RYLDの2023年10月の分配金は0.1616ドル。先月よりも6.4%減(グローバルXラッセル2000・カバード・コール ETF)

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グローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF【RYLD】の分配金が2023年10月20日に発表されました。0.1616ドルです。

前回2023年9月の分配金は0.1726ドルなので、先月との比較では6.4%減です。

権利付最終日である10月20日(第3金曜日)の終値は16.24ドル、基準価額NAV)は16.22ドル、今回の分配金は0.1616ドルなので、基準価額(NAV)から算出した分配金は1.00%。1%上限の可能性が高いです。

2023年10月23日の終値は16.02ドル、過去1年の分配金は2.1673ドルなので、分配金利回りは13.53%になります。

※このページでの分配金利回りは、過去1年間の分配金をもとに計算します。

■このページの概要■
序盤は【RYLD】の分配金についてのデータを紹介
前半は【RYLD】とライバルETFとの基本データを比較
中盤は【RYLD】の基本情報、組込銘柄やセクターなど、【RYLD】の中身に迫ります
後半はライバルのカバードコールETF【QYLD】【XYLD】【JEPI】などと、トータルリターン、株価、分配金などのデータを比較します
最後に、いま【RYLD】買ったら将来どのくらいのYOCになるか予測します

 

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【RYLD】の過去の分配金と増配率は?

【RYLD】が設定されたのは2019年4月です。下の表は過去の配当金の一覧です。2020年11月以降の分配金は0.22ドルを超えていましたが、2022年5月以降は下回っています。

背景が黄色の2021年は12月は0.3066ドルとかなり多いですね。その理由は、ショートターム・キャピタルゲインが含まれていたからです。詳しくはこちら

※背景がになっているのが対象月と比べてマイナスです

 

【RYLD】の毎月の分配金は?

【RYLD】は毎月分配金が支払われます。月ごとの分配金を棒グラフにして重ねました。2021年が好調でした。2021年は2020年と比べて24.0%増です。

2022年5月以降は株価が下がったので、それに合わせて分配金の上限も下がりました。2022年は2021年と比べて15.8%減です。

2022年9月以降は0.2ドルを下回っています。

 

【RYLD】の分配金と株価の関係は?

【RYLD】の年間分配金と株価の関係です。期間が短いので何とも言えませんが、株価はやや漸減傾向、分配金も最近は低調です。

2023年はあと2回分配金が出ます。

 

分配金と基準価額(NAV)の関係は?

グローバルX社のカバードコールETFの分配金でもっとも重要なのは、基準価額の上限の1%を獲得できているかどうかです。

下のグラフは「RYLD」の毎月の分配金と第3金曜日(権利付最終日)の基準価額の比較です。赤い折れ線の基準価額と、青い棒線が分配金が、ちょうど重なっていれば1%の上限を獲得したということです。

2021年の12月だけは、イレギュラーな分配金、いわゆるキャピタルゲイン分配金と合わせて0.3066ドルだったので、青い棒グラフが突き抜けています。

【RYLD】は2020年の3月以降は、ほぼ1%上限を獲得しています。3年8カ月もの間、ほぼ満額を獲得しており、オプション取引がうまくいっていると言えます。ただし、2023年5月は0.89%ぐらいだったようです。

【RYLD】は小型株が対象のため、ボラティリティが大きく、オプションを稼ぎやすく、カバードコール戦略に向いている金融商品と言えます。

 

オプション・プレミアムと分配金の関係

グローバルX社のカバードコールETFは、分配金の上限が決まっています。【QYLD】や【XYLD】などは、獲得したオプション・プレミアムの金額の半分、もしくは基準価額(=純資産額/NAV)の1%です。つまり、オプション・プレミアムを2%以上獲得できていれば、分配金の上限は基準価額の1%になります。

グローバルX社の公式サイト(英語版)には、獲得したオプション・プレミアムと分配金の比率が掲載されているPDFファイルが公開されています。下の画像です。

2020年3月以降は、ほぼ1%の満額が続いています。赤く囲った箇所です。かなり長い期間ですね。ただし、2023年5月は0.89%でした。

直近の2023年10月のオプションプレミアムは発表されていませんが、1.00%ぐらいの見通しです。

 

