あまり知られていない高配当系ETF【QDIV】(グローバルX 高配当・優良・米国株 ETF)に迫る!?

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グローバルX社のETFは風変わりな商品が多く、個人投資家から注目されています。今回は、知る人ぞ知るグローバルX 高配当・優良・米国株 ETF【QDIV】の内容を明らかにしていきます。

 

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基本情報を確認しよう

【QDIV】はS&P500の構成銘柄を、質(ROE、財務健全など)と配当利回りからスコア化して、その上位50~200銘柄を組み込みます。ベンチマークはS&P 500®・クオリ ティ・ハイ・ディビィ デンド・インデックス。半年ごとにリバランスと銘柄の組み換えが行われます。

下の表は【QDIV】とメジャーETFの比較です。【QDIV】は運用総額が約8億円しかありません。

配当利回りは過去1年の分配金の合計から算出しました。【QDIV】の2021年3月8日終値は29.01ドル、過去1年の配当金額は0.788ドルなので、現在の利回りは2.72%です。仮に直近の分配金と同じ額が継続すると考えると1年間で0.804ドルなので、利回りは2.77%です。

 

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【QDIV】のセクター比率は?

【QDIV】のセクター比率です。金融、不動産、生活必需品の順に多く、この3セクターで50%を超えています。

 

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【QDIV】の上位組込銘柄は?

【QDIV】の組込上位10銘柄です。金融が多いですね。2位のザイオンズ・バンコープ【ZION】と6位のジョンソン・コントロールズ【JCI】以外は、【SPYD】に組み込まれているか、つい最近まで組み込まれていた銘柄ですね。

 

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【QDIV】の最近の分配金(配当金)は?

2019年以降の【ALTY】の分配金(配当金)です。2020年の前半は分配金が何度も減っています。

※背景がになっているのが減配です

【QDIV】の年間分配金(配当額)と年間増配率は?

【QDIV】の分配金(配当金)を1年ごとにまとめてグラフ化しました。設定されたのが2018年7月で、分配金を支払い始めたのが2018年8月からです。コロナ・ショックのあった2020年は、年間を通しては前年の2019年を上回りました。

【QDIV】の期別分配金(配当金)は?

分配金を月別に重ねて棒グラフにしました。12月は2回配当落ちがあり、1月はありません。コロナ・ショックの影響で、2020年3月から徐々に減っていきました。今月(2021年3月)は先月の0.064ドルから0.067ドルに上昇しました。

 

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2020年以降の分配金利回りは?

2020年以降の【QDIV】の株価と分配金利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年1月当初の分配金利回りは2.9%前後でしたが、2月半ば以降は株価が急落したため、3月23日には利回りが約5%まで上昇しました。その後株価はコロナ・ショック前を上回り、2021年3月5日の利回りは2.76%です。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

メジャーな高配当ETF【VYM】【HDV】【SPYD】とトータルリターンを比較します。もっとも後発の【QDIV】が設定されたのが2018年7月なので、2018年8月から2021年2月までの2年7カ月を比べます。

2018年8月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年2月には【VYM】が1万1900ドル、【QDIV】が1万1700ドル、【HDV】が1万1100ドル、【SPYD】が1万1000ドルになっていました。期間は短いですが【QDIV】はまずまずの成績ですね。

 

過去3カ月、1年、2年7カ月の年平均トータルリターンは以下の通りです。【QDIV】の過去1年リターンは素晴らしいですね。コロナ・ショック後の回復力があるといえそうです。

過去の分配金はどのくらいか?

2018年8月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

【QDIV】のインカムはそれほど多くないですね。分配金(配当金)よりも値上がり益を狙うタイプです。どっちつかずという面もありますが。

 

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【QDIV】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(0.788ドル)と1年前の同時期の過去1年分配金額(0.7901)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの分配金利回りのことです。【QDIV】株を2021年3月8日の終値29.01ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。【QDIV】は設定して間もないため、過去のデータがあまりありません。そこで、今の分配金額と同じ額が続いた場合のケースでも比較しました。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

増配率は過去1年がマイナス0.3%でした。現在の分配金利回りは2.72%です。

分配金を再投資しない場合

まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが2.72%なので、年間分配額は272ドルです。

過去1年のペースだと5年目の分配金額は269ドル、10年目の分配金額は265ドルになります。現在と同じ分配金が続くなら5年目の分配金額は272ドル、10年目の分配金額は272ドルになりそうです。分配金額272ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.72%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と1年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

過去1年のペースだと5年目の分配金額は297ドル、10年目の分配金額は300ドルになります。現在と同じ分配金が続くなら5年目分配金額は301ドル、10年目の分配金額は339ドルになりそうです。分配金額339ドルはYOC(購入額に対する利回り)3.39%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。起点となる年は272ドルではなく、税引き後の196ドルからのスタートになります。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は208ドル、10年目の分配金額は224ドルになります。現在と同じ分配金が続くなら5年目の分配金額は210ドル、10年目の分配金額は230ドルになりそうです。分配金額230ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.30%です。

 

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まとめ

【QDIV】は設定して間もないですが、トータルリターンでは【VYM】とほぼ同じで、【HDV】や【SPYD】をわずかに上回っています。ただ分配金(配当金)の額があまり多くないので、インカム狙いとしては難しいです。

2018年7月が設定なので、あまり時間が経っていないですが、売れ行きが芳しくないのが気になります。下はグローバルX社のインカム系ETF(海外)です。「運用資産残高」が7,234,997ドルしかありません。日本円にすると約8億円ぐらいです。ETFはどんなに少なくても100億円ぐらい、できれば1000億円は売れていないと、手を出しづらいですね。