バンガード社とステートストリート社の米国高配当ETFの2022年9月分配金が決まりました。その中からバンガード社の【VYM】【VIG】、ステートストリート社の【SPYD】【SDY】という4つのンカム系の主要4ETFを取り上げます。
直近の分配金情報はもちろん、他にもさまざまなデータをピックアップして比較していきます。基本情報、セクター、組込上位銘柄、重複率、利回り、YOC、増配率、トータルリターン、将来YOC予想などをご紹介。
なお、今回のコンテンツでは、グラフや表がたくさん登場します。基本的に【VYM】が青色、【VIG】が赤色、【SPYD】がオレンジor黄色、【SDY】が緑色に統一します。
- 2022年9月の分配金は?
- VYMの期別分配金と過去1年分配金
- VIGの期別分配金と過去1年分配金
- SPYDの期別分配金と過去1年分配金
- SDYの期別分配金と過去1年分配金
- 基本データを確認しよう
- セクターの比率を確認しよう
- VYM、VIG、SPYD、SDYの上位20銘柄をチェックしよう
- VYM、VIG、SPYD、SDYの銘柄は重なっているのか?
- 株価推移を確認
- これまでの利回りは?
- 過去に買った場合の利回り(YOC)は?
- 過去のトータルリターンを比較する
- 5年前に1万ドル購入した場合の年間分配金額の推移
- 過去10年の分配金額と増配率を確認しよう
- 現在の利回りと増配率を使って将来YOCを予想する
- VYM、VTV、VIGのデータをランク付け
- まとめ
2022年9月の分配金は?
2022年9月15日、バンガード社とステートストリート社から分配金が発表されました。
バンガード社の【VYM】は人気高配当ETFです。今回の分配金は1株あたり0.7672ドルで、対前年同期2.46%増。同じくバンガード社の【VIG】の分配金は0.7150ドルで、対前年同期2.22%増。
ステートストリート社の【SPYD】は0.4184ドルで、対前年同期8.22%増。そして【SDY】は0.7706ドルで、対前年同期9.28%減。【SDY】のみが前年同期と比べてマイナスでした。
VYMの期別分配金と過去1年分配金
今回ご紹介するETFは、いずれも分配金が四半期に一度支払われます。それでは、2017年以降の期別分配金と過去1年分配金を確認しましょう。背景が赤色のところはマイナスです。
まずは【VYM】。一番右列の「過去1年分配金の対前年同期増減率」が、ほぼプラスです。これは、順調に増配していることを意味しています。
VYMの期別分配金を棒グラフでチェック!
期ごとの分配金を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。鮮やかに伸びているのが分かります。過去10年増配率は8.1%です。
VIGの期別分配金と過去1年分配金
続いて【VIG】。こちらも一番右列の「過去1年分配金の対前年同期増減率」が、ほぼプラスです。【VYM】同様に順調に増配していることを意味しています。
右から4列目に注目してください。2020年6月以降「期別分配金」は10回連続で前年同期の金額を上回っています。
VIGの期別分配金を棒グラフでチェック!
期ごとの分配金の棒グラフを見てみましょう。こちらも鮮やかに伸びているのが分かります。【VIG】は2021年の9月にベンチマークを変更しました。それ以降の分配金がかなり増えています。過去10年増配率は8.7%。先ほどの【VYM】をわずかに上回っています。
SPYDの期別分配金と過去1年分配金
続いて【SPYD】です。こちらは一番右列の「過去1年分配金の対前年同期増減率」は、増えたり減ったりしています。ほぼ横ばいですね。
なお、2017年12月はキャピタルゲイン分配金がありました。背景の黄色の部分です。後ほどの増配率の計算では、このキャピタルゲイン分配金も加えて計算します。理由は設定から間もなくの1回のみだったためと、株価と比較すると加えた方が自然だからです。
SPYDの期別分配金を棒グラフでチェック!
期ごとの分配金の棒グラフを見てみましょう。分配金額は期によって差があります。2021年12月の分配金は0.1276ドルとかなり少なかったですが、その後は順調です。2022年は3回ともに前年同期を上回っています。
SDYの期別分配金と過去1年分配金
最後は【SDY】です。こちらは一番右列の「過去1年分配金の対前年同期増減率」は、順調です。ただ、直近1年は今ひとつです。右から4列目の「期別分配金の対前年同期増減率」が4回連続でマイナスです。
なお、2017年12月はキャピタルゲイン分配金がありました。背景が黄色の部分です。
SDYの期別分配金を棒グラフでチェック!