オプション・プレミアムと分配金の関係

先ほどの画像を、グラフ化します。獲得したオプション・プレミアムと分配金の月ごとのデータです。NAVに対して分配金がどのくらいの割合だったかです。単位は%です。

100%カバードコール戦略の場合、赤い棒グラフのオプション・プレミアムが2%以上なら、青い棒グラフの分配金は満額の1%となります。

【RYLD】は2020年の3月以降は、オプション・プレミアムはほぼ2%以上なので、分配金は1%上限が続いています。3年5カ月もの間、ほぼ満額を獲得しており、オプション取引がうまくいっていると言えます。ただし、2023年5月のオプション・プレミアムは1.78%でした。

 

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オプション・プレミアムとボラティリティの関係

カバードコール戦略はボラティリティが大きいと、プレミアムをたくさん稼ぐことができると言われていますが、本当でしょうか?

下のグラフは、ラッセル2000指数のオプション価格から算出されるボラティリティを示す【RVX】と、【RYLD】が獲得したオプション・プレミアムの関係です。

オプション・プレミアムのデータは、分配金の支払われた月に合わせています。

ほぼ連動していますね。オプション・プレミアムが2%を超えるには、【RVX】の値が20ぐらいが目安のようです。最近は25前後まで回復しました。

 

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2020年以降の分配金利回りは?

2020年4月以降の【RYLD】の株価と分配金利回りを見てみましょう。分配金利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が分配金利回り(右軸)です。

2020年3月のコロナ・ショック以降は株価が上がったので、相対的に分配金利回りは下がりました。2021年4月以降は株価が高止まりし、分配金がNAVの上限1%が続いたこともあり、分配金利回りは上がりました。2023年10月23日現在の分配金利回りは13.53%です。

 

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【RYLD】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【RYLD】を買った場合、現在の購入価額に対する利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から設定以来までの株価、分配金利回り、YOCを見ていきましょう。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入価額に対する利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。

2023年10月23日の終値は16.02ドル、過去1年の分配金額は2.1673ドルなので、現在の分配金利回りは13.53%です。過去の平均利回りは約12.3%なので、現在の分配金利回りは平均的です。

設定以来、分配金額はある程度似ているので、株価が下がったときに買うとYOCが上がります。コロナショック時の2020年3月に購入していれば、YOCは約14.5%になっていました。

 

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ライバルETFとの比較

【RYLD】はラッセル2000をカバード・コールするETFです。日本で購入可能な主なカバードコール系のETFと比較します。

カバードコールする対象は、【QYLD】がナスダック100、【XYLD】はS&P500です。

そして、【JEPI】はS&P500に近い大型株を約8割を保有。残りの2割弱でELNという仕組債を保有して、カバードコールと似たようなオプション取引を行います。【XYLD】のライバルという位置づけですね。【JEPQ】は【JEPI】のナスダック100版です。

運用総額は【JEPI】が約4.3兆円と頭一つ抜け出しています。【RYLD】は約2400億円

過去1年分配金から算出した利回りは【RYLD】が高く、【QYLD】【JEPQ】が2番手、【XYLD】が続き、【JEPI】は少し劣っています。ラッセル2000、ナスダック100、S&P500の順ですね。

分配金利回り(12カ月)は過去1年の配当から算出したものです。

分配金利回り(直近)は直近の分配金が今度1年続いたものとして算出しました。

表の中の数値が他のETFと比較して優れている場合は赤字にしました。次点はオレンジ色です。

 

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カバードコール系ETFの利回り推移

カバードコール系ETF【RYLD】【QYLD】【XYLD】【DJIA】【JEPI】【JEPQ】の利回りの変化を見てみましょう。利回りは直近の分配金を1年換算したものから算出しました。株価は月末のものです。

※2021年12月に【RYLD】【QYLD】はキャピタルゲイン分配金を出しました。これを含めて計算するとイメージしづらくなるので、2021年12月分配金は【RYLD】【QYLD】がNAVの上限1%で計算しました

 

カバードコール系ETFの利回りを過去1年分配金から算出

先ほどのグラフだと、月によって分配金の変動があるため少しイメージしづらいかもしれません。過去1年の分配金から利回りを算出しました。

【RYLD】が12%、【JEPQ】【QYLD】が11.5%、【XYLD】が11%、【JEPI】が10%、【DJIA】が8%ぐらいが目安でしょうか。

※このグラフも前項同様に、2021年12月分配金は【RYLD】【QYLD】がNAVの上限1%で計算しました

 

