2022年1月を最後に、日本の証券会社で購入できなくなったARCC、MAIN、HTGCなどのBDC銘柄についてまとめました。
後半は、ウィブル証券のサイトで使用できる豊富なデータの紹介などをお伝えします。
※2023年11月現在ウィブル証券はBDC商品の取り扱いを停止しております
※ウィブル証券は取引手数料を0.25ドルから0.20ドルに変更。上限手数料を設定しました。(2023/10/17)
前半は主要BDC銘柄の最新配当情報
後半は、WeBull証券について、大手ネット証券と比較
主なBDC銘柄の直近配当情報
主なBDC銘柄の直近配当情報です。2024年10月から12月です。
主なBDC銘柄のデータを比較
それでは、主なBDC銘柄について見ていきましょう。
BDCとは「Business Development Company」の略で、銀行から融資を受けられない新興企業や中小企業の事業開発に金融面を中心にサポートする投資会社です。クローズド・エンド型のファンドで、配当利回りが10%前後と高い傾向にあります。
こちらは「BDC investor.com」というサイトのものです。BDCに関する様々なデータがあり、スクリーニングの結果が掲載されています。
左が「Net Assets」(純資産総額)で、右が「Market Cap」(時価総額)の大きい順のデータです。この中の上位銘柄から、赤い◎8銘柄を見ていきましょう。
さらに赤い○8銘柄も追加しました。(2023年9月23日)
一般的な投資会社やPEファンドがBDCを設立するケースが多いです。資本を調達し、それを事業や企業への投資に回すため、ノウハウなどを保有しているからです。
ちなみにメイン・ストリート・キャピタル【MAIN】やハーキュリーズ・キャピタル【HTGC】は自己運用です。
こちらが、その一覧です。赤字が優れているデータ、オレンジ色が次点です。
【PSEC】【ARCC】【HTGC】が古株です。上場したのは2004~2005年ですね。
「NAV倍率」は、株価を純資産価格で割った比率です。資本に対して株価が割高か割安かを示す値です。この数値が高いと、将来の成長や収益に対して楽観的な期待を持っていますが、株価が過大評価されているという可能性もあります。
【MAIN】や【HTGC】はNAV倍率が高く人気銘柄ですね。過熱しすぎという考え方もできます。
「DEレシオ」は自己資本に対する負債額を示すもので、財務の健全性を測る指標です。BDCの場合は、自己資本の2倍まで借り入れることが可能です。つまり2倍までならレバレッジをかけて商売できるという意味です。この数値が高い場合、財務の安定度には欠けますが、収益を上げるチャンスを追求するためにリスクを取っているとも言えます。この数値が低い場合は、財務の安定性は高まりますが、大きな事業拡大の機会を逃す可能性もあります。
【NMFC】のDEレシオが1.40倍というのは少し高い気もしますね。
配当の支払いは【MAIN】と【PSEC】が毎月。残りは四半期タイプです。
配当利回りは【PSEC】と【BXSL】が11%と少し高いですね。
8つのBDC銘柄の配当状況を確認
ここからは、8つのBDC銘柄の配当状況について見ていきます。
※さらに8つを追加して、計16銘柄です(2023年9月23日)
エイリス・キャピタル【ARCC】
まずはBDC最大規模を誇るエイリス・キャピタル【ARCC】です。配当は四半期タイプです。
BDC銘柄は利益が出た場合、通常配当を増配するよりも、特別配当を出すことが多いです。特別配当は棒グラフの上の方にモノトーンカラーでまとめておきます。カラフルな部分が通常配当です。
基本的には通常配当が増配、もしくは横ばいをキープしているかをチェックしましょう。
なお、「配当利回り」は直近の配当を1年換算して計算しました。特別配当は含みません。「増配率」は過去1年配当と、同時期の過去1年配当を比較して計算しました。こちらも特別配当は含みません。
【ARCC】は2013~2018年は0.38ドルの期間が続きましたが、2021年後半から2022年は頻繁に増配しています。2022年12月以降は0.48ドルです。
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】
ブルー・アウル・キャピタル【OBDC】は、2019年7月に上場したばかりの新しい企業です。配当は四半期タイプです。BDCとしての規模は上から3番目。歴史が浅いことを考えると、急成長ですね。
2023年7月に社名変更されました。以前はアウル・ロック・キャピタル【ORCC】でした。現在はティッカー・コードも変更となりました。
通常配当は、2024年3月に0.37ドルに増配。特別配当は2022年12月以降、9回連続で出ています。
ブラックストーン・セキュアド・レンディング・ファンド【BXSL】