期ごとの分配金の棒グラフを見てみましょう。濃い灰色がキャピタルゲイン分配金です。2017年までは、頻繁に出していました。これをなしで考えると、2014年以降の分配金は順調に増えています。
後ほどの増配率の計算では、このキャピタルゲイン分配金を加えずに計算します。理由は株価や利回りとのバランスを考えてのことです。
基本データを確認しよう
【VYM】【VTV】【VIG】の基本データを表にまとめました。赤い数字が他のETFより優れています。上から見ていきましょう。
【VYM】は平均以上の配当利回りが予想される銘柄が対象。ベーシックな高配当ETFです。【VIG】は10年以上連続して増配実績のある銘柄が対象。利回りの上位25%を除いているため、利回りは高くないです。バンガード社の【VYM】【VIG】は時価総額加重平均です。規模の大きな銘柄が上位に組み込まれ、その比率も高いです。
【SPYD】はS&P500の利回りの高い80銘柄を均等に組み入れます。【SDY】はS&Pコンポジット1500指数の中から、20年以上の連続増配銘柄を利回りの高い順に採用します。
設定されたのは【SPYD】が2015年と遅く、残りは2005~2006年と古株です。組込銘柄数は【VYM】が450ほどと最多で、【SPYD】は80銘柄とやや少ないです。経費率は【SDY】が0.35%と少し高く、残りの【VYM】【VIG】【SPYD】は0.1%を切っています。この3ETFが日本の個人投資家に人気なのは、経費率の低さが好まれているようです。
運用総額は【VIG】が約8.6兆円、【VYM】が約6.5兆円とかなり規模が大きいです。【SDY】3.1兆円、【SPYD】1.1兆円とまずまずです。
利回りは【SPYD】が約4.0%でもっとも高く、【VYM】が3.1%、【SDY】が2.7%。【VIG】は2%でこの中では低いですね。
セクターの比率を確認しよう
セクター比率をチェックしましょう。いずれもGICSによる分類です。
パッと見た感じ、バラバラです。紫色の金融セクターは【VYM】【SPYD】が1番多く、【SDY】は2番目、【VIG】は3番目に多いですね。高配当ETFは金融セクターが上位に組み込まれる可能性が高いです。
水色の情報技術セクターは【VIG】は1番多いですが、それ以外の3ETFは少ないです。情報技術は利回りの低い銘柄が多いので、【VIG】以外にあまり入らない傾向です。
【SDY】の1番多いセクターは資本財セクターです。他のETFはあまり資本財はないですね。資本財はBtoBのように個人向けではないやや地味な企業が多いですが、堅実に20年以上連続している銘柄が結構あります。
赤色のヘルスケア・セクターは【VYM】と【VIG】が2番目に多いです。黄色の生活必需品セクターは3~5番目に多く、まずまずです。
VYM、VIG、SPYD、SDYの上位20銘柄をチェックしよう
4つのETFの組込上位20銘柄はどのようなものでしょうか?
まずは【VYM】です。上位10銘柄で全体の23%、上位20銘柄で37%なので、まずまず分散されてます。右から4列目のセクターはGICSによる分類で、背景色をつけています。カラフルで、上位組込銘柄のセクターも分散されています。
【VIG】は結構集中投資
次は【VIG】です。上位10銘柄で全体の29%、上位20銘柄で44%。組込銘柄数は289と多いですが、上位銘柄に集中投資しています。情報技術セクターが7銘柄と少し多いですね。
【SPYD】の上位銘柄は気にする必要はない!?
