BDC銘柄のブルー・アウル・キャピタル【OBDC】が2023年8月9に通常配当と追加配当(特別配当)を発表しました。
9月の通常配当は0.33ドルで変化なし。2023年9月28日が権利落ちで、10月13日に支払われます。
特別配当(追加配当)は0.07ドルです。権利落ちは8月30日で、支払いは9月15日です。
【OBDC】の2023年8月11日の終値は13.84ドル、年間配当は1.32ドルで、利回りは9.54%です。
※このページでの利回りは直近の配当が1年続いたものと仮定して計算します。なお、特別配当(追加配当)は含めません
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社名とティッカーコードの変更について
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】は、2023年7月に社名変更されました。以前はアウル・ロック・キャピタル【ORCC】でした。ティッカー・コードも変更となりました。
社名変更は、Blue Owlブランドを1つにするという広範な取り組みの一環です。
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の過去の配当、年間増配率
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】は、年4回の配当を支払っており、通常配当は0.33ドルです。次回の権利落ちは9月28日です。背景が黄色の部分は特別配当(追加配当)です。
今回決定した特別配当の権利落ちは8月30日で、支払いは9月15日です。通常配当とはスケジュールが異なります。
※「過去1年配当」は通常配当のみで計算しています
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の配当は?
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。配当を支払い始めて以降、通常配当は0.31ドルが続いていました。2022年12月に0.33ドルに増えました。
2021年以降は特別配当(追加配当)がなかったですが、2022年終盤から出しています。
※増配率は直近の配当と○年前の同期の配当を比較して計算しました。通常配当のみの比較です
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の年間配当額と特別配当は?
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。配当を支払い始めて間もないので、あまり傾向は出ていないです。通常配当は横ばいですね。2023年は4回中3回通常配当が決定しており、あと1回あります。
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の株価と配当の関係は?
下のグラフは株価と配当の比較です。株価は2022年を除いて年末のものです。株価は横ばいか、やや下落しています。
最近のブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の株価と配当利回りは?
2020年1月以降のブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。
2020年の年初の配当利回りは約7.0%でしたが、2月半ば以降は急降下したため、3月後半に約15.0%まで上がりました。現在、株価はコロナ・ショック前あたりまで戻っておらず、現在の配当利回りは9.54%です。
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去にブルー・アウル・キャピタル【OBDC】を買った場合、購入価格に対する現在の利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 設定来からの株価、配当利回り、YOCを見ていきます。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。
下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入価格に対する利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。
2023年8月11日の終値は13.84ドル、年間の予想配当金額は1.32ドルなので、現在の配当利回りは9.54%です。過去の平均配当利回りは約9.3%です。通常配当と株価はあまり変化がないので、どのタイミングで購入しても、YOCはあまり変わりません。
BDCとは?
BDCとは「Business Development Company」の略で、銀行から融資を受けられない新興企業や中小企業の事業開発に金融面を中心にサポートする投資会社です。クローズド・エンド型のファンドであり、ニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所などに上場しています。
新興企業は不安定ですが、成長すると莫大な利益をもたらす可能性があります。創業時のグーグルやアップルなどもBDCから支援を受けていました。
BDCに対する規制は?
BDCは利益の90%以上を配当に充てることで、法人税の免除を受けています。そのため高配当を実現できるので、インカム投資家に人気です。REITと似ていますね。
また、資産の70%を法律で定められた適格投資対象にすること、1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えることなどが定められています。
貸し出しのアセットクラスは?
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】の投資先企業の収益(加重平均)は8億5200万ドルで、おもに米国の中堅企業を対象に、債券および株式投資の組成、実行、管理を行います。
投資対象は第一抵当権のシニアローンが69%を占めており、なかなか安全です。投資先は187社なので、かなり分散されています。
投資先のセクターは?
投資先のセクターはかなり細分化されています。情報技術(IT)、ヘルスケア、金融・不動産が多いですね。
業績と予想
業績はどうでしょうか? 下のグラフはSeekingAlphaのデータです。収益は順調に伸びています。
「TTM」はTrailing Twelve Monthsの略で、直近12か月。2023年の第2四半期終了時点。つまり半分が経過したところですね。
EPSも直近は好調です。
BDCにはどんな銘柄があるのか?
