米国主要ETF(VOO、VTI、DIA、VIG)の増配率と配当利回りから将来の配当額を予想して比較する

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米国株のETFを代表する4つのETF、S&P500連動ETF【VOO】、全米ETF【VTI】、ダウ工業株平均ETF【DIA】、増配ETF【VIG】をご存じでしょうか? これらのETFのリターンは驚くほど似ているとの噂があります。本当でしょうか? 増配率、配当利回り、トータルリターン、将来YOCなどを徹底比較します。

なお、このページにおける色分けは、【VIG】が赤【VTI】が青【VOO】が緑【DIA】が黄色で統一します。

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基本情報を確認しよう

4つのETFの基本情報です。運用会社は【DIA】だけがステート・ストリート社で、残りはバンガード社です。【DIA】は少し異色ですね。組込銘柄数が少なく、運用総額も低く、経費率が高く、配当は月1回支払われます。

※モーニングスターレーティングは2020年11月末のものです

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過去5年トータルリターンはどうか?

まずは【VOO】、【VTI】、【DIA】、【VIG】の過去5年のトータルリターンを比較しましょう。

2016年1月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年12月末には【VTI】が2万500ドル、【VOO】が2万200ドル、【VIG】が2万ドル、【DIA】が1万9600ドルになっていました。

過去5年のトータルリターンは、年平均で【VTI】が15.4%、【VOO】が15.2%、【VIG】が14.9%、【DIA】が14.5%でした。ほとんど変わりませんね。【DIA】はコロナ・ショック前までの成績は一番良かったですが、コロナ・ショック後の回復が少し遅いですね。

長期のトータルリターンはどうか?

それでは過去10年のトータルリターンを比較しましょう。

2011年1月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年12月末には【VOO】が3万6400ドル、【VTI】が3万6300ドル、【DIA】が3万3200ドル、【VIG】が3万3000ドルになっていました。

過去10年のトータルリターンは、年平均で【VOO】が13.8%、【VTI】が13.7%、【DIA】が12.8%、【VIG】が12.7%でした。こちらもあまり変わりませんが、【VTI】と【VOO】の成績がわずかに優れています。

短期のトータルリターンはどうか?

2020年以降、過去1年のトータルリターンを比較しましょう。

2020年1月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年12月末には【VTI】が1万2100ドル、【VOO】が1万1800ドル、【VIG】が1万1500ドル、【DIA】が1万900ドルになっていました。

過去1年のトータルリターンは、年平均で【VTI】が21.0%、【VOO】が18.3%、【VIG】が15.4%、【DIA】が9.6%でした。【DIA】の成績が今ひとつです。【VIG】はコロナ・ショックの下落時はパフォーマンスが良かったですが、その後の回復期では【VTI】や【VOO】に後れを取っています。

 

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配当利回りはどう変化したか?

下のグラフは2016年1年以降、過去5年の配当利回りの推移です。配当利回りは直近1年の配当金額を元に算出しました。4つのETFともに同じような動きをしています。

なかでも【DIA】が少しだけ配当利回りが高い傾向にあります。2020年12月末時点での配当利回りは【DIA】が1.87%、【VIG】が1.63%、【VOO】が1.54%、【VTI】が1.42%です。

 

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過去10年の配当額と増配率を確認しよう

今度は1年ごとの配当金を調べて、それを元に増配率を作りました。下の表組は過去10年配当額と増配率です。「過去10年増配率」というのは、過去10年の期間における1年あたりの増配率を意味します。

ちなみに【VOO】が設定されたのが2010年9月なので、【VOO】の「過去10年増配率」は過去9年増配率です。また、【DIA】の2010年の配当額(2.7611ドル)は特別配当も含めています。

 

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1年ごとの増配率を比較する

先ほどの表の上のほうにあった「年間増配率」をグラフにして、1年ごとの増配率の変化を確認しましょう。【VIG】は少し異なる動きをしているように見えます。コロナ・ショックがあった2020年は【VIG】だけが増配しています。相場が好調の時は目立ちませんが、荒れ相場や下落相場で実力を発揮しているようです。