こちらは【SPYD】です。上位10銘柄で全体の15%、上位20銘柄で28%です。セクター別では公益事業が11と多いです。
【SPYD】は年2回、1月と7月末にS&P500の中から利回りの高い80銘柄を均等に組み入れます。現在上位にいる銘柄は、7月末から株価が上がった銘柄です。株価上昇分だけ、比率が高くなっています。なので、上位銘柄だからといってあまり意識する必要はないです。
【SDY】は結構マニアック
最後は【SDY】です。上位10銘柄で全体の16%、上位20銘柄で29%です。上位組込銘柄のセクターのバランスはいいですね。連続増配は20年以上で、配当利回りの高い順に組み込みますので、地味な銘柄が上位を占めています。
VYM、VIG、SPYD、SDYの銘柄は重なっているのか?
ファンドオーバーラップ(etfrc.com)を使って、4つのETFに組み込まれた銘柄の重複比率を調べました。高配当ETFなど他の主要ETFとも比較します。
【VYM】と【VIG】は49%、約半分が重なっています。どちらも時価総額加重平均なので、大型株の割合が大きく、利回りが中ぐらいの有名銘柄が多いのが特徴です。
【SPYD】は【DVY】との重複率が45%と高いです。この両ETFはセクター比率が似ており、公益事業、金融、エネルギー、生活必需品が上位を占めています。
【SPYD】は【VIG】【QQQ】との重複率が2%と低く、全米【VTI】、S&P500【VOO】ともあまり重複していません。【SPYD】はS&P500の利回りの低い銘柄のみで構成されているため、米国の本流というべきメジャー銘柄はあまり入っていません。
【SDY】と【VIG】はどちらも同じ増配ETFですが、重複率は24%と低いです。【SDY】は利回りの高い銘柄から順に組み込まれますが、【VIG】は利回りの高い25%は対象外となるためです。
【VTI】や【VOO】との重複率から見ると、30%台の【VYM】【VIG】はオーソドックスなETF、20%を下回っている【SPYD】と【SDY】はやや異端という考え方もできそうです。
株価推移を確認
4つのETFの過去5年の株価推移です。【SPYD】以外はなかなか右肩上がりですね。
5年間で株価は【VIG】が1.59倍、【SDY】が1.39倍、【VYM】が1.31倍、【SPYD】が1.14倍になりました。【VIG】がややリードで、【SDY】と【VYM】はほぼ同じ、【SPYD】が今ひとつです。【VIG】は2020年3月のコロナ・ショック後の伸びが素晴らしいですが、2022年に入って苦戦しています。
これまでの利回りは?
4つのETFの利回りの傾向を調べてみましょう。こちらは過去10年です。【SPYD】は設定が2015年10月なので、2016年9月以降のデータ、6年1カ月分です。利回りは過去1年分配金から算出しました。
【SPYD】が常に高く、【VYM】、【SDY】、【VIG】の順番です。
平均利回りは【SPYD】が4.64%、【VYM】が3.01%、【SDY】が2.57%、【VIG】が1.94%です。
右端の数値は現在の利回りです。最近は株価が下がっており、利回りは高くなっていますが、過去と照らし合わせると、【VYM】と【VIG】が平均ぐらい、【SPYD】は平均より低く、【SDY】は少し高いです。
過去に買った場合の利回り(YOC)は?
過去にETFを買った場合、取得価格あたりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から15年前までのYOCを見ていきましょう。過去の購入したタイミングよる現在のYOCです。
この線が左肩上がりの場合は、株価が好調に伸びています。そして増配傾向の可能性も強いです。現在の利回りが右端です。
5年前に購入していた場合の現在のYOCは【SPYD】が4.4%、【VYM】が3.9%、【SDY】が3.5%、【VIG】が3.0%です。
10年前に購入していた場合だと、現在のYOCは【VYM】が6.4%、【SDY】が5.7%、【VIG】が4.9%です。
【SPYD】は設定されたのが2015年10月です。その直後の2015年11月に買っていれば、現在YOCは5.4%です。
【VYM】【SDY】【VIG】はなるべく早い時期に買っておいた方がいいという結果になりました。【SPYD】も株価は少し上がっているので、早いタイミングで買うのが正解のようです。
過去のトータルリターンを比較する
過去5年のトータルリターン推移です。2017年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2022年8月には【VIG】が1万7500ドル、【SDY】が1万6200ドル、【VYM】が1万5300ドル、【SPYD】が1万4300ドルになっていました。株価推移と比べると、【VIG】のリードは少なくなっています。
