米国リートETF、IYR、RWR、XLRE、SRETをSPYDを交えて徹底比較

米国のREITの個別銘柄は、日本の証券会社では購入することはできません。ただし、REITをまとめたETFなら購入可能です。

REITは税制面での優遇措置があり、分配金を多く支払う傾向にあるため、インカム投資家から根強い人気があります。

今回は日本の証券会社で購入することが可能な米国のREIT・ETFを比較します。

対象は4つ。iシェアーズ 米国不動産 ETF【IYR】、SPDR ダウ ジョーンズREIT ETF 【RWR】、不動産セレクト・セクター SPDR 【XLRE】、グローバルX スーパーディビィデンド-世界リート ETF【SRET】です。

 

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基本情報を確認しよう

4つのリートETFの基本情報です。「利回り」は過去1年の配当額から算出しました。

【IYR】は運用総額が6650億と圧倒的に大きいです。ただし経費率が0.42%と高いですね。利回りは2.09%で最も低いです。

【RWR】は経費率は0.25%とまずまず。利回りが3.37%となかなか高いです。モーゲージを含みません。

【XLRE】経費率が最も低く0.12%。対象がS&P500と狭く、組込銘柄数も29と少ないです。設定されたのは2015年と比較的遅いですが、運用総額は2870億となかなか人気です。こちらもモーゲージは含みません。

【SRET】は少し毛色が異なり、米国を含む世界が対象です。グローバルX社の超高配当ETFですが、コロナ・ショック後に分配金がかなり減りました。組込銘柄数は30と少ないです。毎月分配型です。

 

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業種の比率はどうか?

4つのETFの業種を円グラフにしました。【IYR】と【XLRE】は似ています。【SRET】は住宅がなく、モーゲージが多いですね。【RWR】は伝統的な不動産施設ばかりです。「特殊用途」の中身はインフラ、データセンター、森林などです。

 

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組込上位銘柄はどんなものか?

4つのETFの組込上位銘柄はどのようなものでしょうか? 下の表は4つのETFの組込上位10位銘柄をそれぞれ抽出しました。

さらに、高配当ETFの中でも不動産セクターの多い【SPYD】も追加して、5つのETFの組込比率を合計し、その比率の大きい順に並べました。なお、【SPYD】は上位10銘柄ではなく、組み込まれている不動産セクターの14銘柄すべてを取り上げました。ちなみに【SPYD】内の不動産セクターの割合は18%ほどです。

【SRET】の対象は上位組込10銘柄の中の米国銘柄7つで、他国の3つは除外しました。

※組込比率は5月10日のデータをもとにしています。

【IYR】と【XLRE】の並び順はほとんど同じです。

【RWR】は上記2つと比べると、歯抜け状態になっています。【RWR】はこれぞREIT!という建物のみが対象で、インフラやデータセンター、森林、モーゲージ、不動産サービスといった近年誕生したジャンルは含んでいません。

ちなみに上の表の背景が黄色の「特殊用途」の内訳は、【AMT】【CCI】【SBAC】がインフラ、【EQIX】【IRM】はデータセンター、【WY】は森林です。

 

【ソート機能あり】リートETF4つと【SPYD】の個別銘柄組込比率一覧のエクセルファイルのダウンロードはこちら

 

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REIT・ETFとSPYDの重複比率はどうか?

ファンドオーバーラップを使って、REIT・ETF同士の重複割合を調べました。【SPYD】とも比較しました。比率が高いほど濃いオレンジ色になり、比率が低いと薄くなります。

【IYR】と【XLRE】は先ほどの個別銘柄の組込順位でかなり似ていただけに、重複比率は68%と高いですね。

【RWR】はこの2ETFに対しては60%前後とやや重複率が下がります。

【SRET】は世界の高配当REIT30社の集合体なので毛色が異なります。ほとんど重なっておらず、いずれも10%以下です。

【SPYD】は【IYR】【RWR】【XLRE】との重複比率は15%ほど。SPYD内の不動産セクターが占める割合が18%ほどなので、【SPYD】に組み込まれている不動産銘柄は、ほとんどがこの3ETFに組み込まれていることになります。

 

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REIT・ETFとSPYDの利回りは?

4つのリートETF【IYR】【RWR】【XLRE】【SRET】と【SPYD】の利回りはどう変化したでしょうか? 過去1年分配金をもとに利回りを算出し、過去5年間で比較しました。

【SRET】が圧倒的に利回りが高いですね。

上のグラフではわかりづらいので、【SRET】を除いて比較したのが、下のグラフです。現在【IYR】はコロナ・ショック後の分配金が冴えず、利回りは2.1%ほどとかなり低いですが、過去は3%台だったことが長く、【RWR】や【XLRE】と変わらない時期も結構ありました。なので将来的には3%台になる可能性もありそうです。

 

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過去10年の分配金額と増配率を確認しよう

1年ごとの分配金を調べて、それをもとに増配率を作りました。直近の2021年3月の分配金を基準にして、そこから1年間を遡ったのが過去1年分配金です。「過去5年増配率」というのは、過去5年の期間における1年あたりの増配率を意味します。

※【SRET】だけは毎月分配型なので、2021年5月の分配金を基準として、1年前や2年前の分配金額を使用しています

コロナ・ショックでREITは減配した銘柄が目立ち、その後、外出制限が長く続いたため回復は遅れています。過去の分配金との比較ではマイナスが多いですね。過去1年では【SRET】が42%減、【IYR】が27%減と苦戦しています。

