BDC銘柄アウル・ロック・キャピタル【ORCC】が特別配当(追加配当)を発表

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BDC銘柄のアウル・ロック・キャピタル【ORCC】が2023年2月22に追加配当(特別配当)を発表しました。0.04ドルです。2023年3月2日が権利落ちで、3月17日に支払われます。

なお、3月の通常配当は0.33ドルです。こちらは変化なしで、0.33ドルのままです。3月30日が権利落ちで、4月14日に支払われます。

【ORCC】の2023年3月2日の終値は13.50ドル、年間配当は1.32ドルになる予定で、利回りは9.78%です。

※このページでの利回りは直近の配当が1年続いたものと仮定して計算します。なお、特別配当(追加配当)は含めません

 

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アウル・ロック・キャピタル【ORCC】の過去の配当、年間増配率

アウル・ロック・キャピタル【ORCC】は、年4回の配当を支払っており、通常配当は0.33ドルです。次回の権利落ちは3月30です。背景が黄色の部分は特別配当(追加配当)です。

今回決定した特別配当の権利落ちは3月2日で、支払いは3月17日です。通常配当とはスケジュールが異なります。

※「過去1年配当」は通常配当のみで計算しています

 

アウル・ロック・キャピタル【ORCC】の期別の配当は?

下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。配当を支払い始めて以降、通常配当は0.31ドルが続いていました。2022年12月に0.33ドルに増えました。

2021年以降は特別配当(追加配当)がなかったですが、最近2回は出しています。

※増配率は直近の配当と○年前の同期の配当を比較して計算しました。通常配当のみの比較です

 

アウル・ロック・キャピタル【ORCC】の年間配当額と特別配当は?

アウル・ロック・キャピタル【ORCC】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。配当を支払い始めて間もないので、あまり傾向は出ていないです。通常配当は横ばいですね。2023年は3月まで通常配当が決定しています。

 

アウル・ロック・キャピタル【ORCC】の株価と配当の関係は?

下のグラフは株価と配当の比較です。株価は2022年を除いて年末のものです。株価も横ばいか、やや下落しています。

 

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最近のアウル・ロック・キャピタル【ORCC】の株価と配当利回りは?

2020年1月以降のアウル・ロック・キャピタル【ORCC】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。

2020年の年初の配当利回りは約7.0%でしたが、2月半ば以降は急降下したため、3月後半に約15.0%まで上がりました。現在、株価はコロナ・ショック前あたりまで戻っておらず、現在の配当利回りは9.78%です。

 

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アウル・ロック・キャピタル【ORCC】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去にアウル・ロック・キャピタル【ORCC】を買った場合、購入価格に対する現在の利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 設定来からの株価、配当利回り、YOCを見ていきます。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入価格に対する利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。

2023年3月2日の終値は13.50ドル、年間の予想配当金額は1.32ドルなので、現在の配当利回りは9.78%です。過去の平均配当利回りは約9.2%です。通常配当は0.31ドルから0.33ドルに上がっただけなので、どのタイミングで購入しても、あまり変わりません

 

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BDCとは?

BDCとは「Business Development Company」の略で、銀行から融資を受けられない新興企業や中小企業の事業開発に金融面を中心にサポートする投資会社です。クローズド・エンド型のファンドであり、ニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所などに上場しています。

新興企業は不安定ですが、成長すると莫大な利益をもたらす可能性があります。創業時のグーグルやアップルなどもBDCから支援を受けていました。

 

BDCに対する規制は?

BDCは利益の90%以上を配当に充てることで、法人税の免除を受けています。そのため高配当を実現できるので、インカム投資家に人気です。REITと似ていますね。

また、資産の70%を法律で定められた適格投資対象にすること、1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えることなどが定められています。

 

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貸し出しのアセットクラスは?

【ORCC】の運用資産は686億ドル以上で、おもに米国の中堅企業を対象に、債券および株式投資の組成、実行、管理を行います。

投資対象は第一抵当権のシニアローンが71%を占めており、なかなか安全です。投資先は184社なので、かなり分散されています。

 

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投資先のセクターは?

投資先のセクターはかなり細分化されています。情報技術(IT)、ヘルスケア、金融・不動産が多いですね。

 

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業績と予想

業績はどうでしょうか? 下のグラフはSeekingAlphaのデータです。収益は順調に伸びています。

 

EPSは2019年と2021年は素晴らしいですが、2022年は今ひとつでした。

 

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BDCにはどんな銘柄があるのか?

下の表はBDC銘柄の中から規模の大きいものを選びました。アウル・ロック・キャピタル【ORCC】は上場が2019年と比較的新しいですが、規模は大きいです。中堅企業の融資に特化した専門金融会社です。

DEレシオは自己資本に対する負債額を示すもので、財務の健全性を測る指標です。BDCの場合は、自己資本の2倍まで借り入れることが可能です。つまり2倍までならレバレッジをかけて商売できるという意味です。ここに挙げた大手BDCは、1倍前後なので、健全といえます。

NAV倍率は資本に対して株価が割高か割安かを示す値です。1より高いと割高になります。アウル・ロック・キャピタル【ORCC】は1倍をわずかに切っており、まあまあ安いです。