過去のトータルリターン
過去1、3、5、10、15年のトータルリターンを比較します。【SPYD】のデータは過去5年までです。
【VIG】と【SDY】がわずかにリードして【VYM】が続いています。【SPYD】は少し差をつけられました。
ETFの安定度などを比べよう
ETFの安定度などを比べましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。
シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。ボラティリティは価格変動リスクです。数値が大きいほど値動きが激しいです。
最大下落率は【SPYD】が悪く、【VIG】は安定しています。それ以外の数値も【VIG】が優秀です。【SDY】のシャープレシオやソルティノレシオは【VYM】をわずかに上回っています。
5年前に1万ドル購入した場合の年間分配金額の推移
過去5年間の分配金額の推移はどうだったでしょうか。2017年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。
5年間の分配金の合計は【SPYD】が2900ドル、【VYM】と【SDY】が1900ドル、【VIG】は1200ドル。利回りの高い【SPYD】がやはり多いですね。2021年は少なくなっていますが、これは12月の分配金が減ったためと考えられます。
過去10年の分配金額と増配率を確認しよう
これまでの年間増配率を比較します。2022年9月の分配金を基準として、過去1年間を遡って年間分配金とします。背景が赤色のところはマイナスです。
表の上部では、【SPYD】のマイナスが目立ちます。
表の下部は過去1、3、5、7、10年の増配率です。【SPYD】以外は高いレベルで安定しています。
1年ごとの増配率を比較する
表の上部、1年ごとの増配率の変化をグラフにしました。
【SPYD】は激しいですね。大幅プラスかマイナスのどちらかです。【VYM】はすべての年がプラスと安定しています。【VIG】は2016年だけわずかにマイナス。【SDY】は直近の2022年がマイナスです。
過去1~5年、7年、10年の増配率を比較する
表の下部、過去1、3、5、7、10年の増配率をグラフにしました。
【SPYD】以外は、ほとんどの期間が増配傾向で、5%を超えています。
現在の利回りと増配率を使って将来YOCを予想する
最後に現在の利回りと、過去の増配率を使って、今後20年間の将来YOCを予測します。
現在の過去1年分配金額と3、5、7、10年前の同時期の過去1年分配金額を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。
つまり、それぞれのETFを2022年9月15日の終値で買った場合、過去の増配率の通りに今後も推移したら、YOCがどのくらいになるかという予測です。ちなみに、YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。
検証するパターンは2つです。1つめは「分配金を再投資しない、税金を考えない」。もうひとつは「分配金を再投資する。税引後」で計算します。
この2つは結構データが似てきます。「分配金を再投資しない&税金を考えない」は額面上の数値と言ったところですね。「分配金を再投資する&税引後」は現実的な数値です。スタート時は「分配金を再投資しない&税金を考えない」が成績がよいですが、「分配金を再投資する&税引後」が徐々に迫ってきます。
現在の利回りは【VYM】が3.14%、【VIG】が1.98%、【SPYD】が4.12%、【SDY】が2.73%です。
過去3年の増配率を使った将来のYOC(利回り)予想
まずは過去3年の増配率で検証します。青が【VYM】、赤が【VIG】、黄色が【SPYD】、緑色が【SDY】す。「分配金を再投資しない、税金を考えない」が実線、「分配金を再投資する&税引後」が点線で現わしています。
再投資する分配金額は、現在と3年前などの株価を比較して年平均成長率(CAGR)を計算し、それを使って調整します。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。
過去3年増配率は【VYM】が4.7%、【VIG】が10.8%、【SPYD】がマイナス1.8%、【SDY】が9.2%でした。
もっとも成績が良かったのは【SDY】の再投資するケースです。10年後のYOCは6.2%、20年後YOCは28.5%。
次点は【VIG】の再投資するケースです。10年後のYOCは4.9%、20年後YOCは24.9%。