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獲得したオプション・プレミアムの比較

グローバルX社の6つのカバードコールETFの、獲得したオプション・プレミアムと分配金の比率をグラフ化します。

100%カバードコールETFの【RYLD】【QYLD】【XYLD】【DJIA】は獲得したオプションプレミアムが2%を超えると、分配金は基準価格の上限である1%が支払われます。50%カバードコールETFの【QYLG】【XYLG】は獲得したオプションプレミアムが1%を超えると、分配金は基準価格の上限である0.5%が支払われます。

50%カバードコール戦略ETFが設定された2020年9月以降の平均は、100%カバードコールETFは【RYLD】2.75%、【QYLD】2.70%、【XYLD】2.04%。【DJIA】は2022年3月以降と期間が短く1.61%。50%カバードコール戦略ETFは【QYLG】1.39%、【XYLG】1.00%です。

ラッセル2000を対象とした【RYLD】が2.75%で、プレミアムを一番獲得しています。ナスダック100対象の【QYLD】【QYLG】は分配金の支払い上限の2%や1%を大きく超えています。S&P500の【XYLD】【XYLG】は上限の2%や1%とほぼ同じです。

 

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【RYLD】はどんなETFか?

グローバルX ラッセル2000・カバード・コール ETF【RYLD】は、カバードコール戦略で利益を狙います。米国企業の小型株の集合体である「ラッセル2000インデックス」を保有しながら、「ラッセル2000インデックス」を将来買う権利を売るオプション取引を行います。

将来買う権利を売ることを、「コールオプションの売り」と言います。表の上から2番目の黄色の部分です。

オプションを売ったことで、プレミアムを受け取ることができます。そして獲得したプレミアムは、【RYLD】を保有している投資家に分配金として支払います。この分配金額が多額で、毎月、株価のほぼ1%が最大値です。年利に換算すると12%を目標としています。

ちなみに分配金に支払われた残りは【RYLD】に再投資され、株価の上昇に寄与します。

【RYLD】は2番目のコール・オプション(買う権利)を売るに該当します

 

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対象となるラッセル2000とは何か?

「ラッセル2000インデックス」というのは、米国の株式市場に上場している銘柄の時価総額1001~3000位までの小型株の集合体です。

時価総額1~1000位が「ラッセル1000インデックス」に該当し、これらは規模の大きな中・大型株です。ラッセル1000とラッセル2000を合わせたものが「ラッセル3000インデックス」で、この3000銘柄で米国の時価総額約98%に該当すると言われています。

ちなみに、「ラッセル2000インデックス」を対象としたETFは、バンガード社の【VTWO】、ブラックロック社の【IWM】などがあります。

 

【QYLD】はナスダック100指数が対象のカバードコールETF、【XYLD】はS&P500が対象のカバードコールETFです。どちらも米国の大型株が対象です。上の三角形の図形の「ラッセル1000」に該当する銘柄に【QYLD】は9割以上、【XYLD】はほぼ100%入ります。

それに対して、小型株中心の【RYLD】はラッセル2000が対象なので、三角の図形の下の部分に100%該当します。つまり、【RYLD】は【QYLD】や【XYLD】とは対象が全く異なると言えます。

 

プロセスは?

毎月、以下のような手順で取引が行われます。

(1)ラッセル2000インデックスのすべての株式を購入します。
(2)毎月第3金曜日に、1カ月後に満期を迎えるラッセル2000インデックス・オプションを販売します。翌月の第3金曜日が満期です。
(3)オプションの販売と引き換えに、プレミアムを受け取ります。
(4)満期日が過ぎたら、プレミアムの一部を【RYLD】ホルダーに分配します。
(5)翌月以上もこのプロセスが繰り返されます。

アット・ザ・マネーによるオプション販売を行うため、株価上昇における利益を捨てます。そのかわりに、オプション代はそれなりに高くなるという仕組みです。

ボラティリティが大きいとオプション代がより高くなる傾向です。分配金は最大で純資産価格の1%なので、年12%の利回りを目指すというのが基本的な考え方です。

 

プレミアムの価値は?

プレミアムの価格は、次の5つの要因によって決定されます。とくに原資産のボラティリティが上昇すると、オプションの価格も上がる傾向にあります。

(1)原資産価格
(2)オプションの権利行使価格
(3)オプション満期までの残り時間
(4)原資産のボラティリティ
(5)リスクフリーレート(金利)

 

オプションの権利行使価格は?

