米国以外が対象のETF【VXUS】の2021年3月末データが更新されたのでまとめてみた

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バンガード社のバンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF【VXUS】のデータが更新されたのでまとめます。

【VXUS】の2021年4月23日の終値は65.12ドル、過去1年の分配金額は1.3362ドルなので、利回りは2.05%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します

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基本情報を確認しよう

【VXUS】のベンチマークは、FTSEグローバル・オールキャップ(除く米国)インデックスです。米国を除く世界の市場の約98%が対象で、このETF1本で米国以外のほとんどの地域をカバーしています。

米国以外の世界が対象の4つのETFを比較します。全米を除く先進国【VEA】、ヨーロッパ【VGK】、新興国【VWO】を比べてみましょう。すべてバンガード社なので、経費率は低いですね。

運用総額は【VEA】が10.5兆円、【VWO】が8.6兆円とかなり大きいです。利回りは2%前後で似ており、【VWO】が少し低いです。

 

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【VXUS】のセクター別の構成比率は?

【VXUS】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。金融の割合が最も多く、一般消費財、資本財、情報技術と続いています。

 

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【VXUS】の市場別の構成比率は?

地域別では、ヨーロッパが最多の38%で、アジア太平洋が29%、新興国が26%の間です。この3つのエリアがほとんどを占めています。

市場別は日本が最多で16%。以下、中国、英国、カナダ、フランス、スイス、ドイツと続きます。上位10カ国で全体の約74%を占めています。世界全体の株式相場は米国が圧倒的ですが、米国以外のエリアとなると、各国や各地域で飛び抜けたところがなく、バランスよく分かれています。

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【VXUS】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VXUS】の組込銘柄数は7510銘柄です。ベンチマークは、米国を除く世界の市場の98%をカバーする、FTSEグローバル・オールキャップ(除く米国)インデックス。上位20銘柄の組込比率の合計は約13.8%と少なく、世界中に分散されています。国別でトップのシェアだった日本は、ランクインしているのはトヨタ自動車、ソニー、ソフトバンク・グループです。上位は情報技術、一般消費財が多いですね。

 

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2020年3月以降の上位20銘柄の推移

組込比率上位20銘柄の推移です。1年前と比べて台湾セミコンダクター・ マニュファクチャリング(TSMC)【TSM】の比率が大幅に上がりました。ネスレ【NSRGY】やエフ・ホフマン・ラ・ロシュ【RHHBY】は比率を下げました。

 

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【VXUS】の過去の分配金と増配率は?

【VXUS】が設定されたのは2011年1月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

※背景がになっているのが減配です

【VXUS】の年間分配金額と年間増配率は?

【VXUS】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2020年は前年から24.5%減りました。年によって増配率はかなり違いますね。

【VXUS】の期別分配金は?

2021年3月の分配金は、前年同期よりも大幅に増えました。ただ、3月の分配金は毎年少ないので、年間トータルでの影響はそれほどなさそうです。前年比で大幅減となった次回の6月がどのくらい回復するか注目です。

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【VXUS】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りが3.0%前後でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月18日には利回りが4.6%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回り、利回りは約2.05%です。

 

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現在の【VXUS】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく1.3362ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ1.3362ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後【VXUS】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【VXUS】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VXUS】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。

2020年4月23日の終値は65.12ドル、過去1年の分配金額は1.3362ドルなので、現在の利回りは2.05%です。過去5年の平均利回りは約2.8%です。過去5年で株価はやや右肩上がりですが、配当が伸び悩んでいるので、早い時期に買ってもYOCはそれほど上がりません。2020年3月のコロナ・ショックの頃に買っていたら、現在YOCは3.2%前後になっていました。

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

【VXUS】と米国以外の世界の広範囲をターゲットにしているETFとの過去10年トータル・リターンを比較します。対象は、全米を除く先進国【VEA】、ヨーロッパ【VGK】、新興国【VWO】。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年4月から2021年3月までの10年を比べます。

2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年3月には【VEA】が1万7800ドル、【VGK】が1万7200ドル、【VXUS】が1万6500ドル、【VWO】が1万3800ドルになっていました。【VEA】と【VGK】はかなり似ており、【VWO】のリターンが少し劣っています。

年次リターン

1年ごとのリターンを比較しました。【VXUS】【VEA】【VGK】はリターンが似ています。【VWO】だけ特殊ですね。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。【VWO】は過去1年と5年のリターンはいいですが、過去10年が悪いですね。残り3つは似たようなものですね。

過去10年の分配金はどのくらいか?

過去10年の分配金を比較します。下のグラフは、10年前に1万ドルを投資した場合の、年間分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

パっと見た感じ、どのETFも分配金はあまり増えていないですね。ここ10年、米国と比較すると、その他の国は伸び悩んでいることが伺えます。

10年間の分配金の合計は【VGK】が4100ドル、【VEA】が3600ドル、【VXUS】が3300ドル、【VWO】が2500ドルでした。

 

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【VXUS】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(1.3362ドル)と1、3、5、7年前の同時期の過去1年分配金額(1.6449ドル、1.5355ドル、1.261ドル、1.654ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【VXUS】株を2021年4月23日の終値65.12ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

増配率は過去1年がマイナス18.8%、過去3年がマイナス4.5%、過去5年が1.2%、過去9年がマイナス3.0%でした。現在の利回りは2.05%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが2.05%なので、年間分配金額は205ドルです。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は89ドル、10年目の分配金額は32ドルになります。もっとも成績の良い過去5年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は215ドル、10年目の分配金額は228ドルになりそうです。分配金額228ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.28%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を年1回再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は95ドル、10年目の分配金額は35ドルになります。もっとも成績の良い過去5年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は233ドル、10年目の分配金額は274ドルになりそうです。分配金額274ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.74%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は205ドルではなく、税引き後の148ドルになります。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は67ドル、10年目の分配金額は24ドルになります。もっとも成績の良い過去5年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は164ドル、10年目の分配金額は188ドルになりそうです。分配金額188ドルはYOC(購入額に対する利回り)1.88%です。

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まとめ

【VXUS】の現在の利回りは2.05%です。米国が対象の【VTI】や【VOO】は1.5%を切っているので、それらと比較すると分配金は期待できます。ただ、増配率があまりよくないので、将来分配金が増えていくかは不透明です。

なお、次回の分配金は6月21日が権利落ちのようです。