2023年8月1日にBDC銘柄のハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】が増配を決定しました。これまで0.39ドルだったがのが、0.40ドルになります。増配率は2.6%です。
さらに、【HTGC】は追加配当(特別配当)0.08ドルを、2023年の4回の分配金でそれぞれ支払うことが決まっています。
【HTGC】の2023年8月11日の終値は17.15ドル、通常配当のみの年間配当は1.60ドルになる予定で、利回りは9.33%です。
※このページでの分配金利回りは直近の配当が1年続いたものと仮定して計算します。なお、特別配当を含めません
ウィブル証券では初回入金&取引キャンペーン、お友達紹介キャンペーンなどを実施中【PR】
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】の過去の配当、年間増配率
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】は、四半期ごとに配当を支払っています。3、5、8、11月という少し特殊なパターンです。次回の権利落ちは8月17日です。
背景が黄色が追加配当(特別配当)です。また、背景が水色の部分が通常配当の増配を意味しています。
※過去1年配当は通常配当のみの計算です
特別配当(追加配当)は?
BDC銘柄は利益のほとんどを配当として支払う義務があります。予想していたよりも業績が良い場合は、利益を特別配当(追加配当)として支払うことがあります。
以下が【HTGC】の特別配当(追加配当)です。2018年の11月以降は、かなり高い確率で特別配当を出しています。2023年は0.08ドルずつ、今後4回にわたって支払うことを発表しています。
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】の期別の配当は?
下のグラフは2009年以降の期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。2014~17年は横ばいでしたが、その後は少しずつ増えています。
通常配当は2022年8月に0.35ドルに増え、11月に0.36ドル、2023年3月に0.39ドル、今回2023年8月は0.40ドルです。2018年11月以降は特別配当(追加配当)が目立ちます。
※増配率は2023年9月を起点とした過去1年配当と、○年前の過去1年配当を比較して計算しました。通常配当のみの比較です
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】の年間配当額は?
年間の配当金です。特別配当も含めた額です。リーマン・ショック後の2010年は大きく減らしましたが、その後は徐々に回復しました。特別配当(追加配当)を含めた年間配当額では、2022年はかなり増えました。
2023年はあと1回、配当があります。
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】の年間増配率は?
年間増配率は2009年と10年はマイナス(減配)でした。2015年以降は横ばいが多かったですが、2022年は6.2%増と好調でした。
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】の株価と配当の関係は?
株価と通常配当の比較です。株価は2022年を除いて年末のものです。株価と年間配当額はそれなりに連動していますが、株価の方が動きが激しいですね。
通常配当は、これまでの過去最高は2008年の1.32ドルでしたが、2022年は1.37ドルで、2008年を上回りました。
2023年はあと1回、配当があります。
最近のハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】の株価と配当利回りは?
2020年1月以降のハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。
2020年の年初の配当利回りは約9.1%でしたが、コロナ・ショックの影響で2月半ば以降は急降下したため、4月上旬には約19.3%まで上がりました。2020年11月頃から株価は急上昇し、その後は不安定でしたが、2023年3月以降は上昇しており、現在の配当利回りは9.33%です。
過去10年間の配当利回り、YOC、株価は?
過去にハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】を買った場合、取得価格に対する配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から10年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。
下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の取得価格に対する利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。
2023年8月11日の終値は17.15ドル、年間の配当金額は1.60ドルなので、現在の配当利回りは9.33%です。過去10年の平均配当利回りは約9.5%です。
10年前の2013年8月頃に買っていたら、現在YOCは約11.3%になっていました。5年前の2018年8月に購入していたら、YOCは約11.8%でした。
BDCとは?
BDCとは「Business Development Company」の略で、銀行から融資を受けられない新興企業や中小企業の事業開発に金融面を中心にサポートする投資会社です。クローズド・エンド型のファンドであり、ニューヨーク証券取引所、ナスダック証券取引所などに上場しています。
新興企業は不安定ですが、成長すると莫大な利益をもたらす可能性があります。創業時のグーグルやアップルなどもBDCから支援を受けていました。
BDCに対する規制は?
BDCは利益の90%以上を配当に充てることで、法人税の免除を受けています。そのため高配当を実現できるので、インカム投資家に人気です。REITと似ていますね。
また、資産の70%を法律で定められた適格投資対象にすること、1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えることなどが定められています。
どんな会社なのか
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】は2003年に設立し、創業以来600社以上の新興成長企業に160億ドル以上の資金提供を行っています。
投資対象は、IPO前やM&A前のベンチャーキャピタルに支援された革新的な高成長企業です。投資先は、ライフサイエンス、テクノロジー、再生可能技術産業などです。
第一抵当権のシニアローンが約78%と高く、なかなか安全です。
2023年6月30日現在、73の投資先の株式ポジションを保有し、108社のポートフォリオ企業のワラント・ポジションを保有しています。
業績と予想
業績はどうでしょうか? 下のグラフはSeekingAlphaのデータです。売り上げは順調に伸びています。直近1年の利益も素晴らしいです。
「TTM」はTrailing Twelve Monthsの略で、直近12か月。2023年の第2四半期終了時点。つまり半分が経過したところですね。
EPSも直近はかなり良さそうです。
BDCにはどんな銘柄があるのか?
