年12月は0.1276ドルとかなり少なかったですが、続く2023年3月は0.6527ドルに増えました。

【SPYD】は1月と7月に均等加重で銘柄入れ替えを行うため、銘柄や比率がリセットされて中身が大きく変更します。組入銘柄による分配金支払月の関係なども重なり、分配金が多い時と少ない時の差が激しくなります。ただ、2022年6月以降の分配金は比較的安定しています。

 

過去1年分配金の傾向は?

過去1年分配金を棒グラフにして、株価と比較しました。こうしてみると、中長期で分配金額は安定していますね。

過去1年分配金の平均は1.656ドル。黒色の線です。

株価と過去1年分配金は似たような伸びです。これは、分配金利回りがどのタイミングでも同じくらいという意味です。どちらもわずかに増えています。

 

年間分配金と株価の関係は?

「過去1年分配金」を1年ごとにまとめて年間分配金とし、株価と比較しました。株価は最新年を除いて年末のものです。

【SPYD】の分配金が最初に支払われたのは2015年12月です。2022年の年間分配金は1.9833ドルで過去最高です。2023年は1.8276ドル。前年より7.9%減です。

株価、年間分配金ともに少しずつ上昇しているように見えます。

 

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年間増配率は?

ここからは増配率について見ていきましょう。まずは年間増配率です。さらに過去3年の増配率の推移も確認しましょう。

最初に分配金が支払われたのが2015年の12月なので、データは2017年からと少ないです。年間増配率、過去3年増配率ともに、2020、2021年は低迷していましたが、2022年は回復しました。2023年は年間分配金はマイナスでしたが、過去3年増配率は3.8%のプラスです。

 

分配金を前年同期と比較する

「分配金の対前年同期増減率」、「過去1年分配金の対前年同期増減率」をグラフにしました。

ETFの場合、「分配金の対前年同期増減率」で増配や減配を決めることが多いですが、大きく減ることも比較的あるので、あまり気にする必要はありません。赤い折れ線の部分です。右から3番目の2022年12月は表を突き抜けています。297.7%です。

それよりも「過去1年分配金の対前年同期増減率」の長期の傾向が重要です。紫色の階段面です。【SPYD】はこの値は増えたり減ったりします。安定感はないですね。直近の2023年12月はマイナスでした。

 

増配率はどのように変化したか?

直近8回の分配金決定後の増配率を比較しました。ETFの場合、分配金額は期によってバラバラです。そのため、増配率も分配金が決定するたびに変化するということを頭の片隅に入れておくといいかもしれません。

【SPYD】は2021年12月の分配金が0.1276ドルとかなり少なかったため、2022年9月までは過去1年分配金に、2021年12月分が含まれます。そのため、増配率はマイナスでした。

2022年12月以降は、1年分配金から2021年12月分がなくなったために、増配率がプラスになりました。

直近の増配率は右端です。1年増配率はマイナス7.9%。3、5、7年増配率は3%前後ぐらいです。分配金利回りが5%近くと高いことを考えると、まずまずです。

 

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2020年以降の株価と分配金利回りは?

2020年以降の【SPYD】の株価と分配金利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。

2020年当初の利回りは4.5%前後でしたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで株価が下がったため、3月後半には利回りが8.5%まで上昇しました。その後の利回りは4.5~5.0%ぐらいに戻りました。

2021年12月の分配金が大幅に減ったために、2021年12月以降の利回りは4%以下に減りましたが、その1年後に2021年12月分が計算されなくなるため、5%に回復しました。

2023年12月18日現在の利回りは4.72%です。【SPYD】は分配金が決まるたびに、利回りが変化するので、イメージするのが少し難しいですね。

 

現在の【SPYD】の株価と分配金利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じだったら、分配金利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ1.8276ドルが続いた場合の、分配金利回りと株価の相関図です。分配金利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後、【SPYD】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

分配金利回り4.0%は株価45.7ドル、分配金利回り4.5%は株価40.6ドル、分配金利回り5.0%は株価36.6ドル、分配金利回り5.5%は株価33.2ドル、分配金利回り6.0%は株価30.5ドルです。

 

過去の分配金利回り、株価、YOCは?

