定期的なインカム狙いのハイイールド社債ETF【JNK】(SPDR ブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券ETF)はどんな商品か?

米国の高配当株はかなり割高で、軒並み利回りが低くなっており、インカム投資家にとって悩ましい状況です。そんなときは、高利回りの社債に目を向けるといいかもしれません。今回は、ステートストリート社のSPDR ブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券ETF【JNK】を分析してみましょう。

 

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基本情報を確認しよう

【JNK】は米国の高利回り社債(ジャンク社債)をまとめたETFです。米ドル建て、投資不適格、償還期間が1~15年の債券が対象です。ベンチマークは、ブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド・ベリー・リキッド指数。ライバルはブラックロック社の【HYG】ですね。運用総額は【JNK】が1.1兆なのに対して、【HYG】は2.5兆円です。

下の表は、ハイイールド社債、社債、優先株の代表的なETFです。ハイイールド社債は株価の変動は少ないですが、金融危機では結構下落します。増配はほとんどしません。そこそこ安定してインカムを狙う商品です。

配当利回りは過去1年の分配金の合計から算出しました。【JNK】の2021年3月9日終値は107.54ドル、過去1年の配当金額は5.4157ドルなので、現在の利回りは5.04%です。仮に直近の分配金と同じ額が継続すると考えると1年間で4.824ドルなので、利回りは4.49%です。

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【JNK】の格付けは?

主要な債券ETFに組み込まれている債券の格付けを比較します。通常「BBB以上」が投資適格と言われ、「BB」以下は投資不適格(ジャンク債・ハイイールド債)と言われます。有名な債権ETF【BND】や社債ETF【LQD】は、ほぼすべて「BBB」以上と安全なものばかりです。その分、利回りは【BND】が2%台前半、【LQD】が2%台後半です。

【JNK】は「BB」と「B」が半々ぐらいです。【HYG】のほうが「BB」が割合が多く、安全度がやや高いですね。その分、【JNK】は0.2%ほど利回りが高いです。格付けが低くなれば、利回りが高くなるというわけですね。

【YYY】はハイイールド社債を中心に、リスクの高いものを詰め合わせたETFです。利回りが10%弱と高いのですが、経費率も2%を超えており、ユニークなETFです。なお、上のグラフはYahooファイナンスを元に作成しました。

 

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【JNK】の国別の比率は?

【JNK】の国別比率です。米国が100%というわけではないですね。カナダ、英国、オランダ、フランスなども入っています。ライバルの【HYG】も似たような傾向です。

 

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【JNK】に組み込まれている債権の種類?

【JNK】の債権種別比率です。さまざまな分野のものが入っています。

 

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【JNK】の最近の分配金(配当金)は?

2019年以降の【JNK】の分配金(配当金)です。前期との比較では増えたり減ったりですが、年間を通して考えると減少傾向です。

※背景がになっているのが減配です

【JNK】の年間分配金(配当額)と年間増配率は?

【JNK】の分配金(配当金)を1年ごとにまとめてグラフ化しました。長期で見ると、右肩下がりなのがはっきりわかります。コロナ・ショックのあった2020年は、前年から6.5%減りました。

【JNK】の期別分配金(配当金)は?

分配金を月別に重ねて棒グラフにしました。12月は2回配当落ちがあり、1月はありません。2020年に入ってからの2回は0.40ドルなので、過去最低水準です。

 

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2020年以降の分配金利回りは?

2020年以降の【JNK】の株価と分配金利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年1月当初の分配金利回りは5.4%台でしたが、2月半ば以降は株価が急落したため、3月23日には利回りが約7.0%まで上昇しました。その後株価はコロナ・ショック前ぐらいまで回復しましたが、分配金は少し減ったため2021年3月9日の利回りは5.04%です。

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【JNK】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【JNK】を買った場合、現在の購入単価当たりの分配利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

2021年3月9日の終値は107.54ドル、過去1年の配当金額は5.4157ドルなので、現在の利回りは5.04%です。過去5年の平均利回りは5.68%です。分配金は減少傾向で、株価もやや右肩下がりなので、早い時期に買ってもYOCは上がりません。コロナ・ショック時の2020年3月頃に買っていたら、現在YOCは約5.7%になっていました。

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

ハイイールド債券の【HYG】、社債ETF【LQD】、優先株【PFF】とトータルリターンを比較します。2011年3月から2021年2月までの10年を比べます。

2011年3月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年2月には【LQD】が1万7100ドル、【PFF】が1万6800ドル、【HYG】が1万6500ドル、【JNK】が1万6100ドルになっていました。値動きもリターンもみな似ていますが、【JNK】の成績が最も悪いです。

 

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。どのETFもほとんどの期間で年平均5%を少し上回るリターンですね。【JNK】と【HYG】は差がないですね。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年3月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

10年間の合計で得られるインカムは【JNK】と【PFF】が7500ドル、【HYG】が7200ドル、【LQD】が4500ドルでした。【JNK】【PFF】【HYG】はほぼ同じですね。

 

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【JNK】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(5.4157ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年分配金額(5.9046ドル、6.0844ドル、6.6849ドル、9.6475ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの分配金利回りのことです。【JNK】株を2021年3月9日の終値107.54ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

増配率は過去1年がマイナス8.3%、過去3年がマイナス3.8%、過去5年がマイナス4.1%、過去10年がマイナス5.6%でした。現在の分配金利回りは5.04%です。

分配金を再投資しない場合

まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが5.04%なので、年間分配額は504ドルです。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は356ドル、10年目の分配金額は231ドルになります。もっとも成績の良い過去3年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は431ドル、10年目の分配金額は355ドルになりそうです。分配金額355ドルはYOC(購入額に対する利回り)3.55%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は425ドル、10年目の分配金額は321ドルになります。もっとも成績の良い過去3年の増配率を当てはめると5年目分配金額は520ドル、10年目の分配金額は523ドルになりそうです。分配金額523ドルはYOC(購入額に対する利回り)5.23%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。起点となる年は504ドルではなく、税引き後の363ドルからのスタートになります。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は292ドル、10年目の分配金額は211ドルになります。もっとも成績の良い過去3年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は356ドル、10年目の分配金額は338ドルになりそうです。分配金額338ドルはYOC(購入額に対する利回り)3.38%です。

 

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まとめ

株価と分配金の変化があまりないハイイールド社債ですが、長期で見ると【JNK】は分配金が漸減傾向のようです。相場が軟調なときに、上手に拾っていきたいETFです。

優先株の【PFF】や【PFFD】などとともに、ポートフォリオの押さえに買うのがいいかもしれません。

 

 

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