米国株以外に投資する場合は、どんなETFがオススメでしょうか? バンガード社は米国を除く世界をターゲットにしたETFをいくつか出しています。「バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF」【VXUS】、「バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF」【VEA】、バンガード・FTSE・ヨーロッパETF【VGK】を比較しましょう。
この3つのETFはどう違うのか?
この3つのETFの違いは、下の円のグラフでイメージしていただけると思います。ヨーロッパを対象としているのが【VGK】、ヨーロッパも含む米国を除く先進国がターゲットなのが【VEA】、米国を除くすべてが対象なのが【VXUS】です。つまり【VGK】が最も対象が小さく、【VXUS】が対象が大きいです。いずれのETFも米国は対象外です。
基本情報
経費率はいずれもかなり低水準です。とくに【VEA】が0.05%と抜群に低いです。分配利回り(配当利回り)は【VGK】が4.11%と高いですね。
ベンチマークや純資産総額はどうなっているか?
運用が始まったのは【VGK】が最も早いです。純資産総額は【VEA】が飛び抜けていますね。経費率の低さのおかげでしょうか。構成銘柄数は先ほどの円グラフの範囲の広い順になっており、【VXUS】が最多で、【VEA】は約半分、さらに1/3が【VGK】です。
セクター別の構成比率はどうなっているか?
セクター別の構成比率は、ほとんど同じです。金融が飛び抜けており、消費財が続き、資本財とヘルスケアがその次のグループです。ICB(Industry Classification Benchmark)による分類です。
組込上位銘柄の違いはあるのか?
組込上位銘柄は有名企業がズラリ顔を揃えています。ヘルスケアはすべてのETFで最多です。【VXUS】と【VEA】は比較的似ています。【VGK】は上位20銘柄の占める割合が多いですね。データは2020年3月31日のものです。
国別の違いはあるのか?
市場別の構成比率を見てみよう。【VXUS】と【VEA】のトップは日本。英国、フランス、ドイツの欧州主要国はすべてのETFで上位に入っています。【VXUS】から中国と台湾を除いたものが【VEA】。【VEA】から日本、カナダ、オーストラリア、韓国、香港を除いたものが【VGK】というイメージでだいたいオーケーです。
【VXUS】と【VEU】のトータルリターンを比較する
後発の【VXUS】が設定された2011年1月26日以降のトータルリターンの比較です。2016年以降は【VEA】と【VGK】は似たような動きをしていますね。トータルリターンは【VEA】が24.2%、【VGK】が22.1%、【VXUS】は少々劣勢で18.1%です。
【VOO】を追加してトータルリターンを比較
それではS&P500に連動している【VOO】を加えて比較してみましょう。ここ数年はアメリカ株が好調でしたので、圧倒的に【VOO】が上回っています。【VOO】のトータルリターンは167.7%です。
下落相場でのトータルリターンはどうか?
S&P500が最高値をつけた2020年2月19日以降のトータルリターンはどうでしょうか? 3銘柄ともに似たような値動きです。【VOO】がマイナス14.8%と最も成績が良く、【VXUS】はマイナス19.5%、【VEA】はマイナス19.8%、そして【VGK】はマイナス22.3%でした。
まとめ
最近10年はアメリカ株が強かったですが、今後はどうなるかわかりません。アメリカ株をメインに買っている人でも、アフター・コロナ時代のコア・サテライト戦略として、アメリカ以外を視野に入れるのも一つの方法です。ヨーロッパを対象としている【VGK】は配当利回りは4%を超えていますが、下落相場では今ひとつですね。アメリカを除く先進国の【VEA】は経費率が安く、値動きも安定していました。【VXUS】は新興国の成長次第ですね。