インベスコ QQQ 信託シリーズ1【QQQ】を配当面から考える

少し前のことですが、インベスコ QQQ 信託リシーズ1【QQQ】が、2020年6月19日に配当金を発表しました。0.4243ドルです。1年前の同時期は0.4156ドルでしたので、1年前の同時期との比較では2.1%の増配です。

配当利回りを過去1年間の配当金額から算出すると、2020年7月10日の株価は261.3ドル近辺、過去1年の配当額は1.6288ドルなので、配当利回りは0.62%になります。

【QQQ】は配当金目当てではなく、株価の値上がり益を求めて買う銘柄です。そこで、配当金に注目することで、この人気ETFの知られざる一面に迫っていきます。

 

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【QQQ】の過去の配当金と増配率は?

【QQQ】が設定されたのは1999年10月です。下の表は過去の配当金の一覧です。

配当利回りの計算方法を説明します。年4回配当金を支払う個別銘柄の場合は、最新の配当金額を4倍した額が年間配当額となり、それを株価で割って配当利回りが算出されます。

ところがETFの場合は、組み込まれている銘柄によって配当金を払うタイミングが異なるため、期によってバラバラになります。そこで、最新の配当金と過去3回の配当金を足した数字、つまり過去1年分の配当額が年間配当額となり、それを元に配当利回りが算出されることが多いです。

よって今回の【QQQ】の配当が減配かどうかを調べるには、四半期ごとに過去1年分の配当金のデータを作成する必要があります。下の表の右から3番目が過去1年配当額です。今期の【QQQ】の過去1年配当額は1.6288ドルで、前期の過去1年配当額は1.6201ドルなので、0.5%の増配といえるでしょう。ただし、この計算方法だと、減配かどうかの判断は今期と1年前の同時期の配当の比較によって決まります。なぜなら、残り3つの期はデータが同じだからです。

ちなみに前年の同時期との配当額の比較では、今回が0.4243ドル、前年の同時期が0.4156ドルなので2.1%の増配になります。また、前年の同時期との過去1年配当額の比較では、今回が1.6288ドル、前年の同時期の過去1年配当額が1.4901ドルなので、9.3%の増配となります。

そんなわけで、個別銘柄の減配とETFの減配は、少し意味合いが異なります。ETFで多少減配されたとしても、それほど神経質にならなくてもいいかもしれません。

※背景がになっているのが減配です。2014年3月に1株あたり0.3731ドルの特別配当がありました。これは省いて計算しています。

【QQQ】の年間増配額と年間増配率は?

【QQQ】の配当金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2020年は3月と6月の配当額で、今後9月と12月分が加わる予定です。2010、12年はとてつもない増配率でしたが、近年は平均的な増配率といえそうです。

2020年は3月に続き、6月も前年同時期をわずかに上回りました。コロナ・ショックの影響はあまりなかったようですね。2014年3月に1株あたり0.3731ドルの特別配当がありました。これは省いて計算しています。

【QQQ】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう

先ほどの表の過去1年配当額を棒グラフにして、【QQQ】の株価と比較しました。過去1年配当額は、株価とある程度は連動しています。株価の伸びは抜群ですが、それと比較すると2013年以降の配当額の伸びはそれほどではないかもしれません。

【QQQ】の配当額を棒グラフで確認しよう

こちらは期ごとの配当額を株価と比較したものです。かなりデコボコしており、期によっての差が激しいです。長期で見ると右肩上がりです。

 

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【QQQ】の今後の配当予想は?

現在の年間配当金額(1.6288ドル)と1、3、5年前の同時期の年間配当金額(1.4901ドル、1.3014ドル、1.1269ドル)を比較して増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【QQQ】株を2020年7月10日の株価261.3ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。

増配率は過去1年が9.3%、過去3年が7.8%、過去5年が7.6%でした。現在の配当利回りは0.62%です。もっとも成績の悪い過去5年のペースで減配が続くと10年後のYOCは1.30%、20年後のYOCは2.72%になります。もっとも成績がよかった過去1年の増配と同じだと10年後のYOCは1.52%、20年後のYOCは3.70%になります。過去3年のデータだと10年後のYOCは1.32%、20年後のYOCは2.78%になります。増配率はまずまずですが、現在の配当利回りが低いため、将来YOCはそれほど期待できないかもしれません。

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【QQQ】を買うタイミングを考える

下のグラフは過去5年の【QQQ】の株価、配当利回り、YOCです。過去5年の配当利回りの平均は0.87%です。配当利回りは0.6~1.1%の間で推移している期間がほとんどでした。

黄色の線はYOC(Yield on Cost)です。過去5年に購入した場合、現時点での購入単価当たりの利回りが何%になっているかを、過去に買ったタイミングごとに示しています。配当利回り(赤い線)と連動した動きになります。

YOCを上げるコツは(1)増配率の高い銘柄を買う、(2)連続増配年数の長い銘柄を買う、(3)株価が低迷しているときに買うなどがあります。いずれの場合もなるべく早い時期に買った方が、YOCは上がっていきますが、長期にわたって株価が右肩下がりの場合は最近購入した方が数値が上がります。

【QQQ】の株価は右肩上がりで、増配率もまずまずなので、早い時期に購入するとYOCは上がります。過去5年で最もYOCが高いのが2015年9月頃に買った場合で、現在約1.6%になっています。

今年に入ってからの【QQQ】の株価と配当利回りは?