 

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過去1、3、5、7、10年の年間増配率を比較する

今度は過去1、3、5、7、10年の期間ごとに、増配率を比較します。【VIG】以外のETFの増配率は驚くほど似ていますね。

 

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過去の増配率を使って将来YOCを予想して比較する

それでは、2021年1月現在にETFを購入して追加投資をしないと仮定した場合、買い値に対する将来の利回り(YOC)がどう変化するか、これまで計算した過去の増配率を用いて予測します。

過去1年の増配率は意外な結果に!?

最初は、過去1年増配率と同じように増配を続けた場合、将来のYOCがどうなるか計算しました。2020年末の配当利回りは【DIA】が1.87%、【VIG】が1.63%、【VOO】が1.54%、【VTI】が1.42%です。

過去1年増配率は【VIG】が7.62%、【DIA】がマイナス3.76%、【VTI】がマイナス4.66%、【VOO】がマイナス4.81%です。

増配率がプラスだったのが【VIG】だけでした。【VIG】は10年後に3.4%、20年後には7.1%までYOCが伸びます。それ以外のETFは過去1年のペースだと悲惨なことになりますが、このままずっと減配という可能性は低そうです。

 

過去3年増配率を使って将来YOCを予想する

次は、過去3年増配率を当てはめて、将来のYOCがどうなるかを計算します。

過去3年増配率は【VOO】が6.68%、【VIG】が6.17%、【VTI】が5.73%、【DIA】が5.53%です。

増配率は5.5~6.7%の間にすべてのETFが収まりますので、将来YOC予想は似たような結果になりました。10年後は3%前後、20年後は5.5%付近です。

ただし、【VTI】だけが少し劣っています。【VTI】は現在の配当利回りが一番低いため、これが最後まで響きました。10年後の予想は2.5%、20年後は4.3%でした。

将来YOCを計算する場合、現時点の配当利回りがモノをいうことが結構あります。とくに配当利回りが低くて増配率の高い優良銘柄に追加投資をする場合は、そのたびに購入単価も上がるため、将来のYOCはそれほど上がらないということがあります。

 

過去5年増配率から将来YOCを予想すると?

では、過去5年増配率を当てはめて、将来のYOCがどうなるかを計算します。

過去5年増配率は【DIA】が7.11%、【VOO】が6.17%、【VTI】が6.03%、【VOO】が4.77%です。

ここでは【DIA】の成績がよかったです。10年後に3.7%、20年後には7.4%まで伸びます。【DIA】は現時点の配当利回りが1.87%と最も高く、増配率も一番高かったので、他のETFに少し差をつけた結果になりました。

 

過去10年増配率を使った将来YOCは、予想通りか?

最後に過去10年増配率を当てはめて、将来のYOCを計算します。

過去10年増配率は【VOO】が9.35%、【VTI】が9.21%、【VIG】が8.16%、【DIA】が7.57%です。前述しましたが【VOO】が設定されたのが2010年9月なので、【VOO】は過去9年増配率を用います。

今回も似たような結果でしたが、【VOO】が少し抜け出した感じです。10年後は3.8%、20年後には9.2%になりそうです。

 

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まとめ

いかがでしたか? 予想はしていましたが、あまり差が出なかったですね。株価の上昇率、現在の配当利回り、増配率、将来のYOC、どの項目も似ていました。いずれも幅広い層に支持されているETFだけあって、安定しているといえそうです。

【DIA】は毎月分配金を支払うのが特徴です。30銘柄と組込銘柄が少なく、株価の値によって組込比率が決まる方式を採用しています。ややクラシカルでアクティブ色がありますが、残りのETFとリターンの差はほとんどありません。

【VIG】は相場が軟調な時に強さを見せるので、暴落しているときに買うのがいいかもしれません。

【VTI】【VOO】は安定していますので、コツコツと積立てをするのに向いていそうです。