ブラックストーン・セキュアド・レンディング・ファンド【BXSL】は2018年に設定されたBDC銘柄。世界最大規模のプライベート・エクイティ・ファンドのブラックストーン・グループに関連しています。BDCとしての規模は4番目ぐらい。こちらも急成長銘柄です。
2021年当初の配当は0.53ドルでしたが、2024年9月の配当は0.77ドルまで増えました。2022年は特別配当を多く出していました。
メイン・ストリート・キャピタル【MAIN】
メイン・ストリート・キャピタル【MAIN】は、毎月配当が支払われます。すでに2024年12月まで配当が決まっています。
配当利回りは5~7%でBDC銘柄の中では低い方です。ただし、増配と株価上昇が狙えます。
通常配当は、2025年1月以降は0.25ドルに増えました。2024年は12月は0.3ドルの特別配当もあります。
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】
ハーキュリーズ・ キャピタル【HTGC】はベンチャー融資に特化したBDC銘柄。8番目に大きいBDC銘柄です。
ライフサイエンス、テクノロジー、再生可能技術産業などが主な投資先です。配当は四半期タイプで、権利落ちが3、5、8、11月と少し特殊です。
2022年は8月と11月に増配、2023年は3月と8月に増配。特別配当を頻繁に出しており、2020年11月以降、17回連続で出ています。なかなか好調です。
シックス・ストリート・スペシャルティ・レンディング【TSLX】
シックス・ストリート・スペシャルティ・レンディング【TSLX】は中堅企業向けの融資に特化したBDC銘柄。BDCとしての規模は9番目です。
配当は四半期タイプで、特別配当を不定期に頻繁に出しております。2023年以降は毎回出しています。通常配当は、現在は0.46ドルです。
プロスペクト・キャピタル【PSEC】
プロスペクト・キャピタル【PSEC】は、毎月配当が出ます。上場は2004年なので、BDC銘柄としては古株で、6番目に大きいです。
配当は2018年以降は0.06ドルが続いていましたが、2024年11月に0.045ドルに減配となりました。特別配当や追加配当などはないです。
ニュー・マウンテン・ファイナンス【NMFC】
ニュー・マウンテン・ファイナンス【NMFC】の配当は安定しています。特別配当や追加配当はあまりないですね。
2020年以降は0.3ドルでしたが、2022年12月に0.32ドルに増配となりました。2024年12月は特別配当0.01ドルがあります。
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その他のBDC銘柄もチェックしよう
上記8つ以外のBDC銘柄もチェックしましょう。
FS KKRキャピタル【FSK】
FS KKRキャピタル【FSK】はBDC銘柄としては、【ARCC】に次ぐ2番目の規模。「KKR」はコールバーグ・クラビス・ロバーツの略で、世界3大プライベート・エクイティファンドのひとつで、かなりの古株です。
通常配当は増えたり減ったりしますが、やや減少気味。2023年は特別配当を6回も出しており、なかなか好調です。
直近2024年12月の配当は0.64ドル、追加配当0.06ドルも同日にあります。
ゴルブ・キャピタル【GBDC】
ゴルブ・キャピタル【GBDC】はBDC銘柄としては、上から7番目ぐらいの規模。
配当は0.32ドルの期間が長く、2020年に0.29ドルに減配。直近の2024年12月は0.39ドルで、特別配当も0.05ドルが11月末にあります。
ゴールドマン・サックスBDC【GSBD】
ゴールドマン・サックスBDC【GSBD】はBDC銘柄としては、上から10番目の規模。世界中で金融サービスを提供するゴールドマン・サックス・グループと関連性を持つBDC。
基本配当は0.45ドルで変化なし。2021年に3回、特別配当が出ました。
オークツリー・スペシャルティ・レンディング【OCSL】
オークツリー・スペシャルティ・レンディング【OCSL】は2007年に設立されたBDC。一般的にファンダメンタルズが強固で弾力性のあるビジネスモデルを持つ企業に投資しています。
2017~2020年に低迷しましたが、2021年以降は徐々に盛り返しています。2024年12月の配当は0.55ドル。
キャピタル・サウスウェスト【CSWC】
キュピタル・サウスウェスト【CSWC】はBDC銘柄としては、上から15番目の規模。1988年にBDCになった古株です。2014年にCSWインダストリアルズ【CSWI】をスピンオフ。
メイン・ストリート・キャピタル【MAIN】と、I-45 シニア・ローン・ファンドを共同管理しています。
通常配当は順調に増えています。直近2024年12月の配当は0.58ドルで、特別配当は0.05ドルです。
ベイン・キャピタル・スペシャルティ・ファイナンス【BCSF】