過去に【SPYD】を買った場合、取得価額あたりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

2023年12月18日の終値は38.75ドル、過去1年の分配金額は1.8009ドルなので、現在の分配金利回りは4.72%です。過去の平均分配金利回りは約4.5%です。

分配金利回りは安定しないですね。過去のデータからは、5%前後なら買いと言えそうです。

このグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、取得価額あたりの利回り(YOC)です。この線は株価と逆の動きをします。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。

コロナ・ショックで大幅に株価が下がった2020年3月頃を除くと、長期的な株価は緩やかな右肩上がりで、分配金はほぼ同じなので、早くに買うとYOCは少し上がります。設定当初の2015年11月頃に買っていればYOCは約6.2%でした。コロナ・ショック時の2020年3月頃に購入しているとYOCは7.4%前後まで上がっています。

 

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【SPYD】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【SPYD】の中身について見ていきましょう。組入上位20銘柄の9月14日のデータです。上位10銘柄で全体の約15.6%、20銘柄で約29.7%。80銘柄を均等にウェイトづけするので、ある程度分散されています。

【SPYD】はS&P500が対象ですが、利回りの高い80銘柄のため、超大型株はあまりいないですね。

世界的な代表銘柄の目安である時価総額1000億ドルを上回っているのは、4銘柄7位のアムジェン【AMGN】、8位のIBM【IBM】、6位のアッヴィ【ABBV】、14位のベライゾン【VZ】、15位のAT&T【T】です。残りの16銘柄はそれほど規模が大きくなく、メジャーな銘柄は少ないです。

 

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【SPYD】のセクター別の構成比は?

【SPYD】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率の推移です。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。

トップが金融が約24%。不動産が22%、公益事業が15%。この3つのセクターで61ほどで半分を超えます。以下、素材、エネルギー、ヘルスケア、生活必需品、一般消費財と続きます。

不動産セクターが多いのが珍しいです。高配当ETFの中ではREITを除外するETFが結構あるので、不動産セクターが多いのは貴重です。

 

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SPYDの将来YOCはどうなるか

それでは、いま【SPYD】を購入したら、将来の利回りYOCがどのくらいになるのかをシミュレーションします。現在の分配金利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。

増配率は3、5、7年の3パターンを使います。増配率は3年が3.84%、5年が2.45%、7年が2.73%でした。2023年12月18日現在の分配金利回りは4.72%です。

まずは「再投資しない。税引き前」という設定にします。

もっとも成績が良かったのは3年増配率(3.84%)です。10年目のYOCは6.6%、20年目のYOCは9.7%です。

もっとも成績が悪かったのは5年増配率(2.45%)です。10年目のYOCは5.9%、20年目のYOCは7.5%です。

3年増配率のペースなら、まずまず将来YOCが期待できます。

 

再投資するとどうなるか(税引後)

つぎは「再投資する。税引き後」という設定にします。国内と外国の税金計28%を引いた72%で計算します。株価は変化しなかったという設定です。

もっとも成績が良かったのは3年増配率(3.84%)です。10年目のYOCは6.8%、20年目のYOCは17.1%です。

もっとも成績が悪かったのは5年増配率(2.45%)です。10年目のYOCは5.9%、20年目のYOCは11.9%です。

税引き後でも再投資をすると、20年後YOCはかなり上がります。複利効果ですね。いずれにせよ、【SPYD】の分配金はブレが大きいので、分配金が発表されるたびに変化します。

 

※高配当ETFの【VYM】【HDV】【SPYD】【DVY】の比較は、12月分配金がすべて出揃ったら作成します。

 

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まとめ

【SPYD】の2023年12月の分配金は0.5340ドル対前年同期5.3%増でした。

【SPYD】は、S&P500採用銘柄の配当利回り上位80銘柄を均等に組み入れます。

【SPYD】はS&P500の高配当銘柄のため、不人気銘柄の集合体と思われがちです。ただし母集団である「S&P500」に採用されるには「4四半期連続黒字」という厳格な条件があります。そのためSPYDの市場での信頼性は、それなりに高いといえます。

【SPYD】は均等組み入れで、半年に1回リセットされるため、年4回の分配金のブレが大きいです。平均すると1度の分配金は0.4ドルぐらい、年間では1.6ドルぐらいが目安

上位銘柄に超巨大企業は少なく、他の高配当ETFは時価総額の大きな銘柄が中心の場合が多いのです。ポートフォリオの分散化という意味では、良いと言えます。

組入れ銘柄は金融が24%、不動産が約22%と多いです。とくに不動産が多い高配当ETFは少ないため、貴重です

過去の分配金利回りは4.5%ぐらいが目安。4.72%の現在は狙い目かもしれません。

1年増配率はマイナスですが、3、5、7年増配率は3%前後で、分配金利回りが5%近くと高いことを考えると、まずまずです


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