利回り5%台をキープしているファースト・トラスト戦略的ハイイールドETF【HYLS】はアクティブ型だが成績は悪くない

ファースト・トラスト戦略的ハイイールドETF【HYLS】が2021年7月20日に分配金を発表しました。0.213ドルです。1年前の同期は0.204ドルでしたので、1年前の同期との比較では4.4%の増配です。先月は0.219ドルでしたので2.7%減です。

利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2021年7月23日の終値は48.43ドル、過去1年の分配金額は2.626ドルなので、利回りは5.42%になります。

※このページでの利回りは、過去1年間の分配金をもとに計算します。

 

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基本情報を確認しよう

【HYLS】は戦略的ハイイールドETF(First Trust Tactical High Yield ETF)という名称のとおり、アクティブ型のETFです。米国及び米国以外の社債、バンクローン、転換社債を含むハイイールド債に投資します。ロングポジションはファンドの純資産の最大130%、ショートポジションはファンドの純資産の最大30%で運用します。

下の表は、日本の証券会社で購入可能なハイイールド債券の代表的ETFです。以前はどの銘柄も利回り5%以上ありましたが、最近は12カ月利回りで4.5%、直近を1年換算した利回りでは4%前後まで下がっています。

そんななか、【HYLS】は利回りは5%を超えており高水準を保っています。ただし、アクティブ運用のため、経費率は1.01%と割高です。これをどう考えるかですね。

※利回りは過去1年の分配金から算出した「利回り(12カ月)」と、直近の分配金を1年分に換算した「利回り(直近)」の2つを出しました

 

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【HYLS】の格付けは?

【HYLS】と債券ETFの組み込まれている銘柄の格付けを比較します。通常「BBB以上」が投資適格と言われ、「BB」以下は投資不適格(ジャンク債・ハイイールド債)と言われます。債権ETFの代表格【BND】や【LQD】は、ほぼすべて「BBB」以上と安全なものばかりです。

【HYLS】は「BB」より下がほとんどです。しかも「BB」の比率は【JNK】【HYG】よりも低く、「B」以下が大半で、格付けの低いものばかりですね。

※上のグラフは【HYLS】はファーストトラスト社のもの、それ以外はYahooファイナンスを元に作成しました

 

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【HYLS】の業種比率は?

【HYLS】に組み込まれている銘柄の業種比率です。医療やヘルスケア関連が多いですね。ソフトウェアやメディア、娯楽関連の比率も多めです。高利回りでおなじみのエネルギーが少ないも特徴です。

 

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【HYLS】の過去の配当金と増配率は?

【HYLS】設定されたのは2013年2月です。下の表は過去の配当金の一覧です。あまり変化はありませんが、2019年後半から2020年前半にかけて少し減っていました。

※背景がになっているのが減配です

【HYLS】の期別配当は?

毎月の分配金を重ねて棒グラフにしました。ほぼ横ばいですが、2015年がピークですね。それと比べると2020年はわずかに減少しています。2021年は現在のところ、前年よりも分配金が多いペースです。

【HYLS】の年間配当額と年間増配率は?

【HYLS】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。緩やかながら減少しているようにも見えます。

 

【HYLS】の年間分配金額と株価の関係は?

【HYLS】の分配金と株価の関係です。どちらも似たような動きです。若干減っているようにも見えなくはないです。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【HYLS】の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年の年初の利回りは5.1%台でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月20日には利回りが約6.6%まで上昇しました。2020年12月頃には株価はコロナ・ショック前まで戻り、その後は横ばいです。2021年7月23日の利回りは5.42%です。

 

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【HYLS】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【HYLS】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。

2021年7月23日の終値は48.43ドル、過去1年分配金額は2.626ドルなので、現在の利回りは5.42%です。過去5年の平均配当利回りは約5.4%です。過去の株価はコロナ・ショックを除いてほとんど変わらず、分配金もほとんど同じなので、早い時期に買ってYOCはあまり変化しません。コロナショック時の2020年3月頃に買っていたら、現在YOCは約6.3%になっていました。

 

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過去のトータルリターンはどうか?