過去3年増配率を使うと【SDY】と【VIG】が好成績でした。
過去5年の増配率を使った将来のYOC(利回り)予想
今度は過去5年増配率を使ってYOC予想を検証します。
過去5年増配率は【VYM】が5.8%、【VIG】が8.1%、【SPYD】がマイナス0.1%、【SDY】が7.8%でした。
もっとも成績が良かったのは【SDY】の再投資するケースで10年後YOCは5.1%、20年後YOCは17.0%。
次点は【VYM】の再投資するケースで10年後YOCは5.2%、20年後YOCは14.7%。
過去5年増配率を使うと【SDY】と【VYM】が好成績でした。
過去7年の増配率を使った将来のYOC(利回り)予想
過去7年増配率を使ってYOC予想を検証します。【SPYD】のデータはありません。
過去7年増配率は【VYM】が6.2%、【VIG】が6.9%、【SDY】が8.1%でした。
もっとも成績が良かったのは【SDY】の再投資するケースで10年後YOCは5.5%、20年後YOCは20.7%。
次点は【VYM】の再投資するケースで10年後YOCは5.4%、20年後YOCは16.0%。
過去7年増配率を使ったケースでも【SDY】と【VYM】が好成績でした。
過去10年の増配率を使った将来のYOC(利回り)予想
最後は過去10年増配率を使ってYOC予想を検証します。ここも【SPYD】のデータはありません。
過去10年増配率は【VYM】が8.1%、【VIG】が8.7%、【SDY】が6.0%でした。
もっとも成績が良かった【VYM】の再投資するケースで10年後YOCは6.6%、20年後YOCは27.2%まで伸びます。
次点は【VYM】の再投資しないケースで10年後YOCは6.8%、20年後YOCは14.8%。
過去10年の増配率では【VYM】が強さを見せました。
将来YOC予想のまとめ
これまでの過去3、5、7、10年増配率を使ったYOC予想をまとめます。
左側が10年後YOC予想、右側が20年後YOC予想です。「なし」が分配金を再投資しない、税金を考えない、「あり」は分配金を再投資する、税引後です。
10年後YOC予想は「再投資しない、税金を考えない」と「再投資する、税引後」が似たような数値になっています。20年後YOCになると、税金を引かれても再投資をした場合の方が成績がいいですね。複利効果が出てきたと言えます。
YOC予想は現在の利回りと、過去の増配率によるデータです。10年後YOC予想は、現在の利回りの高くて増配率も良い【VYM】と【SDY】がいずれの期間でもリードを保っています。
20年後YOCになると、現在の利回りが低い【VIG】の過去3年が増配率の高さを武器に伸びるケースもあります。
全体的に見ると、【VYM】と【SDY】がやや優勢ですね。分配金額に変化の少ない【SPYD】は冴えない結果となりました。
VYM、VTV、VIGのデータをランク付け
これまでのデータを「A」~「D」にしてランク付けしました。「A」が最高で、「B」はまあまあ、「C」は普通、「D」は良くないです。ただし、YOC予想は増配率と利回りを組み合わせたものなので、内容が重複している箇所がいくつかあります。
どのETFも高い数値のケースは、やや強引に差をつけました。相対比較が多く、主観も多少は入っているので、参考程度にしてください。
「A」の数は【VYM】が7、【VIG】が12、【SPYD】が4、【SDY】が11です。【VIG】と【SDY】が多いですね。
「C」以下の数は【VYM】が1、【VIG】が4、【SPYD】が10、【SDY】が5でした。【VYM】の安定度が光ります。【SPYD】は2021年12月の分配金が少なかったので、成績がよくないです。
ランク付けすると、【SDY】が意外といいですね。
まとめ
2022年9月の分配金は【SDY】以外はプラスで、好調でした。
【VIG】と【VYM】の分配金の伸びは素晴らしいです。今後も似たような増配が期待できそうです。
【SPYD】は昨年12月の分配金が大幅減でしたが、その後の3回は好調です。次回12月の分配金には注目が集まります。今回のコンテンツは、基本的に過去1年分配金をベースにしたデータです。次回の12月分配金がそれなりなら、過去1年から算出した利回りが4.5%ぐらいになり、データ面でも期待できそうです。
【SDY】は今回の分配金は昨年よりわずかに少ないです。昨年が多すぎたように思えます。過去3年以上で見ると、増配率は【VYM】や【VIG】とほぼ同じです。
過去の増配率を使ったYOC予想は、【SPYD】以外は好調でした。やや【SDY】と【VYM】が優勢です。
【VYM】と【VIG】はいずれのデータも安定しています。人気があるのもうなづけます。