世界的タバコメーカーのフィリップ・モリス【PM】が4.2%の増配

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世界最大のタバコ会社フィリップ・モリス【PM】が、2021年9月15日に増配を発表しました。

これまで四半期ごとの配当が1.20ドルだったのが、1.25ドルに上がるようです。年間配当は4.8ドルから5.0ドルになる予定です。増配率は4.2%です。2021年9月14日の終値は101.96ドル、配当利回りは4.90%です。

フィリップ・モリス【PM】の連続増配年数は14年です。正式な社名はフィリップ・モリス・インターナショナルです。

 

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フィリップ・モリス【PM】の過去の配当、年間増配率

フィリップ・モリス【PM】は着実に増配しています。表内の青字は予想です。次回の配当落ちは9月28です。

フィリップ・モリス【PM】の期別の配当は?

下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。フィリップ・モリスは2008年にアリトリア・グループからスピンアウトしました。米国を主戦場としているがアリトリア・グループ。フィリップ・モリスは主に米国以外の国際部門を担当しています。

フィリップ・モリス【PM】の年間配当額と年間増配率は?

フィリップ・モリス【PM】の年間配当額と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。増配率は2011、12年頃は高かったですが、近年はそれほどでもないですね。2020年はあと1回配当があります。

フィリップ・モリス【PM】の株価と配当の関係は?

下のグラフは株価と配当の比較です。株価は2021年を除いて年末のものです。2017年までは株価と配当額は似たような動きでしたが、2018年以降は株価は低迷しています。最近ようやく伸びてきました。

 

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最近のフィリップ・モリス【PM】の株価と配当利回りは?

下のグラフは、2020年に入ってからのフィリップ・モリス【PM】の株価と配当利回りです。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年の年初の配当利回りは5.5%前後でしたが、2月以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが7.8%まで上昇しました。2021年に入ってからは株価は伸び続けており、2021年9月14日の配当利回りは4.90%です。

 

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現在のフィリップ・モリス【PM】の株価と配当利回りの関係は?

年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ5.0ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、フィリップ・モリス【PM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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フィリップ・モリス【PM】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去にフィリップ・モリス【PM】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)です。

2021年9月14日の終値は101.96ドル、年間の予想配当金額は5.0ドルなので、現在の配当利回りは4.90%です。過去5年の平均配当利回りは約5.2%です。増配はしていますが、2017年頃の株価が最高値なので、その頃に買っていたらYOCは高くないですね。2018年12月に買っていたら、現在YOCは約7.5%になっていました。

 

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競合銘柄とトータルリターンを比較する

フィリップ・モリス【PM】とタバコ銘柄でトータルリターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、アリトリア・グループ【MO】、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ【BTI】と比べます。参考までにS&P500ETF【VOO】も対象にします。期間は過去10年。

2011年9月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年8月には【VOO】が4万5300ドル、【MO】が3万1500ドル、【PM】が2万3700ドル、【BTI】が1万3700ドルになっていました。フィリップ・モリス【PM】は【MO】には及びませんが、【BTI】は上回りました。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。過去10年のリターン(年平均)は、【VOO】が16.3%、【MO】は12.2%、【PM】は9.0%、【BTI】は3.3%でした。【PM】はタバコ銘柄の中では、いずれの期間も安定しています。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン−無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。1を超えていれば、優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。1.5を超えていると、素晴らしいです。

タバコ銘柄は最大ドローダウンがよくないですね。フィリップ・モリス【PM】のシャープレシオやソルティノレシオはアリトリア・グループ【MO】と少し差がありますね。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

10年間の配当金の合計は【MO】が12100ドル、【PM】が7300ドル、【BTI】が6500ドル、【VOO】が4100ドルでした。【MO】が【PM】や【BTI】にかなり差をつけています。

 

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フィリップ・モリス【PM】の今後の配当予想は?

現在の配当金額(1.25ドル)と1、3、5、10年前の同時期の配当金額(1.20ドル、1.14ドル、1.04ドル、0.77ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。フィリップ・モリス【PM】株を2021年9月14日の終値101.96ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間配当額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

年間増配率は過去1年が4.2%、過去3年が3.1%、過去5年が3.7%、過去10年が5.0%でした。現在の配当利回りは4.90%です。

配当を再投資しない場合

まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の配当利回りが4.90%なので、1年目の年間配当額は490ドルです。

もっとも増配率の低い過去3年のペースだと5年目の配当額は554ドル、10年目の配当額は646ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は595ドル、10年目の配当額は758ドルになりそうです。配当額758ドルはYOC(購入額に対する利回り)7.58%です。

配当を再投資する場合

つぎに配当を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の配当金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い過去3年のペースだと5年目の配当額は668ドル、10年目の配当額は1016ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は721ドル、10年目の配当額は1234ドルになりそうです。配当額1234ドルはYOC(購入額に対する利回り)12.34%です。

配当を再投資する場合(税引き後)

最後に配当を再投資し、税金を引いた額で計算してみましょう。配当金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は490ドルではなく、税引き後の353ドルになります。

もっとも増配率の低い過去3年のペースだと5年目の配当額は457ドル、10年目の配当額は646ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は492ドル、10年目の配当額は778ドルになりそうです。配当額778ドルはYOC(購入額に対する利回り)7.78%です。

 

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フィリップ・モリス【PM】は主要ETFに組み込まれているか?

フィリップ・モリス【PM】は高配当ETFに組み込まれています。【HDV】や【DVY】には、かなり上位ですね。

ETF 組込可否 組込順位 割合(%)
SPYD(80) 23 1.3
HDV(75) 6 5.0
DVY(100) 5 2.0
VYM(412) 27 1.2
SDY(112) ×
VIG(247) ×
DIA(30) ×
VOO(507) 53 0.4
VTI(3949) 52 0.3
VUG(285) ×
QQQ(102) ×
VGT(342) ×

※表内の「ETF」の右側の()内の数字は全組込銘柄数です。組込比率はバンガード社のETFは2021年8月末、その他のETFは2021年9月14日頃のデータをもとにしています。

 

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フィリップ・モリス【PM】の財務データは?

フィリップ・モリス【PM】の財務データです。モーニングスターのデータです。営業利益率がなかなか高く、キャッシュフローが潤沢ですが、配当性向が高いのが少し気になります。






 

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まとめ

フィリップ・モリス【PM】の加熱式タバコ「IQOS」は売れ行きが好調のようです。今回も堅実に増配しました。過去2回の増配率が低かったので、今回の4.2%はまずまずです。