米国株以外に投資する場合は、どんなETFがオススメでしょうか? バンガード社は米国を除く世界をターゲットにしたETFを2つ出しています。「バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF」【VXUS】と、「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)ETF」【VEU】を比較しましょう。
※「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF」【VSS】も米国を除く世界がターゲットですが、小型株が対象なので今回は取り上げません。
基本情報
経費率は【VXUS】【VEU】ともに0.08%で、かなり低水準です。分配利回り(配当利回り)も似たような感じです。
ベンチマークや純資産総額はどうなっているか?
運用が始まったのは【VEU】が先です。そのため、純資産総額は【VEU】が多いです。構成銘柄数は【VXUS】が約2倍です。【VXUS】は大・中・小型株すべてが対象で、【VEU】は大・中型株が対象だからです。
無理やり米国株に例えると、【VXUS】が【VTI】みたいなもので、【VEU】は【VOO】をイメージしていただければ、いいかもしれません。
セクター別の構成比率はどうなっているか?
セクター別の構成比率は、ほとんど同じです。金融が飛び抜けており、資本財と消費財が同じぐらいで続き、情報技術、消費サービス、ヘルスケアがその次のグループです。ICB(Industry Classification Benchmark)による分類です。
組込上位銘柄の違いはあるのか?
組込上位銘柄は有名企業がズラリ顔を揃えています。ヘルスケア、情報技術(IT)、金融が多いですね。上位20銘柄は【VXUS】と【VEU】は若干順位が入れ替わっている程度で、ほぼ同じです。日本からはトヨタ自動車しかランクインしていません。データは2019年2月29日のものです。
国別の違いはあるのか?
市場別の構成比率を見てみよう。トップは日本。先ほどの組込銘柄では上位20に1銘柄しか入っていなかったですが、総合力では強いですね。ただし、時価総額の大きな超巨大企業が少ないという見方もできますね。以下、英国、中国、カナダ、フランス、ドイツなどが続きます。【VXUS】と【VEU】の違いはほとんどないですね。上位10市場で7割を超えているのも興味深いです。
【VXUS】と【VEU】のトータルリターンを比較する
後発の【VXUS】が設定された2011年1月26日以降のトータルリターンの比較です。【VXUS】と【VEU】は同じような動きですね。トータルリターンは【VXUS】が16.4%、【VEU】が15%と少し差がつきました。
【VOO】を追加してトータルリターンを比較
それではS&P500に連動している【VOO】を加えて比較してみましょう。ここ数年はアメリカ株が好調でしたので、圧倒的に【VOO】が上回っています。トータルリターンは157.2%です。
下落相場でのトータルリターンはどうか?
S&P500が最高値をつけた2020年2月19日以降のトータルリターンはどうでしょうか? 3銘柄ともに似たような値動きです。【VOO】がマイナス18.2%、【VEU】はマイナス20.5%、【VXUS】はマイナス20.7%でした。
まとめ
最近10年はアメリカ株が強かったですが、今後はどうなるかわかりません。アメリカ株をメインに買っている人でも、アフター・コロナ時代のコア・サテライト戦略として、アメリカ以外を視野に入れるのも一つの方法です。【VXUS】と【VEU】の比較は、ほとんど差がなかったのですね。