オプションの権利行使価格はATM(アット・ザ・マネー)です。原資産価格と権利行使価格が同じです。米国の株価は近年好調だったので、1カ月後に同じ価格で買うことができるのは買い手に有利です。そのためプレミアムの代金はそれなりに高くなります。

権利行使日に価格が上がった場合は、実際の株をやり取りせずに、その差額を支払うことになります。これを差金決済と言います。

※権利を行使すれば利益が出る状態が「イン・ザ・マネー(ITM)」、損失が出る状態が「アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)」、同じ場合は「アット・ザ・マネー(ATM)」です

 

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参考サイト

カバードコール戦略については、ニッセイアセットマネジメント株式会社のサイトで分かりやすく説明しています。
よくわかる!カバードコール戦略|投資信託のニッセイアセットマネジメント
ディスクリプション

 

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【RYLD】と【QYLD】【XYLD】のセクター比率の比較

下の円グラフの一番右が【RYLD】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。ラッセル2000の銘柄を保有しますので、【VTWO】【IWM】とほぼ同じです。ヘルスケア、資本財が多く、金融、情報技術、一般消費財と続いています。

【RYLD】は【QYLD】や【XYLD】と比べて、情報技術セクターの割合が少ないです。ポートフォリオの分散という意味では良さそうですね。

 

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【RYLD】の上位組込銘柄は?

【RYLD】の組込上位10銘柄です。ベンチマークは、CBOE ラッセル2000・バイライト・インデックスです。2022年4月上旬は、バンガード社のラッセル2000ETF【VTWO】の保有比率がほぼ100%でしたが、現在は【VTWO】の割合が30%前後に減っています。

表の右端は、ブラックロック社のiシェアーズ ラッセル2000ETF【IWM】です。1位のETFを除くと順位はほぼ同じです。

※ちなみにバンガード社のETFのデータ更新は月に1回で、月末のものが翌月の半ばごろに更新されます。そのため、バンガード社の【VTWO】の最新データはやや古いものになってしまうので、比較対象としてブラックロック社の【IWM】を使用しました。

 

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運用総額の変化は?

運用総額の変化です。表の上に伸びている緑棒が資金が流入(売れた)、下に伸びている赤棒が資金流出(売られた)です。

【RYLD】は2021年の後半から2022年前半にかけて、運用総額が増えています。2022年後半以降は以前ほど運用総額が増えていません。

過去3年間で19.7億ドル、1ドル149円で換算すると約2900億円増えています。

 

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ライバルETFとデータを比較する

【RYLD】とライバルのカバードコール系ETFを比較します。ナスダック100カバードコールETF【QYLD】、S&P500カバードコールETF【XYLD】、JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETF【JEPI】と比べました。さらに高配当ETFの代表格【VYM】、ラッセル2000ETF【VTWO】とも比較します。

PORTFOLIO VISUALIZERを使用します。

 

株価推移を比較

まずは過去4年の株価を比較します。【JEPI】は設定されたのが2020年なので、このデータはありません。

2019年10月に1万ドルを投資した場合、2023年9月末の株価は【VTWO】は1万1700ドル、【VYM】が1万1600ドル。この2つが優秀でした。【XYLD】は7900ドル、【RYLD】が6800ドル、【QYLD】が7400ドルでした。

 

トータルリターンを比較

分配金を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。こちらも【JEPI】はありません。

2019年10月に1万ドルを投資して分配金を再投資した場合、2023年9月末の株価は【VYM】が1万3200ドル、【VTWO】は1万2300ドル。【QYLD】【XYLD】は1万1800ドル、【RYLD】は1万900ドルでした。

 

過去のトータルリターン

過去1、2、4年のトータルリターンの比較です。1年あたりのリターンのことで、幾何平均(CAGR/Compound Annual Growth Rate・年平均成長率)で求めます。

過去3年は【VYM】が11.9%、【JEPI】が9.8%。【RYLD】は5番手で5.6%でした。

過去4年は1つ前のトータルリターンのグラフと同じです。【VYM】が7.2%、【VTWO】が5.5%、【RYLD】は最下位で2.2%でした。

 