ベイン・キャピタル・スペシャルティ・ファイナンス【BCSF】はBDC銘柄としては、上から13番目の規模。ミドルマーケット投資に特化しています。
ベイン・キャピタルは東京にもオフィスを構えており、キオクシアやニチイ学館、アサツー ディ・ケイなどに投資しています。
配当は2022年終盤から増えており、直近2024年12月は通常配当0.42ドル。特別配当0.03ドルです。2024年は特別配当が毎回出ました。
カーライル・セキュアド・レンディング【CGBD】
カーライル・セキュアド・レンディング【CGBD】はBDC銘柄としては、上から18番目ぐらいの規模。カーライルは、世界でも有名なプライベート・エクイティファンドです。
通常配当は2020年から2022年にかけてやや低迷しましたが、直近2024年12月は0.40ドルです。
特別配当は2020年の9月以降、18回連続で出ています。直近2024年12月は0.05ドルです。
ブラックロックTCPキャピタル【TCPC】
ブラックロックTCPキャピタル【TCPC】は、世界最大規模の資産運用会社であるブラックロック社と関連があります。BDC銘柄としての規模は、上から19番目ぐらいの規模。
通常配当は2020年から2022年にかけてやや低迷しましたが、2023年以降は、盛り返しています。直近2024年12月の配当は0.34ドル、特別配当0.1ドルもあります。
ウィブル証券(Webull)とは?
ウィブル証券はどんな証券会社でしょうか。以下のような特徴があります。
・全世界で3500万人のユーザーを誇る
・日本では2023年4月よりサービスが開始
・スマホでアプリを使用して取引をする
・7000銘柄以上の米国株、ETF、日本株に投資可能
・BDC銘柄を特定口座で購入可能!(2023年8月時点)
⇒ARCC、MAIN、OBDC、HTGC、PSEC、BXSLなど
・NISA口座は非対応(2023年8月時点)
実際に購入してみた
実際にBDC銘柄のARCCを購入してみました。左が購入画面です。「特定」と書かれているところに、赤い線を引いておきます。口座開設時に「特定口座の源泉徴収あり、なし」などが選択できます。
右が総合口座の画面です。たかにんは4銘柄ほど買ってみました。ARCC、HTGC、TSLX、BXSLですね。BDC銘柄は2024年の1月時点で、日本の大手ネット証券では購入不可になっています。
手数料について
ウィブル証券の手数料についてです。入出金は、現在日本円のみで行います。
入金は手数料無料のネット銀行を使用すれば、無料になります。たかにんは住信SBIネット銀行を使用したので無料でした。何度か試しましたが、入金してから反映されるまでは10分ほどでした。
出金時は、手数料がかかります。一番安い三菱UFJ銀行で、3万円未満は110円、3万円以上は330円かかります。その他の銀行は、もう少し高いですね。できれば、これは改善してほしいですね。お金を動かすだけで手数料がかかると、口座開設をためらう人が出てきそうです。将来に期待です。
取引手数料と為替手数料について
続いて取引手数料です。米国株の場合は、約定金額の0.20%(税抜)です。大手ネット証券は0.45%がほとんどなので、かなり安いですね。
上限手数料は、ウィブル証券。大手ネット証券ともに20ドル(税抜)です。
為替取引手数料は15銭です。大手ネット証券は25銭がほとんどなので、こちらもオトクです。
ちなみにウィブル証券の入金方法は、日本円のみです。
大手ネット証券と米国株関連の手数料を比較しよう
大手証券会社との米国株関連の手数料比較です。取引手数料や為替取引手数料は、ウィブル証券が安いですね。ウィブル証券は2023年10月17日に取引手数料を0.25ドルから0.20ドルに変更。上限手数料を設定しました。
※ウィブル証券は将来、取引手数料を0にする方針のようです
日本株の手数料は平均的
日本株の手数料はこちら。大手ネット証券とほぼ同じですね。
口座開設はスマホで完結
口座開設の方法についてです。
(1)まず、ウィブル証券のアプリをスマホにインストールします。こちらのページから行うことができます。
(2)次に、携帯電話での認証を行います。携帯電話の番号を入力すると、認証コードが送られてきますので、画面に入力します。
(3)ログインパスワード、メールアドレス、取引パスワードなどを決めます。氏名や住所、生年月日など、本人情報の入力を行います。
(4)最後に、スマホを使って本人確認書類のアップロードとセルフィーの撮影を行います。画面に従って、マイナンバーカードの撮影とアップロード、自分の顔を撮影します。
撮影とアップロードがうまくいけば、30分以内に終わると思います。
(5)口座開設の手続きが終わると、ウィブル証券側で審査が行われ、登録したメールアドレスに1~3営業日ほどで開設通知が届くので、入金して取引を始めましょう。
ウィブル証券の口座開設はこちらから
多彩なキャンペーンでお得な情報や資金をゲット!