下の表はBDC銘柄の中から規模の大きいものを選びました。
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】は上場が2019年と比較的新しいですが、規模は大きいです。中堅企業の融資に特化した専門金融会社です。
DEレシオは自己資本に対する負債額を示すもので、財務の健全性を測る指標です。BDCの場合は、自己資本の2倍まで借り入れることが可能です。つまり2倍までならレバレッジをかけて商売できるという意味です。ここに挙げた大手BDCは、1倍前後なので、健全といえます。
NAV倍率は株価(Price)を純資産価値(Net Asset Value, NAV)で割った比率です。資本に対して株価が割高か割安かを示す値です。この数値が高いと、株価が過大評価されている可能性があります。ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】は1倍をわずかに切っており、まあまあ安いです。
配当利回り(過去1年)は過去1年の配当から算出したものです。
配当利回り(直近)は直近の配当が今度1年続いたものとして算出しました。どちらも特別配当(追加配当)は含んでいません
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SBI証券や楽天証券など日本の主要証券会社ではBDC銘柄の取り扱いをやめてしまいました。「IG証券」などの海外証券会社なら購入可能です。
株価やリターンなどを比較する
ここからはPORTFOLIO VISUALIZERを使って、【OBDC】とBDC銘柄の【ARCC】【MAIN】【HTGC】のデータを比較します。【OBDC】が設定されたのが2019年7月なので、2019年8月から2023年7月までの4年間を比べます。
株価推移を比較する
まずは4年間の株価推移を比べます。
2019年8月に1万ドル投資した場合、2023年7月末の株価は【HTGC】が1万2900ドル、【ARCC】が1万500ドル、【MAIN】が9800ドル、【OBDC】が8900ドルになっていました。【OBDC】は苦戦しています。
トータルリターンを比較
配当を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。
2019年8月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2023年7月末には【HTGC】が2万300ドル、【ARCC】が1万5400ドル、【OBDC】は1万3500ドル、【MAIN】は1万3200ドルになっていました。
過去のトータルリターンを比較
過去1、2、3、4年のトータルリターンをグラフにしました。1年あたりのリターンのことで、幾何平均で求めます。CAGR(Compound Annual Growth Rate/年平均成長率)です。
この中いずれの期間も【HTGC】が優秀ですね。【OBDC】は1年はトップ、2年は2番手、3年は4番手、4年は3番手です。最近の成績は良いですね。
安定度などを比べよう
ETFの安定度などを比べます。
ETFの安定度などを比べてみましょう。「ボラティリティ」は株価の変動性です。「最大下落率」はマイナスの数値が小さいほど安定しています。どちらの値も0に近いほど安定していると言えます。
ボラティリティ、最大下落率ともに【OBDC】の成績がいいですね。BDCの中では安定度が高いと言えそうです。
シャープレシオは?
続いて、シャープレシオとソルティノレシオをチェックしましょう。シャープレシオは同じリスクを取った場合のリターンで、投資効率の良さを数値化したものです。ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際のデータで、下落局面での強さを示しています。
シャープレシオやソルティノレシオは【HTGC】が素晴らしく、【OBDC】は3番手ですね。
過去の分配金はどのくらいか?
4年前の2019年8月に1万ドル投資して配当を再投資した場合の年間でもらえる配当金の推移です。税金は考慮しません。
4年間の配当の合計は【HTGC】が6300ドル、【ARCC】が4400ドル、【OBDC】が4200ドル、【MAIN】が2900ドルでした。
BDC銘柄の配当再投資額は着実に金額に増えています。【HTGC】はとくに素晴らしいです。
過去1、2、3年増配率を使った将来YOC予想
最後に、いま【OBDC】を購入したら、将来の利回り(YOC)がどのくらいになるのかをシミュレーションします。現在の配当利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。
増配率は1、2、3年の4パターンを使います。「再投資しない。税引き前」という設定にします。
2023年8月11日の配当利回りは9.54%です。過去1年配当から出した利回りも9.54%です。
増配率は1年が6.4%、2年が3.2%、3年が2.1%です。
1年増配率(6.4%)で推移した場合は、10年目のYOCは16.7%、20年目のYOCは31.3%になります。
2年増配率(3.2%)で推移した場合は、10年目のYOCは12.6%、20年目のYOCは17.3%になります。
3年増配率(2.1%)で推移した場合は、10年目のYOCは11.5%、20年目のYOCは14.2%になります。
まとめ
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】は、4期続けて特別配当を決めました。
BDC銘柄の中では、ボラティリティや最大下落率が低く、安定しています。
2023年第2四半期の純投資利益(NII)は、1株当たり0.48ドルに増加し、2四半期連続で過去最高を更新しました。そのため、1株当たり0.07ドルの特別配当(追加配当)となったようです。
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