VYM、HDV、VIGの構成銘柄や増配率、分配金など比較する

バンガード米国増配株式ETF【VIG】とバンガード米国高配当株式ETF【VYM】が、2021年3月に銘柄入れ替えを行いました。その結果、この2つのETFの上位構成銘柄は、同じ銘柄がかなりありました。さらに、iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】は【VYM】と上位銘柄が似ていますね。そこで今回はこの3つのETFの組込銘柄を中心に、さまざまなデータの比較を行い、それぞれの特徴を浮き彫りにしていきます。

 

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基本情報を確認しよう

【VIG】は財務が健全で10年以上連続して増配の実績がある銘柄を、時価総額加重平均方式で組み入れています。

【VYM】は今後1年の予想分配金が市場平均を上回る銘柄を、時価総額加重平均で組み入れています。配当利回りの高い米国大型株が中心のETFです。

【HDV】は財務が健全かつ持続的に平均以上の配当を支払うことのできる75銘柄を抽出し、支払った配当額の総額をベースに銘柄を組み込みます。

※「利回り」は過去1年の分配金額から算出しました。

 

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3つのETFのセクター比率は?

下のグラフは【VIG】【VYM】【HDV】のセクター比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。

もっとも割合の多いセクターは【VIG】が情報技術、【VYM】が金融、【HDV】がエネルギーと異なります。ヘルスケア生活必需品はどのETFでも上位2~4番目に入っています。そして、一般消費財、通信サービス、素材はいずれも少ないですね。不動産は、ほぼゼロです。

3つのETFのセクターの合計割合は金融が49%、ヘルスケアが45%、生活必需品が43%、情報技術が41%で、この4つの割合が多いですね。

 

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組込上位銘柄はどんなものか?

【VIG】【VYM】【HDV】の組込上位30銘柄をそれぞれ抽出しました。3つのETFの組込比率を合計し、その比率の大きい順に並べました。

※組込比率と順位は【VIG】【VYM】は2021年3月末、【HDV】は4月14日のデータをもとにしています。

【VIG】と【VYM】はどちらもJPモルガンチェース【JPM】が1位で、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】が2位です。【HDV】には、この両銘柄は2位と3位に組み込まれています。

プロクター・アンド・ギャンブル【PG】は3つのETFいずれも10位以内です。3つのETFすべてで組込順位がひと桁なのは、以上3銘柄です。

他に3つのETFすべてに組み込まれていて比率が上位なのは、コカ・コーラ【KO】、メルク【MRK】、ブロードコム【AVGO】、テキサス・インスツルメンツ【TXN】、マクドナルド【MCD】、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ【BMY】などです。これらの銘柄は、利回りがそれなりに高く、財務が健全、連続増配銘柄という3つのETFの特徴を備えていると言えます。

ちなみに各ETFで上位30位までをピックアップしましたが、他ETFで30位以内の場合は31位以下でも順位もつけています。31位以下の数は【VIG】が1、【VYM】が17、【HDV】が0です。

このことからわかるのは、【VIG】と【HDV】は財務が健全や10年増配などの条件がつくため、銘柄が少し偏っており、独自の路線のETFということですね。それに対して【VYM】は市場全体よりも高利回りという緩い条件のため、様々な銘柄が組み込まれています。3つのETFのうち2つに組み込まれている場合は、必ず【VYM】に含まれています。

 

配当利回りの大きい順に並び替える

先ほどの表を配当利回りの高い順に並び替えました。ご想像の通り、利回りの高い銘柄は【HDV】に組み込まれており、利回りの低い銘柄は【VIG】に入る傾向にあります。そして【VYM】には満遍なく組み込まれていますね。

3つのETFすべてに組み込まれている銘柄は、配当利回りが2.1~3.1%にほぼ収まっています。

 

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組込銘柄は似ているのか?

ファンドオーバーラップを使って、3つのETFとの重複割合を調べてみましょう。【VYM】と残り2つのETFは重複割合が高いですね。【HDV】組込銘柄は98.7%も【VYM】に含まれています。意外だったのは【HDV】組込銘柄が44%も【VIG】に含まれていることですね。その逆の【VIG】組込銘柄が【HDV】に含まれている割合は13.4%と低くなっています。

 

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利回りはどう変化したか?