先ほどのグラフは少し大雑把なので、もう少し細かく1日ごとのデータで見ていきます。下のグラフは、2020年に入ってからの【QQQ】の株価と配当利回りです。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは0.7%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが0.95%まで上昇しました。現在は株価が回復して以前よりも高くなってので、配当利回りは0.62%まで下がりました。

 

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現在の【QQQ】の株価と配当利回りの関係は?

年間配当額が現在と同じく1.6288ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ1.6288ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後、【QQQ】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【QQQ】のセクター別比率はどうか?

【QQQ】はナスダック100に連動しています。ナスダック100とは、ナスダックに上場している時価総額上位100銘柄の時価総額加重平均によって算出される株価指数です。この中に金融は含みません。ナスダックに上場しているのはIT企業が多いため、【QQQ】も情報技術銘柄が占める割合が多くなります。

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【QQQ】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【QQQ】に組み込まれているのは103銘柄です。組込比率1%以上が21銘柄あり、全体の約72%を占めています。組込上位6つは、いわゆるGAFAM(GOOGL・GOOG、AMZN、FB、APPL、MSFT)の5企業で、全体の47%、約半分を占めています。

 

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【QQQ】の上位組込銘柄は、他のETFにも組み込まれているのか?

【QQQ】の上位組込21銘柄は主要ETFに組み込まれているのでしょうか? 下の表は左から、バンガード情報技術セクターETF【VGT】、S&P500【VOO】、米国全体【VTI】、ダウ30平均【DIA】、連続増配【VIG】、高配当【VYM】【HDV】【SPYD】です。表内の数字はETFへの組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「順位」は【QQQ】への組込順位、「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回り(%)です。データは2020年7月8日頃のものです

順位 Tik 配利 VGT VOO VTI DIA VIG VYM HDV SPYD
1 AAPL 0.9 1 2 2 1
2 MSFT 1.0 2 1 1 4 2
3 AMZN 3 3
4 FB 4 4
5 GOOGL 5 5
6 GOOG 6 6
7 NVDA 0.2 6 18 20
8 TSLA 46
9 INTC 2.3 5 13 12 23 4
10 NFLX 28 26
11 ADBE 8 25 25
12 PYPL 9 27 28
13 CSCO 3.0 7 22 22 25 9 8
14 PEP 3.0 26 27 9 11 10
15 CMCSA 2.3 30 30 10 13
16 AMGN 2.5 39 39 19 11
17 COST 0.9 40 40 14
18 TMUS 145 145
19 AVGO 4.0 13 48 53 23 9
20 TXN 2.8 15 51 51 21 24 14
21 CHTR 67 68

※【DIA】は株価の高いものが組込順位が上がるだけなので、順位は関係ありません。【SPYD】は1、7月にSP&500の配当利回り上位80社を均等に買って、そこから株価が上がった銘柄の順位が高くなるだけなので、こちらも順位はあまり関係ありません。

【VGT】にも組み込まれているのは21銘柄中9銘柄です。最多の6ETFに組み込まれているのは【CSCO】【TXN】。5ETFに組み込まれているのは【MSFT】【INTC】【PEP】【AVGO】です。

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【QQQ】と他のETFのトータルリターンを比較する

それでは、【QQQ】を他のETFと比較してみましょう。バンガードの情報技術ETF【VGT】、バンガード米国グロースETF【VUG】、Vanguard S&P500 ETF【VOO】と比べました。下のグラフは、2011年1月以降のトータルリターンです。【QQQ】と【VGT】が同じくらいの好成績です。

2011年1月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2019年6月には【VGT】が5万500ドル、【QQQ】が5万200ドル、【VUG】が3万7100ドル、【VOO】が2万9800ドルになりました。

 

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まとめ

【QQQ】の最近10年の株価の伸びは素晴らしいですね。株価の値上がり益だけで大きなリターンをもたらしてくれそうです。

【QQQ】は配当利回りが約0.6%と低く、増配率も平均的です。組込上位銘柄はアップル【AAPL】とマイクロソフト【MSFT】を除くと、ほとんどが配当金を出していません。これらの企業が将来、配当金を払うようになれば、値上がり益に加えて、配当金のリターンも得られる可能性が出てきます。それを見越して、早めに仕込んでおくというのも一つの方法かもしれません。

なお、例年通りだと、次回は9月20日頃に配当金額が決定し、その数日後に配当落ちになりそうです。
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