【XLRE】は2020年12月、2021年3月と分配金が好調だったため、過去との比較ではプラスです。【SPYD】も同様です。

1年ごとの増配率を比較する

先ほどの表の上のほうの1年ごと増配率の変化を確認しましょう。【XLRE】と【SPYD】が安定しています。【RWR】はいい年と悪い年に分かれています。【IYR】は右肩下がりです。

過去1~5年の年間増配率を比較する

今度は1~5年の期間ごとに、増配率を比較します。【SRET】と【IYR】が苦戦していますね。

 

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過去のトータルリターンを比較する

PORTFOLIO VISUALIZERを使って、【IYR】【RWR】【XLRE】【SRET】の2016年5月から2021年4月までの5年間のトータルリターンを比べます。

2016年5月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年4月には【XLRE】が1万6200ドル、【IYR】が1万5300ドル、【RWR】が1万3200ドル、【SRET】が1万800ドルになっていました。

トータルリターンを表にする

過去のトータルリターンを表にして比較しましょう。下の表は過去3カ月、1年、3年、5年、10年の年平均トータルリターン比較です。リターンが高いほど濃いオレンジ色になり、リターンが低いと薄くなります。【SPYD】も追加しました。

どの銘柄も過去1年リターンは素晴らしいですね。過去3年と5年では【XLRE】の成績がいいですね。【IYR】は分配金は減少傾向でしたが、リターンは悪くないですね。【RWR】を上回っています。

トータルリターンをグラフにすると?

上野の表を棒グラフにしました。【XLRE】が最も安定しているといえます。

年次リターン

1年ごとでリターンを比較しました。【SRET】は2020年のコロナ・ショックで大減配になったので、株価もかなり下がりました。

 

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コロナショック後の株価の回復は?

2020年2月以降の株価について比較しました。コロナ・ショックからどのくらい回復したかを調べました。Yahooファイナンスのデータです。【SRET】以外はほぼコロナ・ショック前まで戻ってきました。【RWR】も少し戻りが遅いですね。

 

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過去5年の分配金はどのくらいか?

過去5年間の分配金額の推移はどうだったでしょうか。2016年5月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERを使って調べました。

5年間の分配金の合計は【SRET】が4600ドル、【SPYD】が2900ドル、【XLRE】が2000ドル、【IYR】【RWR】が1900ドルでした。流石に超高配当の【SRET】が圧倒的です。ただし、2020年に大減配したため、2021年の分配金は現時点で【SPYD】に抜かれています。

 

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過去3年増配率を使って今後の分配金を予想する

過去3年増配率を使って将来の分配金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。それぞれのETFを2021年5月11日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

過去3年増配率は【IYR】がマイナス10.7%、【RWR】が7.4%、【XLRE】が8.1%、【SRET】がマイナス19.7%、【SPYD】が2.0%でした。現在の利回りは【IYR】が2.1%、【RWR】が3.4%、【XLRE】が3.1%、【SRET】が6.6%、【SPYD】が4.5%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。

もっとも成績が良かった【RWR】の5年目の分配金額は448ドル、10年目の分配金額は639ドル。次点は【XLRE】で5年目の分配金額は427ドル、10年目の分配金額は629ドル。3番目が【SPYD】で5年目の分配金額は491ドル、10年目の分配金額は540ドルでした。

 

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を年1回再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と3年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも成績が良かった【RWR】の5年目の分配金額は516ドル、10年目の分配金額は939ドル。次点は【XLRE】で5年目の分配金額は483ドル、10年目の分配金額は887ドル。3番目が【SPYD】で5年目の分配金額は585ドル、10年目の分配金額は818ドルでした。

 

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。

もっとも成績が良かった【RWR】の5年目の分配金額は357ドル、10年目の分配金額は608ドル。次点は【XLRE】で5年目の分配金額は336ドル、10年目の分配金額は581ドル。3番目が【SPYD】で5年目の分配金額は401ドル、10年目の分配金額は525ドルでした。

 

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まとめ

4つのREIT・ETFと【SPYD】について調べました。これまでのデータを「A」~「D」にしてまとめました。「A」が最高で、「B」はまあまあ、「C」は普通、「D」はイマイチです。

REIT・ETFの中では【XLRE】が安定していました。コロナ・ショックでの分配金の減少がわずかで、回復も早かったです。対象がS&P500の大型銘柄なので、強さを見せたといえます。

【RWR】は伝統的なREITのみなので、なかなか堅実です。【XLRE】と【RWR】がコロナ・ショックでの分配金ダメージが軽微だったのは、モーゲージを含まないこととも関係がありそうです。

【IYR】は分配金の回復がまだのようです。ただし、株価は戻ってきました。コロナが収束するのを見越して、買いが入っているようにも思えます。

【SRET】はコロナ・ショックで分配金が半減して、まだ底を打ったとは言えません。ただし、株価は緩やかに上がり始めているので、そろそろ分配金も上昇に転じるかもしれません。

【SPYD】はREITのETFではありませんが、高配当でREITを多く含んでいるので、比較対象にしました。REITのETFと比較すると、現時点では優秀ですね。

【SRET】と【IYR】の評価が低いのは、分配金が戻ってきていないからです。今後、分配金が増えると仮定するなら、今が買い時という考え方もできます。高配当ETFは低迷しているときに買うのがセオリーともいえますので。

いずれにせよ、6月の分配金がどうなるか、注視したいですね。【SRET】は毎月分配型です。

 

 

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