新型コロナ・ウィルスの影響が比較的少なそうなIT業界ですが、予断は許さない状況にあります。そんな中、ITサービス大手のアイ・ビー・エム【IBM】が、2020年4月28日に増配を発表しました。ちなみに正式な会社名はインターナショナル・ビジネス・マシーンズです。
これまで四半期ごとの配当が1.62ドルだったのが、1.63ドルに上がる予定です。年間配当は6.43ドルから6.51ドルに、今後1年間の年間配当は6.52ドルの予定です。増配率は0.6%、年間増配率は1.2%の予定です。2020年4月28日の株価は126.3ドル近辺、配当利回りは5.16%です。
アイ・ビー・エム【IBM】の連続増配年数は25年です。
アイ・ビー・エム【IBM】の過去の配当、年間増配率
アイ・ビー・エム【IBM】は年々増配率が下がってきています。今回は最小限の増配となりました。表内の青字は予想です。次回の配当落ちは5月7日です。
アイ・ビー・エム【IBM】の今後の配当予想は?
現在と1、3、5年前の同時期の配当金額を比較して増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。アイ・ビー・エム【IBM】株を2020年4月28日の株価126.3ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
増配率は過去1年が0.6%、過去3年が2.8%、過去5年が4.6%でした。現在の配当利回りは5.16%です。もっとも増配率が低かった過去1年のペースで増配が続くと10年後のYOCは5.5%に、もっとも増配率が高かった過去5年の増配と同じだと10年後のYOCは8.1%になります。配当利回りは高いですが、増配率が年々下がっていますので、将来YOCは現在の配当利回りとあまり変わらないかもしれません。
アイ・ビー・エム【IBM】をいつ買ったら正解だったか?
過去5年の配当利回りの平均は4.06%です。配当利回りは3.0~5.9%の間で推移しています。
黄色の線はYOC(Yield on Cost)です。過去5年に購入した場合、現時点での購入単価当たりの利回りが何%になっているかを、過去に買ったタイミングごとに示しています。配当利回り(赤い線)と連動した動きになります。
YOCを上げるコツは(1)増配率の高い銘柄を買う、(2)連続増配年数の長い銘柄を買う、(3)株価が低迷しているときに買うなどがあります。いずれの場合もなるべく早い時期に買った方が、YOCは上がっていきますが、長期にわたって株価が右肩下がりの場合は最近購入した方が数値が上がります。
アイ・ビー・エム【IBM】は株価がやや右肩下がりで、増配率も年々減っているので、早い時期に購入したほうがYOCは高くなるというわけではありません。過去5年で最もYOCが高いのが2020年3月頃に買った場合で、現在約6%になっています。
今年に入ってからのアイ・ビー・エム【IBM】の株価と配当利回りは?
先ほどのグラフは少し大雑把なので、もう少し細かく1日ごとのデータで見ていきます。下のグラフは、2020年に入ってからのアイ・ビー・エム【IBM】の株価と配当利回りです。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは4.1~4.9%で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下落したため、3月23日には配当利回りが6.8%まで上昇しました。現在は株価が上がり、配当利回りは5.12%です。
現在のアイ・ビー・エム【IBM】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じく6.52ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ6.52ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、アイ・ビー・エム【IBM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
アイ・ビー・エム【IBM】の財務データは?
アイ・ビー・エム【IBM】の財務データです。小さくまとまってますね。
まとめ
アイ・ビー・エム【IBM】は定期的にネガティヴな情報が流れながらも、しぶとく生き残っているIT大手です。増配率が年々下がっているのが気になるところです。