トータルリターン、シャープレシオ、ソルティノレシオを比較

ここからは、【RYLD】とライバルのカバードコールETF【QYLD】【XYLD】【JEPI】で比べます。過去3年のデータです。まずは、トータルリターン、シャープレシオ、ソルティノレシオを比較します。

トータルリターン(CAGR)は分配金を再投資した場合のリターンの年率(CAGR)です。

シャープレシオは、同じリスクを取った場合のリターンの大きさです。数値が大きいほど、リスクのわりにリターンが大きいことを意味し、投資効率の良さを示します。

シャープレシオ=(トータルリターン【CAGR】−リスクフリーレート)/リスク【Stdev・標準偏差】

ソルティノレシオは、シャープレシオのリスクの部分が、下落リスク(Downside Deviation)になります。下落リスクに対するリターンを評価します。一般的にこの数値が大きいほど、下落局面に強いことを示します。

ソルティノレシオ=(トータルリターン【CAGR】−リスクフリーレート)/下落リスク【Downside Deviation】

いずれの値も【JEPI】が抜きん出ており、【XYLD】が2番手、【RYLD】は3番手ですね。

【XYLD】と【JEPI】はシャープレシオに比べてソルティノレシオが好調です。S&P500が対象のため、下落リスクに耐性があると言えそうです。

 

リスク、最大下落率はどうか?

続いて、リスク、最大下落率を比較します。どちらも0に近いほど安定していると言えます。

リスク(Stdev 【Standard Deviation】)は リターンの変動性を示します。標準偏差のことです。ボラティリティとも同義です。値が低いほどリスクが少ないことを示します。安定したリターンを提供するETFを選ぶために重要な指標です。1つ前のシャープレシオにも登場しましたね。

最大下落率(Max. Drawdown)は、過去の最高値から最も大きく下落した割合を示します。投資期間中にどれだけ資金が減少したかを示すので、リスク管理の観点から重要です。

リスク(Stdev)は【XYLD】が低く、【JEPI】が続いています。最大下落率は【JEPI】が0に近いです。【RYLD】は【QYLD】よりは安定しています。

 

3年前に購入した場合の年間分配金は?

2020年10月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

3年間の分配金の合計は【RYLD】が4300ドル、【QYLD】が3900ドル、【XYLD】が3700ドル、【JEPI】が3300ドルでした。現在の分配金利回りの高さと分配金額は、だいたい比例しています。

 

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今後20年間でYOCはどのくらいになるのか?

最後に、今【RYLD】を購入したら、将来の利回り(YOC)がどのくらいになるかをシミュレーションします。

【RYLD】は増配銘柄ではありません。分配金額は不安定で予想するのが難しいです。そこで、分配金利回り12%、11%、10%、9%、8%の5パターンで検証します。いずれも分配金に変化がなかった場合で検証します。

「分配金は再投資する、税引き後(28%引かれる)、株価は変化しない」という設定にします。

分配金利回り12%が続き、再投資し続けると、20年目のYOCは41.7%になります。

分配金利回り11%が続き、再投資し続けると、20年目のYOCは33.7%になります。

分配金利回り10%が続き、再投資し続けると、20年目のYOCは27.0%になります。

分配金利回り9%が続き、再投資し続けると、20年目のYOCは21.4%になります。

分配金利回り8%が続き、再投資し続けると、20年目のYOCは16.7%になります。

もっとも分配金利回りの低い8%でも、再投資し続ければ、20年目のYOCは税引き後で16.7%と、なかなか高いですね。

カバードコール系ETFの将来は未知数ですが、似たような額の分配金が続き、再投資し続ければ、かなりの複利効果を得ることができそうです。

 

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まとめ

【RYLD】の2023年10月分配金は0.1616ドルでした。【RYLD】の原資産であるラッセル2000は小型株が中心でボラティリティが高く、2020年3月以降はプレミアムをほぼ2%以上獲得できています。そのため分配金はNAVのほぼ1%が続いています。【QYLD】と比べても、プレミアムを多く獲得できています。

【RYLD】の原資産であるラッセル2000は小型株が中心なので、大型株が中心の【XYLD】、ハイテク大型株が主力の【QYLD】とは対象が異なり、分散効果が多少は見込めそうです。

【RYLD】など超高利回ETFは、ついつい買いすぎてしまうケースが目立ちます。自分のリスク許容度をしっかり把握して、ポートフォリオの数%ぐらいまでとルールを決めたほうがいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

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