配当利回りは過去1年の配当から算出したものと、直近の配当を1年分に換算したものの2つを出しました。



SBI証券や楽天証券など日本の主要証券会社ではBDC銘柄の取り扱いをやめてしまいました。「IG証券」などの海外証券会社なら購入可能です。

 

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株価やリターンなどを比較する

ここからはPORTFOLIO VISUALIZERを使って、【ORCC】とBDC銘柄の【ARCC】【MAIN】【HTGC】のデータを比較します。【ORCC】が設定されたのが2019年7月なので、2019年9月から2023年2月までの3年6カ月を比べます。

 

株価推移を比較する

まずは3年6カ月間の株価推移を比べます。

2019年9月に1万ドル投資した場合、2023年2月末の株価は【HTGC】が1万1900ドル、【ARCC】が1万200ドル、【MAIN】が9600ドル、【ORCC】が8600ドルになっていました。【ORCC】は苦戦しています。

 

トータルリターンを比較

分配金を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。

2019年9月に1万ドル投資して、分配金を再投資した場合、2023年2月末には【HTGC】が1万7200ドル、【ARCC】が1万4200ドル、【MAIN】【ORCC】は1万2300ドルになっていました。こちらも【ORCC】はやや苦戦しています。

 

過去のトータルリターンを比較

過去1、2、3年と3年6カ月のトータルリターンをグラフにしました。1年あたりのリターンのことで、幾何平均で求めます。CAGR(Compound Annual Growth Rate/年平均成長率)です。

【ORCC】はいずれの期間も苦戦しています。この中では【HTGC】が優秀ですね。

 

安定度などを比べよう

ETFの安定度などを比べます。

ETFの安定度などを比べてみましょう。「ボラティリティ」は株価の変動性です。「最大下落率」はマイナスの数値が小さいほど安定しています。どちらの値も0に近いほど安定していると言えます。

ボラティリティ、最大下落率ともに【ORCC】の成績がいいですね。BDCの中では安定していると言えそうです。

 

シャープレシオは?

続いて、シャープレシオとソルティノレシオをチェックしましょう。シャープレシオは同じリスクを取った場合のリターンで、投資効率の良さを数値化したものです。ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際のデータで、下落局面での強さを示しています。

シャープレシオやソルティノレシオは【HTGC】が素晴らしく、【ORCC】【MAIN】は今ひとつです。

 

過去の分配金はどのくらいか?

3年6カ月前の2019年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。

3年6カ月間の分配金の合計は【HTGC】が4700ドル、【ARCC】が3700ドル、【ORCC】が3500ドル、【MAIN】が2300ドルでした。

BDC銘柄の配当再投資額は着実に金額に増えています。【HTGC】はとくに素晴らしいです。

 

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今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?

最後に、今【ORCC】を購入したら、将来どのくらい分配金をもらえそうかをシミュレーションします。現在の利回り、増配率を使用します。

1万ドルを投資した場合の、将来もらえる分配金の推移を検証します。BDC銘柄は購入不可となったので、「分配金を再投資しない(税引前)」で検証します。

増配率は過去1、2、3年の3パターンを使います。年間増配率は1年が6.45%、2年が3.18%、3年が2.11%でした。現在の利回りは9.78%です。

※増配率は最新の配当と○年前の同期の配当を比較して計算しました。通常配当のみの比較です

ちなみに今回は1万ドルの投資なので、もらえる分配金のデータをYOCに簡単に変換できます。たとえば、スタート時の分配金は978ドルなので、利回り(YOC)は9.78%になります。YOC(Yield on Cost)とは、取得価格に対する利回りのことです。

1年増配率(6.45%)で推移した場合は、10年目の分配金1716ドル20年目の分配金は3207ドルになります。YOCなら32.07%です。

2年増配率(3.18%)で推移した場合は、10年目の分配金は1295ドル、20年目の分配金は1771ドルになります。YOCなら17.71%です。

3年増配率(2.11%)で推移した場合は、10年目の分配金は1179ドル、20年目の分配金は1453ドルになります。YOCなら14.53%です。

1年増配率(6.45%)は数値が良すぎて現実的ではないかもしれません。2年増配率(3.18%)や3年増配率(2.11%)ぐらいで進む可能性はありそうです。

 

1万ドルを投資したシミュレーションですが、日本円の1万円に変換してもOKです。また、100万円という仮定なら、数値を100倍にすれば大丈夫です。例えば100万円を投資した場合は「過去3年増配率で推移し、再投資しない場合の20年目の分配金(税引き前)」は14万5300円になります。

 

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まとめ

アウル・ロック・キャピタル【ORCC】は、2期続けて特別配当を決めました。

BDC銘柄の中では、ボラティリティや最大下落率が低く、安定しています。

2022年第4四半期の純投資利益(NII)は、1株当たり0.41ドルに増加し、第3四半期の普通配当0.33ドルを約25%上回りました。

2022年12月31日時点の1株当たり純資産額は、2022年9月30日時点の14.85ドルから、14.99ドルへ増加。そのため、1株当たり0.04ドルの特別配当(追加配当)を発表しました。

2期続けての特別配当で、好調なのが伺えます。自社株買いも行っています。

 



SBI証券や楽天証券など日本の主要証券会社ではBDC銘柄の取り扱いをやめてしまいました。「IG証券」などの海外証券会社なら購入可能です。