【QYLD】や【RYLD】などグローバルXのカバード・コールETFの分配金は、通常のETFの分配金とは少し異なります。分配金額がどのくらいだったのか、データを使って自分で計算する方法をご紹介します。
ETF SUITEから読み解く!
グローバルX社の公式サイト(英語版)には「GLOBAL X COVERD CALL ETF SUITE」というPDFファイルが公開されています。以下のような情報です。
このデータの「Distribution」というのが、毎月の基準価格(NAV)に対する分配金の比率です。ちなみに、左側の「Option Premium」は獲得したオプション・プレミアムですね。
たとえば、【QYLD】の2021年8月は0.82%とあります。2021年8月の基準価格(NAV)は22.89ドル、分配金は0.187861ドル。分配金/基準価格=0.82%となります。
ただし、このデータは四半期に1度くらいのペースでしか、更新されません。2022年は6月末までのデータが公開されています。そこで、これらの値を自分で計算してみましょう。
→と思ったら、2022年7月の末にも更新されていました。今後は毎月更新されるかもしれません。
【QYLD】の分配金比率(%)は?
グローバルX社の公式サイトには、ETFの株価に関するデータが公開されています。公式サイト(英語版)だと各ETFの「PREMIUM DISCOUNT CHART」をクリックし、 「DOWNLOAD CHART DATA (.CSV)」のデータです。それを使って、毎月の分配金比率(%)を計算します。
つまり、前項の「GLOBAL X COVERD CALL ETF SUITE」というPDFファイルの「Distribution」を自分で計算します。
公式サイトにある株価などのデータと、先ほどのpdfファイルのデータを合わせたものが、下の表です。右端の1~2列目の「GLOBAL X COVERD CALL ETF SUITE」が公式のデータです。
左から2列目の「Market Price」というのが終値です。この「Market Price」から「Premium/Discount」を引いたり足したりした数値が基準価格(NAV)になります。
そして分配金をNAVで割ると、表の右から3列目の「分配金比率」になります。このデータが、表の右から2列目の「Gloval X Covered Call ETF Suite」の「Distribution」と同じかどうかをチェックします。
背景が赤の部分が0.03%以上異なっていたケースです。背景が薄いオレンジは0.01~0.02%異なっています。間違っていたのは3カ所なので、ほぼ正解と考えてもいいかもしれません。
【XYLD】の分配金比率(%)は?
他のカバードコールETFも同じように計算しましょう。【XYLD】はS&P500を対象としたETFです。
こちらは6カ所間違っていました。少し多いですね。ただし、いずれも0.01~0.02%なので、許容範囲といえるかもしれません。
【RYLD】の分配金比率(%)は?
【RYLD】はラッセル2000を対象としたETFです。日本の証券会社でも取り扱いが始まりました!
こちらは3カ所間違っていました。いずれも0.01%なので、ほぼ正解といえそうです。
【DJIA】の分配金比率(%)は?
【DJIA】はニューヨーク・ダウを対象としたETFです。設定されたのが2022年2月23日で、ごく最近です。
2022年7月までで分配金は5回出ており、すべて正解でした。
【QYLG】の分配金比率(%)は?
【QYLG】はナスダック100を保有しながら、50%だけコール・オプションを売るETFです。そのため、分配金の上限は1%ではなく0.5%です。
データの相違は2カ所です。2021年12月はキャピタルゲイン分配金も含めて4.29%もありましたので、この部分は計算方法が異なっている可能性がありそうです。
【XYLG】の分配金比率(%)は?
【XYLG】はS&P500を保有しながら、50%だけコール・オプションを売るETFです。こちらも、分配金の上限は1%ではなく0.5%です。
2022年7月のデータだけ0.01%ずれていました。
【QRMI】の分配金比率(%)は?
【QRMI】はナスダック100をカバードコールする戦略を取りながら、暴落に備えて、5%アウト・オブ・ザ・マネーのプットオプションを買います。【QYLD】の暴落に保険をかけたようなETFです。
「GLOBAL X COVERD CALL ETF SUITE」の「Distribution」には【QRMI】や【XRMI】のデータはありません。プットの買いがあるため、他のカバードコールETFとは毛色が異なるためだと思います。
表の右端は、1カ月前との基準価格(NAV)の比較です。5%以上下がっている場合は、「5%アウト・オブ・ザ・マネーのプットオプションを買い」が発動し、それ以上に株価が下がった分だけ、利益を得ることになります。ただし、プットオプションの買いで使った金額が差し引かれます。実際どのような取引が行われているのかは、公開されていません。
【QRMI】の分配金は不安定ですね。
【XRMI】の分配金比率(%)は?
【XRMI】はS&P500%をカバードコールする戦略を取りながら、暴落に備えて、5%アウト・オブ・ザ・マネーのプットオプションを買います。【XYLD】に暴落の保険をかけたようなETFです。
表の右端は、1カ月前との基準価格(NAV)の比較です。5%以上下がっている場合は、「5%アウト・オブ・ザ・マネーのプットオプションを買い」が発動し、それ以上に株価が下がった分だけ、利益を得たことになります。ただし、プットオプションの買いで使った金額が差し引かれます。
【XRMI】の分配金は【QRMI】よりは安定しています。
まとめ
気になった情報やデータは自分であれこれ計算してみると、意外な事実が明らかになったりするので面白いですね。
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