バンガード・米国トータル債券市場ETF【BND】の2021年9月の分配金は0.135ドル

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バンガード・米国トータル債券市場ETF【BND】が2021年8月31日に分配金を発表しました。0.1350ドルです。2021年8月30日の終値は86.57ドル、過去1年分配金額は1.8640ドルなので、利回りは2.15%になります。

※このページでは過去1年の分配金をもとに利回りを計算します

 

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基本情報を確認しよう

【BND】のベンチマークは、米国の投資適格債券市場を網羅する、バークレイズ米国総合浮動調整インデックスです。経費率は年0.035%。構成債権銘柄数は10099と広く分散されています。

下の表は、主な米国債券ETFです。米国総合債券としての【BND】のライバルは【AGG】です。【LQD】は社債、【JNK】はハイイールド社債ETFです。

利回り(過去1年)は過去1年の分配金から算出したものです。

利回り(直近)は直近の分配金が今度1年続いたものとして算出しました

 

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【BND】の格付け別の比率は?

主要な債券ETFに組み込まれている債券の格付けを比較します。通常「BBB」以上が投資適格と言われ、「BB」以下は投資不適格(ジャンク債・ハイイールド債)と言われます。下の図では【JNK】が「BB」以下ばかりです。

【BND】の中身は「AAA」が約7割で、信用格付けが極めて高いものが多いです。ライバルの【AGG】や米国短期債券ETF【BSV】も似ていますね。Yahoo! financeのデータです。

 

【BND】の残存期間別構成比率は?

【BND】の平均残存期間は8.6年です。【AGG】と比較すると、やや短期債券が多めです。Fidelityを元に作成しました

 

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【BND】の過去の分配金は?

【BND】が設定されたのは2007年4月です。下の表は2016年以降の分配金の一覧です。背景が黄色の部分が、通常の配当とは別に、ロングターム・キャピタルゲインやショートターム・キャピタルゲインが出たもので、それらも含めて計算しています。

 

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【BND】の期別の分配金は?

下のグラフは毎月の分配金を1年ごとに積み重ねたものです。12月は翌月の1月分が12月末に支払われるため、2回の支払いとなります。

毎月の分配金を、通常分配金とキャピタルゲイン(CP)に分けて表示します。キャピタルゲインは4月と12月に支払われています。そこで、4月のキャピタルゲインを、12月のキャピタルゲインを濃い灰色にして、棒グラフの一番上にもってきました。

キャピタルゲインを除いて考えると、分配金はほぼ一定でしたが、2020年以降は減少傾向です。2021年も前年をかなり下回るペースです。

 

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【BND】の年間分配金と年間増配率は?

分配金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2008年から13年にかけて、かなり減っています。

 

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【BND】の年間分配金と株価は?

分配金は減少傾向ですが、株価は長期で横ばいです。

 

 

 

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2015年以降の配当利回りは?

2020年以降の【BND】の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は2.7%ぐらいの利回りでしたが、徐々に分配金が減っていき、現在は2.15%です。株価は2020年3月のコロナ・ショックでいったん下がり案したが、すぐに回復して、その後は横ばいです。

 

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【BND】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【BND】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。

2021年8月30日の終値は85.57ドル、過去1年の分配金額は1.864ドルなので、現在の利回りは2.15%です。過去5年の平均利回りは約2.6%なので、現在の株価は割高ですね。

過去5年で株価はほとんど変動はなく、分配金が減っているので、早い時期に買ってもYOCは上がりません。2018年10月に買っていたら、現在YOCは約2.4%になっていました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

主要債券ETFを比較します。米国総合債券【BND】【AGG】、米国投資適格社債【LQD】、米国ハイイールド社債【JNK】を比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年8月から2021年7月までの10年間を比べます。

2011年8月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年7月には【LQD】は1万7000ドル、【JNK】が1万6400ドル、【AGG】が1万3800ドル、【BND】は1万3700ドルになっていました。

【BND】と【AGG】はチャートもほぼ同じです。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンです。過去10年のリターン(年平均)は【LQD】が5.5%、【JNK】5.1%、【AGG】3.3%、【BND】3.2%でした。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン−無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。1を超えていれば、優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。1.5を超えていると、素晴らしいです。

【BND】と【AGG】はリターンは今ひとつでしたが、シャープレシオやソルティノレシオはなかなか優秀です。【JNK】を大きく上回っています。ただ、【BND】のソルティノレシオは【AGG】に少し差をつけられています。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年8月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

10年間の分配金の合計は【JNK】が7400ドル、【LQD】が4300ドル、【BND】が3000ドル、【AGG】が2800ドルでした。

 

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【BND】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(1.864ドル)と1、3、5年前の同時期の過去1年分配金額(2.0967ドル、2.1813ドル、2.0723)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの分配金利回りのことです。【BND】株を2021年8月30日の終値86.57ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。さらに、分配金が変化しない場合のYOCも計算しました。

年間増配率は過去1年がマイナス11.1%、過去3年がマイナス5.1%、過去5年がマイナス2.1%、現在の利回りは2.15%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが2.15%なので、年間分配金額は215ドルです。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は134ドル、10年目の分配金額は75ドルになります。分配金額が変化しなかった場合は5年目の分配金額は215ドル、10年目の分配金額は215ドルになりそうです。分配金額215ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.15%です。

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は145ドル、10年目の分配金額は85ドルになります。分配金額が変化しなかった場合は5年目の分配金額は234ドル、10年目の分配金額は261ドルになりそうです。分配金額261ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.61%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は215ドルではなく、税引き後の155ドルになります。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は102ドル、10年目の分配金額は59ドルになります。分配金額が変化しなかった場合は5年目の分配金額は165ドル、10年目の分配金額は178ドルになりそうです。分配金額178ドルはYOC(購入額に対する利回り)1.78%です。

 

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まとめ

【BND】の良さは、ポートフォリオをマイルドにするところです。所有していれば、大暴落が来たときに自分のポートフォリオのマイナスが軽減されるため、安心をもたらします。また、相場全体が高すぎる場合、現金代わりにとりあえず所有するという方法もありかもしれません。

ただ、最近の分配金は漸減傾向なので、そろそろ下げ止まってほしいですね。