現在行われているキャンペーンについて、ご説明します。
2023年11月30日までは、口座を開設した人の中から、抽選で2000人に5000円が当たるキャンペーンを行っています。
キャンペーンの参加方法は、ウィブル証券口座を新規開設し、1万円以上を一括で入金し、1回以上の取引をすればOK。特別な申し込みは必要ありません。
7月までのキャンペーンは「一括で5万円以上の入金」が条件だったので、条件が緩和されました。これはうれしいですね。
このキャンペーンは月が替わっても似たような内容で継続される可能性が高そうすね。
ちなみにたかにんは、8月に申し込んだキャンペーンが当選しました! ありがとうございます。
米国株の現物取引が3カ月間無料!
口座開設を行うと、米国現物株の取引手数料が3カ月間無料となります。
通常は約定価格の0.20%(税抜)なので、これはオトクです。BDC銘柄も対象です。
こちらはBDC銘柄の【HTGC】を購入したときの画面です。赤い線を引いておきました。「概算手数料」が0.42ドルかかるところ、オレンジ色の数字で0ドルになっていますね。
ウィブル証券のサイトは無料で使用できるデータが超充実!
ウィブル証券のサイト内は、企業分析やデータがかなり充実しています。全ての銘柄で、56種類のテクニカル指標と17種類のチャート編集機能が利用可能です。
気になる銘柄は「ウォッチリスト」に登録しましょう。銘柄をタップすると、細かな情報が登場します。
チャートや板情報などは、かなり細かいデータがありますね。
「分析」の項目では、複数のアナリストによる評価が数値化されているので、参考になると思います。
「総合評価」では、成長性、収益性、モメンタム、品質、バリューの5項目を数値化しています。
「財務情報」は内容が満載です。総資産利益率、自己資本利益率、1株利益など8つの指標を、四半期と年次でグラフ化されています。ほかにも純利益や営業利益などの情報もグラフ化されており、分かりやすいですね。
「同業他社」とのデータを比較する項目も注目です。1株利益など9項目で同業他社と比較し、何番目なのかランキングで表示されています。そのほか、プレスリリースや企業情報など、あらゆるデータが満載です。
イメージとしては、SeekingAlpfaの有料版と比べても遜色ありません。これらが無料というのは、うれしいです。取引をする気がない人でも、口座開設だけしてみるのがオススメです。
まとめ
・ウィブル証券は米国発のオンライン証券。全世界で3500万人のユーザーがいます
・日本では2023年4月よりサービスが開始。スマホで取引を行います
・7000銘柄以上の米国株、ETF、日本株に投資可能です
・一時期、BDC銘柄を特定口座で購入可能でした。
・入金は手数料無料のネット銀行なら無料です
・出金手数料がかかります。三菱UFJ銀行が一番安く、3万円未満は110円、3万円以上は330円
・売買手数料は、米国株の場合は約定金額の0.20%(税抜)。大手ネット証券は0.45%(税抜)なのでかなり安いです
・為替取引手数料は15銭。大手ネット証券は25銭なのでオトク。入金方法は日本円のみです
・口座開設にはスマホにアプリをインストール、携帯での認証、スマホでの撮影やアップロードを行う。30分ぐらい。1~3営業日ぐらいで開設通知が届きます
・企業分析のコーナーはかなりマニアック。他のポータルサイトが必要ないというぐらい充実しています
・規模の大きなBDC銘柄8つを比較しました。おすすめはARCC、MAIN、HTGCでしょうか
ウィブル証券では初回入金&取引キャンペーン、お友達紹介キャンペーンなどを実施中!