【HYLS】が設定されて以降のトータルリターンはどうなっているでしょうか? ハイイールド社債ETF【JNK】【HYG】【HYZD】とのリターンを、PORTFOLIO VISUALIZERを使って比較します。もっとも後発の【HYZD】が設定されたのが2013年12月のため、区切りのいいところで、2014年7月から2021年6月までの7年間を比べます。

2014年7月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年6月には【HYLS】が1万3500ドル、【HYG】が1万3200ドル、【JNK】が1万3000ドル、【HYZD】は1万2400ドルになっていました。どれも似たようなリターンですね。

 

過去のトータルリターン

過去3カ月、1年、3年、5年、7年の年平均トータルリターンは以下の通りです。3年以上のリターンは【HYLS】【HYG】【JNK】はほぼ同じです。過去5年のリターン(年平均)は、【HYG】が6.1%、【JNK】が6.0%、【HYLS】は5.8%、【HYZD】は4.9%でした。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン−無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。1を超えていれば、優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。1.5を超えていると、素晴らしいです。

【HYLS】はこの中では利回りが一番高いですが、シャープレシオ、ソルティノレシオともに【HYG】とほぼ同じで優秀ですね。最大ドローダウンもハイイールド債の中では悪くないです。

分配金はどのくらいか?

2014年7月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

7年間の分配金の合計は【HYLS】が3400ドル、【JNK】が3300ドル、【HYG】と【HYZD】が3100ドルでした。

コロナショック後のハイイールド社債の分配金は漸減傾向ですが、【HYLS】だけは若干増やしています。2021年の青い棒グラフは目立っていますね。アクティブ・ファンドの面目躍如ってところですかね。

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【HYLS】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(2.626ドル)と1、3、5、7年前の同時期の過去1年分配金額(2.369ドル、2.715ドル、2.755ドル、2.79ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【HYLS】株を2021年7月23日の終値48.43ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間配当額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

年間増配率は過去1年が10.8%、過去3年がマイナス1.1%、過去5年がマイナス1.0%、過去7年がマイナス0.9%でした。現在の利回りは5.42%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが5.42%なので、1年目の年間配当額は542ドルです。

最も増配率の低い過去3年のペースだと5年目の分配金額は519ドル、10年目の分配金額は491ドルになります。最も成績の良い過去1年のペースを当てはめると5年目の分配金額は819ドル、10年目の分配金額は1370ドルになりそうです。分配金額1370ドルはYOC(購入額に対する利回り)13.70%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

最も増配率の低い過去3年のペースだと5年目の分配金額は640ドル、10年目の分配金額は776ドルになります。最も成績の良い過去1年のペースを当てはめると5年目の分配金額は1050ドル、10年目の分配金額は2862ドルになりそうです。分配金額2862ドルはYOC(購入額に対する利回り)28.62%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資し、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は542ドルではなく、税引き後の390ドルになります。

最も増配率の低い過去3年のペースだと5年目の分配金額は435ドル、10年目の分配金額は493ドルになります。最も成績の良い過去1年のペースを当てはめると5年目の分配金額は706ドル、10年目の分配金額は1687ドルになりそうです。分配金額1687ドルはYOC(購入額に対する利回り)16.87%です。

コロナショック前後の分配金が少なかったため、過去1年増配率は高くなり、それをもとにしたYOC予想は素晴らしい数値になりました。ただし、それ以外の期間はどれも増配率はほぼ0だったので、こちらで推移する可能性が高そうです。

 

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まとめ

【HYLS】はなかなか興味深いETFですね。経費率が約1%で、アクティブ・ファンドというのが気になりますが、【JNK】や【HYG】と比較してもなかなかの成績を残しています。

2021年に入ってハイイールド社債ETFは分配金を大きく減らす傾向ですが、【HYLS】は前年をやや上回るペースで、異色の存在です。

 

 

 

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