下の表はBDC銘柄の中から規模の大きいものなどを選びました。
DEレシオは自己資本に対する負債額を示すもので、財務の健全性を測る指標です。BDCの場合は、自己資本の2倍まで借り入れることが可能です。つまり2倍までならレバレッジをかけて商売できるという意味です。ここに挙げた大手BDCは、1倍前後なので、健全といえます。
NAV倍率は株価(Price)を純資産価値(Net Asset Value, NAV)で割った比率です。資本に対して株価が割高か割安かを示す値です。この数値が高いと、株価が過大評価されている可能性があります。ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】は約1.56倍で少し割高ですね。【MAIN】もこの値が高いです。それだけ期待されているという見方もできます。
配当利回り(過去1年)は過去1年の配当から算出したものです。
配当利回り(直近)は直近の配当が今度1年続いたものとして算出しました。どちらも特別配当(追加配当)は含んでいません
ウィブル証券では初回入金&取引キャンペーン、お友達紹介キャンペーンなどを実施中【PR】
SBI証券や楽天証券など日本の主要証券会社ではBDC銘柄の取り扱いをやめてしまいました。「IG証券」などの海外証券会社なら購入可能です。
株価やリターンなどを比較する
ここからはPORTFOLIO VISUALIZERを使って、【HTGC】とBDC銘柄の【ARCC】【MAIN】、そして高配当ETFの代表格【VYM】のデータを比較します。
株価推移を比較する
まずは10年間の株価推移を比べます。
2013年8月に1万ドル投資した場合、2023年7月末の株価は【VYM】が1万8700ドル、【MAIN】が1万3800ドル、【HTGC】が1万2000ドル、【ARCC】が1万1000ドルになっていました。高配当ETFの【VYM】の成績が素晴らしいですね。
トータルリターンを比較
分配金を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。
2013年3月に8万ドル投資して、分配金を再投資した場合、2023年7月末には【HTGC】が3万2900ドル、【MAIN】が2万9700ドル、【ARCC】が2万8600ドル、【VYM】が2万5600ドルでした。
BDC銘柄は配当が多いため、株価推移に比べてトータルリターンは優秀です。【HTGC】がやや優勢です。
過去のトータルリターンを比較
過去1、3、5、10年のトータルリターンをグラフにしました。
総合的に見ると、【HTGC】が素晴らしいです。いずれの期間でも最も成績がよいです。
安定度などを比べよう
ETFの安定度などを比べます。
ETFの安定度などを比べてみましょう。「ボラティリティ」は株価の変動性です。「最大下落率」はマイナスの数値が小さいほど安定しています。どちらの値も0に近いほど安定していると言えます。
ボラティリティ、最大下落率ともに高配当ETF【VYM】が安定しています。【HTGC】は不安定ですね。ボラティリティは最も大きいです。
シャープレシオは?
続いて、シャープレシオとソルティノレシオをチェックしましょう。シャープレシオは同じリスクを取った場合のリターンで、投資効率の良さを数値化したものです。ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際のデータで、下落局面での強さを示しています。
どちらの値も【VYM】が素晴らしいです。BDC銘柄のシャープレシオやソルティノレシオは似た感じですが、【ARCC】がやや優勢です。
過去の分配金はどのくらいか?
10年前の2013年8月に1万ドル投資して配当を再投資した場合の年間でもらえる配当金の推移です。税金は考慮しません。
10年間の配当の合計は【HTGC】が1万7200ドル、【ARCC】が1万5300ドル、【MAIN】が1万3600ドル、【VYM】が5200ドルでした。
BDC銘柄で配当を再投資すれば、10年間でかなりの金額に増えます。【HTGC】はとくに素晴らしいです。
過去3、5、7、10年増配率を使った将来YOC予想
最後に、いま【HTGC】を購入したら、将来の利回り(YOC)がどのくらいになるのかをシミュレーションします。現在の配当利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。
増配率は3、5、7、10年の4パターンを使います。「再投資しない。税引き前」という設定にします。
2023年8月8日の配当利回りは9.78%ですが、過去1年配当から出した利回りは8.98%です。
増配率は3年が6.4%、5年が4.4%、7年が3.1%、10年が4.0%です。
3年増配率(6.4%)で推移した場合は、10年目のYOCは15.6%、20年目のYOCは29.0%になります。
5年増配率(4.4%)で推移した場合は、10年目のYOCは13.3%、20年目のYOCは20.5%になります。
7年増配率(3.1%)で推移した場合は、10年目のYOCは11.9%、20年目のYOCは16.2%になります。
10年増配率(4.0%)で推移した場合は、10年目のYOCは12.8%、20年目のYOCは18.9%になります。
まとめ
ハーキュリーズ・キャピタル【HTGC】は増配となり、好調です。2023年も追加配当を4回出す予定です。
インカムゲインはもちろん、キャピタルゲインも狙えそうな銘柄です。
ちなみに、今話題のChatCPTに「ハーキュリーズ・キャピタル【HTGC】が好調な理由は?」と聞いたところ、以下のような答えが返ってきました。
ウィブル証券では初回入金&取引キャンペーン、お友達紹介キャンペーンなどを実施中【PR】
SBI証券や楽天証券など日本の主要証券会社ではBDC銘柄の取り扱いをやめてしまいました。「IG証券」などの海外証券会社なら購入可能です。