下のグラフは過去5年の利回りの推移です。利回りは直近1年の分配金額をもとに算出しました。3つのETFともに同じような動きをしています。

2021年4月16日時点での利回りは【HDV】が3.66%、【VYM】が2.90%、【VIG】が1.53%です。平均利回りは【HDV】が3.55%、【VYM】が3.09%、【VIG】が1.89%です。

 

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過去10年の分配金額と増配率を確認しよう

1年ごとの分配金を調べて、それをもとに増配率を作りました。下の表組は過去10年配当額と増配率です。「過去10年増配率」というのは、過去10年の期間における1年あたりの増配率を意味します。【HDV】は設定されたのが2011年3月なので、過去10年増配率は過去9年増配率で計算しています。背景が黄色の部分です。

年間増配率は年によってバラバラですが、過去数年にまとめると、5~10%にほとんどが収まります。いずれも安定して増配しているETFと言えそうです。

年間増配率をグラフにすると

先ほどの表の過去1、3、5、10年増配率をグラフにして比較します。【VIG】と【VYM】はどの期間でも高水準ですね。【HDV】は過去10年(実際は過去9年)以外の成績がやや劣ります。

 

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過去のトータルリターンを比較する

【VIG】、【VYM】、【HDV】のトータルリターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年4月から2021年3月までの10年を比べます。

2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年3月には【VIG】が3万2500ドル、【VYM】が3万1200ドル、【HDV】は2万6500ドル、【VIG】がやや優勢で、【HDV】が今ひとつです。

 

年次リターン

1年ごとのリターンを比較しました。【VIG】の安定さが光りますね。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。過去3年以上の期間は【VIG】が最も優れています。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

10年間の分配金の合計は【HDV】が6400ドル、【VYM】が5900ドル、【VIG】が3600ドルでした。高配当の【HDV】と【VYM】のインカムが多いのは当然ですね。

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過去5年増配率を使って今後の分配金を予想する

過去5年増配率を使って将来の分配金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【VIG】【VYM】【HDV】を2021年4月16日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

過去5年増配率は【VIG】が5.7%、【VYM】が6.8%、【HDV】が4.5%でした。現在の利回りは【VIG】が1.53%、【VYM】が2.90%、【HDV】が3.67%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。

【VIG】の5年目の分配金額は190ドル、10年目の分配金額は251ドル。【VYM】の5年目の分配金額は378ドル、10年目の分配金額は525ドル。【HDV】の5年目の分配金額は437ドル、10年目の分配金額は544ドルでした。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を年1回再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と5年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

【VIG】の5年目の分配金額は202ドル、10年目の分配金額は292ドル。【VYM】の5年目の分配金額は424ドル、10年目の分配金額は716ドル。【HDV】の5年目の分配金額は506ドル、10年目の分配金額は789ドルでした。

 

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。

【VIG】の5年目の分配金額は143ドル、10年目の分配金額は201ドル。【VYM】の5年目の分配金額は296ドル、10年目の分配金額は473ドル。【HDV】の5年目の分配金額は350ドル、10年目の分配金額は513ドルでした。

 

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過去3年増配率を使い分配金を再投資する場合(税引き後)はどうか

過去5年増配率だけだとデータが少ないので、過去3年増配率を使って将来の分配金とYOCを予想します。過去3年増配率は【VIG】が7.3%、【VYM】が7.1%、【HDV】が5.3%でした。

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。

【VIG】の5年目の分配金額は152ドル、10年目の分配金額は232ドル。【VYM】の5年目の分配金額は299ドル、10年目の分配金額は487ドル。【HDV】の5年目の分配金額は362ドル、10年目の分配金額は556ドルでした。

結果は過去5年増配率の時とあまり変わらないです。【HDV】は増配率は低いですが、現在の利回りが高く、株価があまり上がっていないために再投資する額が減らず、もらえる分配金も多いですね。

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まとめ

いかがでしたか? 【VIG】【VYM】【HDV】いずれのETFも特徴がありますね。上位組込銘柄はなかなか似ていました。セクターの割合もそれなりに共通しています。

利回りの低い【VIG】はトータルリターンが良かったですね。【HDV】は利回りが高いですが、リターンは少し劣っています。ただし、インカムはたくさんもらえそうです。【VYM】は安定しています。値上がり益と分配金、どちらも将来楽しみです。増配率はどのETFも高水準だったので、安心して保有できそうです。

 

 

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