ブラックロック社のiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】は、モーニングスターの配当フォーカス指数に連動したETFです。財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国籍企業75銘柄前後で構成されています。
毎年3、6、9、12月の計4回組み換えがあります。直近では、2020年9月17日頃に銘柄の入れ替えを行いました。13銘柄が削除され、13銘柄が追加されました。前回の2021年6月の入れ替えでは18銘柄が新加入だったので、今回は少し控えめです。
【HDV】全組込銘柄がどのように変化したのか?
下の表は【HDV】全組込銘柄を、組み換え前後の2021年9月15日と2021年9月17日で比較したものです。保有比率の大きい順に並べました。左側(9月15日)の表の一番左側に背景が灰色で「除」と書かれているのが今回除外された銘柄です。右側(9月17日)の表の一番左側が背景ピンク色で「新」と書かれているのが、今回新たに組み込まれた銘柄です。
目立った新加入は、AT&T【T】、アッヴィ【ABBV】、ギリアド・サイエンシズ【GILD】などです。
除外された銘柄ではドミニオン・エナジー【D】、ゼネラル・ミルズ【GIS】などがあります。
セクター比率はどう変化したか?
【HDV】に組み込まれている銘柄のセクターの占める割合を、組み換え前後の9月15日と9月17日で比較しました。ヘルスケアが首位になりました。上位銘柄にアッヴィ【ABBV】、ギリアド・サイエンシズ【GILD】が新加入したためです。
また、AT&T【T】が2位に組み込まれた通信サービスも比率を増やしました。
生活必需品、エネルギー、公益事業などのセクターは比率を下げています。
新たに追加された銘柄は?
今回、新たに追加されたのは13銘柄です。セクター別では公益事業が4銘柄と最多で、金融が3銘柄です。
AT&T【T】は通信インフラの最大手です。ワーナーメディアをスピンオフする影響が配当に出るのは、2022年以降と判断したのかもしれません。
アッヴィ【ABBV】はバイオ製薬大手です。二桁増配を続けており、それでいて利回りも高い珍しい銘柄です。ギリアド・サイエンシズ【GILD】もバイオ製薬大手です。出たり入ったりを繰り返す【HDV】の常連です。
ブラックスローン・グループ【BX】は大手投資ファンドです。【HDV】を運用しているブラックロック社は、かつてはこの会社の債券運用部門でした。
除外された銘柄は?
除外されたのも13銘柄です。セクター別の数では公益事業が4と多く、金融が3銘柄です。【HDV】は金融セクター銘柄が組込下位に大量に入っているのが特徴で、入れ替わりが激しいです。
比率1%以上で除外されたのはドミニオン・エナジー【D】だけです。2020年12月に減配となった銘柄で、それから4回同じ配当を続けています。電力大手です。
ドミニオン・エナジー【D】、ピナクル・ウエスト・キャピタル【PNW】、オートリブ【ALV】、フラワーズ・フーズ【FLO】は前回2021年6月に加入されて、すぐに除外となりました。
2020年以降の主な銘柄の入れ替えは?
【HDV】は75銘柄前後で構成されていて、四半期に1回銘柄の入れ替えが行われます。その中でも組込比率1%以上の銘柄についてまとめました。今回は控えめな入れ替えでした。
AT&T【T】は2021年3月に除外されましたが、今回復帰となりました。【HDV】は2021年3月と6月の分配金が前年同期比マイナスだったのが、AT&T【T】除外の影響が大きいと言われていましたので、これで一安心かもしれません。
出たり入ったりを繰り返している銘柄が結構あります。ギリアド・サイエンシズ【GIS】、ドミニオン・エナジー【D】、アリトリア・グループ【MO】などです。
利回りが2%台後半ぐらいの大型銘柄は、株価や増配によって頻繁に入れ替えが行われている感じです。
※なお比率は、入れ替えの直前と直後のドンピシャのタイミングではなく、数日ずれている場合もあります
これまでの銘柄入れ替え数は?
過去7回の銘柄入れ替え数です。上の棒が新加入、下の棒が除外です。今回の13柄が変更というのは、やや少ないですね。6月に入れ替えが多いようです。
まとめ
いかがでしたか? AT&T【T】が加わった以外は、目立った入れ替えはなかったですね。新加入で組込比率の高い【T】【ABBV】【GILD】の3銘柄は利回りが高いので、これらを加えることで配当金を増やそうという意図が見て取れます。
なお、【HDV】の権利落ちは9月24日(金)です。今回の銘柄入れ替えの影響は、次回以降の分配金に反映されそうです。