高配当ETF【VYM】が年に1度の銘柄入れ替えを実施、ホーム・デポ【HD】が新加入!

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バンガード社のバンガード 米国高配当株式ETF【VYM】が、年に1度の銘柄入れ替えを行ったようです。新たにホーム・デポ【HD】が組込順位4位に加わりました。他には目立った銘柄の入れ替えはなく、42番目にモンデリーズ・インターナショナル【MDLZ】、68番目にエルスリーハリス・テクノロジーズ【LHX】、87番目にインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス【IFF】が入りました。

ちなみに、【VYM】の2021年4月8日の終値は102.95ドル、過去1年の分配金額は3.0081ドルなので、分配金利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、利回りは2.92%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

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基本情報を確認しよう

【VYM】は今後1年の予想分配金が市場平均を上回る銘柄を、時価総額加重平均で組み入れています。配当利回りの高い米国大型株が中心のETFです。

【VYM】と米国の高配当ETF【HDV】【SPYD】を比較します。経費率はそれほど差がありません。利回りは【VYM】がもっとも低いですが、運用総額は【VYM】が圧倒的に多いです。組込銘柄数は【VYM】が多く、【HDV】と【SPYD】は同じくらいです。

 

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【VYM】のセクター別のファンド構成比は?

【VYM】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。金融の割合が多いのが特徴です。生活必需品、ヘルスケア、情報技術が続いています。

 

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【VYM】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VYM】の組込比率1%以上の銘柄です。上位7銘柄の利回りがすべて2.5%以下と低いですね。ベンチマークは、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスです。組込比率1%以上は30銘柄あり、全体の50.8%を占めています。

 

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2020年4月以降の上位銘柄は?

2020年4月以降の組込比率1%以上の銘柄の推移です。今回新たにホーム・デポ【HD】が組込順位4位に加わりました。ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】は比率が下がりましたね。上位組込銘柄は1カ月前よりも比率を減らしてマイルドな感じにしたようです。

 

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【VYM】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VYM】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当、市場全体、ハイテクの主要9ETFへの組込比率(%)をまとめました。背景色のオレンジ色が濃いほど、比率が高いことを意味しています。

【VYM】の組込上位20銘柄は、【HDV】に11銘柄組み込まれています。ただし【HDV】の方が集中投資ですね。【VYM】の上位組込20銘柄は【VIG】や【DIA】にも11銘柄ずつ入っています。このあたりが【VYM】の利回りが下がっている理由かもしれません。【SPYD】は高配当ETFですが、【VYM】との関連はそれほど高くないですね。

ちなみにブロードコム【AVGO】は【DIA】以外の8ETFに組み込まれています。人気者ですね。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年3月末、その他のETFは4月14日のデータをもとにしています。バンガード社ETFの組込比率が低すぎるものは対象外にしました。【DIA】と【SPYD】の組込比率はそれほど重要ではありません。

 

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【VYM】の過去の分配金と増配率は?

【VYM】が設定されたのは2006年11月です。下の表は過去の分配金の一覧です。下の表の一番右側の「過去1年分配金額の対前年同期増配率」は2011年以降ずっとプラスです。安定して増配しているETFだといえます。

※背景がになっているのが減配です

 

【VYM】の年間分配金額と年間増配率は?

【VYM】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年間増配率は10年前に比べると下がっていますね。

 

【VYM】の期別分配金は?

2021年3月の分配金は、前年よりは多かったですが、前々年の2019年3月とほぼ同水準です。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【VYM】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りが3.0%強で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には利回りが4.5%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回り、利回りは2.92%です。

 

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現在の【VYM】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく3.0081ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ3.0081ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【VYM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

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【VYM】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VYM】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。

2021年4月15日の終値は102.95ドル、過去1年の分配金額は3.0081ドルなので、現在の利回りは2.92%です。過去5年の平均利回りは約3.09%なので、現在とほぼ同じです。過去5年で株価は上昇して増配もしたので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年5月に買っていたら、現在YOCは約4.3%になっていました。また、コロナショック時の2020年3月に買っていた場合も、YOCは約4.3%になりました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

【VYM】とライバルの高配当ETF【HDV】【DVY】とトータル・リターンを比較します。参考までに【VTI】も用意しました。PORTFOLIO VISUALIZERを使って10年間を比べます。

2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年3月には【VTI】が3万6400ドル、【VYM】が3万1200ドル、【DVY】が3万900ドル、【HDV】が2万6500ドルになっていました。

 

年次リターン

1年ごとでリターンを比較しました。4つのETFを比べると、【VYM】は2番目にリターンがよい年が多いですね。

 

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。【VYM】は高配当ETFの【HDV】や【DVY】よりは成績が良いですが、【VTI】には後れを取っています。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

10年間の分配金の合計は【HDV】と【DVY】が6400ドル、【VYM】が5900ドル、【VTI】が3500ドルでした。ブラックロック社のETF【HDV】と【DVY】は配当加重方式だけあって、もらえる配当金は多いですね。

 

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【VYM】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(3.0081ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年分配金額(2.7446ドル、2.4495ドル、2.165ドル、1.172ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【VYM】株を2021年4月15日の終値102.95ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

年間増配率は過去1年が9.6%、過去3年が7.1%、過去5年が6.8%、過去10年が9.9%でした。現在の利回りは2.92%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが2.92%なので、年間分配金額は292ドルです。

もっとも増配率の低い過去5年のペースだと5年目の分配金額は380ドル、10年目の分配金額は528ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は426ドル、10年目の分配金額は682ドルになりそうです。分配金額682ドルはYOC(購入額に対する利回り)6.82%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を年1回再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い過去5年のペースだと5年目の分配金額は427ドル、10年目の分配金額は722ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は481ドル、10年目の分配金額は973ドルになりそうです。分配金額973ドルはYOC(購入額に対する利回り)9.73%です。

 

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は292ドルではなく、税引き後の210ドルになります。

もっとも増配率の低い過去5年のペースだと5年目の分配金額は298ドル、10年目の分配金額は474ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は335ドル、10年目の分配金額は635ドルになりそうです。分配金額635ドルはYOC(購入額に対する利回り)6.35%です。

 

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まとめ

【VYM】の銘柄入れ替えは地味でした。現状の組込銘柄で問題はないということかもしれません。

なお、次回の分配金は6月21日が権利落ち予定日なので、その前日までに購入すれば分配金がもらえます。